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~AIに使われない!エンジニアが育つ開発組織の話~

 ~AIに使われない!エンジニアが育つ開発組織の話~

不動産業界向けSaaS「いえらぶCLOUD」の開発組織で執行役員として、新人育成とAI活用の両方を見ている立場から、「AIに使われない人材をどう育てるか」をテーマにお話しするセッションです。
AIコーディングエージェントが当たり前になりつつある中で、
「ジュニアエンジニアはいらなくなるのか?」
「AIと一緒に成長する人材は何が違うのか?」
という問いに、現場の具体事例を交えながら答えていきます。

**アジェンダ**

1. AI時代における「ジュニアエンジニアは不要か?」という問い
2. “AIに使われない”ための土台づくり:仕様駆動開発(SpecDD)の実践
3. 新人教育におけるAI活用設計:AIに踊らされず使いこなすための仕掛け

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Transcript

  1. 自己紹介 株式会社いえらぶGROUP 執行役員 エンジニア12年目 得意技は「無茶ぶりされること」→なんでもやる 趣味はSNS ランチの予定が2か月先まで埋まっています / Kentaro Wada (WDKN)

    わだけん(和田健太郎) X:雑多 Tiktok:らくがき note:マネジメントの備忘 Qiita:エンジニアリングの備忘 Zenn:模索中 Github:ソースコードの備忘
  2. 27.4歳 27.6歳 2年目 2年目 WORKSTYLE 若手抜擢の文化 社員 平均年齢 マネージャー昇格 平均年齢

    年収1000万円 最短入社から マネージャー昇格 最速年次 実力主義 × 成長速度 = 若手抜擢の文化
  3. いえらぶの答え:断固『NO!』 AIは“考えるきっかけ”を 持たない 問題設定・トレードオフは人間側 の仕事 業務ドメイン×自社プロ ダクトの継続意思決定は 人が必要 不動産実務×自社SaaSは、事実以 上に経緯や文脈理解が大事でめち

    ゃくちゃ時間がかかる AI時代の開発の“型”が エンジニア市場にまだない むしろ「ジュニアから育つ」ほう が絶対柔軟で優秀になる ⇒ だから人を育てる ⇒ だから人を育てる ⇒ だから人を育てる
  4. ✅ よかったこと 1 新人への指示出しが明解に なった 「何をすべきか」が曖昧さなく明 確に伝わり、迷いなく作業に取り 組める環境が整いました 2 指示出しの粒度が揃うよう

    になった 標準化により一貫性が向上し、教 える人が変わっても品質が保たれ るようになりました 3 新人が具体的に質問しやす くなった 「ここの前提がわからない」 「こ のケースは想定してますか?」な ど、より設計起点の問いが増えま した。
  5. ❌ 観察された問題 実際のやり取り 新人: 「できました!」 先輩: 「なぜこの実装にしたのか?」 新人: 「わかりません...AIが...」 💔

    本当に「AIに踊らされる」を目の当たりにした事案だった 理解を超えたアウトプット 後からの修正や説明ができない状態に 思考体力の低下 AIに質問しまくるが理解が深まらない 学習プロセスの欠落 「読んで理解する」工程が抜け落ちる
  6. 観察: AI に踊らされる vs 使いこなす ❌ AI に踊らされる ✅ AI

    を使いこなす 理解を超えた実装を生成 設計書を元に先輩と対話 大量の質問→理解せず進む 自分の手で実装する コーディングに直接使う コーディングには使わない 全体像の把握が遅い 全体像の把握が速い 使いこなす新人は「コーディングには使わない」という共通点。 設計書を元に先輩と会話する頻度が高く、 全体像を把握するスピードが速い。
  7. まとめ 「AIでジュニアエンジニアは不要?」に対して ⇒ いえらぶの答えはNO。 「考える土台」を整え、新卒にも設計を書かせる。 ⇒   そ の た め

    の 仕 掛 け を す る こ と で 、 “AI に 使 わ れ ないエンジニア”を育てている(育てていく) 。