Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ジョブマッチングプラットフォームにおける推薦アルゴリズムの活用事例
Search
Yudai Hayashi
July 02, 2025
Technology
0
49
ジョブマッチングプラットフォームにおける推薦アルゴリズムの活用事例
東京大学で行なった、産学連携交流会での発表資料です
Yudai Hayashi
July 02, 2025
Tweet
Share
More Decks by Yudai Hayashi
See All by Yudai Hayashi
ユーザーのプロフィールデータを活用した推薦精度向上の取り組み
yudai00
0
640
MCP Clientを活用するための設計と実装上の工夫
yudai00
1
1.2k
人とシゴトのマッチングを実現するための機械学習技術
yudai00
1
55
MCPを理解する
yudai00
17
12k
データバリデーションによるFeature Storeデータ品質の担保
yudai00
1
200
「仮説行動」で学んだ、仮説を深め ていくための方法
yudai00
8
1.9k
相互推薦システムでのPseudo Label を活用したマッチ予測精度向上の取り組み
yudai00
1
930
Wantedly Visitにおけるフリーワード検索時の推薦のオンライン化事例紹介
yudai00
1
310
RustとPyTorchで作る推論サーバー
yudai00
12
7.4k
Other Decks in Technology
See All in Technology
AI-ready"のための"データ基盤 〜 LLMOpsで事業貢献するための基盤づくり
ismk
0
120
決済システムの信頼性を支える技術と運用の実践
ykagano
0
150
仕様駆動開発を実現する上流工程におけるAIエージェント活用
sergicalsix
12
6k
AIがコードを書いてくれるなら、新米エンジニアは何をする? / komekaigi2025
nkzn
25
17k
ubuntu-latest から ubuntu-slim へ移行しよう!コスト削減うれしい~!
asumikam
0
300
AIで急増した生産「量」の荒波をCodeRabbitで乗りこなそう
moongift
PRO
0
600
[Journal club] Thinking in Space: How Multimodal Large Language Models See, Remember, and Recall Spaces
keio_smilab
PRO
0
120
2025 DHI Lightning Talks
digitalfellow
0
100
今日から使える AWS Step Functions 小技集 / AWS Step Functions Tips
kinunori
4
380
AIとの協業で実現!レガシーコードをKotlinらしく生まれ変わらせる実践ガイド
zozotech
PRO
2
350
[AWS 秋のオブザーバビリティ祭り 2025 〜最新アップデートと生成 AI × オブザーバビリティ〜] Amazon Bedrock AgentCore で実現!お手軽 AI エージェントオブザーバビリティ
0nihajim
2
370
Data Engineering Guide 2025 #data_summit_findy by @Kazaneya_PR / 20251106
kazaneya
PRO
9
1.6k
Featured
See All Featured
Reflections from 52 weeks, 52 projects
jeffersonlam
355
21k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
192
56k
Building a Modern Day E-commerce SEO Strategy
aleyda
44
8k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
407
66k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
140
34k
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
140
7.2k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
35
3.2k
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Code Review Best Practice
trishagee
72
19k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
55
9.1k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
132
19k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
36
6.1k
Transcript
© 2025 Wantedly, Inc. ジョブマッチングプラットフォームにおける 推薦アルゴリズムの活用事例 コンピュータ科学専攻 2025年度 第二回産学交流会 Jun.
30 2025 - Yudai Hayashi
© 2025 Wantedly, Inc. 自己紹介 林 悠大 • 経歴: ◦
2022年に東京大学大学院工学系研究科 物理工学専攻で Ph.D取得 ◦ 同年ウォンテッドリー株式会社に新卒入社。データサイエン ティストとして推薦システムの開発に従事 • ウォンテッドリーに入社したきっかけ: ◦ 2019年にウォンテッドリーの長期インターンシップに参加して 開発組織やカルチャーに魅力を感じたため @python_walker @Hayashi-Yudai
© 2025 Wantedly, Inc. CONTENTS 01 発表の目的 02 なぜ推薦が必要なのか 03
ウォンテッドリーでの機械学習技術の活用事例 - 相互推薦 04 ウォンテッドリーでの機械学習技術の活用事例 - 新規ユーザーへの推薦 05 今後取り組んでいきたい課題 06 まとめ
© 2025 Wantedly, Inc. 発表の目的 • ウォンテッドリーに推薦システムがなぜ必要なのか知ってほしい • プロダクト課題の解決に機械学習をどのように活用しているのか知ってほしい •
ウォンテッドリーでの機械学習活用に興味を持ってほしい
© 2025 Wantedly, Inc. ウォンテッドリーのビジョンと機械学習活用 • 一時的でも局所的でもない、 ヒトとシゴトのマッチング をテクノロジーの力を使って実現する •
データの力 で理想的なマッチングを 究極の適材適所により シゴトでココロオドルひとを増やす
© 2025 Wantedly, Inc. なぜウォンテッドリーに推薦技術が必要なのか たくさんのユーザー (> 400 万人) たくさんの企業
(> 4 万社) エンジニア になりたい デザインスキル を向上させたい リモートで働 きたい Pythonが使 える人が欲 しい マネジメント経 験がある人が 欲しい 意欲のある人 が欲しい 魅力的なユーザー・企業を見つけるのは難しい 大量のコンテンツの中から自分に合ったものをみつけるのは簡単なことではない
© 2025 Wantedly, Inc. なぜウォンテッドリーに推薦技術が必要なのか エンジニア になりたい 魅力的なユーザー・企業を見つけるのは難しい ユーザーが必ずしも自分の持つ嗜好を完全に把握しているとは限らない https://www.wantedly.com/companies/wantedly/p
ost_articles/465747
© 2025 Wantedly, Inc. なぜウォンテッドリーに機械学習が必要なのか 大量のコンテンツの中から、 適切なコンテンツを適切なユーザーに届ける には機械学習を利用した 推薦を行なうことが必要不可欠
© 2025 Wantedly, Inc. どこで推薦システムが活用されているか 募集の一覧ページ • 募集が一覧で並んでいるページで活用 • ユーザーのプロフィールや、これまでの行動履歴をも
とに、興味を持ちそうな募集を一覧ページに表示 募集 ユーザーの プロフィール
© 2025 Wantedly, Inc. ユーザーが 気になる 興味がない 興味がない 会社が気に なる
◯ マッチ成立 ☓ スカウト返信 が来ない ☓ スカウト送信さ れない ☓ 何も起きない ジョブマッチングサービス ECサービス アイテムが 気になる 興味がない ◯ 購入 ☓ 購入しない 企業がユーザーに興味を持っていて、 かつユーザーが企業に興味を持っていないとマッチ ングが成立しない ジョブマッチングサービスの難しさ
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 相互推薦システム 企業とユーザーの両方の嗜好をバランスよく捉えることでマッチングを実現 両者の嗜好を別々のモデルで捉えて集約するという解決策 M
最終スコア 集約関数 e.g. 調和平均 pc→j pj→c
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 相互推薦システム オンラインテスト結果の推移 非相互推薦 相互推薦
オンラインテストでこれまでの推薦システムより圧倒的 に良い結果を示した • 双方向の嗜好をバランス良く推薦に反映させら れるようになった結果 • 双方向の嗜好を利用するようにしたことで、人気 バイアスの低減効果も ◦ pc→j >> pj→c のときにスコアが小さく
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 相互推薦システム [研究開発] スカウト送 信予測
スカウト返 信予測 集約 予測値 正解ラベル スカウトマッ チ予測 最終スコア 相互推薦モデル 疑似ラベルを作成してモデルを学習 1段目 2段目 1 - α α の割合で混ぜ合わせる 相互推薦モデルを疑似ラベル生成に利用し、マッチラベルのスパーシティーを緩和 S. Goda et al., arXiv (2024).
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 新規ユーザーへの推薦 情報が少ない新規ユーザーにも登録直後から良い推薦を オンボーディング時に自分の興味を複数選択できる機能 プロダクト
技術 デザイン 設計 ・・・ ・・・ クラスタリングによる興味 ワードの階層化 デザイナー・モバイルチームと協働し、新規ユーザーが興味を深 掘りできる体験を実現
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 新規ユーザーへの推薦 情報が少ない新規ユーザーにも登録直後から良い推薦を ユーザーが選択した 興味ワード
プロダクト Web ・・・ 登録直後から自分の嗜好に合った募集が表示される体験 コンテンツベー ス推薦
© 2025 Wantedly, Inc. 機械学習技術の活用事例 - 新規ユーザーへの推薦 行動量がたまってきたタイミングで推薦方策の切り替え 行動データが蓄積してくると、行動ベース推薦の方が 精度が高くなる
• 行動量によって推薦方策を切り替え る • 行動量ベースの推薦を 1時間ごとに計算しなお し、すぐに良い推薦に切り替わる ように 登録から早いタイミングでたくさんの応募をしてく れるように
© 2025 Wantedly, Inc. 今後取り組んでいきたい課題 • 非構造化データを活用した推薦の高度化 ◦ ユーザーの持つスキルや募集の採用要件を抽出して推薦に活用し、より高度なスキルマッチを実 現する
• より多面的なデータを活用した推薦の実現 ◦ スキル診断や性格診断のデータを活用することによって、よりユーザーが活躍できる仕事とのマッ チングを実現する
© 2025 Wantedly, Inc. まとめ • 適切なユーザーに適切なコンテンツを届け、良いマッチングを生み出すために機械学習の活用が必 要不可欠 • ユーザーごとに適切な推薦は異なる。
Wantedly では適切なタイミングで適切な推薦が行えるように 工夫をしてきた • これからもユーザー体験を改善していくために、機械学習によってできる部分・やってきたい部分はた くさん残っている