次期学習指導要領に向けて中央教育審議会 教育課程企画特別部会が2025年9月に公表した「論点整理」では,学習指導要領改訂における重要な方向性が示されている.しかし,「論点整理」では学校図書館に関する位置付けや役割については十分に扱われておらず,情報活用能力が情報技術に特化して再定義されることで「情報技術」以外の「情報」の扱いが手薄になる懸念がある.こうした状況を踏まえ,学校図書館研究者有志で意見交換を行い,学校図書館の位置付けと機能強化についての「意見書」を作成・公表した.本稿では「意見書」を作成するに至った経緯と意義を紹介するとともに,学術論文として,意見書の背景や学術的根拠を整理し明らかにする.意見書では,児童生徒の学びを支える中核拠点としての学校図書館を再評価し,その機能強化を次期学習指導要領において明確に位置付けることを提言した.