$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
シェルのセッション
Search
Satoru Takeuchi
PRO
February 08, 2025
Technology
2
82
シェルのセッション
以下動画のテキストです。
https://youtu.be/obf6qnCBkQU
Satoru Takeuchi
PRO
February 08, 2025
Tweet
Share
More Decks by Satoru Takeuchi
See All by Satoru Takeuchi
eBPF
sat
PRO
1
91
waruiBPF
sat
PRO
0
84
eBPFとwaruiBPF
sat
PRO
4
2.6k
Pythonのコードの気になる行でスタックトレースを出す
sat
PRO
0
86
ソースコードを読むときの思考プロセスの例 ~markdownのレンダリング方法を知りたかった2 markdownパッケージ~
sat
PRO
0
170
様々なファイルシステム
sat
PRO
0
310
ソースを読む時の思考プロセスの例-MkDocs
sat
PRO
1
410
ソースを読むプロセスの例
sat
PRO
22
17k
メモリマップトファイル
sat
PRO
1
160
Other Decks in Technology
See All in Technology
re:Invent2025 コンテナ系アップデート振り返り(+CloudWatchログのアップデート紹介)
masukawa
0
360
【AWS re:Invent 2025速報】AIビルダー向けアップデートをまとめて解説!
minorun365
4
520
AIプラットフォームにおけるMLflowの利用について
lycorptech_jp
PRO
1
150
評価駆動開発で不確実性を制御する - MLflow 3が支えるエージェント開発
databricksjapan
1
180
AI 駆動開発勉強会 フロントエンド支部 #1 w/あずもば
1ftseabass
PRO
0
360
生成AI活用の型ハンズオン〜顧客課題起点で設計する7つのステップ
yushin_n
0
160
業務のトイルをバスターせよ 〜AI時代の生存戦略〜
staka121
PRO
2
180
Kubernetes Multi-tenancy: Principles and Practices for Large Scale Internal Platforms
hhiroshell
0
120
Database イノベーショントークを振り返る/reinvent-2025-database-innovation-talk-recap
emiki
0
170
Fashion×AI「似合う」を届けるためのWEARのAI戦略
zozotech
PRO
2
450
エンジニアリングマネージャー はじめての目標設定と評価
halkt
0
280
大企業でもできる!ボトムアップで拡大させるプラットフォームの作り方
findy_eventslides
1
770
Featured
See All Featured
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
186
22k
Balancing Empowerment & Direction
lara
5
800
How to Ace a Technical Interview
jacobian
280
24k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.9k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
234
18k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
340
57k
Speed Design
sergeychernyshev
33
1.4k
Building an army of robots
kneath
306
46k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
21
3.6k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
54
7.9k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
698
190k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
55
3.1k
Transcript
シェルのセッション Feb. 8th, 2025 Satoru Takeuchi X: satoru_takeuchi 1
シェルのセッション • ログインしてシェルが立ち上がってからログアウトしてシェルが終了するまでの期間 • ログインセッションとも呼ばれる • カーネルのセッション機能を使っている 2
カーネルのセッション機能 • 各セッションにはセッションID(SID)が割り当てられる • セッションを開始したプロセス(bashなど)がセッションリーダーとなる • 端末(デバイス名はttyXやptyX)に結びついている ◦ 📝 その33「端末デバイス」
◦ ほとんどの場合はgtermのような疑似端末に結びついている ◦ よくわからなければ「文字だらけの白黒のウィンドウ」くらいの感覚でよいです • ログインセッションでないセッションもある ◦ 📝 別動画で紹介予定 3
セッションIDの表示 • bashからps ajxを実行 4 $ ps ajx PPID PID
PGID SID TTY TPGID STAT UID TIME COMMAND ... 19261 19262 19262 19262 pts/0 19647 Ss 1000 0:00 -bash ... 19262 19647 19647 19262 pts/0 19647 R+ 1000 0:00 ps ajx ...
システムに複数のログインセッションが存在する場合 5 Aさんのセッション: go build & vim Bさんのセッション1: ps aux
| less Bさんのセッション2: sleep 10 bash go build zsh ps aux less vim zsh sleep 10 セッション 端末 pty/0 pty/1 pty/2
セッションに紐付く端末が末の接続が切れると… • カーネルがセッションリーダー(bashなど)にSIGHUPを送る • bashはSIGHUPのハンドラで同じセッションに属する全ジョブにSIGHUPを送って から終了 ◦ ジョブはパイプで繋がれた一連のプロセス ▪ 📝
別動画で解説予定 ◦ ジョブにSIGHUPを送る ~= プロセスにSIGHUPを送る ◦ プロセスはSIGHUPを受信するとデフォルトで終了する • 疑似端末ウィンドウを閉じると端末から実行したプロセスが全部終了するのはこの 仕組みによるもの 6
プロセスを終了させたくなければ… • プログラムでの対処 ◦ SIGHUPを無視するコードを書く ◦ SIGHUPのシグナルハンドラを設定して、このシグナルを受信しても終了しないようにする • 便利コマンド ◦
nohupコマンド ▪ SIGHUPを無視する設定にしたうえでプログラムを起動する ◦ bashのdisown組み込みコマンド ▪ ジョブ(プロセスのかたまり)をbashの管理下から外す ▪ bashがSIGHUPを受け取ってもdisownしたジョブにはSIGHUPを送らない 7
まとめ • ログインしてからシェルが立ち上がってログアウトしてシェルが終了するまでに保持 される期間をセッションと呼ぶ • カーネルのセッション機能に結びついている • セッションは端末に結びついている ◦ 端末の接続が切れると通常はセッションに紐づくプロセスはすべて終了する
◦ nohupコマンドやbashのdisown組み込みコマンドを使うと終了を避けられる 8