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人工知能を開発する側から見る人間の条件

miyayou
August 05, 2019

 人工知能を開発する側から見る人間の条件

中高生に向けて、いかにAIを伝えるべきか。

miyayou

August 05, 2019
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  1. 人間の精神、機械の精神 意識 前意識 無意識 外部から の情報 意識 前意識 無意識 外部から

    の情報 言語・非言語境界面 知覚の境界面 人工知能は、人間の知能を機械に移したもの。
  2. この300年の技術の動向 時間 規模 産業革命 情報革命 ネット革命 知能革命 機械化・自動化(オートメーション化) 電子情報化 オンライン化

    知能化 第二次産業革命 電動化 1750 1860 1960 1990 Now… 現代は「知能化」の時代に 入りつつある。 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム
  3. この300年の技術の動向 時間 規模 産業革命 情報革命 ネット革 命 知能革命 機械化・自動化(オートメーション化) 電子情報化

    オンライン化 知能化 第二次産業革命 電動化 1750 1860 1960 1990 Now… 第一次AIブーム = AI分野の立ち上がりのブーム(専門家の中)。研究の黎明期。 第二次ブーム = パーソナルコンピューターの普及。ニューラルネットの改善。 社会にコンピューターが広がって行くとき雰囲気。 第三次ブーム = ビックデータの上に学習する人工知能 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム
  4. 二つの人工知能 IF (s_collison==true) register_all(s_star); assign_edge(); assign_vertex(); mix_all(); シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能

    (コネクショニズム) IBM ワトソン Google検索 など AlphaGo など http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature14236.html
  5. 人工知能がブームになるとき 時間 規模 1960 1990 2000 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム 1970

    1980 2010 ニューラルネットによる人工知能は、 浮き沈みが激しい。
  6. 人工知能がブームになるとき 時間 規模 1960 1990 2000 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム 1970

    1980 2010 ニューラルネットによる人工知能は、浮き沈みが激しい。 = しかし、人工知能がブームになる時は、 必ず改良されたニューラルネットワークが現れる。
  7. この300年の技術の動向 時間 規模 産業革命 情報革命 ネット革 命 知能革命 機械化・自動化(オートメーション化) 電子情報化

    オンライン化 知能化 第二次産業革命 電動化 1750 1860 1960 1990 Now… 現代は「知能化」の時代に 入りつつある。
  8. 2 第1次AIブーム 時間 規模 情報革命 ネット革 命 知能革命 電子情報化 オンライン化

    知能化 1960 1990 2000 第一次AIブーム 第二次AIブーム 第三次AIブーム 1970 1980 2010
  9. 2 第一次AIブーム(1960年代) • コンピューターは大型のものしかない。 • 人工知能という分野自体が誕生したばかり。 • ニューラルネットという新しい分野のブーム。 19世紀後半 人間の脳は

    ニューロンという もので出来てい るらしい 20世紀前半 ニューロンの 電気的性質が 解明される (ホジキン博士、 ハクスレー博 士) 1950年代に ニューラルネット 発明 1963年に ホジキン=ハク スレー方程式が ノーベル賞
  10. 2 第一次AIブーム(1960年代) 身長 体重 年齢 健康 要運動 注意 学習データから ここの重みを

    変化させます 健康 要運動 注意 新しいデータ ニューラルネット = データを分類する人工知能
  11. 2 第一次AIブーム(1960年代) もし A ならば B もし B ならば C

    よって、 もし A ならば C シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能 (コネクショニズム) 推論ベース ニューラルネット 誕生
  12. 3 第二次AIブーム(1980年代) • パソコンが普及して行く。 • ルールを集めて知能を作ろう。 • 逆伝播法によるニューラルネットのブーム。 パソコンが 世の中で

    普及して行く 知識主義 = たくさんの知 識を人工知能 に 与えて推論 すれば知能が できる インターネッ トもなく、知識 が足りない。 推論も専門 的な機能の み。
  13. 3 第二次AIブーム(1980年代) IF (A) then B IF (C) then D

    IF (E) then F IF (G) then H IF ( I ) then J シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能 (コネクショニズム) ルールベース 新しい学習法= 逆伝搬法
  14. インターネットによる 膨大なデータ 4 第三次AIブーム(2010年代) 時間 規模 1960 1990 2000 第一次AIブーム

    第二次AIブーム 第三次AIブーム 1970 1980 2010 ルールベー ス 逆伝播法 データベー ス ディープ ラーニング 推論ベー ス ニューラル ネット誕生 小型・中型 コンピュータの普及 大型コンピュータ 専門家のみのブーム
  15. この300年の技術の動向 時間 規模 産業革 命 情報革 命 ネット 革命 知能革

    命 機械化・自動化(オートメーション化) 電子情報化 オンライン化 知能化 第二次産業革 命 電動化 1750 1860 1960 1990 Now… 現代は「知能化」の時代に 入りつつある。
  16. 知能化 • 工場 → (知能化) → オートスケジューリング • 配送 →

    (知能化) → 自動分配・自動配送 • 車 → (知能化) → 自動走行・ITS • 家電 → (知能化) → コミュニケーション家電(ルンバなど) • インターネット → (知能化) → Web.4.0 (GoogleのDeep Learning など ) • TV → (知能化) → キーワード・趣向による自動録画 • 注文サービス → (知能化) → 自動受付・自動サービス 社会の隅々にまで、知的機能がインプリメント(実装)される。 知能化
  17. 人間の知能の形/人工知能 の知能の形 AlphaGO =囲碁しか打てない =人間より強い ナビ =目的地へのルート = とても正確 お掃除ロボット

    =お掃除しかできない = 24時間掃除 IBM ワトソン =記号の統計情報しかない =何百万行のテキストの関係を記憶 お料理ロボット =お料理しかできない =何万と言うレシピ 人工知能=専門的知能 一つのことしかできない。
  18. 人間の知能の形/人工知能 の知能の形 お料理ロボット =お料理しかできない AlphaGO =囲碁しか打てない ナビ =目的地へのルート お掃除ロボット =お掃除しかできない

    IBM ワトソン =記号の統計情報しかない =何百万行のテキストの関係を記憶 人工知能=専門的知能 一つのことしかできない。一つのことがとても(人間より)得意。
  19. 人 フレーム フレーム フレーム フレーム(小) =人工知能の役割 フレーム(小) =人工知能の役割 自分の延長とし ての人工知能

    (フレームが つなぐ) これは協調ではない。 =一体となることが協調ではない =他者でありながら、協調する
  20. 閉じている 開いている 総合型 専門型 直観 精密 総合型人工知能 (汎用人工知 能) 問題特化型

    人工知能 フレームが 閉じている 問題領域 フレームが 閉じていない 問題領域
  21. 閉じている 開いている 総合型 専門型 直観 精密 総合型人工知能 (汎用人工知 能) 問題特化型

    人工知能 フレームが 閉じている 問題領域 フレームが 閉じていない 問題領域
  22. 閉じている 開いている 総合型 専門型 直観 精密 総合型人工知能 (汎用人工知 能) 問題特化型

    人工知能 フレームが 閉じている 問題領域 フレームが 閉じていない 問題領域
  23. 機械 人間はどのように人工知能を 発展させて来たか? 記 号 自 然 言 語 概

    念 人間 AI 意 味 言 葉 情 報 画 像 範 疇 判 別 イメ ー ジ 意 味 映 像 判 別 時 系 列 流 れ 意 味 Deep Learning
  24. 機械 人間はどのように人工知能を 発展させて来たか? 記 号 自 然 言 語 概

    念 人間 AI 意 味 言 葉 情 報 画 像 範 疇 判 別 イメ ー ジ 意 味 映 像 判 別 時 系 列 流 れ 意 味 機械(マシン)が得意なこと(=情報処理、画像処理、映像処理)と、 人間が得意なこと(=概念、イメージ、想像)は正反対。
  25. IT技術による新しい現実空間のサービス(新規) ネット空間 現実空間 クラウド/人工知能 インターネット 進出・ 浸食 ロボッ ト 実空間

    センシング ドロー ン IoT 現在起こっていること ~ネット空間から現実空間への回帰 ゲーム空間 人工知 能 https://www.ingress.com
  26. データの海が人工知能を育てる • Amazon(協調フィルタリング) • IBMワトソン • IBM Watson in みずほ銀行

    • AlphaGO • ソニー「デジタルアナウンサー」 • Nvidia「自動運転」 • 医療用診断データベース
  27. Amazon「協調フィルタリング」 ユーザデータ群 (たとえば販売サイト) A B C ? 評価 5 1

    4 A,B,C という映画を購入した人に、 次にどの映画を推薦するべきか? A B C M 評価 4 2 5 5 同じ購入履歴で、同じような評価をしている 人が高く評価している映画を探して来る。 推薦
  28. IBM ワトソン ネット上のあらゆるWiki 百科事典データベース など りんご 赤い 90% 甘い 70%

    青森 55% フランス 40% 果物 32% … しぶい 7% IBMワトソンは、文章の中の語の相関を学習する。 その学習データを用いて、インプットされた語と、 相関の強い言葉をリストアップする。
  29. IBM Watson in みずほ銀行 • オペレーターが顧客の要望を復唱する。 • 言葉に変換 • 自動的に関連するマニュアルを表示する

    https://www.change-makers.jp/business/10573 要件 クライ アントさ ん IBM ワトソン オペレーター バックアップ
  30. IBM Watson in 東京大学医学部 • 論文を学習させる。 • 論文を積み上げると富士山ぐらいになりそうな勢 い。=人間では無理。 •

    症状を入れると、論文のリストが出て来る。 症状 患者さん IBM ワトソン お医 者さん バックアップ
  31. IBM Watson in 保険会社 • 保険会社の判例を学習させる。 • 一人前になるのに数年かかる。 • かつてはベテランが教えていた。

    • タブレットからIBMワトソンがアドバイス 事故 内容 クライア ントさん IBM ワトソン 新人 バックアップ
  32. Deep Q-Learning • https://becominghuman.ai/lets-build-an-atari-ai-part-1-dqn- df57e8ff3b26 Volodymyr Mnih, Koray Kavukcuoglu, David

    Silver, Alex Graves, Ioannis Antonoglou, Daan Wierstra, Martin Riedmiller (DeepMind Technologies) Playing Atari with Deep Reinforcement Learning http://www.cs.toronto.edu/~vmnih/docs/dqn.pdf 画面を入力 操作はあらかじめ教える スコアによる強化学習 https://becominghuman.ai/lets-build-an-atari-ai-part-1-dqn-df57e8ff3b26
  33. 二つの人工知能 IF (s_collison==true) register_all(s_star); assign_edge(); assign_vertex(); mix_all(); シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能

    (コネクショニズム) Google検索,IBM ワトソンなど AlphaGo など http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature14236.html
  34. 学習過程解析 Volodymyr Mnih, Koray Kavukcuoglu, David Silver, Alex Graves, Ioannis

    Antonoglou, Daan Wierstra, Martin Riedmiller (DeepMind Technologies) Playing Atari with Deep Reinforcement Learning http://www.cs.toronto.edu/~vmnih/docs/dqn.pdf https://www.youtube.com/watch?v=5WXVJ1A0k6Q
  35. • Pπ ロールアウトポリシー(ロールアウトで討つ手を決め る。Pπ(a|s) sという状態でaを討つ確率) • Pσ Supervised Learning Network

    プロの討つ手からその 手を討つ確率を決める。Pσ(a|s)sという状態でaを討つ確 率。 • Pρ 強化学習ネットワーク。Pρ(学習済み)に初期化。 • Vθ(s’) 局面の状態 S’ を見たときに、勝敗の確率を予測 する関数。つまり、勝つか、負けるかを返します。 Mastering the game of Go with deep neural networks and tree search http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/full/nature16961.html https://deepmind.com/research/alphago/
  36. Mastering the game of Go with deep neural networks and

    tree search http://www.nature.com/nature/journal/v529/n7587/full/nature16961.html https://deepmind.com/research/alphago/
  37. 二つの人工知能 IF (s_collison==true) register_all(s_star); assign_edge(); assign_vertex(); mix_all(); シンボルによる人工知能 (記号主義) ニューラルネットによる人工知能

    (コネクショニズム) IBM ワトソン など AlphaGo など http://www.nature.com/nature/journal/v518/n7540/full/nature14236.html
  38. • 朝起きる。 • 電車に乗る。 • メイルをチェック。 • 必要な事項など返信。 • 会社に着く。

    • メイルをチェック。予定をチェック。 • 要件を検討し内容を返す。 • 朝ミーティング。 • それぞれの要件を確認。 • 技術的な設計文書を書く。 • 相談する。プログラムして貰う。/ プログラムを書く。 • 出来ると社内に持っていく。 • 説得する。論争になる。 • つかれる。 • 食堂でたそがれながら、コーヒーを飲む。 • 机に返る。相談が来る。 • 技術的な解決策を示す。 • でも心配になってもう一度危機に来る。 • 人間関係の相談を受ける。 職業は人工知能でなくなるか?
  39. • 朝起きる。 • 電車に乗る。 • メイルをチェック。 • 必要な事項など返信。 • 会社に着く。

    • メイルをチェック。予定をチェック。 • 要件を検討し内容を返す。 • 朝ミーティング。 • それぞれの要件を確認。 • 技術的な設計文書を書く。 • 相談する。プログラムして貰う。/ プログラムを書く。 • 出来ると社内に持っていく。 • 説得する。論争になる。 • つかれる。 • 食堂でたそがれながら、コーヒーを飲む。 • 机に返る。相談が来る。 • 技術的な解決策を示す。 • でも心配になってもう一度危機に来る。 • 人間関係の相談を受ける。 職業は人工知能でなくなるか? 自分の仕事に何割かが人工知能に置き換わる。
  40. • 朝起きる。 • 電車に乗る。 • メイルをチェック。 • 必要な事項など返信。 • 会社に着く。

    • メイルをチェック。予定をチェック。 • 要件を検討し内容を返す。 • 朝ミーティング。 • それぞれの要件を確認。 • 技術的な設計文書を書く。 • 相談する。プログラムして貰う。/ プログラムを書く。 • 出来ると社内に持っていく。 • 説得する。論争になる。 • つかれる。 • 食堂でたそがれながら、コーヒーを飲む。 • 机に返る。相談が来る。 • 技術的な解決策を示す。 • でも心配になってもう一度危機に来る。 • 人間関係の相談を受ける。 職業は人工知能でなくなるか? 自分の仕事に何割かが人工知能に置き換わる。 =これからは人間と人工知能が協調する時代
  41. • 朝起きる。 • 電車に乗る。 • メイルをチェック。 • 必要な事項など返信。 • 会社に着く。

    • メイルをチェック。予定をチェック。 • 要件を検討し内容を返す。 • 朝ミーティング。 • それぞれの要件を確認。 • 技術的な設計文書を書く。 • 相談する。プログラムして貰う。/ プログラムを書く。 • 出来ると社内に持っていく。 • 説得する。論争になる。 • つかれる。 • 食堂でたそがれながら、コーヒーを飲む。 • 机に返る。相談が来る。 • 技術的な解決策を示す。 • でも心配になってもう一度危機に来る。 • 人間関係の相談を受ける。 職業は人工知能でなくなるか? 自分の仕事に何割かが人工知能に置き換わる。 =これからは人間と人工知能が協調する時代 =人工知能とペアを組んで強いチームが勝つ
  42. • 朝起きる。 • 電車に乗る。 • メイルをチェック。 • 必要な事項など返信。 • 会社に着く。

    • メイルをチェック。予定をチェック。 • 要件を検討し内容を返す。 • 朝ミーティング。 • それぞれの要件を確認。 • 技術的な設計文書を書く。 • 相談する。プログラムして貰う。/ プログラムを書く。 • 出来ると社内に持っていく。 • 説得する。論争になる。 • つかれる。 • 食堂でたそがれながら、コーヒーを飲む。 • 机に返る。相談が来る。 • 技術的な解決策を示す。 • でも心配になってもう一度危機に来る。 • 人間関係の相談を受ける。 職業は人工知能でなくなるか? 自分の仕事に何割かが人工知能に置き換わる。 =これからは人間と人工知能が協調する時代 =人工知能とペアを組んで強いチームが勝つ = 人間とペアを組むことを前提に人工知能を開発 するべき = 単独の人工知能ではなく
  43. 単独の人工知 能 人間とペアを 組む人工知能 社会 インフラ パーソナ ル・サービ ス 人間の心

    人と人の間 /モバイル システム /ビックデー タ 二つの人工知能
  44. 単独の人工知 能 人間とペアを 組む人工知能 社会 インフラ パーソナ ル・サービ ス 人間の心

    人と人の間 /モバイル システム /ビックデー タ 二つの人工知能
  45. 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音 ミク

    AIBO たま ごっち 水平的知能感 すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観)
  46. フィールド 3つのAIの連携の例 ナビゲーション AI メタAI キャラクターAI 状況を監視し、キーとなる役割を 適切なタイミングでエージェントに 指示する。 自律的な判断。

    仲間同士の協調 地形を解析する 目的に応じた点を見つけ出す 目的地までのパスを計算する Support エージェントが自律的に戦闘・協調しつつ、ナビゲーションAIが 戦術的ポイントを教え、メタAIは、全体の戦闘の流れを作る。
  47. フィールド 3つのAIの連携の例 ナビゲーション AI メタAI キャラクターAI 状況を監視し、キーとなる役割を 適切なタイミングでエージェントに 指示する。 自律的な判断。

    仲間同士の協調 地形を解析する 目的に応じた点を見つけ出す 目的地までのパスを計算する Support エージェントが自律的に戦闘・協調しつつ、ナビゲーションAIが 戦術的ポイントを教え、メタAIは、全体の戦闘の流れを作る。
  48. (例)「ゼビウス」(ナムコ、1983) 敵出現テーブル巻き戻し 敵0 敵1 敵2 敵3 敵4 敵5 『あと面白い機能なんですけれど、 ゼビウスには非常に簡単なAIが組み込まれています。

    「プレイヤーがどれくらいの腕か」というのを判断して、 出てくる敵が強くなるんです。 強いと思った相手には強い敵が出てきて、 弱いと思った相手には弱い敵が出てきます。 そういっ たプログラムが組み込まれています。 ゲームの難易度というのは「初心者には難しくて、上級者 には簡単だ」ということが、 ひとつの難易度で(調整を)やっていくと起きてしまうので、 その辺を何 とか改善したいな、ということでそういったことを始めてみたのですけれど、 お陰で割合にあまり上 手くない人でも比較的長くプレイできる、 うまい人でも最後のほうに行くまで結構ドラマチックに楽 しめる、 そういった感じになっています。』 - 遠藤雅伸(出演)、1987、「糸井重里の電視遊戯大展覧会」『遠藤雅伸ゼビウスセミナー』フジテレビ -
  49. メタAI Left 4 Dead の事例 Michael Booth, "The AI Systems

    of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford. http://www.valvesoftware.com/publications.html 今回は Left 4 Dead の事例を見てみる。
  50. メタAI(=AI Director)によるユーザーのリラックス度に応じた敵出現度 ユーザーの緊張度 実際の敵出現数 計算によって 求められた 理想的な敵出現数 Build Up …プレイヤーの緊張度が目標値を超えるまで

    敵を出現させ続ける。 Sustain Peak … 緊張度のピークを3-5秒維持するために、 敵の数を維持する。 Peak Fade … 敵の数を最小限へ減少していく。 Relax … プレイヤーたちが安全な領域へ行くまで、30-45秒間、 敵の出現を最小限に維持する。 Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford. http://www.valvesoftware.com/publications.html より具体的なアルゴリズム
  51. 安全な領域までの道のり(Flow Distance) メタAIはプレイヤー群の経路を トレースし予測する。 - どこへ来るか - どこが背面になるか - どこに向かうか

    Michael Booth, "The AI Systems of Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford. http://www.valvesoftware.com/publications.html
  52. プレイヤーからの可視領域 可視領域(プレイヤーから見えている 部屋)では、敵のスパウニング(発生) はできない。 Michael Booth, "The AI Systems of

    Left 4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford. http://www.valvesoftware.com/publications.html
  53. 敵出現領域 背後 前方 Michael Booth, "The AI Systems of Left

    4 Dead," Artificial Intelligence and Interactive Digital Entertainment Conference at Stanford. http://www.valvesoftware.com/publications.html 前方と背後のプレイヤー群から見えてない部屋に、 モンスターを発生させる。
  54. Procedural Generation in WarFrame • Warframe ではダンジョンが自動生成される。 Daniel Brewer, AI

    Postmortems: Assassin's Creed III, XCOM: Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed
  55. Black Combination in WarFrame • ブロックを組み合わる • 完全に零からの生成 ではない。 このような生成のことを

    Semi-procedural と言う。 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed III, XCOM: Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed
  56. スタートポイント、出口、目的地の 自動生成 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed III, XCOM:

    Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed
  57. ヒートマップ(影響マップ)を用いて ゲーム中にプレイヤーの周囲を自動解析 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed III, XCOM:

    Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed ヒートマップ(影響マップ)とは、対象(ここではプレイヤー)を中心に、位置に温度(影響度) を 与える方法です。距離に応じて減衰します。また時間が経つと、周囲に熱が拡散します。
  58. Tactical Map の例 (影響マップ) (例)敵と自分の勢力をリアルタイムに計算する。 4 6 8 8 8

    8 6 4 2 0 -1 -2 -4 -4 -4 -2 4 6 8 8 8 8 4 2 1 0 -2 -4 -4 -2 4 6 8 8 8 6 3 1 0 -2 -4 -4 -4 -2 4 6 8 8 8 6 6 4 1 0 -2 -4 -4 -2 2 4 6 8 6 6 4 4 0 -1 -2 -4 -4 -4 -2 1 2 4 6 6 4 2 2 -4 -5 -3 -3 -4 -4 -2 -1 3 3 3 3 4 2 2 0 -4 -5 -5 -8 -8 -6 -4 -2 3 3 2 2 2 0 -2 -4 -8 -10 -10 -8 -4 -2 3 3 3 2 2 1 0 -4 -8 -10 -10 -8 -8 -4 -2 2 2 2 2 1 1 0 -3 -8 -10 -10 -8 -8 -4 -2 1 1 1 1 0 0 -2 -4 -8 -8 -8 -8 -8 -8 -8 -8 0 0 0 0 0 -1 -1 -2 -5 -6 -6 -6 -8 -8 -8 0 0 0 0 -1 -2 -2 -2 -4 -4 -4 -6 -8 -8 -8 -8 0 0 0 0 -1 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 0 0 0 0 -1 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 -2 0 0 0 0 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1 -1
  59. アクティブ・エリアセット(Active Are Set) Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed III,

    XCOM: Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed アクティブ・エリアセットは、プレイヤーの周囲の領域で、 リアルタイムにメタAIがゲームを調整する領域
  60. メタAI (AI Director,)による 動的ペース調整 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed

    III, XCOM: Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed
  61. メタAI(自動適応ペーシング) メタAI (AI Director,)による 動的ペース調整 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's

    Creed III, XCOM: Enemy Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed
  62. メタAIによる出会うモンスターの数の大域調整 Daniel Brewer, AI Postmortems: Assassin's Creed III, XCOM: Enemy

    Unknown, and Warframe (GDC2015) http://www.gdcvault.com/play/1018223/AI-Postmortems-Assassin-s-Creed プレイヤーのスタート地点から出口までの道のりで、 コンスタントにモンスターと出会うようにする。
  63. FarCry 4 の事例 Julien Varnier, Far Cry's AI: A Manifesto

    for Systemic Gameplay http://archives.nucl.ai/recording/far-crys-ai-a-manifesto-for-systemic-gameplay/
  64. FarCry 4 の事例 Julien Varnier, Far Cry's AI: A Manifesto

    for Systemic Gameplay http://archives.nucl.ai/recording/far-crys-ai-a-manifesto-for-systemic-gameplay/
  65. FarCry 4 の事例 Julien Varnier, Far Cry's AI: A Manifesto

    for Systemic Gameplay http://archives.nucl.ai/recording/far-crys-ai-a-manifesto-for-systemic-gameplay/
  66. FarCry 4 の事例 Julien Varnier, Far Cry's AI: A Manifesto

    for Systemic Gameplay http://archives.nucl.ai/recording/far-crys-ai-a-manifesto-for-systemic-gameplay/
  67. フィールド 3つのAIの連携の例 ナビゲーション AI メタAI キャラクターAI 状況を監視し、キーとなる役割を 適切なタイミングでエージェントに 指示する。 自律的な判断。

    仲間同士の協調 地形を解析する 目的に応じた点を見つけ出す 目的地までのパスを計算する Support エージェントが自律的に戦闘・協調しつつ、ナビゲーションAIが 戦術的ポイントを教え、メタAIは、全体の戦闘の流れを作る。
  68. FC SFC SS, PS PS2,GC,Xbox Xbox360, PS3, Wii DC (次世代)

    Hardware 時間軸 2005 1999 ゲームの進化と人工知能 複雑な世界の 複雑なAI ゲームも世界も、AIの身体と内面もますます複雑になる。 単純な世界の シンプルなAI (スペースインベーダー、タイトー、1978年) (アサシンクリード、ゲームロフト、2007年)
  69. 強化学習(例) 強化学習 (例)格闘ゲーム キッ ク パン チ 波動 R_0 :

    報酬=ダメージ http://piposozai.blog76.fc2.com/ http://dear-croa.d.dooo.jp/download/illust.html
  70. 世界 情報的・物質的循環 物質 物理的OUTPUT 代謝機能 情報 INPUT INFORMATION OUTPUT INFORMATION

    情報処理=情報代謝 (つまり思考) 生理的代謝機能 物理的INPUT
  71. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 センサー・ 身体 意思決定

    モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 情報 統合
  72. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合
  73. 知能の世界 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・

    身体 運動の 構成 センサー・ 身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 対象・ 現象 情報の流れ(インフォメーション・フロー) 影響を与える 影響を受ける
  74. フィールド 3つのAIの連携の例 ナビゲーション AI メタAI キャラクターAI 状況を監視し、キーとなる役割を 適切なタイミングでエージェントに 指示する。 自律的な判断。

    仲間同士の協調 地形を解析する 目的に応じた点を見つけ出す 目的地までのパスを計算する Support エージェントが自律的に戦闘・協調しつつ、ナビゲーションAIが 戦術的ポイントを教え、メタAIは、全体の戦闘の流れを作る。
  75. ネットワーク上のグラフ検索法 ダイクストラ法 M F L B A S O P

    D C G S V H Q X K N J R T W E I U Z Y G 5 4 6 3 7 2 3 B C 3 G D E 3 2 2 4 L 3 3 5 5 J F 出発点(S)を中心に、最も短い経路 を形成して行く。Gにたどり着いたら終。 各ノードの評価距離=出発点からの経路
  76. ネットワーク上のグラフ検索法 A*法 M F L B A S O P

    D C G S V H Q X K N J R T W E I U Z Y G 5 4 6 3 7 2 3 B C 3 3 2 2 4 3 5 5 出発点(S)を中心に、 そのノードまでの 最も短い経路を 形成して行く。 Gにたどり着いたら終了。 ゴール地点がわかっている場合、現在のノードとゴール との推定距離(ヒューリスティック距離)を想定して、 トータル距離を取り、それが最少のノードを探索して行く 各ノードの評価距離=出発点からの経路+ヒューリスティック距離 ヒューリスティック距離 (普通ユークリッド距離を取る) 3+14.2 3+13.8 G H 3 5+10.5 6+8.4
  77. 数学の歴史 代数学 幾何学 解析幾何学 純粋幾何学 x2 - n y2 =

    1 などの方程式によって図形・曲線を表す。 記号操作によって、誰でも一定の手順で証明が可能。 補助線など「閃き」によって証明する。
  78. デカルトからライプニッツへ つまり数学を記号操作に還元することができる。 人間の思考一般を記号操作で表せるのではない か? (普遍記号学) ライプニッツ (独、1646-1716) デカルト (独、1596-1650) しかし、対立は数学だけではなくて、

    より深い思想的立場が違う。 我、思うゆえに我あり。疑い得ないものから出発 して、明晰な論理によって認識を広げて行くこと。 論理学まで含めて、全学問を普遍記号の原理の 元に演繹する。
  79. デカルトの著作 1618年『音楽提要』Compendium Musicae 公刊はデカルトの死後(1650年)である。 1628年『精神指導の規則』Regulae ad directionem ingenii 未完の著作。デカルトの死後(1651年)公刊される。 1633年『世界論』Le

    Monde ガリレオと同じく地動説を事実上認める内容を含んでい たため、実際には公刊取り止めとなる。デカルトの死後(1664年)公刊される。 1637年『みずからの理性を正しく導き、もろもろの学問において真理を探究するため の方法についての序説およびこの方法の試論(屈折光学・気象学・幾何学)』 Discours de la méthode pour bien conduire sa raison, et chercher la verité dans les sciences(La Dioptrique,Les Météores,La Géométrie) 試論(屈折光学・気象学・幾何学)を除いて序説単体で読まれるときは、『方法序説』 Discours de la méthode と略す。 1641年『省察』Meditationes de prima philosophia 1644年『哲学の原理』Principia philosophiae 1648年『人間論』Traité de l'homme 公刊はデカルトの死後(1664年)である。 1649年『情念論』Les passions de l'ame https://ja.wikipedia.org/wiki/ルネ・デカルト
  80. フレーゲ(1848-1925) • 分析哲学の祖 • 人間の思考の形式化 • ゲッティンゲン大学で博士号 • イエーナ大学で殆どの時期を過ごす •

    数学と哲学の間で独自の学問を打 ち立てる • 現代数学の記号、一階述語論理は フレーゲに寄る。
  81. 近代へ 科学の起源と哲学の起源 ユークリッド (埃、アレクサンドリア、 323-283 ぐらい) アルキメデス (希、384-322) アリストテレス (希、384-322)

    オルガノン (アリストテレス論理学) 科学・数学の流れ ライプニッツ (独、1646-1716) デカルト (独、1596-1650) フレーゲ (独、1848-1925) 論理学の革新 人間の思考の 記号化
  82. 述語論理 命題 一階述語 論理 二階述語 論理 ~は~である。 (例)メアリは女優である。女優は女性である。 メアリは女性である。 すべての~はーである。

    {∀ t | P(t) } (例)すべての人間は生まれた。 ~という ー が存在する。 {∃t | P(t) } (例) 体の白いラインが存在する。 全称量化記号 (universal quantifier) ∀ と 存在量化記号 (existential quantifier) ∃ 命題 と変数 P (t) 命題 と変数 と集合 P (t)、集合S ~という集合が存在する すべての集合について~である。 (例)任意のxについて、それは集合に属するか、属さないかである。 ∀S ∀x (x ∈ S ∨ x ∉ S) 三段論法
  83. ブール代数 • 冪等則:x ∧ x = x ∨ x =

    x 、 • 交換則:x ∧ y = y ∧ x 、x ∨ y = y ∨ x 、 • 結合則:(x ∧ y)∧ z = x ∧(y ∧ z) 、(x ∨ y)∨ z = x ∨(y ∨ z) 、 • 吸収則:(x ∧ y)∨ x =x 、(x ∨ y)∧ x = x 、 • 分配則:(x ∨ y)∧ z = (x ∧ z)∨(y ∧ z) • (x ∧ y)∨ z = (x ∨ z)∧(y ∨ z) • さらにL の特別な元 0 ,1 と単項演算 ¬ について、以下が成 り立つとき <L; ∨, ∧, ¬> を可補分配束(ブール束)と呼ぶ。 • 補元則: x ∨ ¬x = 1, x ∧ ¬ x = 0。
  84. 論理主義 • しかし、数学は論理学の一部ではない。 • 実数(連続量)を定義できるか? • 論理から数を定義しようとする(カントール、デー デキントなど)。 • しかし、数学の体系の中には、肯定も否定もでき

    ないような命題が存在する。 • これを「ゲーデルの不完全性定理」という。 • 論文「『プリンキピア・マテマティカ』とそれに関連 する体系における形式的に決定不可能な命題に ついてI」 (ゲーデル、1931年)
  85. 述語論理 命題 一階述語 論理 二階述語 論理 ~は~である。 (例)メアリは女優である。 すべての~はーである。 {∀

    t | P(t) } (例)すべての人間は生まれた。 ~という ー が存在する。 {∃t | P(t) } (例) 体の白いラインが存在する。 全称量化記号 (universal quantifier) ∀ と 存在量化記号 (existential quantifier) ∃ 命題 と変数 P (t) 命題 と変数 と集合 P (t)、集合S ~という集合が存在する すべての集合について~である。 (例)任意のxについて、それは集合に属するか、属さないかである。 ∀S ∀x (x ∈ S ∨ x ∉ S)
  86. 述語論理 命題 一階述語 論理 二階述語 論理 ~は~である。 (例)メアリは女優である。 すべての~はーである。 {∀

    t | P(t) } (例)すべての人間は生まれた。 ~という ー が存在する。 {∃t | P(t) } (例) 体の白いラインが存在する。 全称量化記号 (universal quantifier) ∀ と 存在量化記号 (existential quantifier) ∃ 命題 と変数 P (t) 命題 と変数 と集合 P (t)、集合S ~という集合が存在する すべての集合について~である。 (例)任意のxについて、それは集合に属するか、属さないかである。 ∀S ∀x (x ∈ S ∨ x ∉ S) 現代数学
  87. ヴィトゲンシュタイン(1889-1951) • オーストリアの哲学者 • 工学からその基礎に疑問を持ち、 • 数学、さらに哲学へ。 • イギリスのケンブリッジのラッセルのもとで哲 学を研究する。

    • フレーゲと交流。 • 孤高の哲学者。 • 20代で「論理哲学論考」を著して、小学校 教師に。その後、再び、大学で研究する。 「哲学論考」 • 講義を受けた聴講者が講義録をまとめる。
  88. ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」 • 哲学の目的は思考の論理的明晰化である。 • 哲学は学説ではなく、活動である。 • 哲学の仕事の本質は解明することにある。 • 哲学の成果は、命題ではない。命題の明晰化である。 •

    思考はそのままではぼやけている。哲学はそれを明晰にし、 限界をはっきりさせねばならない。 (ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」岩波文庫、P.51)
  89. 本日のメニュー • 序章 前置き-数学、物理学、認識- • 第一章 分析哲学の系譜 • 第二章 分析哲学から人工知能へ

    • 第三章 人工知能の拡がりと論理プログラミング • 第四章 ゲームキャラクターにおける応用 • 第五章 記号論の反対側 – ニューラルネットワーク –
  90. Logic Theorist (1956年) • 世界初の人工知能プログラム • ダートマス会議においてデモンストレーション • アレン・ニューエルとハーバート・サイモン(後にノーベル経済 学賞)

    • 「プリンキピア・マテマティカ」の定理を、プログラム上で、組み 合わせにより証明。 • 「プリンキピア・マテマティカ」は定理を組み合わせて証明して 行くので、適している。 https://www.ai-gakkai.or.jp/whatsai/AItopics5.htm
  91. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部から の情報 言語・非言語境界面 (シニフィアン/シニフィエ) 意識の境界面 (表象)

    知覚の境界面 知能と身体の境界面 (仏教で言う:阿頼耶識) 世界と自分は一体だと思ってい る 世界と自分は違うと思っている
  92. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 エージェント・アーキテクチャ 記憶
  93. A M B C 表層意識 言語アラヤ識 M領域 (イマージュ) 無意識 意識のゼロポイント

    象徴化作用 意識化 深層 意識 領域 意識と本質、岩波文庫、井筒俊彦、P.214
  94. 内側から 外側から 人工 知能 I m e 創発的内省性 (emergent reflectivity)

    世界・対象の更新 世界の集約点として の自分(me) 未来社会篇 第弐夜より
  95. 人間の精神 意識 前意識 無意識 外部から の情報 言語・非言語境界面 (シニフィアン/シニフィエ) 意識の境界面 (表象)

    知覚の境界面 知能と身体の境界面 (仏教で言う:阿頼耶識) 世界と自分は一体だと思ってい る 世界と自分は違うと思っている
  96. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象とし て 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けてい る。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 )
  97. 唯識論 世界は識から成り立つとする理論。 眼識 耳識 鼻識 舌識 身識 意識 阿頼耶識 (一切種子識)

    末那識 感覚 (五識) 思考 自我執着心 根本心 表層心 深層心 言葉なしで対象を直接 に把握する。それぞれ 固有の対象を持つ。 五識と共に働いて感覚を 鮮明にする。五識の後に 言葉を用いて対象を概念的 に把握する 常に阿頼耶識を対象とし て 「我」と執する。 眼識ないし末那識を生じる。 身体を生じて生理的に維持している。 自然をつくり出し、それを維持し続けてい る。 一切を生じる種子を有する。 (横山紘一 「唯識の思想」、講談社学術文庫、P.60 ) 阿頼耶識から生まれた ものが、人間にさまざま なものを見せる。 =煩悩
  98. 存在的多者 の領域 アーラ ム・ア ム・ミ サール 上昇過程 =自己の存在を 奥深く還元する 下降過程

    =奥底の何かが 自己を世界において 顕現しようとする イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  99. 存在的多者 の領域 アーラ ム・ア ム・ミ サール 上昇過程 下降過程 上昇過程・下降過程 仏教:

    向上・向下 (不覚 → 覚 → 不覚) 仏教: 向上門・却来門 仏教: 掃蕩門・建立門 浄土真宗: 住相・環相 スーフィズム: 上昇・下 降 イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  100. イブン・アラビーの存在論(イスラーム哲学) 存在的多者 の領域 アーラ ム・ア ム・ミ サール 上昇過程 下降過程 存在のゼロポイント

    =道(老子) =絶対的一者(アハド)(イブン・アラビー) =空=無 =光の光 =存在の零度(ロラン・バルト) =絶対の無=絶対の有 =真空が妙有に切り替わるとおころ =無極即太極(宋代の易学、周廉渓) イスラーム哲学の原像、岩波新書、井筒俊彦、P.119
  101. 自己顕現の流れ 共創する場 人工知能モデル トップダウンの流れ ボトムアップの流れ 自分自身を形 成 する流れ 自分自身を形 成

    する流れ 種子 自分 行為 自分自身を形成する (認識もその一部。 自分自身としての認識) 行為を形成する (自分自身を 世界へ投げ出す) 時間の作用に対して ホメオタシス的衝動 アポトーシス的衝動 行動とは恒常性の破壊 形成とは変化の破壊
  102. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源 泉) 受け渡 し 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す
  103. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源 泉) 受け渡 し 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 自分の中心へ向かって 自分自身取り戻す力 自分自身の投与によって 世界に流れを作る力
  104. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源 泉) 受け渡 し 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 自分の中心へ向かって 自分自身取り戻す力 =マインドフルネス 自分自身の投与によって 世界に流れを作る力
  105. 環境世界 認識の 形成 記憶 意思の 決定 身体 制御 エフェクター・身体 運動の

    構成 センサー・身体 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 意思決定 モジュール 記憶体 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 情報 統合 運動 統合 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源 泉) 受け渡 し 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造)
  106. 環境世界 意思の 決定 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源

    泉) 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造)
  107. 環境世界 意思の 決定 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源

    泉) 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 自分の中心 常にポップ(浮かび上がっては消える)する自己
  108. 環境世界 意思の 決定 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源

    泉) 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 自分として世界がある 世界として自分がある
  109. 環境世界 意思の 決定 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源

    泉) 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 自分として世界がある 世界として自分がある 断絶
  110. 環境世界 意思の 決定 情報処理過程 運動創出過程 身体部分 「存在的自己・認識・記憶」 の形成(創造) 一なる全 (すべての源

    泉) 超時間的 自分を時間と世 界に投げ出す 「構成的自己=知能」 の形成(創造) 自分として世界がある 世界として自分がある 断絶 理
  111. Rogue (1980)のダンジョン生成法 Rect[0] Rect[0] Rect[1] Rect[0] Rect[1] Rect[2] Rect[3] このようにアセット(ゲームのデータ)をツールなどを通して製作するのではなく、

    プログラムで作ることを「プロシージャル・コンテンツ・ジェネレーション」(PCG)と言う。 http://racanhack.sourceforge.jp/rhdoc/intromaze.html
  112. 植物自動生成 Since 1968 A. Lindenmayer L-system 文法規則 構成要素 F,+,-,[,] 規則

    F-> F[-F]F[+F][F] F 0世代 1世代 F[-F]F[+F][F] 2世代 3世代 4世代 5世代 Simulating plant growth by Marco Grubert http://www.acm.org/crossroads/xrds8-2/plantsim.html
  113. The Sketch L-System: Global Control of Tree Modeling Using Free-form

    Strokes Takashi Ijiri, Shigeru Owada, Takeo Igarashi. The Sketch L-System: Global Control of Tree Modeling Using Free-form Strokes http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~ijiri/SketchLSystem/index.html L-system を用いて簡単な操作で木のモデルを作成するツール
  114. デモ The Sketch L-system SG06_SketchLSystem Takashi Ijiri, Shigeru Owada, Takeo

    Igarashi. The Sketch L-System: Global Control of Tree Modeling Using Free-form Strokes http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~ijiri/SketchLSystem/index.html
  115. L-system によるダンジョン自動生成(三宅案) variables : X Y F constants : +

    − start : FX rules : (X → X+YF+),(Y → -FX-Y) angle : 90° http://en.wikipedia.org/wiki/L-system
  116. L-system による街の自動生成 City Engine(central pictures) Yoav I H Parish, Pascal

    Müller http://www.centralpictures.com/ce/tp/paper.pdf http://www.centralpictures.com/ce/ George Kelly, Hugh McCabe, A Survey of Procedural Techniques for City Generation http://www.gamesitb.com/SurveyProcedural.pdf
  117. 自動生成ダンジョンを取り入れたいくつかのゲームタイトル例 1980年 Rogue 1984年 ドルアーガの塔(バンダイナムコゲームス) 1987年 NetHack 1988年 ティル・ナ・ノーグ(システムソフト)※シナリオ自動生成、 世界自動生成

    1993年 トルネコの大冒険(エニックス) 1995年 風来のシレン(チュンソフト) 1996年 Diablo(Blizzard) 2004年 マビノギ(ネクソンジャパン) 2005年 CODED ARMS (コナミ) 2006年 テイルズ オブ エターニア オンライン(バンダイナムコ ゲームス) 2007年 Hellgate:London (Flagship Studios) ※3Dダンジョン ブルードラゴン「シャッフルダンジョン」(MISTWALKER) ファイナルファンタジー11「ナイズル島」(スクウェア・エニックス) 2012年 ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D (スクウェア・エニックス) 2014年 ドラゴンファンク(Toydea) 2018年 魔女の迷宮(オレンジキューブ) その他多数 植物自動生成・自動配置が応用されているいくつかのタイト ル・開発環境 2008年 Far Cry 2 (Ubisoft) 2008年 Spore(Maxis)※自動配置以外にも、さまざなプロ シージャル技術を導入 2009年 SpeedTree (IDV社)※専用ミドルウェア 2009年 CryEngine 3(Crytek社)※ゲームエンジン 2017年 Horizon Zero Dawn(Guerilla Games) 地形自動生成が応用されているいくつかのタイトル 1996年 The Elder Scrolls:DAGGERFALL(Bethesda Softworks) 1999年 Age of Empire II (Ensemble Studios) 2001年 Empire Earth(Stainless Steel Studios) 2002年 Age OF Mythology(Ensemble Studios) 2003年 Eve Online(CCP Games)※地形というよりも星系 2005年 Age of Empires III(Ensemble Studios) 2009年 Halo Wars(Bonfire Studios)※開発工程において 2010年 A列車で行こう9(アートディンク)※シリーズ通して 応用されている 2016年 No Man’s Sky(Hello Games) ※様々な自動生成技術が集積している 2017年 Horizon Zero Dawn (Guerilla Games) ※開発工程において
  118. 閉じている 開いている 総合型 専門型 直観 精密 総合型人工知能 (汎用人工知 能) 問題特化型

    人工知能 最終的に人工知能がカバーする 問題群 人間が得意 とする問題 群
  119. 閉じている 開いている 総合型 専門型 直観 精密 総合型人工知能 (汎用人工知 能) 問題特化型

    人工知能 最終的に人工知能がカバーする 問題群 人間が得意 とする問題 群 完全なシンギュラリティ
  120. 東洋的知能感 神 人間 人工 知能 鹿 ゾウリ ムシ 初音 ミク

    AIBO たま ごっち 水平的知能感 すべてに神が宿る (「八百万の神」世界観) 話者=仲間
  121. シンギュラリティ・ライン 人工知能の技術の蓄積 人間を中心として外部へ向かって 環境・空間・身体に宿るインテリジェンス 一つの存在へとインタグレ―ションし、 新たなる知能を生み出す 拡張人間 (Human Augmentation による

    Augmented-Human =人工知能と融合した人間) 自律側AI (Autonomous AI =人工知能の純粋な結晶) 人工知能進化の方向 人間側にAI 技術を集約 非人間側にAI 技術を集約 人間 側 人工 知能
  122. 社会 マザーAI エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェント

    エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェン ト エー ジェン ト 生成する (知識を付 与) 消滅させる (知識を吸い上げる) 知識をやりとり 人 人とコミュニケーション
  123. 拡張人間 (Augmented Human) 自律側AI (Autonomous AI) 人工知能進化の方向 発 展 進

    化 相互に学習する 発 展 進 化 相互に学習する 相互に学習する