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インセプションデッキの作り方/how-to-make-inception-deck

Atsushi Harada
November 07, 2019

 インセプションデッキの作り方/how-to-make-inception-deck

Atsushi Harada

November 07, 2019
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Transcript

  1. インセプションデッキの
    作り⽅
    mofmof inc.

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  2. 頭の体操(1分間)
    メモ:来客のために⼿⼟産を⽤意したいの
    で買ってきてほしい。代⾦は⼀旦⽴て替え
    ておいてください。
    いくらでどんなものを買いますか?

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  3. 頭の体操 解説
    • 来客は誰か?
    • どんな⽬的で必要なのか?
    • どんな⼿⼟産がいいのか?
    • いくらの⼿⼟産がいいのか?

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  4. なぜインセプションデッキを作るのか

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  5. 顧客が本当に必要だったもの

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  6. 顧客が本当に必要だったもの
    • 顧客⾃⾝が必要なものを的確に表現出来
    るわけではない
    • 顧客には解決したいものがあっても、正
    しいソリューションの形は知らない
    • 本当に必要なものは、探していかなけれ
    ばならない

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  7. どうやって⽬的を達成するか
    ✗ どんなものを作るか

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  8. ⽬的を知らなければ
    • 「こういう機能があったら便利に違いない!作ろ
    う!」
    • それは本当に⽬的を達成の役に⽴つだろうか?
    • 「機能A・機能B・機能C、全部必要!作らなきゃ!」
    • そんなに機能作り込んだら、逆にユーザーは使いにくくな
    るのでは?
    • 何を作るべきで、何を作るべきでないか、⽬的の達成
    に近づくかどうかで判断しなければならない
    • ⽬的を知っていれば、もっとユーザーにとって価値の
    あるものを作るために時間を使えたかも知れない

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  9. インセプションデッキ
    • プロジェクトの⽬的を理解し合意するこ
    とが出来るドキュメント

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  10. とあるエピソード
    • 昔々とある社員名簿管理システムを開発していた
    ときにインセプションデッキをつくったときの話
    • 業務システム=コスト削減が⽬的でしょ?
    • コストを削減したいのではなく、担当者⾃⾝が
    Excelによる煩雑な管理から開放されて、代わりに
    社員⼀⼈ひとり向けのサービスを⼿厚くすること
    に時間を割きたいという⽬的だった
    • 開発者は、⾃分が思っているより「⽬的」を理解
    していないと⾔うことを⾃覚する必要がある

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  11. インセプションデッキ紹介

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  12. インセプションデッキ
    • 11枚のスライドを埋めるだけ

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  13. Ϗ
    δ
    ϣ
    ϯ

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  14. ϓ
    ϩ
    μ
    Ϋ
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    ͷ
    Ձ

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  15. ϓ
    ϩ
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    ͷ
    Ձ

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  16. ε
    ί
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  17. ε
    ς
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  18. ٕ


    Ϧ
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    Ϋ

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  19. Ϧ
    ε
    Ϋ

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  20. ׂ

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  21. ε
    έ
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    ϡ
    ʔ
    ϧ

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  22. Ґ

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  23. ε
    έ
    δ
    ϡ
    ʔ
    ϧ

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  24. 実際に書いてみよう

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  25. View Slide

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  27. 注意点
    • なんでもかんでも盛り込み過ぎて機能列
    挙にならないようにする
    • 「◯◯が出来て、△△しやすくて、□□も出
    来る!」
    • 「ニーズ」「価値」「競合との差別化」
    部分が重複しないようにする
    • 伝わる⾔葉にするには出来るだけ重複な
    くシンプルに表現すること

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  28. View Slide

  29. ςϯϓϨʔτ
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  30. 5PSJEFST
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  31. ϞϦϞϦͷྫ
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  32. ॏෳͷྫ
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  33. お題:NOREL 10分くらい

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  34. やってみよう
    • 4,5⼈のグループに別れる
    • 各⾃プロダクトオーナーになったつもりで書いて
    みよう
    • 書いてみたエレベーターピッチをグループで各⾃
    発表
    • グループごとに合意して⼀つのこれなら勝てると
    思うエレベータピッチにまとめよう
    • グループごとに発表する
    • どういう議論があって、そのエレベータピッチに
    なったのか?

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  35. ⼤事なポイント
    • 実際のプロジェクトでインセプションデッキを作るとき
    • 各⾃が仮説を⽴てて作ってみること
    • 誰かが作ったものに対してレビューするやり⽅をすると、ほと
    んど議論が発⽣せず「なんとなく合意」になってしまう
    • 評論家にならないこと
    • 「それ必要?」「意味なくない?」「それ儲かるの?」という批判は
    せず(それが最初から分かるなら苦労しないよ。。)に、「⾃分はこう思
    いますがどうですか?」という⾵に建設的に意⾒を述べよう
    • プロダクトの価値を、⾃分で他⼈に説明出来ないのなら、
    ゴールを理解したとは⾔えない。それはただ聞いてただけ。

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  36. View Slide

  37. 作ってみよう
    • 各スライダーは同じ位置に置かないこと
    • 「品質」は定義が曖昧になりがちなので
    削除した⽅が良い(やるなら明確にしてか
    ら)
    • 保守性の⾼いソースコードのこと?
    • ⾒た⽬がキレイであること?
    • バグの発⽣率が少ないこと?

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  38. テーマ
    あなたはとあるプロジェクトのプロダクトオーナー
    に任命され、上司にこう説明されました。
    「予算は300万円、納期は2ヶ⽉でアルバイトの求⼈
    サービスを作って欲しい。応募者側は応募出来る機
    能が必要で、企業側は応募者を管理する機能が必要
    だ。何か聞きたいことある?」
    質問例)
    ・予算は追加できますか?

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  39. τϨʔυΦϑɾεϥΠμʔ
    యܕతͳϑΥʔε
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    ظ೔Λࢮक͢Δ ࣌ؒ

    MAX MIN
    MAX MIN
    MAX MIN

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  40. ⼤事なポイント
    • プロダクトオーナーに書いてもらうときには
    必ずこのように説明しよう
    • 「全て重要なのは承知です。でも全てが潤沢であ
    ることはほとんどないので、何か課題があったと
    きに何を優先とするべきかを事前に決めて起きた
    いのです」
    • トレードオフスライダーはそれぞれがトレー
    ドオフの関係にあることを理解してもらうこ
    とも⼤きな⽬的の⼀つ

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  41. 最後に

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  42. インセプションデッキをつくるとき
    • インセプションデッキは、このドキュメ
    ントを作ることが⽬的ではない
    • 議論した上で合意すること⾃体が⽬的
    • もし議論がなく合意された場合は、基本
    的に失敗しているのでやり⽅を変えよう

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  43. インセプションデッキをつくるとき
    • 1スライドに対して30分以上はかけて議論し
    よう
    • 本来はプロダクトオーナーが作るものだが、
    開発者も作って、主体となって進める⽅が上
    ⼿くいく
    • 機能開発のミーティングと⼀緒にやってしま
    うと後回しにされがちなので、別途時間を確
    保してつくること

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  44. インセプションデッキをつくるとき
    • プロダクトオーナーの頭の中にあることを引
    き出すように議論する
    • 評論家になってはいけない、あなたはチーム
    メンバーなのであって傍観者ではない
    • プロダクトの価値を、⾃分で他⼈に説明出来
    ないのなら、ゴールを理解したとは⾔えない。
    それはただ聞いてただけ

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  45. 運⽤⽅法
    • 教科書的には常に⾒えるところに掲⽰することが
    推奨されている
    • が、ただの景⾊になる
    • 事務所の都合で出来ない
    • オススメ
    • チームに新メンバーが⼊ったとき、全員に対しても
    う⼀度説明する
    • 内容を更新したとき、全員に対してもう⼀度説明す

    • GitリポジトリのREADMEに貼っておく

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  46. テンプレート
    https://github.com/agile-samurai-
    ja/support/tree/master/blank-inception-
    deck

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  47. 参考スライド
    https://www.slideshare.net/nawoto/head-first-inception-deck IUUQTXXXTMJEFTIBSFOFU5BLBP0ZPCFSFNBTUFS

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  48. 振り返り
    • 気付いたこと、良かったことを書き出し
    てみよう
    • 書き出した内容をチームで共有しよう

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