Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

マスコットのかわいいLinuxディストリビューション “openSUSE” の今

マスコットのかわいいLinuxディストリビューション “openSUSE” の今

本セミナーでは、かわいいカメレオンがマスコットである Linux ディストリビューション openSUSE を紹介します。

* 商用エンタープライズ版の SUSE Linux Enterprise とパッケージがバイナリレベルで同じになった openSUSE Leap 15
* CentOS をはじめとする他のディストリビューションと同じこと・違うこと

Fuminobu TAKEYAMA

November 12, 2022
Tweet

More Decks by Fuminobu TAKEYAMA

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 2022-11-12 2/21 ブースにて • Q: openSUSE というディストリビューションをご存知ですか? • よくある回答 –

    カメレオンのマスコットがかわいい – 昔(15年前)使っていました – Slackware 系ですよね?(違います)興味があるけど、 RedHat 系しか使ったことがなくて… – 「欧州」と某雑誌に書かれていた – VMWare を使っていると見かける
  2. 2022-11-12 7/21 管理ツール YaST 2/2 • テキスト UI にも対応しているので SSH

    越しでも OK • GUI/TUI ベースだと手順書が 書きやすい 変 わ ら な い こ と
  3. 2022-11-12 8/21 2つの openSUSE Tumbleweed 常に最新 安定 ローリング・リリース 常に新しいカーネルやライブラリを使いたい人 アプリケーションの開発環境

    年次アップデート 有償サポートなしで安定した環境を使いたい人 普段遣いのデスクトップやサーバー 変 わ った こ と
  4. 2022-11-12 9/21 openSUSE Tumbleweed • ローリング・リリース – 常時パッケージが新しいバージョンになるリリーススタイル – ほんの一部のパッケージが更新されることも、

    基本パッケージの更新に伴い、大量のパッケージが更新されることもある • リリースされるまでの流れ 1. アプリケーション・ライブラリの新しいバージョンがリリースされる 2. openSUSE パケージメンテナがパッケージを作成 3. 同時期に更新されたパッケージをまとめて自動テストを行った後、 問題がなければリリース (1日1回のときもあれば、週に1回のときもあれば…) 変 わ ら な い こ と
  5. 2022-11-12 10/21 openSUSE Leap • SUSE Linux Enterprise (SLE) ベースのディストリビューション

    – 基本的には SLE と完全に同一のバイナリパッケージ • パッケージの署名まで同じ – プロプライエタリソフトウェアも SLE 用を原則そのまま使える • 例: AMD GPU のプロプライエタリドライバーは Leap と SLE は同じもの • 豊富なデスクトップ環境・アプリケーションのパッケージ – SLE に openSUSE コミュニティがメンテするパッケージを追加 • 最新版: openSUSE Leap 15.4 – 2022年6月 – SUSE Linux 15 SP4 ベース 変 わ った こ と 旧 CentOS は バイナリは 実は微妙に異なる
  6. 2022-11-12 11/21 openSUSE Leap のライフサイクル • 1年に1回のマイナーバージョンリリース – カーネルの更新や、機能拡張が行われることもある(機能の削除は基本的にない) –

    移行期間は半年(最後のマイナーバージョンは延長されることもある) • 4年に1回のメジャーバージョンアップ – SLE とは異なり、次のメジャーバージョンがリリースされると、 前のメジャーバージョンのマイナーバージョンはリリースされない • SLE 15 SP 5 があっても、Leap 15.5 はないかもしれない 変 わ った こ と 15.3 リリース 15.4 リリース 半年間の移行期間 ※長期サービスパックサポートは SLE のみ 6月 12月
  7. 2022-11-12 12/21 Leap と SLE の併用・移行 • Leap で開発、SLE で運用することもできなくはない

    – 例: openSUSEで開発、運用は Azure のセキュリティパッチ提供のみの SLE (無償版 Linux とコスト同じ) • Leap から SLE へのマイグレートも可能
  8. 2022-11-12 13/21 最近の話: openSUSE Leap 16 • 検討が始まったところ • Adaptive

    Linux Platform (通称ALP) – 最低限のホストOS + アプリケーションはコンテナとしてインストール • OCI (Docker): ボリュームマウントしてホストとファイルを共有するイメージ • Flatpack – ねらい • 複数バージョンの共存(言語ランタイムなど) • ライフサイクル・品質ポリシーの異なるソフトウェアの共存 (ホストOS部分は高信頼に、アプリ部分はアジャイルに) • コンセプト検証中 – 定期的にオンラインでワークショップ等を開催
  9. 2022-11-12 15/21 そこまでは変わらない openSUSE CentOS Ubuntu サービスの起動 $ systemctl start

    xxxxx.service ネットワークの 設定 Network Manager wicked Network Manger Network Manager netplan ファイアウォール フロントエンド firewall-cmd ufw デスクトップ KDE, GNOME GNOME GNOME Systemd になったのが大きい
  10. 2022-11-12 16/21 パッケージのインストール方法 • CentOS (yum) なら • openSUSE •

    今後 openSUSE のパッケージマネージャも RedHat系で使用される dnf になる可能性あり $ sudo zypper search パッケージ名 $ sudo zypper install パッケージ名 $ sudo yum search パッケージ名 $ sudo yum install パッケージ名
  11. 2022-11-12 17/21 パッケージが管理するファイルの一覧 • CentOS & openSUSE は同じ rpm コマンド

    • Ubuntu $ rpm -ql NetworkManager /etc/NetworkManager /etc/NetworkManager/NetworkManager.conf : $ dpkg -L network-manager /. /etc /etc/NetworkManager /etc/NetworkManager/NetworkManager.conf :
  12. 2022-11-12 18/21 パッケージ名 • ディストリビューションごとに命名規則や分割の仕方が異なる openSUSE CentOS Ubuntu Apache Web

    サーバー apache2 httpd apache2 PostgreSQL Server postgresql14-server postgresql-server ※CentOS 9 Stream は 13 postgresql-14 フォント フォント名-fonts フォント名-fonts fonts-フォント名 ttf-フォント名 開発に必要なパッケージ (ヘッダーファイルなど) ライブラリ名-devel ライブラリ名-devel ライブラリ名-dev
  13. 2022-11-12 19/21 ディストリビューション独自の設定 • アプリケーション起動時のコマンドライン引数など • openSUSE & CentOS –

    /etc/sysconfig/ • ただし、ファイルの構成は openSUSE と CentOS で異なる • Ubuntu – /etc/default/
  14. 2022-11-12 20/21 sudo のデフォルト設定の挙動 • openSUSE – root ユーザーのパスワードを入力 (targetpw)

    • CentOS – 自身のパスワードを入力 – sudo ができるグループ: wheel • Ubuntu – 自身のパスワードを入力 – sudo ができるグループ: admin /etc/sudoers で設定変更可能
  15. 2022-11-12 21/21 まとめ • ローリングリリース版の Tumbleweed • 商用エンタープライズ版と同じパッケージを使用する Leap •

    他のディストリビューションからの乗り換え – Linux 共通の基本を抑えていれば、管理の観点では違いはそこまで多くない • 開発方針、リリースサイクルについては違いがある – パッケージ名や構成は異なるので、インストール前に検索する必要がある