ICH E2C 安全性管理: 定期的リスク-便益評価レポート（PBRER）5

ICH E2は安全性管理に関するガイドラインです。E2Cは定期的なリスク-便益評価レポート（PBRER: Periodic Benefit-Risk Evaluation Report）についてのガイドラインです。5ではPBRERの内容のつづきについてまとめています。

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1. ICH E2C 安全性管理: 定期的リスク-便益評価 レポート（PBRER）5 2020/12/14 Ver. 1.0
2. PBRERの内容について: 効能なしの場合 対照あり臨床研究で効能が認められなかったとき • Section 11に記載する • 現行の治療と比較して効能が小さい場合にも記載＊ ＊致命的な症状に対する治療・維持治療の場合が対象
3. 最新の情報について DLP後、PBRER提出前にわかったことについて記載する • 論文・フォローアップの結果などを記載する • 新しい個々の症例報告は含めない • 重要な場合、追加情報のときは含める場合もある • 安全性の基準情報に変更があった場合も記載が必要
4. シグナルの概要 安全性のシグナルについての情報を記載する • シグナルには検証が必要となる • シグナルについてのクラス分け、評価は16に記載 • DLP時点での評価により、ClosedとOngoingに分ける • Closedでは追加発見があったときに追加報告を行う ＊副作用の傾向や兆し、きっかけなどのうち、未知で理解が進んでいないものをSignalと呼んでいるようだ
5. シグナルの概要 シグナルの情報として、以下をまとめる • シグナルの説明 • シグナルの発見日 • ClosedかOngoingか • Closedになった日 • シグナルの発見元 • データの要約 • 今後の検証予定 • 対応策
6. シグナルとリスクの評価 Section 16に評価結果を示す • シグナルの要約、Closedシグナルの評価 • 評価に関する新情報、リスク評価の追加情報 • リスク低減方法の評価 をそれぞれ記載する
7. 安全性に関する懸念の結論 安全性リスクについて結論を示す • 重要なリスクは明らかなもの、可能性共に示す • 情報が足りない部分で重要なものについても示す • リスクの大きさや頻度、予想可能性などをまとめる • Safety Specificationの有無により記載が変化する ＊Safety SpecificationはE2Eに記載
8. シグナルの評価 Section 16.2に記載する • 報告期間にClosedとなったシグナルすべてを記載 • 期間中にリスクを否定/同定した場合にClosedとする • 否定/同定のどちらの場合にも詳細を説明する ＊詳細として、情報源、背景、評価方法、結果、考察、結論を書く
9. リスク評価と新規情報 Section 16.2に記載されなかった新情報を16.4に記載する • シグナルとしなかった既知のリスクにおける新情報を記載 • リスクの重大性、性質などを記載する • 新規情報の詳細について記載する ＊詳細として、情報源、背景、評価方法、結果、考察、結論を書く
10. リスクの性質決定 リスクの性質を示し、欠けている情報を記す • 頻度 • 発生数 • 使用回数 • 相対・絶対的リスク • 患者への影響 • 公的健康への影響 • リスクを受ける患者の性質 • 用量、投与経路 • 治療期間、リスクの期間 • 防止可能性、回復可能性 • 考えられるメカニズム • 証拠の確からしさ
11. リスク低減策の効果 リスクの性質を示し、欠けている情報を記す • 対策の効果・限界などを示す • 承認された地域ごとの結果を示す