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ウェブ時代における地理空間技術

 ウェブ時代における地理空間技術

ウェブ時代における地理空間技術
Geospatial Technology in an age of the Web

2020-01-14T13:20/14:50 はじめての空間情報システム
2020-01-14T15:05/18:20 演習B

@青山学院大学相模原キャンパス

Hidenori FUJIMURA

January 14, 2020
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Transcript

  1. ウェブ時代における 地理空間技術 Geospatial Technology in an age of the Web

    国⼟地理院企画部 地理空間情報政策調整官 元・国連地理空間情報課 上級地理空間専⾨官 国連ベクトルタイルツールキット 主任 UN-GGIM 防災作業部会 演習主任 UN-GGIM-AP 統計統合作業部会 副議⻑ 藤村 英範(ふじむら ひでのり) 2020-01-14T13:20/14:50 はじめての空間情報システム 2020-01-14T15:05/18:20 演習B @⻘⼭学院⼤学相模原キャンパス
  2. 活動の舞台 Ø地理空間情報当局 Ø国連GGIM üGlobal Geospatial Information Management (GGIM) Ø国連GGIM-AP üEconomic

    and Social Commission for Asia and the Pacific (ESCAP) Ø国連事務局 Øパートナーシップ 2
  3. 活動の舞台 Ø地理空間情報当局 国⼟地理院 Ø国連GGIM 防災作業部会 üGlobal Geospatial Information Management (GGIM)

    Ø国連GGIM-AP 統計統合作業部会 üEconomic and Social Commission for Asia and the Pacific (ESCAP) Ø国連事務局 元・国連地理空間情報課 Øパートナーシップ UNVT(国連 ベクトルタイルツールキット) 3
  4. ⾃⼰紹介 藤村英範(ふじむら ひでのり) 1 情報⼯学採⽤ ロボットビジョン・超並列処理 2 地球地図プロジェクト 1:100万デジタル地図技術移転 3

    情報普及課 電⼦国⼟ウェブシステム運⽤ 地形図⽴体視 4 ハノーファー⼤学写真測量・地理情報研 だいちで道路中⼼線の⾃動検証 5 測図技術開発室 地理識別⼦、基盤地図情報街区 住居表⽰住所 6 国⼟交通省海外プロジェクト推進課 下⽔道・地図の海外プロジェクト 7 情報普及課⻑ 地理院地図・地理院タイル 8 国際課⻑ 電⼦基準点網技術の海外展開 地球地図プロジェクト完了 9 国連地理空間情報課 ウェブ地図技術の移転 国連ベクトルタイルツールキット 10 地理空間情報政策調整官 技術の政策調整(2019-08〜) 11 ISO/TC 211 に継続的に関与 ICTと地図の関わりを⻑く考える 4
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  6. 国連は「努⼒を結集する」 努力を結集する combine our efforts ゆえに、国連でシゴトするための公式は 努⼒を結集できるところを⾒つけ出す ↓ 努⼒の結集を先導する 21

    「国連にはコンビーニング・パワー (convening power; 動員⼒)がある」 ともいう。 ← 国連のルールブック「国連憲章」
  7. Operation(運⽤) • 国連事務局 運⽤⽀援局 / 情報通信技術局 地理空間情報課 → 安全保障理事会、国連平和維持活動 ü

    地理空間情報当局の経験が⽣きるところが多い。 → 国連ベクトルタイルツールキットを、国連内部の運⽤⽀援 を主⽬的に創設 24
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  9. ⽇本の特徴 • アジアや欧州等と類似の高めの人口密度(〜⼟地利⽤形態) • ドイツのような連邦国家と⽐べると中央に集まった技術行政 • 測量法に技術事項が明確に記載されている • 特に測量法第27条「2 国⼟交通⼤⾂は、…地図…を刊⾏し…なければなら

    ない。」により地図刊行が大臣の権限と明⽰しているのは特徴的と思料。 想定される基本戦略 ① 運用技術の強さを国連の運用の⽀援に⽣かす。 ② 運用技術の強さを意見交換の場にも打ち出していく。 40
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  11. デスクトップ GIS と⽐較してのウェブ地図 メディア デスクトップ ウェブ地図 ターゲットユーザ 専⾨家 ⼈々 データ形式

    ZIPしたShapefile タイル 主な利⽤モード 地理解析 ⾒る・読む デスクトップGIS 専⾨家 ウェブ地図 ⼈々 44
  12. 国連ベクトルタイルツールキット創設までの流れ 2003 国⼟地理院,ベクトルタイル技術を使ってウェブ地図を開始する. →誇るべきことであると同時に,地図づくりを知る者として当然の決断とも⾔え る. 2012 国⼟地理院,オープンソースソフトウェアをウェブ地図の運⽤のため採⽤する. 当時のオープンソースソフトウェアは画像タイル技術に基づくものであった. →技術的な妥協と引き換えに,システムの透明性やアカウンタビリティを強化. 2014

    オープンソースライセンスに基づくベクトルタイル技術が提供される. 国土地理院ベクトルタイル提供実験が開始される. →技術動向を捉えて,技術的に正しい⽅向性を改めて回復する. 2015 国連オープンGISイニシアティブが設⽴される. →国連活動の効率化のためのオープンソースGISの導⼊を追求が開始される. 2017 ⽇本政府,上級地理空間専門官を国連地理空間情報課に派遣する →技術による国連活動への⼈的貢献を実現.地球地図プロジェクトの伝統に基づ く実装志向と技術移転重視の技術が,国連事務局から要請された. 2018 国連オープンGISイニシアティブが国連ベクトルタイルツールキットを創設する →国連内部⽤のウェブ地図を,連続⾃動更新されるベクトルタイルに転換する. そのための技術を持続可能にし,多様なウェブ地図を持続可能にするために, その技術をオープンソースソフトウェアプロジェクトとして⾃⽴させる. 2019 国連ベクトルタイルツールキットを⽤いた地理院地図 Vector が試験公開される. →⾃らの責務を果たす中で国連とともに歩む姿勢を明確にする. 49
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  15. Raspberry Pi 実装 1. 国連ベクトルタイルツールキットとデータ⼀式 を Docker イメージに詰め込む。 2. Raspberry

    Pi の OS (Raspbian)に Docker を導⼊し、Docker イメージを導⼊する。 3. Raspbian OS の⼊った microSD イメージを ファイルに取り出して、複製する。 国連ベクトルタイルツールキットをインターネット なしでデモまたは技術移転できる環境ができる。 70
  16. ⑤ unvt/kawagoe を⽴ち上げる ※ 動画のようには exit しなくてよい です。 pi@raspberrypi:~ $

    cd kawagoe pi@raspberrypi:~/kawagoe $ rake docker docker run -ti --rm -p 9966:9966 unvt/kawagoe ~ # 77
  17. ⑥ 設定を変更し、サーバを起動 ※ 動画のようには exit しなくてよい です。 ~ # cd

    kawagoe ~/kawagoe # nano hocon/style.conf location: “http://raspberrypi.local:9966” が有効になるように修正し、 ファイルを保存(Ctrl-s)して、エディタを終了(Ctrl-x) ~/kawagoe # rake build ~/kawagoe # rake host ブラウザで http://raspberrypi.local:9966 にアクセス 78
  18. 詳しい⼈向け unvt/kawagoe が実⾏できることは次のとおり pi@raspberrypi:~/kawagoe $ rake -T rake 1013do #

    download disaster orthophoto tiles rake build # build style.json and bundle.js rake bvmap # download GSI Maps Vector tiles rake docker # run docker to use unvt/kawagoe rake docker_build # build unvt/kawagoe rake host # host the site rake landformclassification1 # produce vector tiles for landform ... rake mapbox_gl # copy files from mapbox-gl-js 79
  19. unvt/v6 based on arm32v6/alpine General Compile Tools Interpret Tools Geospatial

    Tools Support bash curl git htop nano openssh python ruby ruby-rake tmux vim zip zlib-dev autoconf automake g++ libtool linux-headers make sqlite sqlite-dev nodejs npm yarn browserify budo hjson pm2 rollup @pushcorn/hocon-parser tippecanoe @mapbox/mapbox-gl- style-spec -> gl-style- validate maputnik/editor vt-optimizer PROJ gdal asciinema 80
  20. 初めての並⾏運⽤ Yoichi David A. Hastings Award Winner (FOSS4G Asia 2018)

    Nobusuke OSGeo Japan Chapter Representative Hidenori me
  21. ⑦ 電源を切る $ rake docker docker run -ti --rm -p

    9966:9966 unvt/kawagoe ~ # # do something ~ # exit pi@raspberrypi:~/kawagoe $ sudo poweroff Connection to raspberrypi.local closed by remote host. Connection to raspberrypi.local closed. 84
  22. UNVT チーム UNGIS GeoThings 国土地理院 国立天文台 農業環境変動研究センター Mapbox マップル・オン OSGeo

    日本支部 国連地理空間情報課 国連グローバルサービスセンター 87 領域横断 セクター横断 今後、 さらなる参加 を誘致する。
  23. 90

  24. 91

  25. The UNVT Team UNGIS GeoThings 国土地理院 国立天文台 農業環境変動研究センター Mapbox マップル・オン

    OSGeo 日本支部 国連地理空間情報課 国連グローバルサービスセンター 101
  26. UNVT: Recent progress Raising awareness of the UN Open GIS

    through the UNVT. Exercise with multiple P3s. Land information app from the UNVT community. # date UNVT presentations in: 1 2019-10-13 FOSS4G 2019 Kobe (Kobe, Japan) 2 2019-11-03 UN-GGIM-AP WG-3 workshop (Canberra, Australia) 3 2019-11-05 UN-GGIM-AP Plenary (Canberra, Australia) 4 2019-11-15 ESCAP workshop on land information management (Tashkent, Uzbekistan) 5 2019-11-22 Mapping Technology Association Symposium (Tokyo) 6 2019-11-28 GSI Maps Partner Network Conference (Tokyo) 7 2019-11-30 Geospatial Expo 2019 (Tokyo) 8 2019-12-03 JICA training course exercise (Tsukuba, Japan) 9 2019-12-10 ISO/TC 211 19160-2 workshop (Omiya, Japan) 10 2020-01-09 Lecture for Senior Surveyors (Tokyo, Japan) 11 2020-01-14 Lecture for Aoyama Gakuin University (Sagamihara, Japan) Raise awareness of our “Contribution by Tangible Running Code” through the United Nations regional cooperation channels, software development community channels, and local channels. 105
  27. ࠃ࿈((*.の⽬的と機能 (E/2011/L.53) B ڠྗڧԽについての調整と対話 C ૬ޓӡ༻のための共通原則、共通の⽅法、共通のメカニズム c. 国のೳྗڧԽについて、また、興味を持った国が地理空間情報 と背景技術を開発することについて、効果的なઓུを⽴案 d.

    国の活動について柔軟性は残しつつ、ϕετϓϥΫςΟεを編 纂・普及 e. 関係分野の既存のフォーラムや機構に⽴脚しなければならない。 ࠃ࿈((*.ͱ͸ɺڠྗڧԽɾ૬ޓӡ༻ɾೳྗڧԽͰ͋Δɻ 運用技術がこの意見交換の場に貢献できる余地は大いにある。 106
  28. 仙台防災枠組×UNVT グローバルターゲット(g)「2030年までに,…災害リスク情報 …の入手可能性とアクセスを⼤幅に向上させる」の達成に貢 献。具体的には,「優先⾏動1︓災害リスクの理解」のう ち,次の優先⾏動に貢献しうる。 24. (c) リスクマップを含む位置情報ごとの災害リスク情報 を,(作成し,定期的に更新し,そして)政策決定者,一 般市民,災害リスクに直面している地域コミュニティに対し,利

    ⽤できる場合には,地理空間情報技術を使⽤して,適切な 形式で,適宜,普及する. 24. (m) 特定の対象者とそのニーズを考慮しつつ,…コ ミュニティの動員により,災害リスク情報及び知識を含む, 災害リスクの削減に関する公教育と国⺠意識を強化するた めの国家戦略を促進する. 24. (o) 地域密着型の組織や NGO の関与を通じて,災害リ スク情報を広めるために地域レベルで人々の協力関係を強 化する. 108
  29. 統計地理空間地球規模枠組×UNVT 原則4「統計と地理空間の相互運⽤性」によれ ば,相互運⽤性の恩恵を実現するために重要な 意味を持つのは,規格への明確な合意とその規 格の実装への深い関与である。 UNVTは,原則4に掲げられた下位⽬標のうち, とりわけ次の⽬標に寄与する 1. アクセスと使⽤を⼤幅に効率化し,時間を経 ても採択と進化が可能な(例えばAPIを通じ

    た)アクセスメカニズムを実装すること. 2. データとツールを再利⽤できるよう,取り組 みの重複を避けて,共通の解決策を開発するこ と. 3. 可能な限りデータとツールが自由で開かれたも のであることを確保し,技術その他の相互運用 性の問題によって情報が失われることなく, ユーザがすべての情報にアクセスできるようにする 113
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  31. 2019-09-24/25 国連総会 SDGs サミット政治宣⾔ 20. 災害リスクは人類にとって悲惨な結果となりえる勢いで増大して いる。 23. 世界の多くの場所で…自然災害はより頻繁かつ猛烈になり、莫 大な人的被害を発生させ、持続可能な開発目標の実現を阻害してい

    る。強靭で、平和で、公正で、包摂的な社会を築く我々の能力は断片 化され不十分であることが多い。 → 自然災害への対応が重要課題である、と改めて認識されている。 115
  32. SDGs×UNVT ⽬標9「レジリエントなインフラを整備し,包摂的で持続可能な産 業化を推進するとともに,イノベーションの拡大を図る」 9.a …途上国への…技術の支援強化を通じて,…持続可能かつ強靭(レジ リエント)なインフラ開発… 9.b …開発途上国の国内における技術開発,研究及びイノベーションを⽀援… ⽬標17「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し,グローバ ル・パートナーシップを活性化する」

    17.6 科学技術イノベーション(STI)…に関する…協⼒…を向上させる. また,…相互に合意した条件において知識共有を進める. 17.9 …効果的かつ的をしぼった能力構築の実施に対する国際的な支援を強 化する. 17.17 さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした,効果 的な公的,官民,市民社会のパートナーシップを奨励・推進する. 17.18 2020年までに,後発開発途上国及び⼩島嶼開発途上国を含む開発 途上国に対する能力構築支援を強化し,所得,性別,年齢,⼈種,⺠ 族,居住資格,障害,地理的位置及びその他各国事情に関連する特性 別の質が高く,タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を 向上させる. 「⽇本の得意」 「⽇本の苦⼿」 116
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  45. ウェブ時代における 地理空間技術 Geospatial Technology in an age of the Web

    国⼟地理院企画部 地理空間情報政策調整官 元・国連地理空間情報課 上級地理空間専⾨官 国連ベクトルタイルツールキット 主任 UN-GGIM 防災作業部会 演習主任 UN-GGIM-AP 統計統合作業部会 副議⻑ 藤村 英範(ふじむら ひでのり) 2020-01-14T13:20/14:50 はじめての空間情報システム 2020-01-14T15:05/18:20 演習B @⻘⼭学院⼤学相模原キャンパス