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Speech and Language Processing 5章 ロジスティック回帰

Speech and Language Processing 5章 ロジスティック回帰

CookieBox26

May 20, 2020
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  1. Speech and Language Processing 5 章 ロジスティック回帰 2020 年 5

    月 20 日 三原 千尋 テキスト Dan Jurafsky and James H. Martin. Speech and Language Processing (3rd ed. draft). https://web.stanford.edu/~jurafsky/slp3/
  2. 今回の問題設定 以下のような問題設定を考える (2 クラス分類)。 • M 個の正解ラベル付きの訓練用データがある。 (x(1), y(1)), (x(2),

    y(2)), · · · , (x(M), y(M)) • 各データは n 個の数値特徴 x(i) j からなる。 x(i) = (x(i) 1 , x(i) 2 , · · · , x(i) n )⊤ • 各正解ラベルは y(i) ∈ {0, 1} である。 • 未知データ x を入れたら P(y = 1|x) を出す箱がほしい。 ※ P(y = 0|x) = 1 − P(y = 1|x) である。 例. ある映画レビューサイトに投稿されたレビューの分類 • x(i) : 訓練用データの i 番目のレビュー文章。 • y(i) ∈ { ネガティブ, ポジティブ } • x(i) j : x(i) に単語 j が登場した回数 (例えば)。 1
  3. 今回のアプローチ ― ロジスティック回帰 今回は先ほどの問題を以下のように解く1。 • 適当な重みベクトル w = (w1, ·

    · · , wn)⊤ と適当なバイアス b を用いて以下の z を計算する。 z = w · x + b • z にシグモイド関数 σ(·) を適用して 0 と 1 の間の値にし、 これを y = P(y = 1|x) の予測値とする。 ˆ y = σ(z) = 1/(1 + e−z) • 各訓練データに対してクラスの予測分布を計算し正解分布 との交差エントロピー を計算する。 LCE(ˆ y(i), y(i)) = −y(i) log ˆ y(i) − (1 − y(i)) log(1 − ˆ y(i)) • 訓練データにおける LCE(ˆ y(i), y(i); w, b) の平均値を最小に する ˆ w,ˆ b を確率的勾配降下法 により探索する。 1特徴空間で 2 クラスをうまく仕切る超平面 w · x + b = 0 を探すのに似てい る。但し交差エントロピーが最小になる w, b を選ぶ。 2
  4. クラス分類器におけるロジスティック回帰の位置付け ナイーブベイズは生成的、ロジスティック回帰は識別的である。 生成的モデル 各クラスがどのような特徴をもつかを学習しよ うとする。 ˆ c = arg maxc

    P(d|c)P(c) 識別的モデル クラスどうしを識別する特徴を直接学習しよう とする。 ˆ c = arg maxc P(c|d) テキストの犬と猫の画像の分類器の例でいうと、 • 生成的モデルは、犬がどんな見た目か、猫がどんな見た目かを 学習する。 「犬の画像を描いてみて」といわれたら描ける2。 • 識別的モデルは、犬と猫を識別する特徴を学習する。 「犬の画像 を描いてみて」といわれても描けない3。 2犬にみえるかどうかはさておき、犬らしさを与える特徴を知っている。 3犬も猫ももふもふしていて識別に役立たないので、犬がもふもふしている ことを知らないかもしれない。 4
  5. クラス分類器学習システムの構成要素 一般にクラス分類器学習システムは以下の 4 つの構成要素からなる。 特徴表現 データ i を特徴ベクトル (x(i) 1

    , x(i) 2 , · · · , x(i) n )⊤ で 表現する4。 予測クラス 生成関数 特徴ベクトルから予測クラス ˆ y を計算する。ロ ジスティック回帰ではシグモイド関数 やソフト マックス関数を用いる。 目的関数 この目的関数の値を最小化することを目指す。 ロジスティック回帰では交差エントロピー を用 いる。 最適化アル ゴリズム 目的関数の値が最小化になるように特徴表現と 予測クラス生成関数を最適化したいので、それ を実行するアルゴリズムも必要である。この章 では確率的勾配降下法 を導入する。 4ロジスティック回帰の場合は、特徴表現を予め用意しておくことになる。 5
  6. シグモイド関数 (5.1 節) 特徴の線形和を予測値にするのにシグモイド関数をつかう。 シグモイド関数 ˆ y = σ(z) =

    1 1 + e−z • 定義域及び値域は (−∞, ∞) → (0, 1) である。 • 特徴の線形和 z = w · x + b に適用することでモデルの出力 が確率の要請を満たすようにできる。 • 予測クラスにするには 0.5 を閾値にする。 • 微分可能である。 dσ(z) dz = − −e−z (1 + e−z)2 = 1 1 + e−z e−z 1 + e−z = σ(z)(1 − σ(z)) • 0 < σ(z) < 1 なので σ(z) の 1 回微分は常に 0 以上 ( σ(z) は狭義 単調増加) であり、σ(z) = 0.5 で最大値 0.25 をとる。 6
  7. シグモイド関数 (5.1 節) import numpy as np %matplotlib inline import

    matplotlib.pyplot as plt def sigmoid(z): return 1.0 / (1.0 + np.exp(-z)) z = np.arange(-8, 8, 0.1) plt.plot(z, sigmoid(z)) plt.grid() plt.show() 7
  8. 例. 映画レビューのセンチメント分類器 5.1.1 節の映画レビューのセンチメント分類では以下の特徴を用いている。 特徴  意味 x1 ポジティブ単語リストのうち何単語が登場したか x2 ネガティブ単語リストのうち何単語が登場したか

    x3 no が含まれていたら 1, そうでなければ 0 x4 1 人称もしくは 2 人称が何回登場したか x5 ! が含まれていたら 1, そうでなければ 0 x6 log( 文章中の単語数 ) import numpy as np def sigmoid(z): return 1.0 / (1.0 + np.exp(-z)) x = [3, 2, 1, 3, 0, np.log(66)] # Fig 5.2 の 文 章 の 特 徴 ベ ク ト ル w = [2.5, -5.0, -1.2, 0.5, 2.0, 0.7] # 学 習 済 み 重 み ベ ク ト ル b = 0.1 # 学 習 済 み バ イ ア ス z = np.dot(x, w) + b print(z, sigmoid(z)) 0.8327583194184977 0.6969378458778216 8
  9. 特徴の設計 例えば「そのピリオドは文末を意味するか否か」を学習したいなら、 以下のような特徴が役に立つかもしれない。 特徴  意味 x1 ピリオドが付いている単語が lower case か

    (0 or 1) x2 ピリオドが付いている単語が略語リストに含まれるか (0 or 1) 例. Prof. x3 ピリオドが付いている単語が St. かつその前の単語が capital case か (0 or 1) 例. Takeshita St. · · · · · · 特徴を設計するには以下のような方法がある。 • 上の例のように手作業でつくる。 • 例えば訓練データ中のピリオドがつく単語までのバイグラムを すべて抜き出して特徴とする (feature templates)。 • 教師なしで自動的につくる (representation learning → 6, 7 章)。 9
  10. 分類モデルの選択 ナイーブベイズとロジスティック回帰どちらがいいのか。 • ナイーブベイズは条件付き独立の仮定 (4.7) が強すぎるので、 互いに相関する特徴が多いときはロジスティック回帰の方が予 測確率の精度がよい傾向がある。 • ポジティブなレビューによく登場する単語

    a と単語 b が実はかな り同時に登場しているときポジティブな確率を高く見積もりすぎ る。ロジスティック回帰ならどちらの単語にも重みが分散される。 • とはいえ、ナイーブベイズはクラス判定は正しいことが多い5。 • データセットが小さいときや文章が短いときはナイーブベイズ の方が性能がよい傾向がある6。 • ナイーブベイズは最適化の反復ステップがなく学習が速い。 5テキストには詳細がない。 6テキストには詳細がないが、ロジスティック回帰では訓練データにたまた ま出てくる単語に割り当てた重みが未知データで悪さをすることがあるかも しれない。 10
  11. 交差エントロピー (5.3 節) 学習の目的関数を考える。いまあるデータ x に対する予測モデルの 予測が正しい確率は、x の正解ラベルが y =

    1 であったら予測確率 ˆ y そのものだし、y = 0 だったら 1 − ˆ y なので、以下のようにかける。 p(y|x) = { ˆ y (y = 1) 1 − ˆ y (y = 0) これは p(y|x) = ˆ yy(1 − ˆ y)1−y とまとめられる。また、予測が正しい 確率を最大化したいなら、log をとっても差し支えない。 log p(y|x) = log [ ˆ yy(1 − ˆ y)1−y ] = y log ˆ y + (1 − y) log(1 − ˆ y) これにマイナスをかけて損失にしたものを交差エントロピーとよぶ。 交差エントロピー LCE(ˆ y(i), y(i)) = −y(i) log ˆ y(i) − (1 − y(i)) log(1 − ˆ y(i)) 11
  12. 確率的勾配降下法 (5.4 節) モデルを最適化したい。最適化対象のパラメータをまとめて θ とか く。M 個の訓練データに対する交差エントロピーの平均を最小化す るようなパラメータ ˆ

    θ は以下のようにかける (ここで、データとパラ メータであることに着目したいため、LCE の引数を変更している)。 ˆ θ = arg min θ 1 M M ∑ i=1 LCE (y(i), x(i); θ) この ˆ θ を見つける方法として、(1/M) ∑ M i=1 LCE (y(i), x(i); θ) の θ に 関する勾配7(現時点の θ における勾配) の逆方向 (損失を小さくした いから) に θ を少しずつ更新していくことが考えられる8。 θt+1 = θt − η∇θ 1 M M ∑ i=1 LCE (y(i), x(i); θ) 7f : Rn → R のヤコビ行列 ( ∂f/(∂x1 ) ∂f/(∂x2 ) · · · ∂f/(∂xn ) ) の転置の縦 ベクトル。f(x) を最も大きくする方向。∇f(x) とかく。 8η を 学習率 という。 12
  13. 確率的勾配降下法 (5.4 節) 確率的勾配降下法 (データ 1 つずつ版) 1. θ を適当に初期化する。

    2. 訓練データをランダムにシャッフルする。各訓練デー タに対し以下を実行する。 2.1 予測分布と正解分布の交差エントロピーの θ に関する 勾配 g を求める。 2.2 θ を勾配の逆向きに η だけ動かす。 θ ← θ − ηg 3. 収束の条件が満たされていたら θ を出力して終わる。 4. 収束の条件が満たされていなかったら 2. に戻る。 収束の条件としては、θ の更新幅 (勾配 g の大きさ) が閾値 ε より小さくなっ た、評価用データ上で損失が減少しなくなったなどが考えられる。 14
  14. 確率的勾配降下法 (5.4 節) しかし、データ 1 つずつの勾配に対し更新すると θ があっちにいっ たりこっちにいったりしやすい。といって、すべての訓練データの 損失の平均に対する勾配を求めるのでは

    1 回の更新に時間がかかる。 → 訓練データを m 個ごとのミニバッチ に分けることが多い。 確率的勾配降下法 (ミニバッチ版) 1. θ を適当に初期化する。 2. 訓練データをミニバッチに分けて、ミニバッチをランダムに シャッフルし以下を実行する。 2.1 予測分布と正解分布の交差エントロピーのミニバッチ 上の平均の θ に関する勾配 g を求める。 2.2 交差エントロピーの平均の θ に関する勾配 g を求める。 2.3 θ を勾配の逆向きに η だけ動かす。 θ ← θ − ηg 3. 収束の条件が満たされていたら θ を出力して終わる。 4. 収束の条件が満たされていなかったら 2. に戻る。 15
  15. 正則化 (5.5 節) 分類器の学習では、訓練データに適合しすぎることがある。 • 例.訓練データである特徴が片側のクラスにしか現れなかったが、実は たまたまであり、この特徴を用いると未知データへの性能は悪くなる。 このような過学習 を防ぐため、目的関数に正則化項 R(θ)

    を付 加し、パラメータの大きさを抑制することがある。 ˆ θ = arg max θ [ M ∑ i=1 log P(y(i)|x(i)) − αR(θ) ] • L2 正則化: R(θ) = ∑ n j=1 θ2 j とし、パラメータ空間におい て原点からのユークリッド距離が小さいパラメータを選ば れやすくする。リッジ回帰とも。 • L1 正則化: R(θ) = ∑ n j=1 |θj| とし、パラメータ空間にお いて原点からのマンハッタン距離が小さいパラメータ (疎 なパラメータ) を選ばれやすくする。ラッソ回帰とも。 16
  16. 正則化 (5.5 節) L1 正則化と L2 正則化はベイズ事後分布からの MAP 推定とも解釈 できる。

    ˆ θ = arg max θ [ M ∑ i=1 log P(y(i)|x(i)) − αR(θ) ] ⇒ ˆ θ = arg max θ [ exp { M ∑ i=1 log P(y(i)|x(i)) − αR(θ) }] ⇒ ˆ θ = arg max θ [ M ∏ i=1 P(y(i)|x(i)) exp { −αR(θ) } ] L2 正則化 R(θ) = ∑ n j=1 θ2 j だとこう (事前分布が N(0, √ n/2αI))。 ˆ θ = arg max θ   M ∏ i=1 P(y(i)|x(i)) n ∏ j=1 exp { − α n θ2 j }   L1 正則化 R(θ) = ∑ n j=1 |θj | だとこう (事前分布がラプラス分布)。 ˆ θ = arg max θ   M ∏ i=1 P(y(i)|x(i)) n ∏ j=1 exp { − α n |θj | }   17
  17. 多クラス分類の場合 (5.6 節) 3 クラス以上に分類したいこともある。 • 例.ネガティブ、ポジティブ、ニュートラル。 • 例.単語の品詞分類。 •

    例.semantic labels (18 章)。 その場合は以下のようにすればよい。 • パラメータ wk, bk はクラスの数 K だけ用意する。 • zk = wk · x + bk (k = 1, · · · K) を計算する。 • (z1, · · · , zK) にソフトマックス関数を適用して各クラスの 予測確率にする。 softmax(z1, · · · , zK) = ( ez1 ∑ K k=1 ezk , · · · , ezK ∑ K k=1 ezk ) 18
  18. 多クラス分類の場合 (5.6 節) 多クラス分類の目的関数を考える。データ i に対する予測が正しい 確率は以下のようにまとめてかける。ただし、1{y(i) = k} は

    y(i) = k ならば 1、y(i) ̸= k ならば 0 をとる指示関数である。 ( ez(i) 1 ∑ K k=1 ez(i) k )1{y(i)=1} · ( ez(i) 2 ∑ K k=1 ez(i) k )1{y(i)=2} · · · ( ez(i) K ∑ K k=1 ez(i) k )1{y(i)=K} これの対数の −1 倍をとって、以下を最小化すればよい9。 L(i)(w1:K , b1:K ) = − K ∑ k=1 1{y = k} log ( ez(i) k ∑ K k′=1 ez(i) k′ ) これの勾配は 25 頁に記す。 9L(i)(w1 , · · · , wK , b1 , · · · , bK ) を L(i)(w1:K , b1:K ) と表記することにする。 19
  19. モデルの解釈 (5.7 節) • モデルがなぜそのような判断をしたのか知りたいことはしばし ばある。それがわかるようなモデルは解釈性があるという。 • ロジスティック回帰に用いる特徴は人間が選択することが多い ので、どんな特徴がクラス予測に効いたかを確認することでモ デルの判断理由を解釈できる。クラスを説明するのに有意な特

    徴であったか統計的検定をしたり、重みパラメータの信頼区間 を求めたりすることもできる。 • モデルの判断根拠を分析するだけでなく、ある特徴の効果を分 析することもできる。 • ある言葉 a の効果がネガティブなのかポジティブなのかを 調べたい。単にネガティブなレビューへの登場頻度とポジ ティブなレビューへの登場頻度を調べたのでは、言葉 a が ポジティブなレビューにも現れやすかったとしても、実は ポジティブなレビューにはいつも言葉 b が一緒に現れてい るかもしれない。言葉 a 単体の効果はネガティブな可能性 がある。ので、ロジスティック回帰の重みをみた方がよい。 20
  20. 勾配の導出 (5.8 節) ― 2 クラス分類の場合 目的関数の勾配を導出する。まずデータ i の損失の wj

    に関する微分 (以下) を計算してみる。z(i) ≡ w · x(i) + b である。 ∂L(i)(w, b) ∂wj ≡ ∂ ∂wj [ −y(i) log σ(z(i)) − (1 − y(i)) log(1 − σ(z(i))) ] シグモイド関数の微分は dσ(z) dz = σ(z) ( 1 − σ(z) ) であったので、 ∂L(i)(w, b) ∂wj = ∂L(i)(w, b) ∂σ(z(i)) ∂σ(z(i)) ∂z(i) ∂z(i) ∂wj = ( − y(i) σ(z(i)) + 1 − y(i) 1 − σ(z(i)) ) σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) ) x(i) j = {−y(i) ( 1 − σ(z(i)) ) + (1 − y(i))σ(z(i))}x(i) j = − ( y(i) − σ(z(i)) ) x(i) j 同様に、b に関する微分は以下。 ∂L(i)(w, b) ∂b = ∂L(i)(w, b) ∂σ(z(i)) ∂σ(z(i)) ∂z(i) ∂z(i) ∂b = − ( y(i) − σ(z(i)) ) 21
  21. 勾配の導出 (5.8 節) ― 2 クラス分類の場合 よって、データ i の損失の w,

    b に関する勾配は以下である。 y(i) − σ(z(i)) は正解ラベルと現在の予測の誤差になっている。 この勾配の逆向きに更新するので、(特徴量の符号が正ならば) 誤差 と同じ向きに、誤差が大きいほど大きく更新することがわかる。 ∇w,b L(i)(w, b) =        ∂L(i)(w,b) ∂w1 . . . ∂L(i)(w,b) ∂wn ∂L(i)(w,b) ∂b        = − ( y(i) − σ(z(i)) )       x(i) 1 . . . x(i) n 1       ミニバッチ (データ数 m) 内のデータの損失の平均の勾配にするには 以下のようにすればよい。 ∇w,b Lbatch (w, b) =       ∂Lbatch(w,b) ∂w1 . . . ∂Lbatch(w,b) ∂wn ∂Lbatch(w,b) ∂b       = − 1 m m ∑ i=1 ( y(i)−σ(z(i)) )       x(i) 1 . . . x(i) n 1       22
  22. 損失の凸性 前々頁より、目的関数のパラメータに関する 1 回微分は以下だったので、 ∂L(i)(w, b) ∂wj = − (

    y(i) − σ(z(i)) ) x(i) j 2 回微分は以下となることがわかる。 ∂2L(i)(w, b) ∂wj ∂wk = σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) ) x(i) j x(i) k よって、ヘッセ行列は以下のようになる。 ∇2 w,b L(i)(w, b) = σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) )          x(i) 1 x(i) 1 x(i) 1 x(i) 2 · · · x(i) 1 x(i) n x(i) 1 x(i) 2 x(i) 1 x(i) 2 x(i) 2 · · · x(i) 2 x(i) n x(i) 2 . . . . . . ... . . . . . . x(i) n x(i) 1 x(i) n x(i) 2 · · · x(i) n x(i) n x(i) n x(i) 1 x(i) 2 · · · x(i) n 1          = σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) )       x(i) 1 . . . x(i) n 1       ( x(i) 1 · · · x(i) n 1 ) 23
  23. 損失の凸性 ˜ x(i) ≡ (x(i) 1 , x(i) 2 ,

    · · · , x(i) n , 1) と定義すると、任意の z ∈ Rn+1 に対して、 z⊤∇2 w,b L(i)(w, b)z = σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) ) z⊤ ˜ x(i) ˜ x(i)⊤z = σ(z(i)) ( 1 − σ(z(i)) )( z⊤ ˜ x(i) ) 2 ≧ 0 が成り立つので、∇2 w,b L(i)(w, b) は半正定値である。 よって、L(i)(w, b) は凸である。 24
  24. 勾配の導出 ― 多クラス分類の場合 多クラス分類の場合も導出する。ただし、重みベクトル wk (k = 1, · ·

    · , K) の j 番目の成分を wk,j と表記することにする。 ∂L(i)(w1:K , b1:K ) ∂wk,j ≡ ∂ ∂wk,j  − K ∑ k′=1 1{y(i) = k′} log   ez(i) k′ ∑ K k′′=1 ez(i) k′′     ここで、s(z(i) k′ ) = ez(i) k′ ∑ K k′′=1 ez(i) k′′ とおくと以下が成り立つ。 ∂L(i)(w1:K , b1:K ) ∂s(z(i) k′ ) = − 1{y(i) = k′} s(z(i) k′ ) ∂s(z(i) k′ ) ∂z(i) k =        ezk′ ( ∑ K k′′=1 ezk′′ ) − ezk′ ezk′ ( ∑ K k′′=1 ezk′′ )2 = s(z(i) k ) − s(z(i) k )2 (k′ = k) −ezk′ ezk ( ∑ K k′′=1 ezk′′ )2 = −s(z(i) k )s(z(i) k′ ) (k′ ̸= k) 25
  25. 勾配の導出 ― 多クラス分類の場合 前頁の結果を利用すると、多クラス分類の場合の勾配は以下のようになる。 ∂L(i)(w1:K , b1:K ) ∂wk,j =

    K ∑ k′=1 ∂L(i)(w1:K , b1:K ) ∂s(z(i) k′ ) ∂s(z(i) k′ ) ∂z(i) k ∂z(i) k ∂wk,j = − 1{y(i) = k} s(z(i) k ) ( s(z(i) k ) − s(z(i) k )2 ) x(i) j + ∑ k′̸=k 1{y(i) = k′} s(z(i) k′ ) s(z(i) k )s(z(i) k′ )x(i) j = −1{y(i) = k} ( 1 − s(z(i) k ) ) x(i) j + ∑ k′̸=k 1{y(i) = k′}s(z(i) k )x(i) j = −1{y(i) = k}x(i) j + ∑ k′ 1{y(i) = k′}s(z(i) k )x(i) j = − ( 1{y(i) = k} − s(z(i) k ) ) x(i) j 1{y(i) = k} − s(z(i) k ) は正解の確率と現在の予測確率の誤差になっている。 26