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アタックの攻撃参加人数から見る攻撃の構成に関する検討 〜 2014年世界選手権男子決勝 ブラジ...

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March 30, 2024
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アタックの攻撃参加人数から見る攻撃の構成に関する検討 〜 2014年世界選手権男子決勝 ブラジル-ポーランド戦 ブラジルチームのデータから〜

日本バレーボール学会 第21回大会(2016/03/20)
一般研究発表 演題番号 No. 7

作成者|北口 剛一

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March 30, 2024
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Transcript

  1. 方法    アタッカーのテンポ   バレーペディア改訂版 Ver1.2(日本文化出版)の定義に基づき   以下のテンポに分類した   ファースト(TEMPO 1) アタッカーが先に助走動作を行い,それにセット軌道を合わせることで 打たせるアタック

      セカンド(TEMPO 2) セット軌道に合わせてアタッカーが助走することで繰り出すアタック   サード(TEMPO 3) 十分に高い軌道のセットを先に上げて,アタッカーが助走動作を行う 時間的余裕を持たせて打たせるアタック   
  2. 結果   レセプション時における攻撃パターンの構成   同時多発位置差攻撃であるS4が 高い決定率・効果率を示す一方, S3もS4と比較して遜色ない 決定率・効果率を示している  同時多発位置差攻撃を世界で 最初に始めたとされる(渡辺,2011(※))

    ブラジルではあるが S4よりもS3の出現頻度が 多くみられた   (※)深層真相排球塾「月刊バレーボール」(日本文化出版) Reception 攻撃パターン(シンクロ) 結果 S4 S3 S2 S0 得点 11 21 3 3 失点 3 4 0 2 継続 4 10 1 2 返球 1 1 他 1 内訳 19 37 4 7 28.4% 55.2% 6.0% 10.4% 決定率 61.1% 60.0% 75.0% 42.9% 失点率 15.8% 10.8% 0.0% 28.6% 効果率 44.4% 48.6% 75.0% 14.3%
  3. 考察    結果のまとめ ・過半数を超えるアタックがシンクロ3   ・シンクロ3の大半は8番が後衛時攻撃に参加しない シンクロ3(8-)   ・シンクロ3(8-)では後衛8番に攻撃させないため   

    サーブで狙い助走を妨害するようにみえるシーンは 少なかった   ・シンクロ4とシンクロ3(8-)では決定率・効果率がほぼ同等  上記よりシンクロ3(8-)でもシンクロ4と同程度の効果が   期待できるというチーム内の共通認識があり,   8番が後衛時には攻撃参加しない事をチームとして   許容しているのではないかと推測される
  4.  本研究はVolleyball Labのグループ研究の一環として行われたものです  Volleyball Labとは  バレーボールを客観的な根拠に基づき理解すること(Evidence-based Volleyball :EBV)  を目的とするグループです。    Volleyball

    Labメンバー ・浅野 暢介 ・小田部 剛 ・垣花 実樹 ・川村 貴彦 ・木曽 司 ・北口 剛一 ・後藤浩史 ・午坊 健司 ・佐藤 文彦 ・角力山 淳 ・辻村 茉莉江 ・手川 勝太朗 ・縄田 亮太 ・三村 泰成 ・渡辺 寿規