Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
みんなで書こう二分探索
Search
matumoto
June 10, 2021
Technology
0
66
みんなで書こう二分探索
2021/7月の大LTでの発表資料です
イベントページはこちら
https://zli.connpass.com/event/216615/
matumoto
June 10, 2021
Tweet
Share
More Decks by matumoto
See All by matumoto
testingを眺める
matumoto
1
160
sync/v2 プロポーザルの 背景と sync.Pool について
matumoto
0
420
Goトランザクション処理
matumoto
1
52
いまいちどスライスの 挙動を見直してみる
matumoto
0
350
Go1.22のリリース予定の機能を見る
matumoto
0
69
GoのUnderlying typeについて
matumoto
0
200
Typed-nilについて
matumoto
0
330
GoのType Setsという概念
matumoto
0
29
GoのRateLimit処理の実装
matumoto
0
380
Other Decks in Technology
See All in Technology
Implementing and Evaluating a High-Level Language with WasmGC and the Wasm Component Model: Scala’s Case
tanishiking
0
180
様々なファイルシステム
sat
PRO
0
240
Oracle Base Database Service 技術詳細
oracle4engineer
PRO
13
82k
20251027_マルチエージェントとは
almondo_event
1
360
AI時代の開発を加速する組織づくり - ブログでは書けなかったリアル
hiro8ma
1
310
ソフトウェアエンジニアの生成AI活用と、これから
lycorptech_jp
PRO
0
890
AI駆動で進める依存ライブラリ更新 ─ Vue プロジェクトの品質向上と開発スピード改善の実践録
sayn0
1
290
AI AgentをLangflowでサクッと作って、1日働かせてみた!
yano13
1
150
入院医療費算定業務をAIで支援する:包括医療費支払い制度とDPCコーディング (公開版)
hagino3000
0
110
CREが作る自己解決サイクルSlackワークフローに組み込んだAIによる社内ヘルプデスク改革 #cre_meetup
bengo4com
0
330
ハノーファーメッセ2025で見た生成AI活用ユースケース.pdf
hamadakoji
1
460
初めてのDatabricks Apps開発
taka_aki
1
370
Featured
See All Featured
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
95
14k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
303
21k
A better future with KSS
kneath
239
18k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
233
18k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
697
190k
Facilitating Awesome Meetings
lara
57
6.6k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
46
7.7k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
36
6.1k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
269
13k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
65
7.9k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
21
1.2k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
13
920
Transcript
みんなで書こう二分探索 会津大学2年松本響輝
二分探索って? ・二分していく探索です それ以上でもそれ以下でもない 探索する区間の長さをNとして なんと計算量オーダーがO(logN)ではやい! 半分,半分,半分,半分,......................
強い方のツイートで一時期盛り上がりました
どういう動き方か
どう動くの? 端っこを決めて、その真ん中で区間を分けていく。 使う方 使う方 使う方
なにを求められるのか
なにができるの ・ある境界を求められる 例 A = {3, 5, 10, 20, 33,
90, 98}の配列で値が15以上を満たす最小の index を返す場合 left : 0 right : 6 mid : 3 ← ( left + right ) / 2 A mid は20なので、15以上! ということは、探索する区間を左側にずらす→ right を mid にする
A = {3, 5, 10, 20, 33, 90, 98}の配列で値が15以上を満たす最小の index
を返す場合 left : 0 right : 3 ← mid mid : 1 ← ( left + right ) / 2 A mid は5なので、15以上じゃない! ということは、探索する区間を右側にずらす→ left を mid + 1にする
A = {3, 5, 10, 20, 33, 90, 98}の配列で値が15以上を満たす最小の index
を返す場合 left : 2 ← mid + 1 right : 3 mid : 2 ← ( left + right ) / 2 A mid は10なので、15以上! ということは、探索する区間を右側にずらす→ left を mid + 1にする
A = {3, 5, 10, 20, 33, 90, 98}の配列で値が15以上を満たす最小の index
を返す場合 left : 3 ← mid + 1 right : 3 mid : 3 ← ( left + right ) / 2 A mid は20なので、15以上! left と right が同じになったので left を返す( right でもよい)
なにを求めるの? ・ある境界を求められる つまり、条件を定めたときの境界を求めることができる ・ソート済みの配列の中で値が10以上を満たす最小の index ・0~n以下の素数の中で200000以上の最小の素数 条件が有効でない部分 条件が有効な部分 ※境界は整数でないこともあります
なにがうれしいのか
なにがうれしい? ・応用ができる! 例:値の検索 配列の中で値が x 以上を満たす最小の index → index 番目が
x ならOK、そうでないならその配列にはない ・計算量が少ない! 最悪でも計算量がO(logN) 0~1018くらいの区間だったとしても十分に高速(そんな大きい数を扱う職場...)
None
実装は? 1. 二分探索を使わない 2. 標準の関数を使う 3. 自分で作る
1.二分探索を使わない
1.二分探索を使わない (´・ω・`) え?
2.標準の関数を使う
2.標準の関数を使う • C++ ◦ lower_bound ◦ upper_bound • Python ◦
bisect • java ◦ Arrays.binarySearch ただ、配列に対して二分探索はできるが それ以外への二分探索ができない...
3.自分で作る
3.自分で作る(C++) 関数にするより、テンプレを覚えて書いた方が汎用性がよい! そんなあなたにめぐる式二分探索! ※競技プログラミング界隈はキャラがおおいがち 因幡めぐるアカウント様( https://twitter.com/meguru_comp)より
めぐる式二分探索の前に.. ・二分探索の実装上の工夫(先人たちの汗と涙の知恵) • 区間は半開区間[ left, right )で扱う 閉区間[ left, right
] これは left 以上 right 以下 半開区間 [ left, right ) これは left 以上 right 未満 今まで [ left, right ] → [ left, mid - 1 ]だったが [ left, right ) → [ left, mid )と簡潔に! ※ left を mid にする場合もおなじ ついでに、長さが N の配列のとき [ 0, N - 1 ] としてたのが [ 0, N ) にできる
めぐる式二分探索とは • めぐる式二分探索の特徴 ・ループの条件に絶対値を使っている ・ok, ng などの変数がある ・半開区間 ・最終的には ok
に求めたい値が入っている ・判定部分を関数にしている(←これについては諸説ありです) (ok, ng 以外の変数名の候補としては valid, invalid がある)
valid, invalid(ok, ng)みたいな変数には何の値が入るの? • ある条件を元にその境界を求めたい→二分探索でのis_valid関数を作る • validにはis_valid(valid)としたときに必ずtrueとなる値を入れる • invalidにはis_valid(invalid)としたときに必ずfalseとなる値を入れる •
例 ◦ n要素のソート済み配列 aからx以上の要素の最小のインデックスを見つけたい ▪ (配列aにはx以上の要素が少なくとも 1つは存在するものとする ) ◦ is_valid関数はindexを受け取ってa[i] >= x かどうかを判定するように作る ◦ validの初期値にはn-1を入れておく ◦ invalidの初期値には-1を入れておく(今回は invalidが開区間なので0じゃない) ◦ これであとは二分探索するだけ ▪ ※実際には、配列aの末尾に番兵として INFを挿入してvalid=nとする方が多いと思います
閉区間の実装と比較 ・+1, -1 を考えるのが混乱させる ・left か right のどちらにほしい値があるのか考える必要がある
閉区間の実装と比較 ・is_valid 関数を作ると、条件だけ考えることができる ・最終的にほしい値が valid だと分かりやすい ←の is_valid 関数は C++
のラムダ式です
これであなたも快適な二分探索ライフを! ご清聴ありがとうございました