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新サービス立ち上げの裏側 - QUANT for Shopsで実践した開発から運用まで

新サービス立ち上げの裏側 - QUANT for Shopsで実践した開発から運用まで

GREE Tech Conference 2025で発表された資料です。
https://techcon.gree.jp/2025/session/TrackB-1

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October 17, 2025
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  1. BaaS・ミドルウェア • Firebase • MySQL • Redis インフラ・監視 • AWS

    • Google Cloud • Docker • Datadog 技術スタック アプリケーション • Ruby on Rails • Next.js • Flutter 6 ※ 記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。
  2. 既存サービスとの共通ログイン 既存サービスのユーザーも新サービス上でログインできるようにするため、認 証基盤はFirebase Authenticationを採用 • クライアントアプリではClient SDKを使用してログインを行い、Firebase 側で発行されたIDトークンを取得 • サーバーへのAPIリクエスト時にBearerトークンとしてIDトークンをリク

    エストヘッダーに付与 • サーバー側で受け取ったIDトークンの検証を行う ※ FirebaseはIDトークンを検証するための公開鍵を提供しており、この公 開鍵とJWTライブラリを使用することでIDトークンの検証が可能 https://firebase.google.com/docs/auth/admin/verify-id-tokens?hl=ja 8
  3. 新しく採用したgem 社内での採用例やメンバーの導入経験がないgemを積極的に採用 • alba(JSONシリアライザー) ◦ ActiveModelSerializersの代替として採用 ▪ 活発にメンテナンスが行われていないため導入を躊躇したことがきっかけ ◦ 高速なシリアライゼーション性能

    ◦ Kaigi on Railsのチーフオーガナイザーである大倉雅史さんが開発を行っている • rswag(OpenAPI統合) ◦ RSpecテストからOpenAPIスキーマを自動生成 ◦ レスポンスの型チェック機能付き ◦ TDD的な開発手法を実現、テスト先行で実装 10 https://github.com/okuramasafumi/alba https://github.com/rswag/rswag
  4. リリース後の課題 セキュリティ・パフォーマンス面での課題が顕著に • リリース直後から探索・攻撃のリクエストが頻繁に発生 ◦ DDoS攻撃のようなリクエストによって、意図しないオートスケールが起動 ◦ 不正なクエリパラメータにより、意図しない5xxエラーが発生 ◦ 海外からのアクセスが発生

    • クライアントアプリのファーストビュー表示が遅い ◦ ファーストビューの表示が約3秒程度 ◦ アプリケーション内で配信している画像のサイズが最適化されていない → AWSのWAF・CloudFront・Lambda@Edgeを使うことで解決 13
  5. エッジコンピューティングを用いた最適化 • WAF ◦ AWS マネージドルールを適用 • CloudFront ◦ オリジナルアセットとリサイズ済み

    の画像をキャッシュ • Lambda@Edge ◦ URLを検証 ◦ クエリパラメータの値に応じて、予 め定めているサイズに画像をリサイ ズしてS3に保存する。 14 詳細はグリーエックス社テックブログを参照 https://tech.gree-x.com/edge-computing-application-optimization-aws-waf-cloudfront-lambda-edge/index.html
  6. Lambda@Edge CloudFrontのエッジロケーションで動作するLambda関数 ユーザーからのリクエストをエッジロケーションでハンドリングできる。 • Viewer Request ◦ URLを検証 ◦ リサイズ用のクエリパラメータをチェック、適切なパラメータが付与されている時はリク

    エストパスを変更 • Origin Response ◦ 403/404エラー時は画像のリサイズ・S3への保存を行い、保存先にリダイレクトするよ うに301レスポンスをユーザーに返す ※ 適切なハンドリングができないとリダイレクトループが発生するため注意 17
  7. 新規プロダクト開発で意識したこと • 立ち上げ期はスピードと品質のバランス ◦ QCDの中でも「スピード」を重視した意思決定 ◦ TDDのような開発手法で、スピードを保ちながら品質も担保 • 開発パートナーとの「フラットな関係性」 ◦

    フラットなコミュニケーションが、問題の早期発見・解決につながった • リリース後の継続改善でプロダクトを成長させる ◦ セキュリティやパフォーマンスの問題は使われて顕在化 ◦ 変化に備えた設計が、想定外への対応力を生む 新規開発は想定外との戦い。立ち止まらず、打ち返し続けることが重要! 19