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小中高連携の視点からのプログラミング教育

 小中高連携の視点からのプログラミング教育

2018年10月18日
立川市立上砂川小学校
東京都・プログラミング教育推進校 公開授業
東京都・情報教育研究開発委員会 検証授業

Naoki Kato

October 18, 2018
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Transcript

  1. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 立川市立上砂川小学校 20181018 東京都・プログラミング教育推進校 公開授業

    東京都・情報教育研究開発委員会 検証授業 小中高連携の視点からの プログラミング教育 東京学芸大学 教育実践研究支援センター 加藤直樹
  2. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 自己紹介 加藤直樹 東京学芸大学 教育実践研究支援センター

    専門:情報工学 Human Computer Interaction 特にペン入力 ペン入力I/Fの教育への利用 文科省:ICT活用教育アドバイザー派遣事業 ・アドバイザー(小金井市) :デジタル教科書の効果的な活用の在り方等に 関する専門的検討会議 ・協力者 総務省:スマートスクール・プラットフォーム実証事業 「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証 ・有識者(町田市,小金井市) 経産省:学びと社会の連携促進事業 「未来の教室」実証事業WG ・有識者
  3. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業に関連して 電光掲示板という題材 l 身近な生活にもコンピュータ

    l なにがメリットなのかを考えると良い p変更が容易,遠隔制御,個別対応などなど 4,5次に関連
  4. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業に関連して 教科の位置付け 実はどーでもいいと思っていますがw l

    総合的な学習の時間 n 「身近なコンピュータについての探求」 n 「プログラミング」したことが 正の効果を生んだかどうか p例 ・「身近なコンピュータ」のイメージが掴めた ・ 「掲示板」「メッセージング」 に限定するのもありか? 社会科もありか? 国語科も関連
  5. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業に関連して 今日の授業デザイン l うれしい,楽しい気持ち

    l これはメッセージ自体の工夫だけに なりかねない l センサの活用 l 便利とか,役立つとか そういう観点の方が良かったのでは?
  6. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業に関連して 情報モラルとの関係 l 掲示板の公共性

    n 周りの人に与える影響を考えて、 メッセージを見た人が、うれしい気持ちや、 楽しい気持ちになるようなプログラムに l たとえば n 印刷に比べ変更が容易な点を考察 →ハッキングされたら・・・ →間違えたら・・・ n 派手から見やすさへ メッセージ より情報モラルの学びへ
  7. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 本日の授業に関連して 指導案に書いてあった点について l 情報手段の基本的な操作の習得

    n プログラミング体験はうってつけ n 低学年からキーボードやマウスを使う ゲーム性のあるプログラミング環境を l グループによる対話的学習 n プログラミング体験に適した ペアリング,グルーピングの研究を! n グループ間の共有も重要 p授業でのICT活用の適用
  8. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 産業(工業)革命:社会の確実な変化 画像引用:SCF2015webサイト http://scf.jp/ja/essay/a005.php

    →石炭→石油・電気 農業→軽工業→重工業 労働力:人→コンピュータ 判断:人→コンピュータ
  9. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 そして第四次産業革命 画像: Industry

    4.0(第4次産業革命)とは? ReadWrite Japan https://thinkit.co.jp/article/9597 AI,IoT →ビッグデータ 情報通信技術の高度化
  10. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の世界の動向 イスラエル l 2000年,高校で「Computer

    Science」 ハンガリー l 2003年 「Informatica」6~10歳で必修 イングランド(英国) l 2014年 「Computing」5~13歳で必修 フィンランド,オーストラリアなど l 2016年から順次 必修化
  11. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 国家戦略(IT総合戦略本部) (H26~H28/2016.4) l

    一定数の突出した能力を有するIT人材育成 l 新たな産業をリードする高度なIT人材育成 + l あらゆる国民層に対して ITに係る能力を醸成するための取組 l 特に若年層に対するプログラミング教育 (参考)人材育成におけるプログラミング教育の位置付け等に係る調査報告書 現社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 高度なIT利活用社会 (超スマート社会)
  12. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 情報活用能力の位置付け 創造 協働

    自立 生きる力 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報及び情報技術を適切か つ効果的に活用して、問題 を発見・解決したり自分の 考えを形成したりしていく ために必要な資質・能力 (小学校学習指導要領解説 p.51) 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化
  13. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU プログラミング教育の背景 情報活用能力育成方向性の舵きり 創造 協働

    自立 加速度的に進展 し続ける社会 Industry4.0 (第四次産業革命) 生きる力 情報技術の発展・浸透 情報化・グローバル化 人間性 学びに向 かう力 思考力 判断力 表現力 知識 技能 言語能力・情報活用能力 問題発見・解決能力 学習の基盤 情報の科学的な理解に 裏打ちされた情報活用能力を 育むことが重要
  14. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 高校共通教科「情報科」 l 情報Ⅰ(共通必修)

    n 情報社会の問題解決 pメディアリテラシ,情報モラル n コミュニケーションと情報デザイン pメディアリテラシ n コンピュータとプログラミング pコンピュータの仕組み,アルゴリズム,プログ ラミング,モデル化とシミュレーション n 情報通信ネットワークとデータの活用 p情報通信ネットワークの仕組み,情報セキュリ ティ技術,データベースの仕組み,データ処理 l 情報Ⅱ(選択)
  15. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰの目的 情報に関する科学的な見方・考え方を働かせ,情報技 術を活用して問題の発見・解決を行う学習活動を通し

    て,問題の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切 かつ効果的に活用し,情報社会に主体的に参画するた めの資質・能力を次のとおり育成することを目指す。 (1)効果的なコミュニケーションの実現,コンピュータ やデータの活用について理解を深め技能を習得すると ともに,情報社会と人との関わりについて理解を深め るようにする。 (2)様々な事象を情報とその結び付きとして捉え,問題 の発見・解決に向けて情報と情報技術を適切かつ効果 的に活用する力を養う。 (3)情報と情報技術を適切に活用するとともに,情報社 会に主体的に参画する態度を養う。 (高校学習指導要領)
  16. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰの内容 (3)コンピュータとプログラミング コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミング

    やシミュレーショ ンによって問題を発見・解決する活動を通して, 次の事項を身に付けることができるよう指導する。 ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 (ア)コンピュータや外部装置の仕組みや特徴,コンピュータでの情報 の内部表現と計算に関する限界について理解すること。 (イ) アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコン ピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技 能を身に付けること。 (ウ) 社会や自然などにおける事象をモデル化する方法,シミュレー ションを通してモデルを評価し改善する方法について理解すること。 イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。 (ア) コンピュータで扱われる情報の特徴とコンピュータの能力との関 係について考察すること。 (イ) 目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し,プログラ ミングによりコンピュータや情報通信ネットワークを活用するとと もに,その過程を評価し改善すること。 (ウ) 目的に応じたモデル化やシミュレーションを適切に行うとともに, その結果を踏まえて問題の適切な解決方法を考えること。 (高校学習指導要領)
  17. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰにおけるプログラミング 思考力 判断力

    表現力 知識 技能 アルゴリズムを表現する手段, プログラミングによって コンピュータや情報通信ネット ワークを活用する方法 目的に応じたアルゴリズムを考え 適切な方法で表現し, プログラミングにより コンピュータや情報通信ネット ワークを活用するとともに, その過程を評価し改善する
  18. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報Ⅰにおけるプログラミング 外部 プログラム

    プログラミング 言語 アルゴリズム データ データ構造 プログラム 構造 外部 プログラム 外部 プログラム 効率etc 選択 表現 プログラム 見易さ 使い易さ
  19. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 中学「情報に関する技術」の位置付け 情報Ⅰ(必修) 技術分野

    情報に関する技術 情報Ⅱ 発展 発展 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に 裏打ちされた 情報活用能力 を育むことが重要
  20. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 中学「情報に関する技術」の目標 基 礎

    的 な 理 解 ・ 技 能 習 得 情報技術 問題 情報システム 情報社会 課題設定 設 計 ・ 具 体 化 ・ 評 価 ・ 改 善 ( も の づ く り ) よりよくしたいという 態度
  21. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 中学「情報に関する技術」の内容 D 情報の技術

    (2)生活や社会における問題を,ネットワークを利用した双方向性のあ るコンテンツのプログラミングによって解決する活動を通して,次の事 項を身に付けることができるよう指導する。 ア 情報通信ネットワークの構成と,情報を利用するための基本的な仕 組みを理解し,安全・適切なプログラムの制作,動作の確認及びデバッ グ等ができること。 イ 問題を見いだして課題を設定し,使用するメディアを複合する方法 とその効果的な利用方法等を構想して情報処理の手順を具体化するとと もに,制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。 (3)生活や社会における問題を,計測・制御のプログラミングによって 解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導す る。 ア 計測・制御システムの仕組みを理解し,安全・適切なプログラムの 制作,動作の確認及びデバッグ等ができること。 イ 問題を見いだして課題を設定し,入出力されるデータの流れを元に 計測・制御システムを構想して情報処理の手順を具体化するとともに, 制作の過程や結果の評価,改善及び修正について考えること。 (中学校技術・家庭科学習指導要領)
  22. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 情報に関する技術におけるプログラミング 問題 ネットワークを利用した

    双方向性のある コンテンツ 解決 安全・適切なプログラムの制作 デバッグ 着想 構想 メディアリテラシー 仕 組 み の 理 解
  23. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 中高におけるプログラミング教育 ちなみに,こんな内容も学習します l ディジタル化

    l 知的財産権(著作権) l 情報セキュリティ l 情報モラル l 生活・社会・環境と情報技術の関係
  24. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校プログラミング教育で育む力 学習指導要領では 各教科等の特質に応じて, を,計画的に実施

    第3 1 (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  25. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校プログラミング教育で育む力 学習指導要領解説では プログラミング的思考 を育む

    自分が意図する一連の活動を実現するために、ど のような動きの組合せが必要であり、一つ一つの 動きに対応した記号を、どのように組み合わせた らいいのか、記号の組合せをどのように改善して いけば、より意図した活動に近づくのか、といっ たことを論理的に考えていく力 (小学校学習指導要領 p.8)
  26. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校プログラミング教育で育む力 プログラミング教育で育むべき力 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 問題 Computer 大きく複雑な 高速化・自動化 高度情報化社会における 高度情報化社会における 大きな武器である 論理的思考 パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ
  27. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校プログラミング教育で育む力 プログラミング教育実施の重要点 第3 1

    (3) イ 児童がプログラミングを体験しながら, コンピュータに意図した処理 を行わせるために必要な論理的思考力 を身に付けるための学習活動 (小学校学習指導要領 p.8)
  28. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小学校プログラミング教育で育む力 プログラミング体験が重要な理由 プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめと する情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近

    な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手 に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育む こと (小学校学習指導要領解説 p.85) すごい やってみる のような態度
  29. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 小中高一貫の視点からの位置付け 情報Ⅰ(必修) 技術分野

    情報に関する技術 情報Ⅱ 発展 発展 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に 裏打ちされた 情報活用能力 を育むことが重要 プログラミング教育 基本的な操作 情報モラル (5年社会)情報化と社会・産業 2021- 2022- 2020-
  30. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 やはりなんといっても 情報技術の発展・浸透 情報の科学的な理解に

    裏打ちされた 情報活用能力を 育むことが重要 背景 中高の学習内容 外部 プログラム プログラミング 言語 アルゴリズム データ データ構造 プログラム 構造 外部 プログラム 外部 プログラム 効率etc 選択 表現 プログラム 見易さ 使い易さ 小学校学習指導要領 プログラミングを体験し ながら,コンピュータに 意図した処理を行わせる ために必要な論理的思考 力を身に付ける コンピュータ プログラミング体験
  31. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 アンプラグドの位置付け 抽 象

    化 モ デ ル 化 一 般 化 分解 構造化 手順化 評価 順序 分岐 反復 並列 演繹・帰納(類推,仮説) 論理的思考 パタン認識 パ ラ メ タ ラ イ ズ 思考の体験・トレーニング 論理的思考のトレーニング
  32. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 言語の意識が必要な理由 解決方法 Computerが

    解決 10 INPUT A 20 INPUT B 30 PRINT A+B cording 人が解決 選択 問題 プログラミング的 思考 プログラミング言語 何 が で き る の か 言 語 ・ 粒 度 ・ 抽 象 度 の 違 い
  33. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 中学への接続性を考えて・・・ センサの利用 制御

    理科(天気) 外部データの利用 理科(電気の働き) 社会との関連 社会(自動車産業) 今日の授業
  34. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU 小中高連携を意識したプログラミング教育 教科とプログラミング教育について l プログラミング教育を通して

    教科等の学びを深める さらに,教科等で学ぶ知識及び技能等をより確 実に身に付けさせることにある。 (小学校学習指導要領解説 p.85)
  35. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに プログラマーになるわけじゃないのに 数学者になるわけじゃないのに 薬品開発するわけじゃないのに

    別に書けなくたって 生きていける でもできることが わかると プログラマに頼める 知らないと ぼったくられるかもw でも書けると 仕事が楽になる かもしれない
  36. ©2016- Naoki Kato, IML at TGU おわりに やっぱり コンピュータってどんなもんか プログラミングで何ができるか

    知ってると良いと思う 高校 情報Ⅰ 中学校 情報に関する技術 小学校でのプログラミング体験