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デジタルペンの再生機能を活用した学習支援に関する一考察:小学校理科を事例として
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Daiki Nakamura
August 02, 2015
Education
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31
デジタルペンの再生機能を活用した学習支援に関する一考察:小学校理科を事例として
日本理科教育学会第65回全国大会京都大会 2015年8月2日
Daiki Nakamura
August 02, 2015
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Transcript
デジタルペンの再生機能を活用した 学習支援に関する一考察 ―小学校理科を事例として― 1 広島大学大学院 ◦中村 大輝 國學院大學人間開発学部 寺本 貴啓
広島大学大学院教育学研究科 松浦 拓也
研究概要 研究の目的 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する
デジタルペンシステムについて
再生機能について 熱した部分から順にあたた まる。 水も金属と同じように、
◦小学校第4学年「ものの温まり方」 特に予想と考察の場面で再生機能の活用に重点 • 思考力の育成 • 概念の枠組みの変化の共有 • 他者の概念変容を動的に知覚 • 素朴概念の修正が容易になる
研究概要 5 研究の目的 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する ①四分割法 ②四分割ランダム法 ③記述再生法 ④動的視覚化法 ⑤部分再生法 授業モデル提案 デジタルペンシステムの再生機能 5つの活用方法 期待される学習効果
研究の背景 21世紀型能力の枠組み(国立教育政策研究所,2013) 思考力や学び方の学びに重点が置かれようとしている 求められるスキル 理科において「子どもの思考過程を把握し、 学習を深化させるためのツール」としてのICT機器に着目し、 その活用方法を考案することが求められている ICT機器の活用
研究の背景 ①使用方法のレベル 機器の使い方の研究、機器を使用して情報を提示し 共有するといった事例が多い ②特有の効果が見えない その機器でしか実現できない特有の効果が見えにくい ③個々の思考過程を扱っていない 個々の子どもの思考過程にフォーカスし、 改善のために直接アプローチするものは多くない ICT機器を用いた実践の課題
予想・考察の場面 デジタルペンシステムの再生機能を活用することで、 児童の記述や描画の順序を動的に把握することができる 研究の背景 思考過程 ノートの記述 描画 発言など 8 今までは見えなかった思考過程が明らかになる
? デジタルペンシステムの再生機能を活用し、 思考過程を共有化することで、 数学的な思考力・表現力を育むことができた (友利,2013)
1.デジタルペンシステムの機能分析 2.活用方法の考案 3.授業モデルの作成 研究の目的・手順 研究の目的 研究の手順 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する 9
デジタルペンシステムの機能分析 A.共有・提示の為 の機能 ①一覧で全体を提示・共有 ②集計処理 ③意図的な選択 ④指定範囲の拡大 ⑤手書きの状態の記述 B.再生機能 ⑥記述順の見取り
C.教師による学習状況 把握の為の機能 ⑦学習状況のリアルタイムでの把握 ⑧電子的保存 D.子ども自身により学習 の振り返りの為の機能 ⑨学びの振り返り E.他の機器との連携機能 ⑩タブレットとの連携 理科授業における情報共有場面では、 デジタルペン、実物提示装置、板書の 3種類の提示方法に効果の差はない (寺本ら,2013) デジタルペンシステムでしか 得られない学習効果とは言いがたい
1.デジタルペンシステムの機能分析 2.活用方法の考案 3.授業モデルの作成 研究の目的・手順 研究の目的 研究の手順 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する 11
活用方法の考案 12 ①四分割法 ②四分割ランダム法 ③記述修正法 ④動的視覚化法 ⑤部分再生法 デジタルペンシステムの機能の中でも特に再生機能を活用し、 思考力を育成する方法を検討 描画や記述の過程を再生
比較・差異や問題点を見 出す・省察 といった思考を促す 思考力の育成
①四分割法 13 1sheet 試験管の上から順にあた たまると思う。理由はお 風呂のお湯が上だけ熱 かったことがあり、試験 管でも同じだと思うから。 試験管の下からあたたま ると思う。理由は金属の
学習ではあたためたとこ ろから順にあたたまった から。 試験管の下から色が変 わっていくと思 う。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 理由は、金属の学習では あたためたところから順 に・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・試験 管の上→真ん中→下の 順番であたたまると思う。 理由は温かいお湯が溜 まって・・・ デジタルペン用の1枚の用紙を四分割して グループ内の学習者に配ることで、 1グループ4人分のワークシートをソフトウェア上では 1枚の用紙として再生提示する方法
①四分割法 デジタルペン用の1枚の用紙を四分割して グループ内の学習者に配ることで、 1グループ4人分のワークシートをソフトウェア上では 1枚の用紙として再生提示する方法 • 「そのグループでどのような話し合いが 行われていたのか」 • 「自分達と比較して何が違うのか」
• 「記述の過程に問題点はないか」 • 「どんなところが良い/悪いか」 といった思考を促し、思考力を育成する 思考力育成の視点
②四分割ランダム法 15 用紙を四分割にした後、学級内でそれらをランダムに配布し、 学習者がお互いに誰と一緒のグループになっているか 把握できない匿名の状況をつくり出す方法 • 学級内で形成される人物の役割やイメージが学習に与 える影響を排除する • 思考力育成の障壁を取り除く
思考力育成の視点
③記述修正法 16 学習者の記述を再生提示し、 • どのような順で修正しているか • どのようなタイミングで修正しているのか • どのような観点を優先させているか を共有する方法
• 修正の仕方を動的に共有することで、修正の観点を育 成する • それらの観点から、自身の記述を省察させることで、 思考力を育成する 思考力育成の視点
④動的視覚化法 17 再生機能を利用して、変化や動きのある説明について 動的に提示する方法 • 学習者が自身の描いた描画について説明する際、 動的に示しながら説明をすることで、イメージの共有が 容易になる • イメージを動的に共有し、考え方の差異に気づかせる
ことで、思考力を育成する 思考力育成の視点
⑤部分再生法 18 他者の記述を途中まで再生提示し、 その続きがどうなるかを考えさせる方法 • 自身にはない他者の考え方をたどらせることで、 思考力を育成する 思考力育成の視点
1.デジタルペンシステムの機能分析 2.活用方法の考案 3.授業モデルの作成 研究の目的・手順 研究の目的 研究の手順 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する 19
授業モデルの作成 20 ◦小学校第4学年「ものの温まり方」 特に予想と考察の場面での再生機能の活用に重点 ①四分割法 ②四分割ランダム法 ③記述修正法 ④動的視覚化法 ⑤部分再生法 デジタルペンシステムの再生機能
5つの活用方法
予想の場面 21 学習問題 「水はどのようにあたたまるのだろうか」 予想の立案 ↓ 予想の共有 ↓ グループでの話し合い ↓
全体での共有 学習活動 思考力育成の手立て • 予想のイメージを動的に 共有する(動的視覚化法) • 意見の変化があった グループのワークシートを 全体で再生して確認し、 修正の観点を共有する(四 分割法、記述修正法)
予想の場面 22
考察の場面 23 学習問題 「水はどのようにあたたまるのだろうか」 考察をまとめる(個人) ↓ 考察の共有(全体) ↓ 考察の修正(個人) 学習活動
思考力育成の手立て • 考察の修正過程を動的に 提示し、どのような書き方 が良いのか考えを促す (記述修正法) • 自分と似た考えを持つ 他者の考え方がどのよう に変化したのか、 再生を通して確認させる
考察の場面 24 「上から順にあたたまる。」 金属の時 とは異なり、 熱源まで っていく。 • 自身の記述を振り返らせる •
自身の記述に足りない要素や より良い記述について考えさせる
期待される学習効果 25 デジタルペンシステムの再生機能の活用 • 思考力の育成 (比較、省察、差異や問題を見出す) • 再生機能を用いることでそれぞれの持っている 概念の枠組みの変化が共有可能になる •
他者の概念変容を動的に知覚することで、 各個人の素朴概念の修正が容易になることが期待できる 今まで見えなかった思考過程を明らかにし、 それらを共有して考える材料として活用することで 学習効果が期待できる
◦小学校第4学年「ものの温まり方」 特に予想と考察の場面で再生機能の活用に重点 • 思考力の育成 • 概念の枠組みの変化の共有 • 他者の概念変容を動的に知覚 • 素朴概念の修正が容易になる
研究概要 26 研究の目的 デジタルペンシステムの再生機能を活用する利点を明らかにし、 思考力の育成に資する授業モデルを開発する ①四分割法 ②四分割ランダム法 ③記述再生法 ④動的視覚化法 ⑤部分再生法 授業モデル提案 デジタルペンシステムの再生機能 5つの活用方法 期待される学習効果