開催日:2018年5月24日(木)18:30〜 開催場所:ソニー本社ビル(SONY CITY)1F
デザインスプリントを実施する時に最も需要なプロセス0のタスクについて解説した資料です。
よく混同しがちな課題と問題の違いやリスクやToDoとの関係性について図解で分かりやすく解説しています。
課題を正しく特定する方法第3回デザインスプリント定期セミナー in SONY CITY2018年5月24日 セミナー資料主催:スプリントジャパン / ソニー デザインスプリントマスターズ 協賛:イサナドットネット株式会社
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本日進行 2[第一部:セミナー]18:30〜20:001. デザインスプリントの基本2. デザインスプリントの特徴、実施のポイント3. 「課題を特定する」方法について[理論編]4. 「課題を特定する」方法について[手法編][第二部:質問会&懇親会]〜デザインスプリント導入企業担当者様同士の懇親会〜20:15〜21:40・質疑応答/よくいただくご質問のご回答・デザインスプリント導入企業担当者様同士の懇親会・まとめ/お知らせ〜22:00会場復帰・完全撤退
[理論編]「課題を特定する」方法について
事業の課題は、明確になっていますか? 41. 課題が何か、しっかり整理できている2. 直近で取り組むべき課題が明確になっている3. 課題と問題の違いをはっきりさせている4. 課題解決とToDoを実行するツールがある5. これらがチームまたは部内で視覚化されている
セミナーの目標・事業の課題を正しく特定する方法がわかる5・自身の課題をチームに融合させる方法がわかる・チームメンバーの抱える課題をチームで共有 する方法がわかる
課題を疑問視する経緯 62017年前半デザインスプリントの前に何を取り上げるか「課題を特定する」ところから始めた。定義した課題が本当に妥当性があるのか、正しいのか不確実でることが分かってきた。スプリント終了後、目に見える素晴らしい効果が現れたりイノベーションが起こったりすることが少なかった。結果2018年前半デザインスプリント全体を通して「課題を特定する」ことに変えた。考え方の改善・プロセスの試行錯誤論理的にもクリエイティブ的にも矛盾がなくなり、ほぼ期待した効果が得られるようになった。つまりプロセス0では課題を決めることを主なToDoとしていた。つまりプロセス0では課題を決めず、プロセス1〜2で課題を定義し、3〜6で特定しつつ、仮説検証することにした。デザインスプリントとは別のプロセスで問題定義や各種分析・仮説検証などを考えなばならないので時間やコストのロス・思考上の不整合が散見された。代わりにデザインスプリント前に何をするかというと、チームの根源的共通認識である「リスク」を視覚化し、ここを共有し、出発点にすることにした。
何をしたか:登場する言葉を定義する 7クライシス現時点で顕在化していない事象で、近未来に問題となり得る確度の高い事象のこと。事前に対策を取っておかないと、PJ運営上大きな問題に発展するものごと。現状起きている観測可能な事実のこと。目的・目標達成を阻害するような重大な事象のこと。目的・目標と現状のギャップを埋めるための取り組みのこと。リスク問題課題A 課題B 課題C課題a1 課題a2 課題a3ToDo-AToDo-a1 ToDo-a2 ToDo-a3課題を解決するために実際に行う結果を伴う具体的な行動・実行のこと。「課題」「問題」「リスク」「ToDo」の違いは何か?★それぞれ似ているけれど本来は異なるもの
デザインスプリントのプロセス整理 8リスク問題課題A 課題B 課題C課題a1 課題a2 課題a3ToDo-AToDo-a1 ToDo-a2 ToDo-a3プロセス0プロセス1〜2プロセス3〜6特定する洗い出す言い換えると全プロセスを通して課題を仮説化し、検証する(つまり仮説検証する)プロセスと言える。仮説検証のための基準を定める。ToDoのアクションプランは、デザインスプリントのプロセスの中にあらかじめ組み込まれている。
ところで「問題」と「イシュー」の違いは? 9世の中にある 「問題かもしれない 」と言われていることのほとんどは 、実はビジネス ・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない 。世の中で 「問題かもしれない 」と言われていることの総数を 100とすれば 、今 、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい 2つか 3つくらいだ 。「問題」と似た言葉で最近「イシュー」という言葉も聞きます。「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」英治出版刊(安宅 和人 著)より引用“”
デザインスプリントでできること 10課題や問題は人それぞれ捉え方が異なり、質やレベル感に統一性がない。一旦言葉の扱いを決めない限り特定は、困難である。まずリスク(チーム内の共通の事象)を特定し、そこから問題と課題を洗い出すことで方向性を誤らずに重要な課題を特定することができる。課題は、デザインスプリントで仮説検証を行うことで解決をすることができる。すなわち
[手法編]「課題を特定する」方法について
[手法] バランス・スコアカード(BSC)で12バランス・スコアカード(BSC)とは戦略・ビジョンを4つの視点(財務・顧客・業務プロセス・学習と成長)で分類し、企業の業績に影響を与えている要因を可視化・管理できる業績評価システム。(wikipediaより引用)ステップ115分で考えうるリスクを付箋に書き出す。ステップ2BSCの4つの象限のうち、直感的に当てはまる箇所に貼り付ける。ステップ3財務または顧客の象限に貼られているリスクを最も重要なリスクとして注目する。ステップ4貼られているリスクの中で最も経営・事業戦略に直結しているリスクを「最重要リスク」として特定する。続けてプロセス1に入るリスクを特定する財務の視点顧客の視点業務プロセスの視点学習と成長の視点当てはまらない視点(マーケティング、プロダクト視点他)付箋 付箋 付箋付箋 付箋 付箋付箋 付箋 付箋付箋 付箋付箋 付箋 付箋 付箋 付箋 付箋付箋バランススコアカード
[実務例2] BSCでリスクを特定する 13プロセス0でBSC(バランス・スコアカード)を使って新規事業のリスクを洗い出した。資本の視点収入源となる柱が足りなくなる|新しいCash inを逃す|企業価値に置ける商品が育たない etc.顧客の視点最適なツールの選択を誤る|体が不調のままストレスがたまり続ける|心と体の健康を損なう etc.業務の視点全体像が見ないまま見切り発車|プロジェクトがカタチにならずに立ち消え|必要以上に時間がかかる可能性あり etc.学習・成長の視点なしプロセス1「終わりから始める」「課題を書き出す」・・・1年後のビジョンを書き出す・・・リスクから問題を導き、課題へと 落とし込む
[実務例1] BSCでリスクを特定する 14プロセス0でBSC(バランス・スコアカード)を使って新規事業のリスクを洗い出した。資本の視点キャッシュフローの蓄積顧客の視点顧客(新規)の創造|リピート率up|◉満足度の実現 etc.業務の視点品質と生産性の向上|リソースの投資 etc.学習・成長の視点スキルアップ(社員の)|能力の向上|適正の見極め etc.プロセス1「終わりから始める」「課題を書き出す」・・・1年後のビジョンを書き出す・・・リスクから問題を導き、課題 へと落とし込む
[書籍の例1] savioke 15書籍「SPRINT 最速仕事術」29ページ「重大なリスク」を特定するゲストがお届けロボットを気に入らないかもしれないと、スティーブたちは懸念した。気味悪いとか怖いとか思われたらどうしよう?先端技術の集大成であるこのロボットに、人前でどんなふうにふるまいをさせるべきか、彼らは決めかねていた。ロボットがタオルなどを届けることには、薄気味悪いと思われるリスクがあると、スティーブは説明した。(中略)ロボットにどうやってゲストとのやりとりをさせるか?どれくらいの個性を与えるべきか?(中略)大手ホテルチェーン、スターウッドでの試験運用が決まっていたが、大きな問題がいくつか残っていた。それはロボットの根幹に関わる、成否を左右する重要な問題で、ホテルでの試験運用が始まるまでの数週間で答えを出す必要があった。@ Savioke引用:「SPRINT 最速仕事術」ダイヤモンド社
まとめ
デザインスプリントのプロセス整理 17リスク問題課題A 課題B 課題C課題a1 課題a2 課題a3ToDo-AToDo-a1 ToDo-a2 ToDo-a3プロセス0プロセス1〜2プロセス3〜6特定する洗い出す言い換えると全プロセスを通して課題を仮説化し、検証する(つまり仮説検証する)プロセスと言える。仮説検証のための基準を定める。デザインスプリント前(プロセス0)でまずチームの根源的共通認識である「リスク」を視覚化し、ここを起点にして問題や課題をあぶり出し、最後のプロセス6で仮説検証をするのが最も間違いのない効果的なプロセス。