スクラムを導入したチームが 成果をなかなか出せなかったので スクラムを廃止してみたらうまくいった話
アジャイル失敗のススメ井⽥ 献⼀朗株式会社ナビタイムジャパン
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⾃⼰紹介井⽥ 献⼀朗https://github.com/rinatzPython, Rust主な業務時刻表、路線図表⽰などのサービス開発マネージメントアジャイルの推進技術系の教育 2
話すことスクラムを導⼊したチームが成果をなかなか出せなかったのでスクラムを廃⽌してみたらうまくいった話3
現在のチームの働き⽅Slack: ほとんど会話しないプルリク: コメントが付かずにクローズ課題管理: JIRA などを使⽤することはほとんどないこれだけ⾒るとずさんなチームに思える4
しかしプロダクトの機能追加は継続的に⾏えている5
なぜスクラムの廃⽌がかえっていい結果を⽣んだのか︖6
スクラムをやっていた頃プロダクトオーナーとスクラムマスターを任命バックログを作成スプリントを実施朝会を実施振り返りを実施スクラムでやるべきことはやっていたでも開発はだいぶ遅れ気味(休出する⼈もいた)7
うまくいっていない原因1. ステレオタイプなスクラムを忠実に守り続けることに徹しているルールやノウハウへの忠誠⼼が強すぎて⾏動指針をマニュアル化結果、⾃分たちで改善策を考えようとしない2. 成果責任と権限委譲ができていない⽬的を達成するための戦略をメンバが検討できていない疑問を持ちつつも『⽅針が決まっているから』という気持ちで開発3. 動くソフトウェアを継続的に作るという意識が低い反復型開発の本質を分かっていない8
うまくいっていない原因1. ステレオタイプなスクラムを忠実に守り続けることに徹しているルールやノウハウへの忠誠⼼が強すぎて⾏動指針をマニュアル化結果、⾃分たちで改善策を考えようとしない2. 成果責任と権限委譲ができていない⽬的を達成するための戦略をメンバが検討できていない疑問を持ちつつも『⽅針が決まっているから』という気持ちで開発3. 動くソフトウェアを継続的に作るという意識が低い反復型開発の本質を分かっていない9
うまくいっていない原因1. ステレオタイプなスクラムを忠実に守り続けることに徹しているルールやノウハウへの忠誠⼼が強すぎて⾏動指針をマニュアル化結果、⾃分たちで改善策を考えようとしない2. 成果責任と権限委譲ができていない⽬的を達成するための戦略をメンバが検討できていない疑問を持ちつつも『⽅針が決まっているから』という気持ちで開発3. 動くソフトウェアを継続的に作るという意識が低い反復型開発の本質を分かっていない10
解決したいこと1. ステレオタイプなスクラムを忠実に守り続けることに徹しているスクラムへの偏⾒をなくす2. 成果責任と権限委譲ができていない⾃⼰組織化を促す3. 動くソフトウェアを継続的に作るという意識が低い理想の反復型開発を知る11
1. スクラムへの偏⾒をなくす12
スクラムを廃⽌代わりに モブプログラミング を導⼊モブプログラミングとはチームのメンバ全員をミーティングスペースに集めて⼀緒に開発をする開発スタイルのこと13
スクラムを廃⽌全員未経験なので、みんなが⼿探り状態効果を試すため、思い切って1⽇5時間くらいは集まることにした14
効果1⽇中 コーディング、レビュー、進捗共有、情報共有を同時にやっているような感覚15
効果1⽇が終わると相当な達成感と疲労感があった雑談しながら開発できるので、疲れるがとても楽しい16
効果問題解決のためには、プロセスやツールを検討するより対話をしたほうが効果的だとメンバが感じるようになった情報を伝えるもっとも効率的で効果的な⽅法はフェイス・トゥ・フェイスで話をすることです。『アジャイル宣⾔の背後にある原則』より““『アジャイル宣⾔の背後にある原則』http://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html17
効果その結果Slack での会話はほぼなしプルリクでのレビューはほぼなしJIRA による課題管理はほぼなしやり⽅が分からないアプローチをあえて取ることで偏⾒を持たず、⾃分たちで改善策を⾒出すのだというアジャイルの本質を理解してもらえた18
2. ⾃⼰組織化を促す19
⾃⼰組織化⾃⼰組織化マネージャーはゴールだけを⽰し戦略はメンバが⾃主的に検討できるように作られたチームのこと⾃⼰組織化を促すためにやったことクロスファンクショナルチームの形成進捗報告の仕⽅を変える20
⾃⼰組織化クロスファンクショナル(職能横断型)チーム1つのタスクに1⼈を割り当てるようなことはしない横断的にタスクをこなしてもらうその際、メンバが苦⼿なことをうまくマネージメントする得意な作業は積極的に実施してもらう苦⼿な作業はそれが得意な⼈を探す努⼒をしてもらう21
⾃⼰組織化進捗報告の仕⽅を変えるかつては⼝頭や⽂章・スライドなどで伝えてもらっていたしかしそれだと上⼿に ウソ がつけてしまう22
⾃⼰組織化進捗報告は動くプログラムでデモをやってもらう動くプログラムを⾒せることで⾃分の作ったものを必要としてくれる⼈がいることを知れるデモに失敗したら、ちゃんと動かせるように気を使うようになる⾃⼰組織化が促進される23
3. 理想の反復型開発を知る24
反復型開発がよく分かる画像と動画画像How to build a minimum viable productTED の動画トム・ウージェック︓塔を建て、チームを作るチームのメンバ全員に⾒てもらった25
How to build a minimum viable product夢は⼤きく、⽬標は⼩さく部品を作るのではなく、 同じコンセプト を持つものを作り続ける画像引⽤: https://medium.com/@heyjudesue/what-does-it-take-to-design-a-minimum-viable-product-5175e554fa3a26
塔を建て、チームを作るマシュマロ・チャレンジスパゲッティの麺で⾃⽴式の塔を建て塔の⼀番⾼いところにマシュマロを置いたチームが勝ちというゲーム組み⽴て⽅をじっくり議論するより早く実践に移るチームの⽅が勝ちやすい という結果にトム・ウージェック︓塔を建て、チームを作る動画引⽤: https://www.ted.com/talks/tom_wujec_build_a_tower27
まとめ1. チームの働き⽅は 継続的 に⾒直す必要がある2. ソフトウェアは 継続的 に動くものを作る必要がある3. アジャイルにおける 失敗は終わりではなく始まりアジャイルは 継続的な失敗駆動開発 である28
Thank You!29