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図書館と地域を繋げる地図 / A map that connects the library and the community

K.Sakanoshita
September 04, 2022

図書館と地域を繋げる地図 / A map that connects the library and the community

「図書館」(仮称)リ・デザイン会議が公開した「図書館年表マップ」
大阪市立図書館が公開したデータを活用した「思い出のこしマップ」
また、地域コミュニティ(子育てなど)の活動を支援しているマップ
そして、これらマップに使われているWikipediaなどのオープンデータ
これらの共通点についての説明と地域との関わりについて発表します

https://wiki.code4lib.jp/wiki/C4ljp2022/presentation#p3

2022/09/09
・くさつお宝マップの説明に「共感」を追加

K.Sakanoshita

September 04, 2022
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Transcript

  1. 図書館と地域を繋げる地図
    坂ノ下 勝幸
    諸国・浪漫 / OpenStreetMap Foundation Japan
    Facebook: K.Sakanoshita Twitter: @K_Sakanoshita
    P.1
    本資料で利用している地図: © OpenStreetMap contributors

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  2. P.2
    アプリの紹介
    P.2

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  3. P.3
    今回紹介するソフトウェア

    「コミュニティマップメーカー」を使ったマップたち

    大阪思い出のこしマップ
    ✓ https://armd-02.github.io/OsakaMemories/

    図書館年表マップ
    ✓ https://armd-02.github.io/library_chronology/

    くさつお宝マップ
    ✓ https://armd-02.github.io/kusatsu_treasure/

    あぁっとマーク淀川
    ✓ https://armd-02.github.io/AattoMark-Yodogawa/

    『鴨川運河100の視点』マップ
    ✓ https://armd-02.github.io/KamogawaCanal/
    ⚫ Open History & Culture Map
    ✓ https://armd-02.github.io/openhc-map/
    目的は別々でもソースコードは同じ
    P.3

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  4. P.4
    コミュニティマップメーカーの概要
    P.4
    Wikimedia Commons
    データベース
    Wikipedia
    データベース
    OpenStreetMap
    データベース
    地域活動で作る
    データベース
    国際的なオープンデータの
    プラットフォーム(保管先)
    地域の方たちが必要な情報だけを
    分かりやすく地図表示するアプリ
    これがコミュニティマップメーカー
    https://github.com/K-Sakanoshita/community_mapmaker

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  5. P.5
    地域活動と図書館の近さ
    P.5

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  6. P.6
    大阪思い出のこしプロジェクト

    図書館が「地域の思い出」を集めてレファレンスした結果を
    補足説明した上で、オープンデータとして将来に残す活動

    図書館が得意なことと、地域情報がリンクしていく

    大阪思い出のこしマップは、場所を示しながら読むアプリ

    例えば、「旭区」の場所を即答できる人はそんなに居ない
    P.6

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  7. P.7
    地域活動でも思い出のこし

    くさつお宝マップ

    子供たちが何かを感じた場所の思い出やクイズを記録するアプリ

    「草津おみやげラボ」の
    子育て中の方たちからの
    依頼で開発・活用中

    データがお宝になる

    子供たちも大人になるが
    その時の思い出は残る

    色んな場所で遊んで感じ
    たことを残し、共感して
    いく活動
    P.7

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  8. P.8
    地域活動は「場所」がより重要となる

    『鴨川運河100の視点』マップ(開発中)

    琵琶湖疏水を京都伏見まで引き込んで作った運河

    運河を作るにあたり、大小様々な橋が掛けられた

    地元の方にとって思い出が詰まった橋でもある

    あぁっとマーク淀川

    大阪の十三を中心に「淀壁」と
    呼ぶ壁画、お地蔵さん、活動に
    賛同した店舗を紹介する地図

    店舗が密集している場所なため
    自分たちでコントロール可能な
    より詳細な地図は有用となる
    P.8

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  9. P.9
    意外と近い活動をしている所もある

    地域活動でも地域資料(データ)が求められている

    各地のNPOやコミュニティは、そういったデータを自前で準備して
    いることが非常に多く、活動終了とともにデータが消散していく
    ✓ 例)バリアフリーマップ、商店街マップ、地域の文化・歴史の冊子など

    データの収集~活用のノウハウは団体によって異なる

    資料(データ)を残す視点を持って活動している団体は少ない

    また、「残す」ことを意識しても、ライセンスを決めていないので、
    新しい活用(ネット掲載など)への対応や後継団体に権利移譲する
    ことが出来ない場合も多い(権利関係が不明なので出来ないなど)

    図書館はノウハウを提供できる可能性があるかも?

    地域活動のデジタル化も進んだので対応は必要だが、
    著作権に関する知識、資料の扱いのノウハウは地域
    活動をされている方たちに提供できるのでは?
    P.9

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  10. P.10
    地域活動のデジタル化
    P.10

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  11. P.11
    デジタル化への対応

    地域活動のデジタル化による問題点

    データの保管場所に信頼性が高くない場所を使う危険性
    ✓ 無料で利用できるホームページやブログを提供しているサービスなど
    ✓ 2019年に終了した「Yahoo!ジオシティーズ」は400万件のサイトを保有
    ※参考) https://seniorguide.jp/column/furuta/1176647.html

    ライセンスが曖昧で「とにかく集めた」だけの可能性
    ✓ 「昔の写真を集めてアーカイブサイトを作ろう」として写真を集めていくが
    ライセンスが曖昧で他のことには使えない。お年寄りにライセンスのことを
    説明すること自体が難しいなど
    ➢ 苦労が予想されるので、極力簡易な方向に舵を切っている場合もある
    地域活動は基本的にお金が無い(掛けられない)が
    やり方によって資料(データ)を残せる方法もある
    P.11

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  12. P.12
    オープンデータと国際プロジェクト

    地域資料を将来に残すなら

    オープンデータとしての情報収集
    ✓ 少なくとも、何も取り決めずに「単に集めただけ」での活用は厳しい
    ✓ もちろん、オープンデータ以外のライセンスを設定する方法もあるが、
    この場合、データをマージすることに制約が発生することに注意する
    ✓ 将来に残すことを考えると、オープンデータでの情報収集が望ましい
    ➢ CC-BYだと、別の誰かが改訂する度に著作権表示が増えていく…
    ➢ ルールを守るものが不利になるなら、いっそのことCC0の方が楽

    国際的なデータプラットフォームの活用
    ✓ 補助金でサーバを持つ場合、補助金が切れるとデータが消失する恐れ
    ✓ 寄付やスポンサーで運営基盤が安定している国際プロジェクトを利用
    することは、データを長生きさせる(将来に残せる)可能性がある
    ✓ 全く「想定していない活用方法」やデータ連携が出来る可能性がある
    P.12
    ←こういったプロジェクトの活用が重要

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  13. P.13
    さて、どう活用していくか
    ◼ Wikimedia各プロジェクトやOpenStreetMapに関わる?

    残念ながら「さぁ、みんなで編集しよう」では人は動かない

    理由は様々だが、「巨大プロジェクトの一部」に埋没してしまい
    活動の動機となる地域性が失われると感じる人が多いからかも?

    他にも関わりにくい理由がある
    ⚫ Wikimedia commonsに写真を載せただけでは見て貰えない
    ※フォトコンテストで最優秀とかなら話は別ですが、レアケース
    ⚫ WikidataはIT詳しくない人には「訳が分からない」
    ⚫ OpenStreetMapは「単なる地図」にしか見えない
    ✓ 単なる地図なら、Google Mapsで十分でしょ?
    ⚫ Wikipediaだけは、Google検索で表示されるので
    他と違って、埋没しない可能性がある
    P.13

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  14. P.14
    コミュニティマップメーカー
    P.14

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  15. P.15
    そこで、コミュニティマップメーカー
    P.15

    やりたいことと、必要なこと

    ネットワークにおけるOSI参照モデルとよく似ている

    みんながやりたいことはアプリケーション層
    ✓ 例えば、地域の歴史書、子育てマップ、バリアフリーマップなど

    必要なこと(Wikimedia各プロジェクトやOpenStreetMap)はインフラ層
    ✓ 例えば、その地域の歴史・文化、施設の位置情報など
    「やりたいこと」と「必要なこと」を繋げるために
    「コミュニティマップメーカー」を開発している
    名称 意味
    アプリケーション層 みんながやりたいこと
    インフラ層 実現させるために必要なもの
    やりたい!

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  16. P.16
    地域の「やりたいこと」を実現する

    コミュニティマップメーカーで「やりたいこと」を実現

    そのために「必要なこと」を明確に提示することが出来る

    「必要なこと」とは、Wikimedia各プロジェクトやOpenStreetMapを
    編集をすることで、資料(データ)を収集、整理、記録すること

    オープンデータであるため、同じ地域の他活動への支援にもなる
    P.16

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  17. P.17
    地域活動の支援に如何でしょうか

    これまでのまとめ

    地域活動と図書館は意外と近い時がある(特に資料・データ収集時)

    地域活動では、著作権やアーカイブに関する視野が狭い時がある

    図書館は、この点で地域活動に支援出来るのではないだろうか?

    地域活動の成果は地域の宝であり、出来れば将来に残していきたい

    そのためには、オープンデータ&国際的なプラットフォームが大事

    ただし、「自分たちの活動」として認識できる仕組みが必要となる

    その仕組みとして「コミュニティマップメーカー」を開発している

    コミュニティマップメーカーはオープンソースで公開中

    まだまだ発展途上、要望を聞きながらバージョンアップ中

    ご興味がある方は、お気軽にご連絡ください

    各地のコミュニティをオープンデータで
    支援してみませんか?
    P.17

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