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三越伊勢丹の接客DXを支える「DevOps基盤」とは

 三越伊勢丹の接客DXを支える「DevOps基盤」とは

2022年2月14日に開催されたITモダナイゼーション Summit 2022での講演『三越伊勢丹の接客DXを支える「DevOps基盤」とは』の資料です。

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Transcript

  1. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹の接客DXを⽀える 「DevOps基盤」とは

    (株)アイムデジタルラボ 取締役 鈴⽊雄介 2022/4/14 ITモダナイゼーション Summit 2022
  2. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹グループ 国内百貨店お取組先数

    約 2万 6千社 グループ従業員数 約 2万⼈ 株主さま数 約 28万⼈ エムアイカード会員数 約 290万⼈ 百貨店 (オンライン・オフライン) ⾸都圏を中⼼に、 国内外に49店舗を展開 不動産事業 国内保有不動産の再開発と 国内外の商業不動産事業を強化 ⾦融事業 国の世帯年収 2,000万円以上のうち 約14%がエムアイカード会員 ※2021年7⽉1⽇時点 売上⾼(連結) 8,160億円 ※2021年3⽉期実績
  3. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. IMDLとは (株)アイムデジタルラボ

    • 三越伊勢丹グループにおけるDX推進 機能⼦会社 • 2019年11⽉設⽴ • https://www.imd-lab.co.jp/ • https://note.com/imd_lab ミッション 仕組みを変えて お買い物を楽しくする
  4. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 講演者 鈴⽊雄介

    • (株)アイムデジタルラボ • 取締役 • Graat(グラーツ) • 正式名称:グロース・アーキテクチャ&チームス(株) • 代表取締役社⻑ • ⽇本Javaユーザーグループ • SNS • @yusuke_arclamp • http://arclamp.hatenablog.com/
  5. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 三越伊勢丹における接客DX z

    っっっっっz z A.3D計測+店頭接客 / B.接客のデジタル化 接客とデジタルを組み合わせた「最⾼の顧客体験」 オン/オフが選択できる 予期せぬものに出会える 私を覚えていてくれる 幅広い選択肢の中から 知らなかったものに出会う 必要なタイミングで、 都合の良い⽅法で 次の買い物が、 より良い体験になる
  6. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. A.3D計測+店頭接客 マッチパレット(婦⼈服)

    3D計測機で⾝体の“体型タイプ”を計測、 その結果をもとにお洋服選びのアドバイス ⾃分の”体型タイプ”を知る ユアフィット365(婦⼈靴/紳⼠靴) 3D計測したお客さまの⾜形と靴の⽊型を マッチングし、靴専⾨販売員がフィッティング 最⾼の1⾜に出会う 似合うが⾒つかる ⾜にあった10⾜に絞り込む + + スマホからECへ ⾃分の好きな⽊型から/⾃分の体型タイプから + ※YourFIT365とマッチパレットは無料で利⽤いただけるサービスです。
  7. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. B.接客のデジタル化 三越伊勢丹リモートショッピングアプリ

    チャットやビデオで接客し、 そのまま店頭商品をリモート決済 あなたのための接客を いつでも、どこからでも + 接客履歴がカルテに残り、 次の接客品質が向上 + ※伊勢丹新宿店、⽇本橋三越本店、銀座三越、伊勢丹⽴川店で対応(2022/3現在)
  8. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. 最⾼の顧客体験を持続する OMOの実現

    • いつでも、どこでも • 店頭、リモート、ECを お客さまの都合で利⽤ • つながり続ける • 個別の売場がお客さまと つながる • データがたまるほど、 接客品質があがっていく 提案 接客 予約 カルテ 購買 カルテ 登録 決済 店頭×リモート×EC ※OMO(Online Merges with Offline) オンラインとオフラインが融合された環境で⾏われるサービスのこと。
  9. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DX推進に向けた課題 ⾊々な調整に時間がかかる

    • 実装そのものが遅いことは少ない • どんな調整が遅いのか? • ビジネス部⾨との調整 • インフラ部⾨との調整 • 運⽤部⾨との調整 • 他システム部⾨との調整 • 品質/法務/経理... ←今⽇の話の主題① ←今⽇の話の主題②
  10. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって調整をなくすのか? 調整をなくしたいもの

    • インフラ部⾨との調整 • サーバの構築、性能変更、台数増減 • ネットワークのルーティング設定 • データベースなどの構築や変更など • 運⽤部⾨との調整 • リリース作業 • スケジューラーの設定 • 運⽤監視項⽬の設定など • 他システム部⾨との調整 • システム間連携に向けた問い合わせや確認 • 項⽬、仕様、テスト、性能、障害... ①DevOps基盤 ②ビジネス プラットフォーム
  11. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DX推進に向けた取り組み体制 DXサービス向けに2つの基盤を整備

    • ①DevOps基盤 • ⽬的:開発⽣産性と保守性の向上 • ②ビジネスプラットフォーム • ⽬的:基幹システムへのアクセス容易性の向上 三越伊勢丹 アイムデジタルラボ (IMDL) 三越伊勢丹システム・ ソリューションズ(IMS) ビジネス プラットフォーム 協業 整備 基幹 システム 保守 DXサービス 開発 連携 DevOps基盤 連携 接客DX オンライン or オフライン 運営 利⽤ 協業 情報システム部 三越伊勢丹ホールディングス
  12. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって調整をなくすのか? 調整をなくしたいもの

    • インフラ部⾨との調整 • サーバの構築、性能変更、台数増減 • ネットワークのルーティング設定 • データベースなどの構築や変更など • 運⽤部⾨との調整 • リリース作業 • スケジューラーの設定 • 運⽤監視項⽬の設定など • 他システム部⾨との調整 • システム間連携に向けた問い合わせや確認 • 項⽬、仕様、テスト、性能、障害... ①DevOps基盤 ②ビジネス プラットフォーム
  13. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 開発チームがインフラ構築/運⽤作業をする

    • インフラ構築/運⽤作業を全てツール化し、開発 チームが利⽤する • インフラ/運⽤チームはツールの整備を⾏う • 基本的なセキュリティはツール側で保証する これまで これから インフラ 構築 アプリ 開発 運⽤監視 インフラ チーム 開発 チーム 運⽤監視 チーム 既存 環境 利⽤ 作業 作業 開発 チーム 運⽤監視 チーム DevOps 基盤 利⽤ CCoE 全体 整備 ⽀援 依頼 依頼 利⽤ 利⽤ 監視
  14. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 全てをツール化する

    1/3 • インフラ作業のツール化 • IaC (Infrastructure as Code) • ⼿作業の禁⽌。インフラ構築作業をコードで管理することで パタメタによる実⾏や変更履歴管理が可能に • コンテナ (Docker) • サーバ内のOS/Webサーバなどの設定をコードで管理 • マネージドサービス • RDBなどのミドルウェアはサービスを利⽤する • 仮想ホストの利⽤を禁⽌
  15. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 全てをツール化する

    2/3 • ビルド&リリース作業のツール化 • CI/CD (Continuous Integration/Continuous Delivery) • アプリケーションのビルトやデプロイに関する⼿順を⾃動化 • 無停⽌⽇中リリース • 複雑なブルーグリーンデプロイメントを⾃動化 • 夜間リリースを避けることで保守体制も効率化 1.0 1.1 1.0 1.1 1.0 1.1 1.0 1.1
  16. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 全てをツール化する

    3/3 • 運⽤監視作業のツール化 • マネージドサービス • 責任共有モデルが前提 • そもそも運⽤管理をしない • 前提としたのコンテナ化 • 分散モニタリングサービス • 全てのサービスをまとめて、1つの全体サービスとして運⽤監 視をおこなっていく • チャットなどを通じて通報 データ アカウント管理 認証認可機能 アプリケーション ネットワーク制御 OS 物理サーバ 物理ネットワーク データセンター SaaS PaaS IaaS オンプレ 責任 共有 範囲 <クラウド責任共有モデル>
  17. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 ガイドラインとして策定

    • 開発チームが参照しながら作業を⾏なっていく • AWS/Azure利⽤ガイドライン • 運⽤設計ガイドライン • CI/CDガイドライン • モニタリングサービスガイドライン • 開発チーム向けのサンプルコード、テンプレートなど • ガイドラインの販売もしています • 問い合わせ先:(株)三越伊勢丹システムソリューションズ
  18. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ガイドライン⽬次 クラウドガイドライン

    • アカウント・ユーザー管理⽅針 • ネットワーク設計⽅針 • セキュリティ基本⽅針 • バックアップ設計⽅針 • システム可⽤性設計⽅針 • メンテナンス環境設計 • 命名規則 • タグ設計 • インフラ構築⾃動化 • インスタンス夜間停⽌ • ガイドライン⾮準拠の⾃動検知 • 環境変数管理 • 利⽤サービス⼀覧 運⽤設計ガイドライン • 運⽤の概要設計 • 本番作業フロー • 運⽤タスクリスト • 運⽤コスト削減 • アップデート⽅針 • 監視設計 • 権限付与システム CI/CDガイドライン • CI/CDパイプライン • CI/CD基本⽅針 • パイプラインの構築
  19. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 効率が16倍になりました

    • 開発スピードが4倍で、保守⼯数が1/4 • 1年かけていた開発が3ヶ⽉に • 構築だけではなく、運⽤保守作業も削減された • 開発チームの意識も変わった • 他部署に依頼する→⾃分たちでやる • ⼿順に従ってやる→ガイドラインの中で試⾏錯誤する • 過去の会社の知⾒→イマドキのツールを使いこなす
  20. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. DevOps基盤 その上で動いているもの

    • さまざまなDXサービス • 店頭向けデジタルサービス、各種アプリのバックエンド、 物流サービスなど • 基幹システム連携のためのAPI/データ群 • さらに、基幹システムの⼀部機能をクラウドシフト • 名称:ビジネスプラットフォーム
  21. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. どうやって調整をなくすのか? 調整をなくしたいもの

    • インフラ部⾨との調整 • サーバの構築、性能変更、台数増減 • ネットワークのルーティング設定 • データベースなどの構築や変更など • 運⽤部⾨との調整 • リリース作業 • スケジューラーの設定 • 運⽤監視項⽬の設定など • 他システム部⾨との調整 • システム間連携に向けた問い合わせや確認 • 項⽬、仕様、テスト、性能、障害... ①DevOps基盤 ②ビジネス プラットフォーム
  22. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム 基幹システムをプラットフォーム化する

    • 略称:BPF • 百貨店事業のデータや機能をプラットフォーム化 • マスタデータ • 商品、会員など • トランザクションデータ • 受発注、売上、在庫、ポイントなど • 機能 • 認証、決済、受注、各種計算、出荷配送など • これを前提にDXサービスを作れば効率的
  23. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム DXサービス主導でのAPI設計

    • DevOps基盤の上にアジャイルに整備を進める • DXサービスが求めるデータ形式や機能にする • 必要になったAPIを必要なタイミングに順次提供 • これにより「不要なAPI」を作らないようにする • BPFの正確な全体像を描かないようにする BPF 〇〇API △△API DevOps基盤 ... DXサービス 〇〇機能 DXサービス △△機能 基幹A 基幹B 基幹C オンプレor IaaS
  24. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム ⾮同期ストリーミング処理の利⽤

    • 基幹データをリアルタイムに横流し • 適⽤例:EC受注情報 • ECの受注情報を抽出し、受注Topicsに横流し • ⼩規模だが百貨店ならではの個別ユースケースに対して適⽤ • 既存システムを改修せずに機能追加が可能 • DXサービス側もリアルタイム連携に関する⼯数が⼩さい ECシステム ビジネス プラットフォーム ⾷品 店頭受取 店舗倉庫 配送 リモート 接客 受注 DB EC管理 EC フロント DXサービス群 出来⽴て⾷品や⽣菓⼦などの 配送不可品を店頭引き渡し 店舗倉庫を利⽤する⼀部の商 品だけ個別の配送ルートへ リモート決済完了時にお買場 に完了通知を実施 受注 Topic
  25. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム ゾーンニングによる連携パターンの整理

    • さまざまな連携に対応するために整理 • 基幹システムとDXサービスの都合をすり合わせる 基幹システム群 API RDB ソースゾーン デリバリーゾーン ロジックゾーン 基幹 システム ファイル RDB 基幹 システム RDB イベントストリーミング キャッシュとAPI配信 リアルタイムイベント配信 デジタル ツール デジタル ツール 基幹 システム デジタル ツール APIルーティング 変換 API 変換 API ゲートウェイ ビジネスプラットフォーム 同期APIでのデータ 連携 リアルタイムの⾮ 同期イベント連携 基幹を更新する同 期/⾮同期API 収集 Topic 配信 Topic
  26. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム 基幹システムモダナイズ

    • ストラングラーパターン 1. 基幹機能をクラウドネイティブに構築 2. 基幹と新機能を並⾏稼働し検証 3. 既存システムも段階的に新機能に移⾏ 4. 利⽤されなくなった基幹を廃棄 • 基幹モダナイズの現実的な⼿法 • ⼀括ではなく段階的な再構築 • 性能効率↑コスト↓ https://www.flickr.com/photos/paulafunnell/38718681
  27. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. ビジネスプラットフォーム 基幹システムモダナイズ例

    • 基幹データの連携にあたり、基幹機能の⼀部を移植 • リアルタイムの⼤量データは基幹連携が困難 • 基幹がデータを⽣成する仕組みをクラウド側で再実装 • 適⽤例:商品在庫数計算 • 基幹側の機能概要 • ⼊荷情報+、売上情報- • 棚卸結果情報を反映 • クラウド側での再現 • ⼊荷情報と売上情報を連携 • 計算処理をクラウド側で実装 • 棚卸結果情報も連携し、反映 基幹システム ビジネス プラットフォーム 売上管理 システム 商品管理 システム RDB 在庫数 DB 棚卸 システム 仕分け 仕分け 売上 Topic 伝票 Topic 棚卸 Topic 在庫計算 Topic リアル 短定期 バッチ
  28. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ DXを阻害する調整ごとを解決したい

    • インフラ部⾨との調整 • サーバの構築、性能変更、台数増減 • ネットワークのルーティング設定 • データベースなどの構築や変更など • 運⽤部⾨との調整 • リリース作業 • スケジューラーの設定 • 運⽤監視項⽬の設定など • 他システム部⾨との調整 • システム間連携に向けた問い合わせや確認 • 項⽬、仕様、テスト、性能、障害... ①DevOps基盤 ②ビジネス プラットフォーム
  29. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ DevOps基盤

    • 開発チームがインフラ構築/運⽤作業をする • インフラ構築/運⽤作業を全てツール化し、開発チーム が利⽤する • インフラ作業:IaC、コンテナ、マネージドサービス • ビルド&リリース作業:CI/CD、無停⽌リリース • 運⽤監視作業:マネージドサービス、分散モニタリング • スピード4倍、保守1/4に • 開発チームの意識も変えていく
  30. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. まとめ ビジネスプラットフォーム

    • 百貨店事業の基本的なデータや機能をプラット フォームとして提供する • DXサービス主導でのAPI設計 • ⾮同期ストリーミング処理の利⽤ • ゾーンニングによる連携パターンの整理 • さらに基幹システムモダナイズ • 段階的に基幹システムをクラウドシフト • 最後に残ったものはクラウドリフトか廃棄
  31. Copyright© IM Digital Lab, Inc. All rights reserved. さいごに 本⽇の話が⽇経コンピュータ/

    ⽇経クロステックにて連載開始 さらに詳しく紹介します!