現在,主流となっているGCCやClangとは異なるC言語処理系を,現代においてわざわざ新たに実装することが,今後の組込みシステム研究にもたらす価値は,少なくとも次のような研究の基礎を提供することであると考察した:
(1) 組込みシステム向けのメモリ一貫性モデルと過剰なコード最適化の抑制
(2) 形式手法をCコードに適用する研究
(3) コード最適化の等価性保証の研究
(4) サイドチャネル攻撃耐性を備えたコード生成器の研究.
今後,このような研究のインフラストラクチャとなることを意図したC言語処理系を独自に開発することを検討する.