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ICH Q5A 生物学的製剤のウイルスに対する安全性の評価2
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August 21, 2020
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ICH Q5A 生物学的製剤のウイルスに対する安全性の評価2
Q5Aは生物学的製剤のウイルス安全性の評価法のガイドラインです。
xjorv
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August 21, 2020
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Transcript
ICH Q5A ヒトもしくは動物細胞系統 から得られる生物学的製剤のウイル スに対する安全性の評価 2 2020/8/8 Ver. 1.0
ウイルスクリアランスの検証 ウイルス除去・不活化を定量的に検証する • ウイルスを混入させ、除去/不活化の結果を確認する • 不活化の時間応答性を調べておく • 特定のウイルス以外でも検証しておく
クリアランス検証に用いるウイルス 検証に使用するウイルス種の選択理由の説明が必要 • Relevant、modelウイルスのうちから選ぶ • Relevantは混入が特定された、もしくは類似のウイルス • Relevantがない場合にはmodelウイルスを選択する • Non-specific
modelウイルスも同時に検証する Relevant、Specific/Non-specific model virusについては用語に記載。Specific modelの種についてはAppendix 2に記載
クリアランス検証実験のデザイン 以下の項目について考慮した実験デザインで行う • 研究機関と研究を行う者 • スケールダウンした製造システム • 各製造段階でのウイルス除去の解析 • 除去・不活性化の選択
• 不活性化の検証 • カラムの機能と再生 • その他予防的措置
研究機関と研究を行う者 検証には製品の製造ラインは使用しない • GMP運用上問題がある • ウイルス検証用の研究室で検証する必要がある • ウイルスの知識が十分にあるスタッフが実施する
スケールダウンした製造システム 検証にはスケールダウンした製造システムを用いる • スケールダウンの影響の検証は十分に行う • なるべく実生産と同じ条件*となるように配慮する • 違いが生じる場合には、十分な説明が必要 *クロマトグラフ装置、カラムの長さ、液速、液速/カラム長さ比、緩衝液、 ゲルのタイプ、pH、温度、タンパク質濃度、塩類、製品が製品と同等である
各製造段階でのウイルス除去の解析 ウイルス除去後だけでなく、他の製造ステップも検証する • ウイルス除去・不活化処理前後は必ず検証する • ウイルスを様々な工程で混入させ、除去能を確認する • ウイルスが多くなる画分を検証することが望ましい • 検証を統計的に理解するのに十分な繰り返しを行う
除去・不活性化の選択 除去が物理的除去/不活化によるものであることを示す • 除去効果が低いときには、除去工程を追加する • 不活化は不活化バッファーによるものが多いようだ • 除去はカラムで取り除いていることが多い • どちらでどれだけ取り除かれたのか示す
不活性化の検証 ウイルスを混入させ、除去効率係数*1を計算する • ウイルス不活化には速い区分と遅い区分*2がある • 不活化の時間依存曲線を作成し、検証する • Relevant、Modelの使用により検証回数は異なる *1: reduction
factor。計算法はAppendix4と5に記載 *2: Phase1とPhase2があり、1が速い応答、2が遅い応答
カラムの機能と再生 使用とともに、ウイルス除去カラムの機能は変化しうる • 繰り返し使用時の除去能力変化を検証しておく • 再使用時にはウイルスが除かれていることを確認する
その他予防的措置 状況により、その他の予防措置を必要とする • ウイルスの集合体が生成される場合には注意が必要 • 検証可能な最小量のウイルス量を事前に把握しておく • サンプルの希釈・濃縮・ろ過・蓄積による不活化についても調べておく • ウイルス混入時は混入量が希釈を起こさない程度の少量で行う
• バッファー、溶液、試薬の少しの変化でも除去に大きな影響を及ぼしうる • 除去は時間依存的なので、生産時の除去時間を考慮し検証する • バッファーや製品によるウイルステストへの干渉について考慮する • 同じバッファー、カラムを使っても、状況により除去率が異なる可能性がある • バッファーや製造環境に高い細胞毒性があると、除去を低く見積もるときがある
ウイルスクリアランス研究の解釈 ウイルスの除去能力に十分な余裕が必要 • 未精製バルクのウイルス量以上を除去するのが基準 • ウイルスのクラスで除去の仕組みが異なることがある
除去能力を判断する上で考慮すべき要因 各要因の組み合わせを評価する • 試験に用いたウイルス種選択の最適性 • クリアランス研究のデザイン • 対数減衰の達成 • 時間依存的なウイルスの不活性化
• 工程パラメータのばらつきによる不活性化への影響 • 検出感度の限度 • クラスに応じた不活化/除去法の選択
効率のよいクリアランスの条件 • 複数の不活性化工程 • 複数の補完的な分離工程 • 不活化と分離工程の組み合わせ 分離工程はウイルス種により効率が異なる* を持つ *ウイルスによりゲルなどとのアフィニティ、沈殿の仕方が異なるため。おもにウイルス表面の糖鎖に依存する
ウイルス除去効率が10以下ならほぼ効果がない
クリアランス研究の限界 以下の条件のときには除去効率を正確に検証できない • ウイルスが培養組織から発生したとき* • ウイルス不活化に対して抵抗性のものが残る場合 • 効果的でない除去工程を過剰評価する場合 • 除去率をかけ合わせても、ウイルスはゼロにならない
• スケール差により結果が異なる場合 • ウイルス除去工程の追加を過剰評価する場合 *外生のものと内生のものでは集合体(aggregate)生成の状態が異なるらしい
統計と再評価 結果の統計解析/クリアランスの再評価が必要 • 統計に関してはAppendix3に記載 • 製造工程の変更時などにはクリアランスを再評価する