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雑⾳に汚染された低周波数周期信号を⾼解像度で分析する新しい⼿法の提案

rpaka
September 18, 2019

 雑⾳に汚染された低周波数周期信号を⾼解像度で分析する新しい⼿法の提案

IEEE東海支部若手セミナー(開催地:愛知県立大学)での発表資料です。
This is my presentation material of "IEEE Tokai-Shibu young seminar" held at Aichi Prefectural University.

rpaka

September 18, 2019
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Transcript

  1.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  ໨࣍ • 背景 ・・・ 2 • 提案⼿法

    ・・・ 11 • シミュレーション • 1つの周期信号の周期推定 ・・・ 20 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 ・・・ 23 • 雑⾳耐性の⽐較 ・・・ 27 • まとめ ・・・ 32
  2.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  എܠ • 背景 • 提案⼿法 • シミュレーション

    • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  3.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ੜମ৴߸ͷपظਪఆͷ࣮ݱ  呼吸 ⼼拍 などの⽣体情報を⽣体信号から取得 DFT / FFT

    実現する周期推定⼿法の⼀つ ⼼拍 1/3 [Hz] 約 ⽣体信号は 低周波数 信号のサンプル数が少ないとき DFTの解像度が低い領域 呼吸 1 [Hz] 約 ここで・・・
  4.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ %'5ͷग़ྗ  信号 = sin• cos▲ sin▪ cos◆

    + + + + ・・・ 周波数 フーリエ変換 離散時間信号 DFT 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 0.02 0.025 0.03 0.035 DFTスペクトル 周波数軸
  5.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ %'5ʹΑΔपظਪఆ  離散時間信号 DFT 0 0.2 0.4 0.6

    0.8 1 0.02 0.025 0.03 0.035 DFTスペクトル 周波数軸 推定周波数 推定できるのは 周波数 = 1 推定周期 50[sample] 逆数を取って 周期にする必要がある よって
  6.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ प೾਺࣠ͷִؒͱपظ࣠ͷִؒͷҧ͍  0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5

    0.6 0.7 0.8 0.9 1 time [s] -1 0 1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 time [s] -1 0 1 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 time [s] -1 0 1 DFT 出 ⼒ 周 波 数 1Hz 2Hz 3Hz 1 1 周 期 1s 0.5s 0.33… s 0.5 0.17…
  7.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ಛʹαϯϓϧ਺͕গͳ͍৔߹ʹݦஶ  DFT⼊⼒信号 DFTスペクトル (周波数軸) DFTスペクトル (周期軸) 低周波数領域の解像度が低い

    特に⼊⼒信号のサンプル数が少ない場合 DFTでは低周波数領域の解像度が低くなる 低周波数領域の解像度が⾼い周期推定⼿法が必要
  8.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  ఏҊख๏ • 背景 • 提案⼿法 • シミュレーション

    • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  9.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ఏҊख๏ͷجຊతͳߟ͑ํʢʣ  1 5 10 15 20 25

    -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ <周期> 5サンプル ・・・ 周期と同じ5サンプルの幅で分割していくと、同じ波形ばかりとなる
  10.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ఏҊख๏ͷجຊతͳߟ͑ํʢʣ  1 5 10 15 20 25

    -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ <周期> 5サンプル ・・・ 周期とは異なる幅で分割すると、同じ波形ばかりとはならない
  11.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ఏҊख๏ͷجຊతͳߟ͑ํʢʣ  周期と同じ幅で分割した場合 1 5 10 15 20

    25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ 周期信号 同じ波形ばかり ・・・ 周期と異なる幅で分割した場合 同じ波形ばかりとはならない ・・・ この違いを値として出せないか? 分割した波形の累積の最⼤値の利⽤ ARS 分割した波形の累積の分散の利⽤ FVS (提案⼿法) 雑⾳耐性の強化
  12.  ྦྷੵ݁Ռͷҧ͍ʢʣ  周期信号 周期と 同じ幅 周期と 違う幅 分割位置( )の累積

    分割位置( )の累積 累積される信号は 同じ形ばかり <累積結果> 起伏の⼤きい形 分散:⼤ 累積される信号は 同じ形ばかりとはならない <累積結果> 平坦な形 分散:⼩
  13. 4 41$ͷϙʔτ਺ຖͷ ྦྷੵ݁Ռͷ෼ࢄ ෼ࢄ ・・・  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ఏҊख๏ͷશମߏ੒  ྦྷੵ

    × ྦྷੵ਺ ྦྷੵ × ྦྷੵ਺ ྦྷੵ × ྦྷੵ਺ 5 ෼ࢄ 6 ෼ࢄ ・・・ 41$ 41$ 41$ ・・・ ・・・ ⼊⼒信号 SPCのポート数 (信号から切り出すサンプル数の数) によって累積数が異なっている 分散を取る前に 累積結果を累積数で割る 6 6 6 5 5 5 4 4 4 4
  14.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ఏҊख๏ద༻݁Ռͷݟํ  4 ・・・ ・・・ ෼ࢄ ྦྷੵ ×

    ྦྷੵ਺ 41$ ・・・ ・・・ 4 ・・・ 3 4 5 6 7 横軸: 信号の分割幅 縦軸: 累積結果の分散 累積の分散が最⼤ 推定周期: 5 [サンプル]
  15.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  γϛϡϨʔγϣϯ ͭͷपظ৴߸ͷपظਪఆ • 背景 • 提案⼿法 •

    シミュレーション • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  16. 0 50 100 150 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5

    1 1.5 2  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ͭͷपظ৴߸ͷपظਪఆ  ೖྗ৴߸  提案⼿法 周期 5 周期 1 5 10 15 20 25 30 -2 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 30 サンプル ランダム信号
  17.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ͭͷपظ৴߸ͷपظਪఆ  ఏҊख๏ద༻݁Ռ  0 0.2 0.4 0.6

    0.8 1 10 15 20 25 30 35 40 45 50 30 サンプルでピーク 周期推定結果は”30サンプル” 確かに周期推定ができている
  18.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  γϛϡϨʔγϣϯ ͭͷपظ৴߸ͷ߹੒৴߸ͷपظਪఆ • 背景 • 提案⼿法 •

    シミュレーション • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  19. 0 50 100 150 200 250 300 -4 -2 0

    2 4 0 50 100 150 200 250 300 -4 -2 0 2 4  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ͭͷपظ৴߸ͷ߹੒৴߸ͷपظਪఆ  ೖྗ৴߸  提案 ⼿法 周期 1 5 10 15 20 25 30 -4 -2 0 2 4 1 5 10 15 20 25 30 -4 -2 0 2 4 + 30 サンプル ランダム信号 31 サンプル ランダム信号 10 周期 9 周期 + 21サンプル DFT 周期
  20. 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 10 15

    20 25 30 35 40 45 50 30 サンプルでピークが出ている 31 サンプルでピークが出ていない しかし・・・  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ͭͷपظ৴߸ͷ߹੒৴߸ͷपظਪఆ  %'5ద༻݁Ռ  解像度が不⾜している
  21. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 10 15 20 25

    30 35 40 45 50  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ͭͷपظ৴߸ͷ߹੒৴߸ͷपظਪఆ  ఏҊख๏ద༻݁Ռ  低周波数領域の解像度が⾼い 30 サンプルでピークが出ている 31 サンプルでピークが出ている さらに・・・
  22.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  γϛϡϨʔγϣϯ ࡶԻ଱ੑͷൺֱ • 背景 • 提案⼿法 •

    シミュレーション • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  23.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ࡶԻ଱ੑͷൺֱ  γϛϡϨʔγϣϯखॱʢʣ  回 繰 返 1000

    2周期推定の実⾏ 基本波形⽣成 (繰り返し毎にランダム) 周期信号⽣成 (基本波形を繋げる) ノイズ付加 (AWGN) 1信号の⽣成
  24.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ࡶԻ଱ੑͷൺֱ  γϛϡϨʔγϣϯखॱʢʣ  回 繰 返 1000

    最⼤値を取る周期を推定周期とする DFT ARS 提案⼿法 Yes =周期? +1 実 際 周 期 ⼀ 致 回 数 Yes =周期? +1 Yes =周期? +1 ⽣成した信号 1信号の⽣成 2周期推定の実⾏
  25.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ࡶԻ଱ੑͷൺֱ  γϛϡϨʔγϣϯ৚݅  周期数 ノイズ 試⾏回数 波の個数

    基本波形 ランダム波 31 サンプル 30 周期 -30 dB 〜 10 dB 最⼤値取得範囲 20 サンプル 〜 40 サンプル 1 個 1000 回
  26.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ࡶԻ଱ੑͷൺֱ  ݁Ռ  -30 -25 -20 -15

    -10 -5 0 5 10 SNR [dB] 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 DFT ARS ”正解率”:正解数のカウント / 1000(繰り返し回数) 雑⾳ 強 雑⾳ 弱 提案⼿法が最も雑⾳耐性が⾼い
  27.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ  ·ͱΊ • 背景 • 提案⼿法 • シミュレーション

    • 1つの周期信号の周期推定 • 2つの周期信号の合成信号の周期推定 • 雑⾳耐性の⽐較 • まとめ
  28.  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ·ͱΊʢʣ  DFTの出⼒は周波数軸 低周波数領域の解像度が低い ⼼拍 1/3 [Hz] 約

    ⽣体信号は低周波数 低周波数領域の解像度が⾼い 周期推定⼿法が必要 背景 提案⼿法(基本的な考え⽅) 1 5 10 15 20 25 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 ・・・ ・・・ 累積結果の分散:⾼ 累積結果の分散:低 分散が⾼くなるような分割幅:推定周期 周期と同じ幅で切り出し → 同じ波形ばかり 周期と異なる幅で切り出し → 同じ波形ばかりでない DFTスペクトル (周期軸)
  29. 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 10 15 20 25

    30 35 40 45 50 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 10 15 20 25 30 35 40 45 50 5 20 25 30 35 40 45 50  ࡶԻʹԚછ͞Εͨ௿प೾਺पظ৴߸Λߴղ૾౓Ͱ෼ੳ͢Δ৽͍͠ख๏ͷఏҊ ·ͱΊʢʣ  シミュレーション結果 2つの周期信号の合成信号 シミュレーション結果 1つの周期信号 シミュレーション結果 雑⾳耐性の⽐較 確かに周期推定ができている DFT 提案⼿法 周期と同じサンプル数でピークを確認 提案⼿法は2つのピークが確認できる 低周波数領域の解像度が⾼い 提案⼿法が最も雑⾳に強い -30 -20 -10 0 10 SNR [dB] 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 DFT ARS