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インターネットサービスの育て方 / How to Grow and Scale Interne...
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itosho
December 18, 2024
Technology
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インターネットサービスの育て方 / How to Grow and Scale Internet Services
2024年12月に文教大学の「コンテンツ発想法」という授業でゲストスピーカーとして発表させていただいたときの資料です。
itosho
December 18, 2024
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Transcript
© itosho All Rights Reserved. インターネットサービスの育て方 @itosho 文教大学「コンテンツ発想法」2024.12
© itosho All Rights Reserved. おはようございます!
© itosho All Rights Reserved. はじめに ・是非チャットを積極的に使ってください! →質問はもちろん、賑やかしでも何でも大歓迎 ・リラックスしながら聴いてください! →基本的に何していてもOKです(聴いてくれていれば👌)
→少しでもみなさんにとって有意義な時間にできればと思います
© itosho All Rights Reserved. きょうのお品書き Opening: 自己紹介 01 Presentation:
インターネットサービスの育て方 02 Workshop: 次に流行るインターネットサービスを考えよう! 03 Closing: まとめ 04
© itosho All Rights Reserved. きょう話さないこと ・いわゆるマーケティング的な理論や法則 →「銀の弾丸」は存在しない(もちろん、そういった知識は必要) ・世の中で流行っているインターネットサービスの分析 →自分が携わっていない
+ 既に多くの資料が存在する ・上手くいかなかった事例の紹介 →上手くいかなったことのほうが圧倒的に多いが、きょうは成功事例(自分比)を紹介
© itosho All Rights Reserved. プレゼンとワークについて ・専門的な話ではなく、n=1の経験や学びを広く浅くお伝えします →みなさんの思考を刺激するというよりは、思考をほぐせればなと思います ・サービスという言葉をコンテンツとほぼ同義で使っています →あまり厳密に使い分けずに両方の言葉を使います
→世の中には様々なコンテンツがありますが、きょうはインターネットに閉じた話 ・ワークがきょうの本丸です! →発想力を高めるにはインプットだけではなく、自分でアウトプットを出すことが大切 →「次に流行るインターネットサービス」を考えながら、僕のプレゼンを聴いてください
© itosho All Rights Reserved. 自己紹介 01
© itosho All Rights Reserved. 基本情報 伊藤 翔 @itosho ・コネヒト株式会社
取締役: https://connehito.com ・1986年生まれ、慶應義塾大学総合政策学部卒(白土先生の後輩です😉) ・職業: ソフトウェアエンジニア ・職歴: 金融系のSIer→Webの開発会社→スタートアップ→現職 ・趣味: スポーツ・アイドル鑑賞(主にインターネット上で)
© itosho All Rights Reserved. ソフトウェアエンジニアを志したきっかけ ・当初はメディア制作系の仕事に興味があった →専攻が社会学で、趣味で映像制作をよく行っていた →広告代理店の制作会社を中心に就活を行う ・リーマンショックで状況が一変
→もともと就活が上手くいっていたわけでもなかった →無職の危機に陥り、幅広く様々な会社を受ける ・最初は消極的な理由でIT業界を選ぶ →ものづくりに携わりたい + 大学の授業で少しだけプログラミングを学んでいた →当時は就活失敗したと思っていたが、結果的には良かった!
© itosho All Rights Reserved. “未来は過去を変えることができる” (『マチネの終わり』より)
© itosho All Rights Reserved. 僕にとってインターネットは第二の親 ・高校生までインターネットは「屋根裏部屋」的な存在 →家にパソコンがなかったので、近所の図書館のパソコンで掲示板をこっそり読む日々 ・大学生からどっぷりインターネットにハマる →mixi廃人と化し、Twitter(現X)やiPhoneといった新しいサービスや製品で遊びまくる
・社会人になってからずっとインターネットサービスをつくっている →仕事でも個人でもたくさんサービスを立ち上げてきた 出典: https://www.buzzfeed.com/jp/narumi/mixi-quiz
© itosho All Rights Reserved. きょうのお品書き Opening: 自己紹介 01 Presentation:
インターネットサービスの育て方 02 Workshop: 次に流行るインターネットサービスを考えよう! 03 Closing: まとめ 04
© itosho All Rights Reserved. インターネットサービスの育て方 02
© itosho All Rights Reserved. きょう取り上げるインターネットサービス
© itosho All Rights Reserved. サービス事例① Tokyo Edit ・個人サービス: https://www.youtube.com/@tokyoedit
・地下鉄に乗りながら地上の景色を潜望鏡のようにみるサービス ・大学の卒業制作をコンテンツ・アプリ化(アプリは現在停止中) ・ITmediaや雑誌で取り上げていただく 出典: https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/1305/07/news111.html
© itosho All Rights Reserved. サービス事例② PRESENT4229 ・個人サービス: https://uruudoshi.com ・2月29日限定のWebサービス
・4年後に2月29日にメッセージを送ることができる ・2012年から運営をはじめ、今年4回目の開催を無事終える ※画像はX(旧Twitter)のスクショです
© itosho All Rights Reserved. サービス事例③ アンサー ・前職nanapi社のサービス(現在はクローズ) ・スマートフォンに特化したQ&Aアプリ ・匿名
+ 即レス(5分以内のレス率90%)が特徴のコミュニティ ・Google Play2014年ベストアプリを受賞 出典: https://logmi.jp/business/articles/90105
© itosho All Rights Reserved. サービス事例④ ママリ ・コネヒト社のサービス: https://mamari.jp /
https://qa.mamari.jp ・プレママ・ママ向け情報メディアおよびコミュニティサービス ・悩みの解消と共感が特徴のコミュニティ(月間約110万投稿) ・ママの3人に1人が利用する規模まで成長 ※:「ママリ」で2023年内に出産予定と設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の出生数から算出 ※画像はママリのスクショです
© itosho All Rights Reserved. アイディアはどこから生まれるか?
© itosho All Rights Reserved. アイディアは社会にもう存在している
© itosho All Rights Reserved. アイディアは社会にもう存在している ・頭の中からアイディア(サービスやコンテンツの種)は生まれない →インターネットサービスをつくるのにセンスは必要ない →アイディアを出すことが苦手な人でもインターネットサービスはつくることができる ・サービスやコンテンツの種は常に社会や生活の中にある
→インターネットはリアルの代替であり、拡張であり、カウンターである(ことが多い) →重要なのは、センスではなく、社会をとらえる力
© itosho All Rights Reserved. それぞれのサービスが生まれたきっかけ ・Tokyo Edit →当時、地下鉄は電波が入らず、時間を持て余すことが多かった →暗い窓から地上の景色が見れたら面白いんじゃないか?
・PRESENT4229 →東日本大震災を経験したことがきっかけ →日本は相対的に恵まれた国だが、必ずしも数年後の未来が保証されているわけじゃない ・アンサー / ママリ →当時、スマホの普及率が急上昇していた(2013年: 36.8%、2014年: 46.7%) →一方でQAサイトはPCベースのものが多かった 出典: https://www.moba-ken.jp/project/mobile/20230410.html
© itosho All Rights Reserved. 何がサービスを面白くするのか?
© itosho All Rights Reserved. 制約と余白がサービスを面白くする
© itosho All Rights Reserved. 制約と余白がサービスを面白くする ・制約はサービスの独自性をつくる →物理的な制約がないインターネットサービスは「百徳ナイフ」になりがち →完成した機能の多くは使われない(諸説あるが64%というデータも) →「Less
is more」の精神が重要 ・余白はユーザーの創造性を刺激する →自分のサービスに愛着が湧くと、ユーザーに使い方を強制しすぎることがある →インターネットサービスは「遊び」要素が求められる(ことが多い) →サービス提供者が予期しない使い方をユーザーが発明してくれることを目指す 出典: https://mtx2s.hatenablog.com/entry/2023/03/27/222358
© itosho All Rights Reserved. それぞれのサービスで意識した制約と余白 ・Tokyo Edit →制約: 地上の景色を見えすぎないようにする
・PRESENT4229 →制約: 何があっても2月29日以外は使えないようにする →余白: 自分宛に送るというケースは想定していなかった ・アンサー →制約: 一人相撲モード(自分以外、誰からもみえなくなる) ・ママリ →余白: いいね機能がアンケート的に使われるようになった ※画像はママリのスクショです
© itosho All Rights Reserved. サービスはつくって終わりではない
© itosho All Rights Reserved. サービスはつくって終わりではない ・インターネットサービス≒ソフトウェアのシステム →システムは何もしないと壊れる →個人のサービスはまだしも、企業や商用のサービスはつくってからが本番 ・インターネットサービスはつくって、育てるまでがセット
→人や社会から求められることは日々変わっていく →一瞬のブームをつくるより、息の長いコンテンツであり続けることのほうが難しい →ここからはSNSやコミュニティサービスにフォーカスして話します
© itosho All Rights Reserved. 熱量と健全性をコントロールする
© itosho All Rights Reserved. 熱量と健全性をコントロールする ・熱量は重要、しかし、高すぎても長続きしない →1日何十時間も使ってしまうインターネットサービスはユーザーの生活が破綻する ・適切な新陳代謝が必要 →古参ユーザーが幅を利かせすぎるとコミュニティは衰退する
・サービス運営者は公園の管理人のようなスタンスを目指す →LINEのオープンチャットを複数運営しているが、黒子に徹したほうが荒れないことが多い 出典: https://logmi.jp/business/articles/310160
© itosho All Rights Reserved. 熱量と健全性をコントロールする仕掛け ・アンサー →キャラクターの活用や地獄カテゴリー →サービス上でユーザーと企画会議を行う ・ママリ
→現時点でフォロー機能を実装していない(制約でもある) →妊活ユーザーへの配慮やUIのアップデート実施 出典: https://and-engineer.com/articles/YBe2uhAAACYAjM29
© itosho All Rights Reserved. 細部にこだわる
© itosho All Rights Reserved. 細部にこだわる ・機能だけで差別化を図る難易度は年々上がっている →テクノロジーがコモディティ化し、誰でも容易にサービスの立ち上げが可能になった →アンサーもママリも仕組みや技術的な実装はかなり似ている ・例えば、ママリではUXライティングや世界観にこだわっている
→遊園地をつくるにしてもディズニーランドかUSJのどちらを目指すかで使う言葉は変わる 出典: https://and-engineer.com/articles/YBe2uhAAACYAjM29
© itosho All Rights Reserved. ここまでのおさらい ・アイディアは社会や生活の中にすでに存在する →インターネットサービスをつくるためにセンスは不要 ・制約と余白がインターネットサービスの味噌 →サービスの独自性とユーザーの創造性を刺激することが重要
・インターネットサービスはつくって終わりではない →育て続けるためには熱量と健全性をコントロールし、細部へのこだわりが必要
© itosho All Rights Reserved. きょうのお品書き Opening: 自己紹介 01 Presentation:
インターネットサービスの育て方 02 Workshop: 次に流行るインターネットサービスを考えよう! 03 Closing: まとめ 04
© itosho All Rights Reserved. 次に流行るインターネットサービスを考えよう! 03
© itosho All Rights Reserved. なぜ、ワークをするのか?
© itosho All Rights Reserved. なぜ、ワークをするのか? ・サービスやコンテンツの質は思考量に比例する →センスは必要ないが、継続的な訓練が必要(急に上手くはならない) ・お題「次に流行るインターネットサービス」 →サービスの種類や規模、時間軸は問いません
→アイディアはくだらないことでも何でもOK!オープンに発信することが重要! ・ワークの進め方 →シンキングタイム(個人作業): 15〜20分前後 →チャット投稿(全員) + 発表タイム(任意): 5〜10分前後
© itosho All Rights Reserved. ワーク標準フォーマット ・サービス名: ◯◯◯ →どういうサービスかを一言で!(整ってなくてOK) ・サービス説明:
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ →サービスの詳細(文字数制限なし) ・流行る理由: ◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯ →このサービスが流行ると考えた理由(文字数制限なし) ・発表可否: Yes or No →チャット投稿後、当てられても話せない環境にいる方はNoをお願いします
© itosho All Rights Reserved. ワークのヒント ・思いつかない方向けなので、引っ張られる必要はありません →ワークをたのしむことを最優先してください🙏 ・きょうのプレゼンの内容を踏まえた思考例 →社会系:
生成AI時代になり価値が低くなるもの、高くなるものはなにか? →制約系: いま流行っているサービスからこの機能がなくなるとどうなるか? →熱量系: 大学生なら絶対毎日使いたくなるサービスは?
© itosho All Rights Reserved. きょうのお品書き Opening: 自己紹介 01 Presentation:
インターネットサービスの育て方 02 Workshop: 次に流行るインターネットサービスを考えよう! 03 Closing: まとめ 04
© itosho All Rights Reserved. まとめ 04
© itosho All Rights Reserved. 小咄
© itosho All Rights Reserved. ・同じレベルの会社Aと会社Bが存在します、会社Aの勝率は? 小咄 VS
© itosho All Rights Reserved. ・同じレベルの会社Aと会社Bが存在します、会社Aの勝率は? 小咄 VS 50% 50%
© itosho All Rights Reserved. ・会社Aに超優秀な経営者が参画しました、会社Aの勝率は? 小咄 VS
© itosho All Rights Reserved. ・会社Aに超優秀な経営者が参画しました、会社Aの勝率は? 小咄 VS 60% 40%
詳細は『ファスト&スローあなたの意思はどのように決まるか?』を参照
© itosho All Rights Reserved. 世の中は運の占める部分が多い
© itosho All Rights Reserved. 世の中は運の占める部分が多い ・10%の改善をどう捉えるか? →10%は高くはないが、低すぎることもない →成功確度を1%でも上げる工夫はし続けるべきだと思う(きょうの話はここ) ・一方で、運が占める要素は無視できない
→きょうの事例もたまたま上手くいった部分も大きい(もちろん、僕だけの成果ではない) →ビジネス書のサクセスストーリーは参考になるが、鵜呑みしすぎないことも大切
© itosho All Rights Reserved. どうすれば、運を味方にできるか?
© itosho All Rights Reserved. Connecting the dots
© itosho All Rights Reserved. Connecting the dots ・点と点をつなげる →ジョブズの有名なスピーチ:
https://www.youtube.com/watch?v=UF8uR6Z6KLc →スケールは小さいが、僕がソフトウェアエンジニアになったのもひとつの「dots」 ・たくさんのチャレンジや経験を積むことが大切 →Dotsはコントロールできないが、Dotsを増やすことはできる →この授業がいつかみなさんのdotsになれば幸いです!
© itosho All Rights Reserved. ご清聴ありがとうございました!