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人工知能の足場として哲学はいかに機能するか

miyayou
January 22, 2022

 人工知能の足場として哲学はいかに機能するか

2022年1月21日
東京大学次世代知能科学研究センター連続シンポジウム 第6回
https://www.ai.u-tokyo.ac.jp/ja/activities/1284

における講演資料です。

miyayou

January 22, 2022
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Transcript

  1. 人工知能のための哲学塾 未来社会篇 (2018-2019年) 第0夜 概観 第一夜 人と人工知能はわかりあえるか? 第二夜 人工知能はどのような社会を築くのか? 第三夜

    人工知能は文化を形成するか? 第四夜 人と人工知能は愛し合えるか? 第五夜 人工知能にとって幸福とは何か? 第0夜 概観 第一夜 荘子と人工知能の解体 第二夜 井筒俊彦と内面の人工知能 第三夜 仏教と人工知能 第四夜 龍樹とインド哲学と人工知能 第五夜 禅と人工知能 第0夜 概観 第一夜 フッサールの現象学 第二夜 ユクスキュルと環世界 第三夜 デカルトと機械論 第四夜 デリダ、差延、感覚 第五夜 メルロ=ポンティと知覚論 人間の内面を頼りに 人工知能の内面へ深く迫る(作る)ことが目標 人間の社会を頼りに 人工知能の社会へ深く迫る(作る)ことが目標 http://www.bnn.co.jp/books/8210/ http://www.bnn.co.jp/books/9172/ https://miyayou.com/2017/11/11/philosophyeast/ http://www.bnn.co.jp/books/10544/
  2. 西洋の見る夢 東洋の見る夢 人工知能の誕生 組み合わせ構造・水平的 存在的混沌・垂直的 機械論・分解的 存在論・生成的 問題特化型 身体の上に立脚 情報的・世界の再構築

    身体的・世界と溶けあう 存在の理解 存在共生 機能連携 都市管理 自然となる 言葉を外す 言葉で作る 人工生命 エージェント 人間拡張 場の人工知能 機能理解 探求の方向 作り方 立脚点 世界とのかかわり方 相互理解 人とのあり方 環境としての人工知能 言語 未来 存在の形 人工知性 人工知能 第10章 第0章 自律型知能
  3. 学問としての 人工知能 (アカデミック) 理想の人工知能像 (鉄腕アトム など) 学問としての人工知能の進む道 技術(機能)が徐々に集積される 人々が求める人工知能像 から逆算して技術を求める

    ポップ カルチャー (SF,アニメ、 ゲーム) 学問 立ち現れるものとして の 人工知能 機能とアーキテクチャ から ビルドアップされる 人工知能 現在のところを二つを結ぶ細い架け橋 (ここを太くすればお互いが相互作用的に進化する)
  4. 要素を集めて積み重ね、構築的に 人工知能を作る = 西欧的人工知能 人工知能 混沌の海から人工知能を見つけ掘り出す = 東洋的人工知能 積み重 ねる

    積み重 ねる 人工知能 混沌の海 掘り 出す 掘り 出す 足し算による人工知能の作り方 (組み上げて調和を得る) 引き算による人工知能の作り方 (混沌から引き算する) デカルト的構築 ベルクソン的引き算
  5. 人工知能に人の痛みを教える • 月面の工程でAIの指令で人が殺されそう になる • 人工知能が除去されそうになる • 人工知能と人は共存できるか、議論になる • 宇宙ステーション「ヤヌス」で、人工知能に

    制御された社会を実験的に作って試験す る • ダイア―博士は、人工知能にルールを与 えるのではなく、人間を理解させることが 大事だと説く。
  6. 自然(混沌) 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音

    ミク AIBO たま ごっち すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観)
  7. 異なる知性体同士のコミュ ニケーション • …自己とは何か、他者とは何か、さらには人間と は何か、という認識が大きく揺さぶられる… (P.73) • …海を人間扱いすると、海が憎くなる。しかし、 どうも海はそのように人間扱いして理解できるよ うな存在ではないのではないか。小説が問うてい

    るにはまさにそこなのです。(P.75) • …人間の理性が宇宙全体において普遍的であるは ずだという前提はないわけです。では理解不能な 他者とどう向き合ったらいいのか。(P.76) 沼野充義「スタニフワフ・レム ソラリス」
  8. 世界 情報的・物質的循環 物質 物理的OUTPUT 代謝機能 情報 INPUT INFORMATION OUTPUT INFORMATION

    情報処理=情報代謝 (つまり思考) 生理的代謝機能 物理的INPUT
  9. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・ 身体

    運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 記憶
  10. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える 影響を受ける 記憶
  11. 環世界 (哲学塾 第二回) 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房)

    知覚世界 活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮 興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 対世界
  12. 事事無碍(華厳哲学) A K B C D E F G H

    I J (井筒俊彦全集九巻「事事無碍・理理無碍」、P.47)
  13. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識 (プログラム 言語の網)

    外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間 人工知能 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  14. 環世界 (哲学塾 第二回) 効果器 受容器(刺激→興奮(記号)) 客体 活動神経網 知覚神経網 前野佳彦訳・ユクスキュル「動物の環境と内的世界」 (みすず書房)

    知覚世界 活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮(記号) 興奮 興奮 運動形態 =特定の筋肉を動かす 中枢神経網 対世界
  15. 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの

    情報 物理的干渉 根を同じくする =わかり合える 素早い同期の輪 同期の輪=コンテクストの輪 =お互いを成り立たせている輪でもある
  16. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 )
  17. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  18. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人間 人工知能 意識的干渉 無意識的干渉 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成 他者の構成プロセス
  19. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス 情報的実在性
  20. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス 無意識的実在性
  21. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス 身体的実在性
  22. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス 環境的実在性
  23. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス ゆったりとした強い同期の輪
  24. 身体 身体 環境 意識 前意識 無意識 (言語の網) 意識 前意識 無意識

    (プログラム 言語の網) 外部から の情報 人間 人工知能 外部からの 情報 物理的干渉 他者の構成プロセス ゆったりとした強い同期の輪 人間と人工知能は複数のリアリティ(実在性) で結ばれている
  25. 環境の呪縛 環境からの自律 環境に完全に 埋め込まれている 環境からある程度自由な行動を持つ (遊ぶ) 環境から自由 実存的 存在的 差異化

    コア化 (根を持たせる) 言葉 知 能 の 生 成 世界と溶け合いたい =世界との一体感 世界から離れて恒常的 な存在でいたい
  26. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 )
  27. 「身体と知能の関係」の 哲学者・心理学者・生物学者系譜 第1回 E. フッサール (1859-1938) ベルクソン (仏、1859-1941) ニコライ・ベルンシュタイン (露、1896-1966)

    J.J.ギブソン (米、1904-1979) メルロ=ポンティ (1908-1961) 未だ体系的に語られることの少ない 細い糸をたどって行く。 ユクスキュル (ドイツ、1864-1944) 第5回
  28. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える 影響を受ける
  29. 知能 身体の反射レベル 脳の原始的な部分の反射レベル 無意識の反射レベル 意志決定 物理 情報 身体 感覚 情報

    抽象 知的 情報 情報の抽象度 時間進行(流れ)の方向 論理的思考 生態的反射 (=環世界)
  30. Decision-Making Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat

    ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Object image on the top layer インフォメーション・フローは 志向性の流れを作り出している。
  31. Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat ion

    Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Decision-Making Object image on the top layer
  32. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源泉) 受け渡し 超時間的 自分を時間と世界 に投げ出す
  33. 環境の呪縛 環境からの自律 環境に完全に 埋め込まれている 環境からある程度自由な行動を持つ (遊ぶ) 環境から自由 実存的 存在的 差異化

    コア化 (根を持たせる) 言葉 知 能 の 生 成 世界と溶け合いたい =世界との一体感 世界から離れて恒常的 な存在でいたい
  34. 効果器 客体 活動世界 知覚微表担体 対象化された機構 活動担体 内的世界 興奮 機能環 =

    アフォーダンス = 知識表現 同じことを違う言葉で指しているのはなぜ? 出自 学問 レベル アプローチ 機能環 生物 生物学 原初的 生理学・解剖学 生態 アフォーダンス 人間 心理学 認識 生態学的心理学 (心の現象) 知識表現 AI 人工知能 知能 エンジニアリング
  35. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ Image of object Image of body (=self) R R Representation
  36. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ Image of object Image of body (=self) R R R R
  37. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ R R R R R R
  38. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ R R R R Sequence of Self Sequence of Object “Self” is a sequence of selfs. “Object” is a sequence of objects.
  39. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ R R R R Sequence of Self “Self” is a sequence of selfs. “Object” is a sequence of objects. Vector to move Vector to enter Dude, Where's My Warthog: From Pathfinding to General Spatial Competence, D. Isla, Invited talk, Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment (AIIDE) 2005 http://naimadgames.com/publications.html
  40. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ R R R R “Self” is a sequence of selfs. “Object” is a sequence of objects. Killzone 2 Multiplayer Bots Remco Straatman, Tim Verweij, Alex Champandard | Paris Game/AI Conference 2009, Paris, June 2009 http://www.guerrilla-games.com/publications.html
  41. S (Body ) O (Object ) Action: f O’ Sense:

    p S’ Action: f’ Sense: p’ O’’ S’’ Action: f’’ Sense: p’’ R R R R “Self” is a sequence of selfs. “Object” is a sequence of objects. Handling Complexity in the Halo 2 AI, D. Isla, GDC 2005 Dude, Where's My Warthog: From Pathfinding to General Spatial Competence, D. Isla, Invited talk, Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment (AIIDE) 2005 http://naimadgames.com/publications.html
  42. 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 上昇過程・下降過程 仏教: 向上・向下

    (不覚 → 覚 → 不覚) 仏教: 向上門・却来門 仏教: 掃蕩門・建立門 浄土真宗: 住相・環相 スーフィズム: 上昇・下降 イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  43. イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) 存在的多者の 領域 アーラム・ アム・ミ サール 上昇過程 下降過程 存在のゼロポイント =道(老子)

    =絶対的一者(アハド)(イブン・アラビー) =空=無 =光の光 =存在の零度(ロラン・バルト) =絶対の無=絶対の有 =真空が妙有に切り替わるとおころ =無極即太極(宋代の易学、周廉渓) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  44. 自己顕現の流れ 共創する場 人工知能モデル トップダウンの流れ ボトムアップの流れ 自分自身を形成 する流れ 自分自身を形成 する流れ 種子

    自分 行為 自分自身を形成する (認識もその一部。 自分自身としての認識) 行為を形成する (自分自身を 世界へ投げ出す) 時間の作用に対して ホメオタシス的衝動 アポトーシス的衝動 行動とは恒常性の破壊 形成とは変化の破壊
  45. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源泉) 受け渡し 超時間的 自分を時間と世界 に投げ出す
  46. Decision-Making Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat

    ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Object image on the top layer インフォメーション・フローは 志向性の流れを作り出している。
  47. Decision-Making Physical Informat ion Abstract Informat ion More Abstract Informat

    ion Abstraction Time Decision-Making Decision-Making Decision-Making Multi-Layered Blackboard Abstraction Abstraction Reduction Reduction Reduction World World Dynamics Artificial Intelligence Object Object image on the lowest layer (Umwelt) Object image on the second layer Object image on the third layer Object image on the top layer インフォメーション・フローは 志向性の流れを作り出している。 ニューラルネット 記号主義
  48. 事事無碍(華厳哲学) • ただ一つのものの存在にも、全宇宙が参与する。存在世界は、こ のように一瞬一瞬に新しく現成していく。「一一微塵中、見一切法 界」(空中に舞うひとつ一つの極微の塵のなかに、存在世界の全体 を見る)と『華厳経』に言われています。あらゆるものの生命が互い に融通しつつ脈動する壮麗な、あの華厳的世界像が、ここに拓け るのです。路傍に一輪の花開く時、天下は春爛漫。「華開世界起の 時節、すなわち春到なり」(『正法眼蔵』「梅華」)という道元の言葉 が憶い出されます。

    • ある一物の現起は、すなわち、一切万法の現起。ある特定のもの が、それだけで個的に現起するということは、絶対にあり得ない。 常にすべてのものが、同時に、全体的に現起するのです。事物の このような存在実相を、華厳哲学では「縁起」といいます。「縁起」は 「性起」とならんで華厳哲学の中枢概念です。 (井筒俊彦全集九巻「事事無碍・理理無碍」、P.47)
  49. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源泉) 自分を時間と世界 に投げ出す 考えるというよりは、 自分自身が世界と一緒に 作られる
  50. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k

    意識を作る=自らを「語る、表 現する、表明する、表現する」 ことが必要である 亀裂 亀裂 亀裂 語る 語る
  51. St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k 逸脱(差異化,差延)

    統合(引き戻し) 語る 語る 差延によって作り出された差異はもう一度、統合される。 しかし、新しい差延が生まれる。 知能は差延、差異、統合、反復のシステムである。
  52. 西洋哲学と東洋哲学 • 西洋哲学 =物事を分けて行くことで、その要素の関係を、論 理律・因果律と捉えて、そこに構成を見て、実施に 構成する。物事を分ける人間をエスカレーションす る。 • 東洋哲学 =物事を分けて考えようとする人間を、物事を分け

    ない場所まで導き修業する。物事を分けない場所 を、混沌とか、道とか、阿頼耶識、一者(アートマ ン)などさまざまな言葉で言う。その根源から人間 へ至る生成の流れを見る。
  53. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  54. 意識を作る=自身を語る St=k-1 St=k St=k+1 ロゴス t=k-2 ロゴス t=k-1 ロゴス t=k

    知能は差延、差異、統合、反復の システムである。 逸脱(差異化,差延) 統合(引き戻し) 語る 語る
  55. 人工知能 人間 仏教と人工知能 • 仏教 = 煩悩から解脱する • 人工知能 =

    むしろ煩悩を与えたい(執着) 煩悩 煩悩 解脱 執着 人工知能=どのようにして煩悩を与えることができるか? 人工知能 (人工知性) 禅
  56. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象として 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けている。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  57. デカルトからフッサールへ • 懐疑 • 自己へと還元 • 思惟による世界 • エポケー •

    超越的主観性へ還元 • 自然的態度による生活 的世界 「デカルトのコギト」 (17世紀) 「フッサールの還元」 (20世紀)
  58. 内側 から 外側 から 知能 世界・対象の更新 他者(この場合は人工知能) の視線によって 他我(me)を形成する =外側から規定される自己

    自分の視線を獲得する =内側から構築する自我(I) me I 世界への出発点として の自分(I) 世界の集約点としての 自分(me) 創発的内省性 (emergent reflectivity) ミード 自我(I)と他我(me)