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Linuxのプロセススケジューラの負荷分散処理

 Linuxのプロセススケジューラの負荷分散処理

以下動画のテキストです
https://youtu.be/xSWgqksHT9w

Satoru Takeuchi

February 02, 2022
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Transcript

  1. 複数LCPU(*1)の場合 • ランキューはLCPUごとにある 3 LCPU0 LCPU1 t0 t1 ランキュー長=2 ランキュー長=2

    t2 t3 *) LinuxがCPUと認識するもの CPU、コア、ハードウェアスレッドなど
  2. 負荷分散処理の課題 • マルチコア&マルチスレッドの場合どうなる? • 例: 1物理CPU, 2コア, 2スレッド => 4LCPU

    1. Intelの石だとNehalemマイクロアーキテクチャ (2008年~)の石などが該当 • 2プロセスあった場合… 1. 〇: LCPU0とLCPU2に配置 2. ×: LCPU0とLCPU1に配置 ▪ 1つのコアが遊んでいる 9 コア 物理CPU コア スレッド LCPU0 スレッド LCPU1 スレッド LCPU2 スレッド LCPU3
  3. 階層を考慮した負荷分散処理 • ハードウェア構成を考慮して複数段階に分けて負荷分散する • 例: 1物理CPU, 2コア, 2スレッド => 4LCPU

    • 負荷分散 ◦ コア間 ◦ コア内のスレッド間 • 2プロセスの場合、2つのコアにまたがる 10 コア 物理CPU コア スレッド LCPU0 スレッド LCPU1 スレッド LCPU2 スレッド LCPU3
  4. • AMDのZenアーキテクチャのCPU • 「CCX」というL3キャッシュを共有するコアをまとめた部品がある • 例) Ryzen 1800X: 1物理CPU, 2CCX(*1),

    4コア, 2スレッド => 16LCPU • 負荷分散 1. CCX間 2. CCX内コア間 3. コア内スレッド間 CCX もうちょっと複雑なCPU 11 CCX コア スレッド スレッド CCX コア コア コア 物理CPU
  5. 階層構造の確認方法 • /proc/schedstatに書いている • Ryzen1800Xの場合 12 # cat /proc/schedstat …

    Cpu0 ... domain0 0003 ... domain1 00ff ... domain2 ffff ... ... cpu2 ... domain0 000c ... domain1 00ff ... domain2 ffff … … # コア内スレッド間のバランス CCX内コア間のバランス 物理CPU内CCX間のバランス
  6. おまけ: スーパー複雑なCPU • Zenアーキテクチャのサーバ用CPU、AMD EPYC7601 • 「ダイ」というCCXを複数搭載した部品がある • 最大構成 1.

    2物理CPU, 4ダイ, 2CCX, 4コア, 2スレッド => 128LCPU • 負荷分散 1. CPU間のバランス 2. CPU内ダイ間 3. ダイ内CCX間 4. CCX内コア間 5. コア内スレッド間 13 物理CPU 物理CPU ダイ ダイ ダイ ダイ CCX CCX コア コア コア コア スレッド スレッド
  7. まとめ • スケジューラの進化は石の進化に伴う 1. 負荷分散処理の誕生 2. 多段構造の負荷分散処理の誕生 3. 階層構造の細分化 •

    Zenアーキテクチャややこしい • 新しい世代の石はもうちょっと扱いやすいらしいがよく知らない 14