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全社PMOの運営から考えた組織的プロジェクト管理の勘所 (2020/04/23 JBUG 東京#15 LT資料)

全社PMOの運営から考えた組織的プロジェクト管理の勘所 (2020/04/23 JBUG 東京#15 LT資料)

JBUG東京#13での発表から約5ヶ月。
https://speakerdeck.com/yasuoyasuo/12-jbug-dong-jing-number-13-ltzi-liao

組織の中で多くのプロジェクトが効果的に運営される仕組みづくりにおける挑戦とそこでの気付きをまとめました。まだ道半ばですが、同じ課題に悩む方の何かお役に立てれば幸いです。

中野康雄(ARI)

April 23, 2020
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Transcript

  1. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 自己紹介 twitter/note/Qiita で情報発信中。 良かったら覗いてみてください♥ 中野

    康雄(なかのやすお) 兵庫県宝塚市出身 S49年生 @yasuoyasuo ARアドバンストテクノロジ株式会社 (略称ARI) 取締役執行役員(事業担当) 兼TechCoE事業室長  全社戦略、事業管理、PJ品質管理 人材育成、中途採用、一部PJ業務 などを担当  BacklogWorld2020運営チーム 2 微妙な コメントあざす 3万View 感謝
  2. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. ARIってどんな会社? 創業11年目のSI&サービス提供 社員数400名、国内3拠点 (渋谷、大阪、名古屋) 仮想化、音声、クラウド基盤、

    アプリケーション、AIへと領域拡大 近年はデザインやITコンサル体制拡充 パッケージ製品や自社SaaS提供も Biz Tech Creative 三位一体提供型の 次世代DXファームを目指し奮闘中 ARI で検索! 3
  3. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 我々が大事にしたい考え方 9 プロジェクト マネジメント 部門内

    マネジメント 経営  現場を孤立させない  PMを組織として支える  プロジェクトを絶対炎上させない  9勝1敗では組織として負け  最低でも引き分けに持ち込み 社員と顧客と会社を守る  可能な限り人や案件に依存しない 「しくみ」を会社として整備  標準化やテンプレート化  マニュアル化  教育プログラム化 つまり 現場 支援 支援 相談 相談
  4. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 我々の考える組織的プロジェクト管理とは? 10 プロジェクト マネジメント 部門内

    マネジメント 経営  全プロジェクトの網羅的俯瞰と 個別PJ内では対応しきれない リソース調整や問題解決  PMを孤独にしない  レビュー(見積/PJ計画/工程完了)  経営レベルでの効果的な 投資判断やリスク管理  先行投資(教育/環境整備)  部門を超えたリソース投入  財務影響の考慮 今日の テーマ 支援 支援 相談 相談
  5. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 全社のPJモニタリング体系の構築 13 ③PJメンバの主観評価 ②全PMからのリスク共有 ①利益率推移や稼働時間

    全社PMO PM・部門長・役員 アラート (リスク管理) ファシリテーター(全社PMOメンバ) PM PMO 部長 /U長 対策協議 (組織でのPJ管理) 基幹S 基幹S 全社員が月次勤怠登録時に アサインPJに対して状況評価  複合的に情報を集約し プロジェクトのリスクを月次スコア化  利益率(当初計画対比)  PMからのPJ状況の自己申告  全社員からの従事案件に対する 状況評価  大規模PJで個別モニタリングを 行っているものの評価結果  リスクスコアが一定値を超えたものを 部門長や役員で状況確認
  6. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 各部門内での案件リスク共有の仕組み 14  各部門別に月次でリスク評価し共有 

    品質、社員、営業の3軸  レベル1~3の3段階評価  2以上を集中して対策検討
  7. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 何が起こったか? 15  社内に共通言語ができはじめた 

    定期的に漏れなく案件情報を共 有できる基盤ができた  現場メンバーの声を拾えはじめた  直接の上司には言いにくいこと  役員層が社内のPJ状況を 漏れなく把握できるようになった  施策の意図が浸透しきらなかった  モニタリングが全社PMOへの 報告業務だと思われていた (あくまでも情報とりまとめ役)  一部で全社PMOに対する情報に お化粧が生まれ始めた  リスクが高まったPJへのリカバリ 主体について、役員と部門長と の間で一部お見合いが生まれた 良かったこと 問題だったこと
  8. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 推進側の思い込みを徹底的になくす 17  「・・・のはず」を排除し、言語化して繰り返し周知する 

    繰り返し形を変えて話さないと伝わらない  キーマンには1-1で話す(他人がいると本音をだしていないことがある)  成果を焦りすぎない  一定の経験を持った役職者層なら、みな無意識のバイアスがあって当たり前  時には相手が必要になるタイミングを気長に待つことも大切  部門が自ら取り入れたくなる成功事例を複数作る  刺さるポイントは人それぞれ  複数の視点で成功事例を用意する
  9. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 「しくみ」に固執しすぎてなかったか? 19 「しかけ」 プロセス ツール/ITシステム

    考え方・制度 「しくみ」  まず「しくみ」は必要 • 考え方や制度 • プロセス • ツール/ITシステム  しくみの品質(ディティール)も 大切  でも「しくみ」をうまく回すには 「しかけ」が不可欠 全体をうまく回すための  作戦(主にコミュニケーション戦略)  人間関係や文脈作り
  10. Copyright ©A.R.I. All Rights reserved. 23 全社PMOの運営から考えた 組織的プロジェクト管理の勘所 <完> 2020年4月23日

    ARアドバンストテクノロジ株式会社 中野康雄(@yasuoyasuo) Twitterなどで 感想頂けると うれしいです JBUG 東京 #15 オンライン