【ブロックチェーン基礎~NFT運用実務課題まで】 ・ブロックチェーンとは ・Non-Fungible Tokenとは ・NFT MARKET PLACE とは ・ブロックチェーンの分断とは ・NFTのロイヤリティとは ・ビジネス展開における課題とは ・その他
NFT入門勉強会 資料NON-FUNGIBLETOKENブロックチェーン基礎~運用実務課題まで
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ブロックチェーンとはNon-Fungible TokenとはNFT MARKET PLACEとはブロックチェーンの分断とはNFTのロイヤリティとはビジネス展開における課題とはマーケットデータその他AGENDA
BLOCKCHAIN分散型台帳とは何か?
BLOCKCHAINデジタル資産(データ)の所有権を特定の国家や企業等の組織に依存せずに管理することができるデータベース※データベース ≒ データの取引履歴 ≒ 取引台帳
デジタル資産(データ)の所有権を管理するデータベースとは「所有」= 誰が何を持っているかデータベース:誰が誰にいつ何を譲渡したのかの履歴
ブロックチェーン登場前の中央集権的なデータベース管理国家や銀行、取引所など何かしらの中央集権的な組織・団体が、第三者として取引の成立を保証し、データーベースを管理していた
改ざん耐性中央管理 ≒ 中央を乗っ取りすることで改ざんできてしまう(中央集権管理による単一障害点の発生)安定性中央管理でシステム異常が発生した場合、取引全体が停止してしまう(銀行のATM停止の例)管理・取引コスト中央集権管理を行うためにセキュリティや取引監視など管理コストが高く、結果として取引手数料が高くなってしまう※また国際送金の場合は複数の中央集権管理の取引所を経由するためコストが高い発展性それぞれ中央集権管理しているシステムに互換性が低いため、相互運用を行うための開発が難しく発展性に乏しい中央集権的なデータベース管理における課題トレーサビリティ中央集権管理によってデータベースの内容は非開示になっており、その国家 /企業などの組織外部の人は内容を確認・検証することができない
ブロックチェーンのデータベースアプローチ中央集権的な一つのデータベースを管理ではなく、全く同じ内容のデータベースを全世界のコンピューターで分散所有することで改ざん / 安定 / コスト / 発展性 / トレーサビリティを解消した
どれぐらい分散されて管理されているのか?ビットコインの場合:15,000台のノードで運用されている
どれぐらい分散されて管理されているのか?イーサリウムの場合、7,600台程度で運用中
パブリックブロックチェーンにおいては誰でもノードが作れる市販のマイニングマシンを購入しなくてもスペックが足りていれば自作可能(ビットコインはラズベリーパイでノード作れます)https://maonline.jp/articles/gmo20180628 https://www.coindesk.com/tech/2020/12/15/becoming-self-sovereign-how-to-set-up-a-bitcoin-node-with-lightning/
ビットコインでもデータベース容量は500GB以下取引履歴は文字列データになっているので過去全ての取引履歴を集めたとしても、手のひらのHDに収まる範囲の容量になっている
なぜみんなコンピューターリソースを提供しているのか?コンピューターリソースを提供する代わりにそのブロックチェーンのトークン(例BTC)が貰える仕組み(≒マイニング)があるのでこぞって参加している
無限にインフレする仕組みでは…?供給量を徐々に減らしていく仕組みをとっており最終的には2100万枚で止まる(新規発行は無くなるがマイニング報酬として送金手数料が分配される)
INNOVATIONOFBLOCKCHAINブロックチェーンの存在により、単一国家や企業など中央集権的な管理を必要せずに、デジタル資産(データ)の所有権の証明が行えるようになった↓デジタル資産(データ)が関わる領域は、ブロックチェーンのイノベーションが起こる
貨幣仮想通貨 /暗号資産ビットコイン /ステーブルコイン ・・・金融商品株式 /社債 /不動産DeFi(Decentralized Finance) / DEX(Decentralized Exchange) …デジタルファイルデジタルデータの所有権の証明NFT(Non-Fungible Token)身分証明証ワクチン接種証明 /チケットDecentralized Identityブロックチェーンが影響を及ぼす所有権の具体事例意思決定の権利投票 /投票権の移譲DAO(Decentralized AutonomousOrganization)
よりブロックチェーン / WEB3を知りたい方向けの資料https://speakerdeck.com/kayato/dao-dot-dot-dot
NON-FUNGIBLE TOKEN非代替性トークンとは何か
NON-FUNGIBLETOKEN非代替性トークンとは、ブロックチェーンのデータベースに刻まれたデジタルコンテンツの所有権利のことNFT ≠デジタルコンテンツNFT =デジタルコンテンツの所有権利情報
NFT(NON-FUNGIBLE TOKEN)とはデジタルコンテンツのファイルそのものに所有権利を付与するのではなく所有権利をみんなで管理しているデータベースに書き込んだものがNFTブロックチェーンによる分散型データベース (特定の国や企業に依存しない開かれたデータベース)デジタルコンテンツの持ち主のアドレスデジタルコンテンツのIDデジタルコンテンツの保存先(ファイルの保存先)デジタルコンテンツの作者のアドレス(ロイヤリティの付与先)…■ ブロックチェーンのデータベースに書き込まれるNFTの内容
ローカルファイルへの所有権の書き込みは改ざんできるエンドユーザーのPCやスマホにあるファイルに所有権を記載しても、ファイル自体は改ざんできてしまう。またそれらを複製しても本物が不明(本物の概念がない)
NFTであってもデジタルコンテンツは複製できるNFTが指し占めす先のデジタルコンテンツはこれまで同様にローカルダウンロードできれば、複製することもできる。重要なのは所有者情報がブロックチェーンに書き込まれること。
NFTの応用NFTはデジタルアセットに関わる全てに紐付けられるため、これからも多様なユースケースでの利用が想定される
デジタルアセットを所有する概念から「資産性」が生まれた発行主体の企業や組織に依存せずに自由に所有/売買できることによりデジタルアセットに価格がつくようになった
データの所有の概念により二次流通のマーケットが出現デジタルアセットに所有権の概念が生まれたことで二次流通市場が生まれたまた二次流通の販売ロイヤリティが作者に還元されるようになったアーティスト 購入者Aさん① 一次販売売上NFT譲渡① 二次販売売上NFT譲渡購入者Bさん二次流通のロイヤリティ
FTとNFTの違いNFTはデジタルデータの所有権を示す技術で、そのデータの所有権が唯一無二のものであることを示す。例え、参照先のデータを複製したとしても、ブロックチェーン上に刻まれた取引履歴にはオリジナルの所有者データが残り続ける。(日本の法律ではデジタルデータは無形資産の扱いのため、法的な所有権は存在しない)ETHEREUMのERC-721というNFTの規格が登場したことにより全てのデジタルアセットに所有権を示すことができるようになった
NFTの発行方法の種類① マーケットプレイスOpenSea等のマーケットプレイスを使ってUI操作でNFTを発行する方法。開発不要で簡単に発行できるが、マーケットプレイスが用意したスマートコントラクトを利用するため、カスタマイズ性が乏しい。② 独自コントラクトERC721やERC1155の規格を利用して独自コントラクトを自前で開発する方法。開発やコントラクトのデプロイにガス代がかかるものの、高いカスタマイズ性がある。セキュリティは要注意。③ コントラクトフォーマットBunzz等のスマートコントラクトをフォーマット化して提供しているサービスを活用してMintする方法。ある程度のカスタマイズ幅を持ちながらUI操作でMintすることが可能
独自コントラクト発行のメリット1⃣正式な発行者になれる2⃣カスタマイズ性が高い3⃣独自のMINT体験を提供できる
独コンの利点①:正式な発行者になることができるマーケットプレイスで発行したNFTのコントラクト発行者はマーケットプレイスになってしまう独コンの場合は発行者がコントラクト発行者になれる
独コンの利点②:カスタマイズ性が高い開発費はかかるが独コンで実装することによって、マーケットプレイス発行ではできないユーティリティの付与が可能https://twitter.com/Pronoia10/status/1571865083537399809/photo/1
独コンの利点③:独自のMINT体験を提供できる独コンで実装することでマーケットプレイス外でNFTのMintが可能になり、独自のMint体験を実装することができるhttps://www.mt-chicken.xyz/home
NFTの参照先のファイルが消える可能性NFT自体に永続性があっても、デジタルコンテンツには永続性を持たせるのは難しい。クラウドサーバー型NFTに紐づくデジタルコンテンツを企業が保有しているクラウドサーバーに保存していた場合、企業がクラウドサーバーの契約を切るなどした場合はファイルが消えてしまう。マーケットプレイス型マーケットプレイスでNFTを発行した場合、マーケットプレイスによって仕様は異なるがマーケットプレイスのサーバーにデジタルコンテンツが紐づく場合がある。この場合も消失リスクがある。分散型ストレージ型IPFSやArweave、Filecoinなど分散型のストレージに保存するケース。サーバーコストの支払いが滞ったりPINが外れてしまうと消失する。
OpenSeaのサムネイルは残るが…OpenSea側で保存されているサムネイルが残っていても参照先のファイルが消えている事例もある
分散型ストレージは復旧方法や支払い体系でカバーする方法あり中央集権的なサーバーに比べて永続性は高く設計されているhttps://blog.utyuu.space/2021/10/24/ipfs_replace/https://gaiax-blockchain.com/arweave
SVGなどによるフルオンチェーンNFTの登場NFTのデジタルコンテンツ自体をブロックチェーンに刻むことでファイルの永続性を持たせる手法(ガス代が高いのがネック)
デジタルコンテンツ自体の価値デジタルコンテンツとされるアートや作品そのもの価値として価格がつくケースコミュニティへの参加権利BAYCなどセレブ特化したコミュニティや特定の活動をしている仲間入りをするためにNFTが必要となり価値がつくケースユーティリティ性による価値持っていることでゲームのアイテムになったり、リアル世界のチケットになっているなど具体的な便益が存在することで価格がつくケースロードマップによる拡張性NFTそのものではなく、プロジェクトの未来のロードマップやビジョンの共感によって価値がつくケース。クラウドファンディングによる調達に近い。NFTの価値のもたせ方
デジタルコンテンツ自体の価値BeepleのNFTアートは、クリスティーズのオンラインセールにて約6935万ドル(約75億円)で落札Beeple Everydays - The First 5000 Days
コミュニティへの参加権利NFTを持っていることによってその特定のコミュニティに所属できることを価値に落とし込んでいるケースhttps://www.cryptotimes.io/15-celebrities-who-own-bored-ape-yacht-club-nfts/https://www.city.nagaoka.niigata.jp/shisei/cate08/file/inobetiku-06.pdf
ユーティリティ性による価値NOT A HOTELの事例では約一時間で3億円分が完売https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000080389.html
ロードマップによる拡張性プロジェクトの未来のロードマップやビジョンの共感によって価値がつくケース。クラウドファンディングによる調達に近い。https://www.azuki.com/mindmap
NFT MARKET PLACE実際にMARKET PLACEでNFTを買い売りしてみる
NFTマーケットプレイスとはマーケットプレイスがNFTを管理している訳ではなく、イーサリアム等のブロックチェーンのDBに売買取引など命令を出すためのインターフェース部分を担っているブロックチェーンネットワーク(分散型DB):NFTの所有記録NFT マーケットプレイス:NFT売買をするインターフェースを提供するアプリスマートコントラクトによる所有移転 / 売買マケプレを使わずに所有権の移転を行うこともできる
NFT MARKET PLACEのビジネスモデルマーケットプレイスを通じたNFTの売買に手数料を設定することで収益を得ているhttps://visionaryart.io/nft/marketplace-comparison/
NFT MARKET PLACEの競合優位性パブリックブロックチェーンを用いている以上、コンテンツの独占は難しいため、手数料の低さやUI/UX、特定セグメントへの集客力などで競争優位性を出す
NFTの買い方https://speakerdeck.com/kayato/an-hao-zi-chan-uoretutoru-men-metamaskfalseru-men-nftfalsegou-ru-zha-qi-falsezhu-yi-shi-xiang-nado
BLOCKCHAIN TYPESブロックチェーンの分断について
従来のデジタルコンテンツとNFTマーケットプレイスの違いAmazon管理のサーバー 楽天管理のサーバーEthereum等のパブリックブロックチェーンの分散台帳従来のデジタルコンテンツは事業者によってDBが分断されていたが、パブリックブロックチェーンにおいては全事業者で共通のDBを使っている(このためサービスを超えたデジタルコンテンツの所有権の譲渡が可能になる)
サービスAパブリックチェーンとプライベートチェーンNFTやデジタルアセットの所有権の譲渡ができる範囲は、どのブロックチェーンを活用しているかによって異なるプライベートチェーンでのNFT運用は従来のWEB2.0サービスのデジタルコンテンツ販売に近い■ パブリックブロックチェーンの運用Ethereum等の共用型ブロックチェーン■ プライベートチェーンの運用楽天が管理運営を行うプライベートチェーン LINEが管理を行うプライベートチェーンサービスB特定の複数組織で管理運営されるコンソーシアムチェーン(Hyperledger等)■ コンソーシアムチェーンの運用
パブリックブロックチェーンにおいても分断は存在するパブリックブロックチェーン自体も種類が生まれており、チェーン別にDBは分断しているNFTを販売するときは販売先のターゲットに応じてブロックチチェーン選定を行うことが大事マーケットプレイスは複数チェーンに対応しているケースが増えているがDB自体は別なので注意■ Ethereumチェーンの運用EthereumのブロックチェーンDB■ Solanaチェーンの運用SolanaのブロックチェーンDB■ Flowチェーンの運用FlowのブロックチェーンDB※完全なパブリック化は今後
なぜブロックチェーンが分断するのか取引量の拡大&ユースケースの多様化に伴いETHEREUMでカバーしきれない需要が生まれたハイスペックチェーン間の競争 / 役割特化したチェーン同士での共創時代へ突入
とはいえNFTにおいてはイーサリウムが依然として強い特に高価格帯のNFTについてはブロックチェーンの永続性などの観点からよりイーサリウムが選ばれる傾向が強いhttps://twitter.com/MessariCrypto/status/1519390995951099906/photo/1
ブロックチェーン同士をつなぐブリッジの存在分断されたブロックチェーンを相互運用させていくために、ブロックチェーン同士をつなぐブリッジを担うプレイヤーも出てきているhttps://medium.com/1kxnetwork/blockchain-bridges-5db6afac44f8
ブリッジはセキュリティリスクが高くハッキング被害も膨大POLYNETWORK660億円AXIE INFINITYRONINブリッジ750億円WORMHOLE340億円HARMONY HORIZONBRIDGE135億円
NFT ROYALTYNFTにおけるロイヤリティとは
データの所有の概念により二次流通のマーケットが出現(再掲)デジタルアセットに所有権の概念が生まれたことで二次流通市場が生まれたまた二次流通の販売ロイヤリティが作者に還元されるようになったアーティスト 購入者Aさん① 一次販売売上NFT譲渡① 二次販売売上NFT譲渡購入者Bさん二次流通のロイヤリティ
現状のロイヤリティプログラムはアプリケーションレイヤー現状のロイヤリティの多くはブロックチェーンに刻まれているものではなく、OpenSeaなどマーケットプレイスによって設定されているEthereumの分散台帳
独自コントラクトで発行してもロイヤリティ受け取りは可能独自コントラクトであってもマーケットプレイス側でロイヤリティ設定を行うことで二次流通時のロイヤリティの受け取りが可能https://mirror.xyz/0x5C40d264716c12755b1C1ea3395518fFe4bc76ed/vKNb4ajbyTswkcVbBkKuRzbX-jdSfe1XZ7QaipD9Kcs
スマートコントラクトレイヤーでのロイヤリティマーケットプレイスを跨いだ取引においてもロイヤリティが振り込まれるようスマートコントラクトベースでのロイヤリティ標準化が求められるEthereumの分散台帳マーケットプレイスでロイヤリティを設定するのではなく、ERC721やERC1155等のNFTのスマートコントラクトに対してロイヤリティを付与させるEIP-2981という規格が提案されている
EIP-2981の課題EIP-2981もマーケットプレイス側で対応していく必要性があるため普及に時間がかかるOpenSeaはNFT NYCで対応していく旨を発表https://twitter.com/ryoheikomy/status/1539299879234715650/photo/1
現状のロイヤリティ周りの課題マーケットプレイスにてロイヤリティの設定が必要マーケットプレイスのロイヤリティの規格は各サービスでバラバラコントラクトベースのEIP-2981は普及までまだ時間がかかるマーケットプレイスを跨いだ取引はロイヤリティを受け取れないケースがあるマーケットプレイスを経由しないOTC取引はロイヤリティをとることが出来ないブリッジ等で別のチェーンに跨って取引された場合もロイヤリティを受け取ることができない(Wrapped-Tokensなど)
BUSINESS PROBLEMNFTにおけるビジネス上の課題
NFTにおけるインサイダー取引ガイドラインや規制が未整備な状況においても一定量のケアが必要https://coinpost.jp/?p=400935
NFTにおける有価証券性実装方法によってはNFTも有価証券性を帯びる可能性があるhttps://www.neweconomy.jp/posts/198071
ガチャ実装における注意賭博法をケアした実装が必要https://jba-web.jp/cms/wp-content/uploads/2022/10/NFT%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E5%9E%8B%E8%B2%A9%E5%A3%B2%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3.pdf
暗号資産における税制上の課題法人として暗号資産を保有し続けるハードルが高い状況https://news.yahoo.co.jp/articles/060c7704fca9e742d9e8a14e5df59e33aa9ae24d
その他 課題秘密鍵を紛失 / 流出せずに管理しつづけること及び継続的なコスト負担ロイヤリティに対して永続的にオペレーションを回さなければならないリスクNFTの参照先となるデジタルコンテンツの永続性の担保マスアダプションにおいてエンドユーザーに秘密鍵管理や暗号資産を保有してもらうなどUX上のハードルの高さロイヤリティなどステークホルダーに対して適切な説明を行うコミュニケーションコストの高さビジネスパートナーにおいて秘密鍵保有が難しい場合のケア
Web3における投資概況21年のブロックチェーンセグメントの投資金額は3兆円規模にユーザー規模もWEB1.0における1998年に突入
参考資料https://note.com/_kayato/n/nf93f01d8096a
参考資料https://speakerdeck.com/kayato