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プログラミング教育の意義~12年間の学びの継続性~

 プログラミング教育の意義~12年間の学びの継続性~

ひたちなか市教育委員会 教員研修会
2023年8月1日
プログラミング教育の意義~12年間の学びの継続性~

Naoki Kato

July 29, 2023
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  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU ひたちなか市教育委員会 教員研修会 20230801 プログラミング教育の意義

    ~12年間の学びの継続性~ 東京学芸大学 ICTセンター 教育情報化研究チーム 加藤直樹
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 ICTセンター

    教育情報化研究チーム 専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用 文科省:GIGAスクールにおける学びの充実事業 ・学校DX戦略アドバイザー (H28-) :デジタル教科書・教材の通信環境調査研究 ・事業推進委員会 座長 (R5)
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 ICTセンター

    教育情報化研究チーム 専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 産業(工業)革命:社会の確実な変化 画像引用:SCF2015webサイト http://scf.jp/ja/essay/a005.php

    →石炭→石油・電気 農業→軽工業→重工業 労働力:人→コンピュータ 判断:人→コンピュータ AI,IoT?
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 近い将来すべての人に求められるもの 高度IT人材 ミドルIT人材

    課題 発見 解決 新たな価値の創造 高度情報通信技術 AI技術 活用 こういうこと ができる 依頼
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 世界中でプログラミング教育 l イスラエル

    n 2000年,高校で「Computer Science」 l ハンガリー n 2003年 「Informatica」6~10歳で必修 l イングランド(英国) n 2014年 「Computing」5~13歳で必修 l フィンランド n 2016年から必修化(教科横断型) l オーストラリア n 2016年「Digital Technologies」
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 情報活用能力としてのプログラミング 情報活用能力 言語能力

    問題発見・解決能力 基盤的な力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 創造 協働 自立 技術分野 情報に関する技術 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 中高におけるプログラミング教育 技術分野 情報に関する技術

    プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育 プログラミング が学習項目
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 必修科目:高校情報科・情報Ⅰ 右下:大学入試センター 共通テストサンプル

    外部 プログラム プログラミング 言語 アルゴリズム データ データ構造 プログラム 構造 外部 プログラム 外部 プログラム 効率etc 選択 表現 プログラム 見易さ 使い易さ 「プログラミング」 自体が学習項目 国公立では必修科目に
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 小中高におけるプログラミング教育 技術分野 情報に関する技術

    プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育 プログラミング が学習項目 中高の学習に向けた プログラミングのための 基本力(論理的思考等) の育成や 興味関心を持たせること
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 学習指導要領での記載の意味 第3 1

    (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8) プログラミング 論理的に考える力 のために 導入の背景
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 学習指導要領からプログラミング的思考へ 自分が意図する一連の活動を実現するために、 どのような動きの組合せが必要であり、

    一つ一つの動きに対応した記号を、 どのように組み合わせたらいいのか、 記号の組合せをどのように改善していけば、 より意図した活動に近づくのか、 といったことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領解説 p.85) プログラミング するときの一連の活動 を 論理的に考える力
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 プログラミング的思考 大きく複雑な 高度情報化社会における

    高度情報化社会における 大きな武器である 抽 象 化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 高速化・自動化 論理的思考・パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ アルゴリズム的思考
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 学習指導要領での記載 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 プログラミング体験が重要な理由 l プログラミング体験は楽しい→主体性へ

    l 試行錯誤が容易 n 自分の考えが正しいかが確認できる n 間違ってたら容易に修正に挑戦できる コンピュータに・・・ 必要な論理的思考力 効果的に! 論理的思考への一番の手立て
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 もう一つの育む力 l これにも体験が必須

    プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近 な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の目的 小中高におけるプログラミング教育 技術分野 情報に関する技術

    プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育 プログラミング が学習項目 中高の学習に向けた プログラミングのための 基本力(論理的思考等) の育成や 興味関心を持たせること
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育の展開 算数科 第3 指導計画の作成と内容の取り扱い

    2 (2) プログラミングを体験しながら論理的思考 力を身に付けるための学習活動を行う場合 には,児童の負担に配慮しつつ, ・・・正多角形の作図を行う学習に関連し て,正確な繰り返し作業を行う必要があり, 更に一部を変えることでいろいろな正多角 形を同様に考えることができる場面などで 取り扱うこと。 (小学校学習指導要領 p.75)
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育の展開 理科 第3 指導計画の作成と内容の取り扱い

    2 (2) プログラミングを体験しながら論理的思考 力を身に付けるための学習活動を行う場合 には,児童の負担に配慮しつつ, ・・・電気の性質や働きを利用した道具が あることを捉える学習など,与えた条件に 応じて動作していることを考察し,更に条 件を変えることにより,動作が変化するこ とについて考える場面で取り扱うものとす る (小学校学習指導要領 p.93)
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校におけるプログラミング教育の展開 電気の利用では創造的なプログラミングへ 写真:前原小、6年生がフィジカルコンピューティングで「電気」を学ぶ ICT教育ニュース

    2017年10月30日 入力 明るさ 温度 加速度 方位 ボタン 湿度 気圧 酸素濃度 : 出力 光 熱 音 動力 : 人がそばにいて 温度が高いと 温度に応じて 回る扇風機 自分たちで発想した アイデアを 自分たちで 作り上げていく
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の展開 授業づくりの基本:系統的な学び 創造的プログラミング ア

    ン プ ラ グ ド 情報化社会に関する 探究的課題の中での プログラミング プログラミング 導入 操作練習 教科の学びに 絡めた プログラミング 総合 教科 課程外 正多角形と円 電気の利用 楽しく創造的な 活動にするには
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに モデルカリキュラム 図 図形

    形 数 数 m mi ic cr ro o: :b bi it t ロ ロボ ボッ ット ト系 系 v vi is sc cu ui it t 6 電気の性質と働き 光のパレード 5 正多角形と円 整数の性質 自動運転カー を作ろう 4 平行四辺形と ひし形 大きな数を読 む 電気の働き 四角形と三角 形(角度) 信号機を作ろう 3 数の大小 太陽と地面の様子 割り算の余り 方位磁針を作ろう 楽器を作ろう 2 正方形と長方 形 数を読む スイミー 1 たしざん ひきざん イルミネーション を作ろう ゴールをめざ せ きせつをえ がこう かずをかぞえ る
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 数を扱うプログラミング実践例 かずをかぞえる https://scrapbox.io/IML-Lab/かずをかぞえる 順次

    「いち」の次は「に」であること 「いち」が1であること がわかっているかを 確認できます
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 数を扱うプログラミング実践例 たし算,ひき算(発展) https://scrapbox.io/IML-Lab/たしざん https://scrapbox.io/IML-Lab/ひきざん

    条件分岐 変数(利用) 四則演算 順次 条件式(等号) こたえも入れさせて それがあっているかを 判定するプログラムにします
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 数を扱うプログラミング実践例 数を読む https://scrapbox.io/IML-Lab/数を読む 1年:2桁

    2年:4桁 3年:8桁 変数(利用) 順次 数の読み方を確認できます
  29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 数を扱うプログラミング実践例 数の大小 https://scrapbox.io/IML-Lab/数の大小 変数(利用)

    順次 条件分岐 条件式(不等号) 変数(代入) 不等号を使って 数の大小を比較する 導入になります
  30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 数を扱うプログラミング実践例 わり算の余り https://scrapbox.io/IML-Lab/わり算のあまり 剰余演算

    変数(利用) 順次 変数(代入) Scratchにおける (あまりを求める)剰余演算 の導入になります わられる数,わる数,商と あまりの関係を確認できます
  31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 理科でプログラミングの実践例 電気の利用(6年) 音 湿度

    明るさ 温度 傾き 方位 加速度 ボタン LED 電気で動くデバイス 人感 ダイヤル 酸素濃度 : etc
  32. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 学ぶ内容と学び方の変化 情報活用能力 言語能力

    問題発見・解決能力 基盤的な力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 創造 協働 自立 ICT活用 問題 発見 解決法 探索・学習 実行 解決 オーセンテックな 問題解決活動 体系的な 知識や技能 既習 活用 構築 知識・技能 主体的で 対話的な 個別最適な 協働的な 深い
  33. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 主体的な学びとは n 学ぶことに興味や関心を持ち,自己のキャ

    リア形成の方向性と関連付けながら,見通 しを持って粘り強く取り組み,自己の学習 活動を振り返って次につなげる n 興味関心(積極性) n 自己との関連付け(計画性) n 見通し(自覚) n 粘り強く(自己調整力) n 振り返り(意味付け,共有) 平山達也:主体的な学びについての一考察,立命館文學,No. 670, pp.405-391, 2021-01 むずっ
  34. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 主体的な学びを導く要素(の一部) n 興味関心

    n 自己との関連付け n 見通し n 粘り強く n 振り返り ゴール ゴールする 意義 必要な 知識と方法 課題 目標 達成感 次へ繋ぐ 活動の確認 試行錯誤
  35. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 主体的な学びを導くプログラミング教育 l 難易度に応じた

    知識・技能が必要 l 系統的な学び ゴール ゴールする 意義 必要な 知識と方法 課題 目標 達成感 次へ繋ぐ 活動の確認 試行錯誤
  36. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 主体的な学びをプログラミング教育 l 理解度に応じた

    ゴールの設定 l 難易度別課題 (ヒント) ゴール ゴールする 意義 必要な 知識と方法 課題 目標 達成感 次へ繋ぐ 活動の確認 試行錯誤 目標設定 は難しい 自分で選択
  37. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 主体的な学びをプログラミング教育 l 十分な演習時間

    l デバッグ (論理的思考) ゴール ゴールする 意義 必要な 知識と方法 課題 目標 達成感 次へ繋ぐ 活動の確認 試行錯誤
  38. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 対話的な学びとは l 他者の考えを手掛かりに考えること等を

    通じ、自己の考えを広げ深める 自分の考え 他者の考え 更新・拡張 理解 批判的思考 対話 他者への意見 問い 対話的な思考
  39. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 協働的な学びと協同的な学び 坂本旬:「協働学習」とは何か,生涯学習とキャリアデザイン,vol.5,pp.49-57 (2008)

    友野清文:Cooperative learningとCollaborative learning,学苑 総合教育センター国際学科特集, No.907, pp.1-16(2016) 協働的 同じ目的を持った個人が チームで(分担)活動し 自分と他者の成果を 最大限に高める (共同的) 協同的 多様・異質な他者 とのパートナーシップ コミュニティ cooperative collaborative 目標や価値観を共有し 同質集団では生み出せない 成果の創出 教員制御あり 教員制御なし
  40. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 協同的な学びでプログラミング教育 坂本旬:「協働学習」とは何か,生涯学習とキャリアデザイン,vol.5,pp.49-57 (2008)

    友野清文:Cooperative learningとCollaborative learning,学苑 総合教育センター国際学科特集, No.907, pp.1-16(2016) 同じ目的を持った個人が チームで(分担)活動し 自分と他者の成果を 最大限に高める (共同的) 協同的 cooperative 教員制御あり 同じ習熟度同士 習熟度高+低 特に手が動かせない 児童が多い場合 2~3人 プロジェクト的な場合は 多人数でも?
  41. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 授業づくり 協働的な学びとプログラミング教育 坂本旬:「協働学習」とは何か,生涯学習とキャリアデザイン,vol.5,pp.49-57 (2008)

    友野清文:Cooperative learningとCollaborative learning,学苑 総合教育センター国際学科特集, No.907, pp.1-16(2016) 協働的 多様・異質な他者 とのパートナーシップ コミュニティ collaborative 目標や価値観を共有し 同質集団では生み出せない 成果の創出 教員制御なし ❌ 創作的な活動でなら成り立つか?
  42. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 近い将来すべての人に求められるもの 高度IT人材 ミドルIT人材

    課題 発見 解決 新たな価値の創造 高度情報通信技術 AI技術 活用 こういうこと ができる 依頼
  43. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 情報活用能力 おわりに プログラミング教育の導入・強化 技術分野

    情報に関する技術 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育 科学的な側面の強化 (高度ICTへの意識)
  44. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに 小中高におけるプログラミング教育 技術分野 情報に関する技術

    プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル 情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020- 情報Ⅰ(必修) 情報Ⅱ AI・Data Science教育 プログラミング が学習項目 中高の学習に向けた プログラミングのための 基本力(論理的思考等) の育成や 興味関心を持たせること