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BtoB分野のデータサイエンティストとして5年生きた四方山話をする / A message a...

BtoB分野のデータサイエンティストとして5年生きた四方山話をする / A message about a data scientist in the BtoB field for 5years

2019.9.26 Data Gateway Talk Vol.3の「先輩枠」で話した内容です。
https://data-gateway-talk.connpass.com/event/140541/

吉田勇太 / ysdyt

September 26, 2019
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Transcript

  1. 2019-09-26  Data Gateway Talk Vol.3 BrainPad Inc. Yuta Yoshida BtoB分野の

    データサイエンティストとして 5年生きた四方山話をする 新卒一年目の新卒研修の様子です
  2. - 吉田勇太 / ysdyt(@yutatatatata) - 株式会社ブレインパッド新卒5年目 - リードデータサイエンティスト - 画像分析・機械学習システムの導入など

    - 社外 - 東洋大学 情報連携学部(INIAD) 非常勤講師 - Data Analyst Meetup Tokyo 運営メンバー 自己紹介
  3. 画像分析マン 最適化マン マーケティング 分析マン ビジネス要件 定義強いマン 分析オールマ イティーマン 機械学習マン プロSQL

    クエラー でも、あらゆる業界でいろんなタイプの球を打ち返せるDSが弊社には (誰かしら)います
  4. 受託分析サービスの特徴 - 受託分析の主な特徴 - クライアントによって扱うデータが異なる - 扱う議題も多種多様 - 取り得るアプローチも様々 -

    短期の分析をたくさん回す - 幅広い知識・経験が求められることに加えて、短期で様々な案件を回すので受託 分析特有の難しさが存在します
  5. 例えば、すごく心配性の人に「明日雨降りそうって聞いたけど降水確率って何%?」と聞か れるとします。
 
 「90%と10%だったらどう変わるの?」と聞き返したら、「どっちみち傘を持って行きます」 みたいな。
 
 これですと結局、意思決定は変わらないので、分析する必要はないですよね。 
 実は、こういうことって結構あるんですよ。 


    
 ですので、分析の依頼があった時にも場合によっては「分析の結果がAだった場合とBだった 場合で、意思決定は変わりそうですか?」ということは聞きますね。 
 
 それで「うーん」みたいな感じだと、その分析はさほど必要ではないということになりま す。
 
 
 引用:「大げさな分析資料はいらない。メルカリの「意思決定」を支えるデータアナリストの役割」
  6. ビジネス課題特定 分析設計 分析作業 意思決定 自動化 課題 問題設定 アルゴリズム 判断材料 PM

    DS 開発者 PJ責任者 最近ニーズが多いのは「アルゴリズムのシステム化」までやるタイプ
  7. ビジネス課題特定 分析設計 分析作業 意思決定 自動化 課題 問題設定 アルゴリズム 判断材料 PM

    DS 開発者 PJ責任者 しかしこれはデータサイエンティストの仕事範疇か? ビジネスコンサルの領域?
  8. 日本は”エグゼキューター”に過剰に価値を置いている(ように見える) PM DS 開発者 ディレクター エグゼキューター プロデューサー エグゼキューター ビジネス課題特定 分析設計

    分析作業 意思決定 自動化 課題 問題設定 アルゴリズム 判断材料 PJ責任者 やりがいや楽しさもイメージしやすい でもここも楽しいぞ
  9. DSが上流工程系の仕事にジョブチェンジしてるのは...? プロデューサー PM DS 開発者 ディレクター エグゼキューター エグゼキューター 例: 上流コンサル

    ソリューション系 UIUXデザイン系 新規事業開発 ベンチャー系 用意された舞台ではなく、自 身で舞台自体から設計 する楽しさ ※単純に、不確実性の高い内容を扱える人の方が お賃金が高いという大人の事情も a(ごにょごにょ)
  10. 燃えるとすれば何が原因か? - 「お客さんの期待する精度までいかなかったらどうなるの?炎上?」 - 「技術的に難しくて解けない問題だったらどうする?」 実際あまり問題ではない - → 事前に期待値調整をして、精度が出なかった場合の代案を出しておく -

    → 問題を整理し、他のアプローチで解く 「分析が失敗して燃える」ということは(絶対とは言えないが)まぁほぼ無い ここのコミュニケーションが上手くいってなかった場合
  11. コウカイ サキ二 タタズ - 「ここのデータ持ってる人と話を付けておけば...」 - 「あそこのエンジニアを早めにmtgに巻き込んでおけば...」 - 「あの偉い人に早めにインプットしておけば...」 -

    「この質問を先に聞けていれば...」 - 「Aさんの前にBさんと先に握っておけば...」 - 「先方担当者のレポートラインを知っておけば...」 - 「クライアント企業の予算取り時期を先に知っていれば...」 だんだん察知能力が高くなっていくが、 基本的にはコミュニケーションを重ねるしか無い
  12. 特に「期待値調整」が大切 分析は何がアウトプットになるかわかりにくい - 有形商材 = 見たまんまのもの = 期待値ズレない - 無形商材

    = アウトプットわからない = 期待値ズレやすい コミュニケーションとラピッドプロトタイピングが鍵
  13. おそらく データ分析・機械学習社会実装のハードルは「人間の感情」「無理解」 - 各家庭に繋がる古い水道管で汚染水問題 が発生→掘り出して交換が必要 - 機械学習で交換必要性が高い水道管を予 想。交換優先度をつける。 - 優先度が低い住民がクレーム。「なぜ自分

    は後回しなんだ!」 - 機械学習の内容や結果を住民にわかりや すく説明できない実施側 - 機械学習の結果を無視し、 ”平等に”パイプ を調べて交換するようになる - 結果、交換対応が遅れて被害が拡大 https://note.mu/datascience/n/nde5bd9d68afe 「期待値調整」はポエムか?
  14. BtoB分野で五年生きた四方山話 ▪ 分析の目的はビジネス課題の解決 - 「分析をすること」が目的ではない - 常に分析の出口を意識する ▪ 顧客が欲しいのは「意思決定」? -

    「100%正しい答え」ではなく「プロの判断」を期待されている - 意思決定するための情報と共に、「意思決定自体の叩き台」も期待しているかも ▪ 分析の仕事と「コミュニケーション」 - 素早いプロトタイピングでコミュニケーションを具体化し期待値を調整し続ける - 「正しいやり方」に固執せず、PJメンバー全体の「理解」と「モチベーション」を得る