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ICH Q6B 生物学的製剤の規格 1
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xjorv
August 29, 2020
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ICH Q6B 生物学的製剤の規格 1
ICH Q6Bは生物学的製剤の規格(試験方法と許容範囲のこと)に関するガイドラインです。
xjorv
August 29, 2020
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Transcript
ICH Q6B 生物学的製剤の規格 1 2020/8/17 Ver. 1.0
ガイドラインの対象 タンパク質・ポリペプチドとその誘導体が対象 • 遺伝子組み換え、培養細胞由来のもの • 細胞や体液から精製したものを含む • 抗生物質、合成タンパクは含まない • ヘパリン、ビタミン、代謝物、DNAなども含まない
• ワクチン、細胞、血液製剤も含まない
規格設定の原則: Characterization(評価) 製剤のCharacterizationは規格設定に必須 • 規格は非臨床・臨床試験を含むデータを基に設定する • 開発段階・工程変更時にもCharacterizationを行う • 製品は適切な対照標準物質*との比較が必要となる •
適切な対照標準物質の確立も承認申請に必要 *正当化の理由があれば自然界に存在する同物質を用いてもよい
物理化学的特性 製剤の構造や物理特性などを指す • 構造や修飾にばらつきが生じる場合がある • ばらつきの影響を非臨床/臨床試験で明らかにしておく • 製造や保存によるばらつきが生じることもある
生理活性 生物学的な効果をもたらす能力を指す • 生理活性の評価法は申請者が準備する • 動物・培養細胞・生化学的方法などがある • Potency(力価)とQuantity(量)を調べる • 活性は内部・外部対照と比較して決定する
免疫化学的特性(Immunochemical) 有効成分が抗体のときの抗体-抗原反応の検証 • 抗原親和性、結合部位の特定などを指す • 抗原結合部位*の生化学特性を調べる • ELISA*やウエスタンブロットなどを使うときもある *epitope: エピトープ。普通は長鎖と短鎖の結合部位の先端を指すと思われる
*ELISA: enzyme-linked immune sorbent assay。抗体に酵素を付けたものでタンパク質を検出する方法
純度(Purity) 古典的には単位有効成分量あたりの生理活性を指した • 方法依存的で測定が難しい • 構造のばらつきなどは不純物には含まない* • 製品関連物質の規格が必要となるときもある • 出荷試験として適切な方法・許容範囲が必要
*Product-related substances、製品関連物質とされている
不純物(Impurities) 工程・製品に依存するものを指す • ある閾値より多い場合は特定し、生理活性を調べる • 細胞/培養液由来のもの、活性を持たない構造変化物など • 不純物は個々/合計での規格設定が必要となる
混入物(Contaminants) 外部から持ち込まれる物質や細菌などを指す • 厳密に避ける、もしくは制御する必要がある • 他のガイドライン*を参考にした試験を行う *Q5AとQ5Dを参照する
量(Quantity) 有効成分となるタンパク質の量のこと • 物理化学的手法で測定する • 包装時には活性の代わりの指標とすることもある
分析に関する事項: 対照標準 新規有効成分の標準はほとんどの場合整備されていない • 社内で準備できるように規格を設定する • 一次標準を基に試験に使用する標準の規格適合を判定する • 国際/国内標準が使えれば、それを一次標準とする •
不純物に対する標準も準備するのが望ましい
分析法バリデーション 規格設定した試験方法にはバリデーションが必要 • Q2のガイドラインにしたがう
工程管理(Process control) 開発-商用製造のデータにしたがい工程管理値を設定する • 不純物の除去が十分な場合、規格を必要としないこともある • 生物的原料・試薬・添加剤・包装にも規格が必要
局方の規格 局方に記載された試験を利用する • 無菌試験、エンドトキシン、微生物限度試験など • 容器の用量や含量均一性の試験なども使用する
Release limitsとShelf-life limits 出荷時の規格は有効期限時の規格より厳しいほうがよい • 力価や分解産物に適用することが望ましい • 規制当局ではなく、社内規格として設定する場合もある
統計 量的な結果には統計解析を行う • 解析方法については正当化し、詳細に記載する
規格設定の正当化(Justification) 品質保証のための試験について正当化の記載が必要となる • 製造工程と関連した規格 • 安定性試験と関連した規格 • 非臨床・臨床研究と関連した規格 • 分析方法と関連した規格