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ジャンプ動作時の床反力発生に関する力学的考察
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MinchiMinchi
August 11, 2022
Technology
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ジャンプ動作時の床反力発生に関する力学的考察
MinchiMinchi
August 11, 2022
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Transcript
ジャンプ動作時の 床反力発生に関する力学的考察 三村泰成 鶴岡高専 日本バレーボール学会第22回大会 一般研究発表 2017年3月12日(日) 演題番号 15
はじめに 1 ⚫ ジャンプ動作では,逆方向に反動動作を行った方が高く跳べる. 伸張短縮サイクル(SSC),伸張反射と関係?? ⚫ そもそも床反力は,どこから発生しているのか? 静止状態では, 床反力=体重 のはずである!?
ジャンプ動作を 力学現象として考察する
バレーボール 垂直とびの床反力 2 体重 体重より軽い →落下している →床に衝突して大きな反力を得る → SSC ?
粘土 鉄球 跳ね返る ↓ 弾性エネルギの蓄積&解放
スパイクジャンプの床反力 3 バネ-アクチュエータ
スパイクジャンプの全体の流れ 4 ① ② ③ ④ ①水平方向に運動 ②回転運動に変換 ③床に叩きつける ④得られた床反力を上方向のエネルギに変換(弾性エネルギ,...など)
ここに着目!!
ボックスジャンプ(リバウンドジャンプ) 5 750mm, 600mm, 450mm, 300mm, 130mm Box 130 Box
300 Box 450 Box 600 Box 130 Box 300 Box 450 1年生 4年生
ボックスジャンプの床反力(300mm) 6 衝撃波?!
床反力の発生の源 7 SS’ SS’ SS PC SS PC Type1 Type3
Type2 F=ma m 縮めたバネを解放 (スクワットジャンプ?) ⚫ 質量を加速することで床 反力が発生する. ⚫ バネ上質量が重要な意 味を持つ. ⚫ 加速区間は短く,時間も 一瞬である. 落下,衝突は質量を急停止 させることである.つまり, 質量を上方向に 急加速する作業 となる.
回転運動⇔直線運動 変換機構 8 • 重量バランスで動作は変化する • 上肢を起こす →バネ上質量を加速する • 全体の角運動量保存
スクワットジャンプをする受動動作ロボット
バネ・アクチュエータモデルの 簡単な実験(実演します) 9 1. ボールを落下させる 2. 手は元の位置を保持 3. バネが伸びきった瞬間に上方へ引張りあげる 腱
筋 弾性紐 自然長 最大速度 v1 バネが伸びきる 速度はゼロ 引き上げる!
バネ定数が小さい 10 F λ F λ1 t t1 F1 F1
エネルギ保存: 運動量保存: 角振動数: 周期:
バネ定数が大きい 11 F λ λ1 F1 t1 F t F1
バネ定数が大きくなる F1 が大きくなる t1 が小さくなる 腱(バネ)が弾性変形しない F1 → ∞ t1 → 0 筋肉だけで瞬時に適応制御は可能か? 全てを随意運動で制御可能か? 何らかの弾性変形が動作に関与している. 受動制御(パッシブコントロール)が存在するのでは?
剣道の踏み込み(上段) 人体のジャンプ機構とは? セミアクティブサスペンション? 12 体重 体重 体重 体重 アクティブダンパー? スプリング
片足に 1t 以上!
センサ(五感)は選手の側にしかないので,試行錯誤,思考錯誤 を繰り返して 自分自身で感じてもらうしかない. ジャンプ動作の手順 13 1. 助走,落下などの勢いを床にぶつける. 2. 「最も衝撃力に耐えられる体勢」, 「最も弾性エネルギを蓄積できる体勢」を保持する.
3. 勢いを急停止させて弾性エネルギを蓄積する. 4. 弾性エネルギの解放と同時(直前?)に一気に下方向に負荷をかける. 大きさ,質量の分布,筋力,バネ定数,...などには個人差がある. 体勢,タイミング,限界荷重,...などは人それぞれ 型ハメ指導は選手を破壊しているのでは...?
木を見て森を見ず 森を見て木を見ず 14 個別の要素にできること(木:ミクロ領域) 全体でなすべき仕事(森:マクロ領域) 外部の仕事は, 単なる力学現象では? • リンク&ジョイント: 骨格構造,靭帯,...
• コントロールシステム 脳,神経,... • センサシステム 五感,神経,脳,... • アクチュエータ 筋,腱,... • 情報処理システム 神経伝達,記憶,学習,... ジャンプ動作では? → 上方向に加速する → 衝撃力に耐えられる体勢で床反力を 蓄積し,それを跳ね返す. 試行錯誤 思考錯誤 メゾ領域?
まとめ 15 F F F • ジャンプ動作におけるSSCを単な る力学現象として説明した.これ を明確にできれば,適切に筋力 を利用できるかもしれない.
• 既存のトレーニングを否定するも のではない.当然,筋力は必要 である! • 大域的,局所的に問題を分析し, 現段階で利用できうる全ての知 見,技術で解決策を模索,創造 する. 最適設計? エンジニアリング? 工学?
16 本研究はVolleyballLabのグループ研究の一環として行われたものです Volleyball Labとは バレーボールを客観的な根拠に基づき理解すること(Evidence-based Volleyball :EBV) を目的とするグループです。 VolleyballLabメンバー ・浅野暢介
・大沢仁 ・小田部剛 ・垣花実樹 ・川村貴彦 ・木曽司 ・北口剛一 ・後藤浩史 ・午坊健司 ・佐藤文彦 ・住田達二 ・角力山淳 ・辻村茉莉江 ・手川勝太朗 ・縄田亮太 ・三村泰成 ・百生剣太 ・渡辺寿規