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スタートアップにおける現物出資と繰延資産の活用と課題

 スタートアップにおける現物出資と繰延資産の活用と課題

昔、某ビジネススクールで出されたタックスマネジメントのレポート
修論らしきモノのゼミ指導をブッちして書いた講義のレポート...力作ですw

注意点:
 ・2020.1 次点での情報を元に作成しています。
 ・内容は精査しておりますが、内容の妥当性を保証するものではありません。
  実証は各自の責任でお願いします。

K.Masaki

May 29, 2024
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Transcript

  1. タックスマネジメント最終レポート 眞崎康平 スタートアップにおける現物出資と繰延資産の活用と課題 ▪背景 ビジネスアイデアやシード技術からビジネスにつなげるためにスタートアップで起 業する事例が増えてきている。しかしスタートアップ企業は財務面で脆弱な面もあり その対策として現物出資や繰延資産の活用が考えられる。 ▪目的 スタートアップ企業の起業プロセスにおいて会計・税務を活用し、資金調達及び タックスマネジメントを有利に進める方法と課題について検討を行う。

    扱う内容は ・現物出資 ・創業費(繰延資産) ・開業費(繰延資産) ・開発費(繰延資産) とする。 資本金 300万円 内訳 現金 150万円 現物出資 150万円 上場会社株式 時価 50万円(取得価格18万円) 車両 評価額 50万円 PC等事務機器 評価額 50万円 設立費用: 法定費用 定款に貼る収入印紙代:4万円(電子定款の場合は不要) 定款の認証手数料:5万円 定款の謄本手数料:約2000円 登記の際の登録免許税:15万円(資本金額×0.7%) その他 行政書士手数料 5~10万円(但し、電子定款の手数料不要) →自力で行う場合は不要 社印購入 4万円 (設立前に購入) 概算で30万円とする。 ▪前提条件 業務内容: IoT機器の開発 実証実験などを通じてハードウェアの開発・設計を行い市場に投入する。 → R&Dが主業務の会社で、市場投入できる製品が完成するまで大きな売り上げが 見込めないという前提を置く ※数字については、筆者が会社を設立した際の金額を参考に記載 2020.1
  2. 資本金 300万円 流動資産 200万円 ・現金及び預金 150万円 ・有価証券 50万円 固定資産 100万円

    ・車両運搬具(車両) 50万円 ・工具器具(PC) 50万円 設立直後のバランスシート 設立時の仕分け 現金及び預金 1,500,000円 / 資本金 1,500,000円 有価証券 500,000円 / 資本金 500,000円 車両運搬具 500,000円 / 資本金 500,000円 工具器具及び備品 500,000円 / 資本金 500,000円 資本金については 株主が払い込んだ額の 1/2 以上を充当できるが 資本金額が大きいほうが 信用度が高まるため 全額を資本金とする ことにする ▪設立 前記の条件で設立時の仕分け及び、貸借対照表を作成すると以下の通りになる 〇タックスマネジメント上の課題 1.有価証券(上場企業)の現物出資への組み入れ時の譲渡益の申告が必要 出資者個人: 時価50万円の株式(取得価格18万円)を現物出資する。 譲渡益 50万円ー18万円=32万円 ※留意点 ・譲渡益に関しては個人で確定申告が必要 ・法人で証券口座を開設し、名義変更を行う必要がある。 2.事業に必要な物品の現物出資に関しては消費税を、会社が出資者に払う 必要がある。 出資者個人: 評価額 50万円の車両を現物出資 50万円は税込金額となるため、44.5万円本体価格と 4.45万円消費税 (10%計算)で見かけ上会社に売却したこととなる。 会社から受け取った消費税は本来納税しないといけないが、出資者を 売上が1000万円以下の個人事業者とみなした場合納税、義務は不要となる ※有価証券の譲渡は消費税は発生しない ※留意点: ・市場価格などを参考に適正な評価額を設定する必要がある。 ・車両等、登録が必要なものは会社名義に名義変更を行う必要がある。
  3. 〇問題点 参考文献: 〇会社設立の際の現物出資が認められる要件 マネーフォワード https://biz.moneyforward.com/establish/basic/115/ 〇自動車の減価償却で知っておくべき3つのポイント 法人保険の教科書 https://hoken-kyokasho.com/jidousya-genkasyoukyaku 資本金 300万円

    流動資産 ・現金及び預金 100万円 固定資産 ・車両運搬具 200万円 2.車両等、減価償却の期間が短いもので多額の現物出資を行うと決算上赤字の原因 となる。負債がある場合には債務超過の原因になりうる。 (例) 設立時 条件: 評価額200万円の車両 (販売から3年10カ月以上経過: 定率法 1年償却) を現物出資した場合 資本金 300万円 固定資産:減価償却で目減り 1円(簿価:備忘価格) 決算時 流動資産 負債 赤字 営業利益 (減価償却除く) 対策: ・現物出資は設立だけでなく、のちの税務にも関わるので財務、タックスマネジメント の検討も必要 →税理士に事前に相談 ・現物出資で資本金が増えたのと、実際にキャッシュがあるのは別問題であることを認識 流動資産 負債 赤字 営業利益 (減価償却除く) 資本金 固定資産 債務 超過 行き過ぎると債務超過になる 1.ガバナンス上の問題(現物出資額の過剰評価) 現物出資の評価額は原則、弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、 税理士又は税理士法人により妥当性を証明する必要があるが以下の場合は それらの証明が不要である。 ・価格の総額が500万円以下 ・市場価格のある有価証券については、市場価格以下である 上記条件を満たす場合には妥当性のチェックが入らない問題がある。 不足額が著しく生じた場合、発起人及び設立時取締役が不足額を支払う 義務を負う。(会社法第52条) 資本金額を大きく見せるために、現物出資の評価額を大きくするのはガバナンス上 の問題をはらむことに留意する必要がある。
  4. 創立費は「会社設立時の登記にかかる費用」であり繰延資産と扱うことが出来る。 具体的には下記のようなものが挙げられる。 ・印鑑の購入代 ・認証代行費用 ・ 印鑑証明書の取得費用 ・ 認定手数料 ・登記時の印紙代 創立費として扱われる費用は、その他下記のようなもの創立費として計上が可能である。

    ・オフィス賃借料 ・金融機関取扱手数料 ・ 会社設立に伴う総会費用 ・ 総会に伴う事務費用 ・ 株券等の印刷費 ・ 出版広告費 ・ 社員の給与 ・ 事務用品 ▪創立費(繰延資産) 参考文献: 〇創立費・開業費とは?正しく経費処理するための基礎知識 起業ログ https://kigyolog.com/article.php?id=162 〇法人税の最新実務Q&Aシリーズ のれんソフトウェア研究開発費 OAG税理士法人 本レポートでは以下の項目について30万円と想定する。 ・法定費用(定款収入印紙、認証料、登録免許税他) ・社印購入費用 創立費として取り扱い可能な期間は下図のとおりである。
  5. 資本金 300万円 流動資産 200万円 ・現金及び預金 150万円 ・有価証券 50万円 固定資産 100万円

    ・車両運搬具(車両) 50万円 ・工具器具(PC) 50万円 創業費の貸借対照表への組み入れは下図のようになる。 創立費については、設立の同日に仕分けを行う必要がある。 創立費の仕分け(設立日 同日) 創立費 300,000円 / 役員借入金 300,000 創立費は設立時の役員(取締役、監査役)となる発起人からの立替であるため、創 業費を貸借対照表に記載する場合には設立後の役員からの借り入れと処理するのが妥 当と考えられる。 負債 ・役員借入金 30万円 繰延資産 ・創立費 30万円 追加分 創業費については役員からの立替であるため精算する場合以下のようになる。 (いつ返済するかは任意) 資本金 300万円 流動資産 170万円 ・現金及び預金 120万円 ・有価証券 50万円 固定資産 100万円 ・車両運搬具(車両) 50万円 ・工具器具(PC) 50万円 繰延資産 ・創立費 30万円 創立費の精算 役員借入金 300,000 (返済) / 現金 300,000円 現金 30万円 役員借入金 30万円 創立費の 立替金の精算 この貸借対象表を以降 設立時の貸借対照表 とする。
  6. 〇課題 参考文献: 〇法人税の最新実務Q&Aシリーズ のれんソフトウェア研究開発費 OAG税理士法人 創立費の償却 繰延資産として計上する場合 ・会計上は会社設立から5年以内のその効果の及ぶ範囲にわたって定額償却 ・税法上は任意償却 結論として、会社設立から5年以内のその効果の及ぶ範囲にわたって定額償却となる。

    ・設立費用を経営者が立て替えた後、精算を行った場合には設立費分資本金より キャッシュが目減りすることになることに留意が必要 まとめ 会社設立時に創業費分の金額を都合できれば、資本金の額を目減りさせることなく 会社設立が可能であるため活用すべき制度といえる。
  7. ▪開業費の活用 (以下参考文献から引用) 開業費の定義(参考文献より引用) 開業費は、会社設立後(設立登記手続終了後)から営業を開始するまでの期間に支払った 諸費用であり、開業費には会計上と税務上の定がある。会計上の開業費の定義は広い意味 での開業費ですが、税務上の開業費の定義は会社設立後から営業開始までに特有の支出で す。税務上の開業費には繰延資産として計上が可能という大きなメリットがある。 ・チラシなどの広告費 ・Webサイトの構築費 ・打ち合わせ費用

    ・調査費も開業費として計上可能 商品・製品の販売状況、消費者の使用状況を調べる際に支払う業者への手数料も調査費 (市場調査費)に当たります。 ・あるいは新聞図書費といって、前述のような市場調査の名目で購入した書籍、業界紙 なども調査費 認められないもの 〇恒常的な支出 ・光熱費 ・通信料 ・オフィス賃料 ・事務用品などの消耗品 〇固定資産と見なされるもの → 減価償却で処理 参考文献: 創立費・開業費とは?開業前の会社設立や開業準備に使ったお金も経費にできる!? 節税するには? https://bizer.jp/bizer/archives/8471
  8. 繰延資産として開業費を使う場合と使わない場合の比較を以下に示す ここで開業費は広告宣伝費20万円と仮定し、現預金から支出するものとする。 資本金 300万円 流動資産 170万円 固定資産 100万円 繰延資産 30万円

    ・創立費 30万円 〇設立日の貸借対照表 〇営業開始日時点の貸借対照表 ・開業費を活用する場合 ・開業費を活用しない場合 資本金 300万円 流動資産 150万円 固定資産 100万円 繰延資産50万円 ・創立費 30万円 ・開業費 20万円 支出 20万円 流動資産 150万円 固定資産 100万円 繰延資産50万円 ・創立費 30万円 仕分け 開業費 200,000円 / 現金 200,000 資本金 300万円 ※繰延資産 仕分け 広告宣伝費 200,000円 /現金 200,000 赤字 ※営業開始時点 設立から開業までの期間が⾧い場合、もしくは開業までに多額の広告宣伝、調査費用を 要する場合に、赤字決算、もしくは借入額が資産を上回る債務超過を回避するために開業 費の活用は有用である。 ※費用 支出 20万円
  9. 〇課題 参考文献: 〇法人税の最新実務Q&Aシリーズ のれんソフトウェア研究開発費 OAG税理士法人 開業費の償却 繰延資産として計上する場合 ・会計上は開業設立から5年以内のその効果の及ぶ範囲にわたって定額償却 ・税法上は任意償却 結論として、開業から5年以内のその効果の及ぶ範囲にわたって定額償却となる。

    ・開業費は名目上資産となっているが、実際に換金可能な資産ではなく、実際には 赤字と同等のものである。 そのため、貸借対照表だけではなく損益計算書、キャッシュフロー計算書等を合わせ 経営判断が必要である。
  10. ▪開発費 スタートアップ企業の置かれる状況として、事業に高い不確実性が挙げられている。 事業が立ち上がるまで、累積キャッシュフローが負の状態が続き事業が軌道に乗るまで 下図のような経過を辿る。 イノベーションは日本を救うのか(32): 「起業活動の数と質」、日本がベンチャー設立で抱える根深き4つの課題 (4/4) ITmedia https://eetimes.jp/ee/articles/1905/31/news014_4.html 支出に対して経費として処理していると、事業が軌道に乗るまで貸借対照表に大きな欠

    損金が現れ赤字決算が続くことになり、借り入れなどの資金調達に支障をきたす恐れが ある。そこで繰延資産とできる開発費の活用が重要となってくる。 設立日の貸借対照表から、売上10万円があり、100万円を開発費相当に計上した場 合の貸借対照表を以下に示す。 ・開発費を活用する場合 ・開発費を活用しない場合 資本金 300万円 固定資産 100万円 繰延資産130万円 ・創立費 30万円 ・開発費 100万円 支出 100 万円 流動資産 50万円 +売上 10万円 固定資産 100万円 繰延資産 ・創立費 30万円 資本金 300万円 赤字 支出-売上 支出 100 万円 = 90万円の 赤字 流動資産 50万円 +売上 10万円 10万円の黒字 繰延資産の開発費を活用することで、キャッシュフロー上はマイナスであるにも関わら ず、黒字決算にすることも可能となる。
  11. 〇開発費として計上できる内容 製品開発を行うビジネスを行う上で、繰延資産として開発費を活用できる場合が どのような場合か検討してみるとまず会計上の開発費の定義から ・新技術の採用、市場の開拓等のために支出した費用 となるが、このうち「研究開発費などに掛かる会計基準」に相当するものは発生した 際に費用として処理しないいとならないため会計上繰延資産とは出来ない。その条件に ついて、 ・研究とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究をいう。 ・開発とは、新しい製品・サービス・生産方法についての計画若しくは設計又は 既存の製品等を著しく改良するための計画若しくは設計として、研究の成果

    その他の知識を具体化することをいう。 新規性と程度について著しいが条件として挙げられ、それらが棄却できる合理的な理 由が説明できる場合には繰延資産として処理可能となる。その合理的な説明として、既 存技術の組み合わせで実現できるもの(世間の大半の開発事案はその条件を満たす)で あり、改良の程度については解釈の余地は様々な見解があるので 税法上についてはほぼ同じ定義であり中小企業庁の見解を参考にすれば、事業化・製 品化のための費用とあり、新たな製品開発を行うにあたっては ・技術習得のための指導料、研修費、調査費用 ・試作品(プロトタイプ)製作のための人件費、材料費、PR品の製作費 ・広告宣伝費、パンフレット作製、販路開拓のための調査費 に利用可能だと考えられる。 〇開発費の取り扱い 事業のステージごとでの繰延資産としての扱いは下図のように処理するのが妥当であ ると考えられる。 研究開発費 →会計上繰延資産と認められない 研究・開発 開発・製品化 →開発費と認められる 項目を繰延資産化 →事業で出た収益から 繰延資産を償却 利益を圧縮し節税となる。 事業化
  12. 〇課題 ・経費計上を行う金額が減るので、現実に利益が上がってなくても見かけ上所得が 発生するため、税負担が発生する。 ・繰延資産化できない、研究開発費、試験研究費と開発費の線引きが曖昧であるため 注意が必要である。 ・繰延資産として開発費を計上した場合に発生する見かけ上の所得が発生し税負担が 発生する。試験研究費については、費用計上のほかに一定割合での税額控除制度が あるため(参考資料)、制度の趣旨に合わせて税負担及び決算を最適化の検討の 余地がある。 ・繰延資産化した開発費が実際に、将来的に開発費の定義である

    技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓 に繋がる妥当な額かは別途検討の必要がある。 結論: 実質的には赤字と同等のものを資産として取り扱うため、ガバナンスに注意を払うと ともに、実際の経営実態については別途数値を把握しておく必要がある。 ▪まとめ シード技術を元にR&Dをメイン業務と据えて、スタートアップを起業する場合、会社 設立及び、売上が立つまでの開発において決算書の内容を良好に保つために繰延資産の 活用は重要である。特に開発費を繰延資産として計上することは重要な戦略となる。 活用により決算書の赤字を避け融資による資金調達も厳しくなる状況は避けなければ ならない一方で、利益操作の一面もある。 現物出資の評価額も含め、経営の実態に合わせ運用することが肝要であり、ガバナン スの面からも留意して運用の必要があると考えられる。 ▪謝辞 本レポートについては、設立前より税務相談、税務申告を依頼している税理士とお互 い検討と調査を行いながら二人三脚で進めてきた内容について、講義の内容と調査の内 容をまとめたものである。助言いただいた担当税理士とまとめる機会を頂いた岩崎先生 に感謝いたします。 (参考文献) No.5442 試験研究費の総額に係る税額控除制度(総額型) https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5442.htm
  13. Appendix : 会計上の開発費の定義 ▪会計上の開発費の定義(※1) ・新技術又は新経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓等のために支出した費用 ・生産能率の向上又は生産計画の変更等により、設備の大規模な配置替えを行った 場合等の費用をいう。 含まれないもの ・経常費の性格をもつもの ・「研究開発費等に係る会計基準」(※2)の対象となる研究開発費

    →発生時に費用として処理しなければならない ※1:「繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い 」より抜粋 ※2: 研究開発費を構成する原価要素: 研究開発費には、人件費、原材料費、固定資産の減価償却費及び間接費の 配賦額等、研究開発のために費消されたすべての原価が含まれる。 研究開発の定義: 研究とは、新しい知識の発見を目的とした計画的な調査及び探究をいう。 開発とは、新しい製品・サービス・生産方法(以下、「製品等」という。) についての計画若しくは設計又は既存の製品等を著しく改良するための計画若 しくは設計として、研究の成果その他の知識を具体化することをいう。 参考文献: 〇繰延資産 https://ja.wikipedia.org/wiki/繰延資産 〇実務対応報告第19号 繰延資産の会計処理に関する当面の取扱い 平成18年8月11日 改正平成22年2月19日 企業会計基準委員会 https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/equity_method_2_3.pdf 〇研究開発費等に係る会計基準 金融庁 https://www.fsa.go.jp/p_mof/singikai/kaikei/tosin/1a909e2.htm 〇会計上の「研究開発費」と税務上の「試験研究費」の違い 小田会計事務所 https://www.marunouchi-internal-audit.com/2017/11/22/会計上の-研究開発費-と税務上の-試 験研究費-の違い/ 新しい、または著しい改良 の要素が無ければ試験研究 費の定義には該当せず、 「開発費」として 繰延資産としての扱いも 可能 →リスクの高いR&D費用は 実際の製品開発に結び つく保証がないので 繰延資産として扱わず 経費処理
  14. Appendix : 税法上の開発費の定義 ▪税法上の開発費の定義 ・新たな技術若しくは新たな経営組織の採用、資源の開発又は市場の開拓のために 特別に支出する費用をいう。(法人税法施行令第十四条 三 開発費) 注釈:特別に支出 ※特別に支出...経常費の性格をもつ費用は、繰延資産である開発費に含まれない。

    例えば、土地・建物の賃借料、事務用品消耗費、使用人給料、保険料、 電気・ガス・水道など、販売費及び一般管理費 ▪具体的な開発費の例(中小企業庁見解):事業化・製品化のための費用 ◇新技術の採用 技術習得のための指導料、セミナー等の受講料、特許権使用料、技術利用マニュアル 加工・使用料、調査費、外部委託費等 ◇新経営組織の採用 販売・仕入先との提携、代理店やフランチャイズ採用、人員や設備の配置転換、 事業の再編・統廃合、経営管理の刷新等のための人件費、会議費、コンサルタント 等委託費、配置転換に伴う退職金等 ◇市場の開拓 新たな販路を拓くための調査費、広告宣伝費、展示会出展費、PR品制作費、 パンフレット印刷費等 ◇新事業の開始 プロトタイプ製作のための人件費、原材料費、新サービス提供に係るマニュアル 作成費、研修費等 参考文献: 中小企業庁 Q6. 「試験研究費」及び「開発費」とは、どのようなものですか? https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/faq44/faq06.html 試験研究費の会計処理について教えて下さい 兵頭税務会計事務所 http://hyodo-ao.net/blog_hyodo/blog_hyodo_3/accounting-treatment.html 開発費をうまく使って節税すべし!! 税理士法人セルボ・クレール https://cerveau-creer.com/contents_168.html 繰延資産とは?会社法上と税法上の違い 株式会社フリーウェイジャパン https://freeway-keiri.com/blog/view/151 No.5442 試験研究費の総額に係る税額控除制度(総額型) 国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5442.htm ▪類似の項目として試験研究費がある。 繰延資産にはならないが、損金の額に算入される試験研究費の額がある場合に、 その試験研究費の額に一定割合を乗じて計算した金額を、その事業年度の法人税額 から控除することが認められる。 ▪試験研究費・開発費の対象にならないもの ・ 製品化された製品の生産設備の取得費 ・ 量産化のための設備投資 ・ 販売促進のマーケティング費 ・ 工場・店舗の修繕費 条件を満たせば損金と認められた上で 税額控除が受けられる