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プロダクト開発に活きるUXリサーチ - 基礎編 -

Shippio
June 02, 2022

プロダクト開発に活きるUXリサーチ - 基礎編 -

Shippioの社内で行った勉強会のコンテンツ、特にインターナルにする意味もなかったので一部ですが共有してみます。

もっと詳しく知りたい方・UXリサーチに興味ある方などいらっしゃいましたら、meetyもやっているのでぜひご連絡下さい^^

UXリサーチに興味ある人はなしましょう!
https://meety.net/matches/hIrrMVsCNVTj

or Twitterもあるのでぜひです。
https://twitter.com/K_Nishito

Shippio

June 02, 2022
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Transcript

  1. プロダクト開発に活きるUXリサーチ - 基礎編 -

    - 顧客理解・仮説検証を全員で行う組織へ -

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  2. 株式会社 Shippio 

    Product Design Manager
    西藤健司(にしとうけんじ)
    @K_Nishito(にしふじ)
    ~ 東京工業大学にてUXに関する研究 & Stanford d.schoolにて1年間のデザイ
    ン思考のプログラムに参画 @US/France/FinlanŸ
    ~ 株式会社ビービットにて、UXデザインコンサルとして従事し、30以上の新
    規事業開発・サービス改善のPJTに携わz
    ~ 株式会社エクサウィザーズにて、AIプロダクトのPdM/UX・UIデザイナとし
    て複数プロダクトの立ち上げ〜グロースに従
    ~ 株式会社Shippioにて、プロダクトデザイン・デザイン組織づくりに従事
    1
    © 2022 Shippio, Inc. All Rights Reserved.

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  3. 2
    チームでUXリサーチを実施する際に注意すべき点・抑えるべきポイン
    トについて理解が深まり、次回以降のリサーチに活かせる
    今回の目的
    › 世の中にあるUXリサーチに関する情報は教科書的なものばかりで、実践面はか
    なり個々人に依存したスキルになっている’
    › 実査のみではなく、準備・分析それぞれ一連の準備が整って初めて質の良い調査
    ができるにも関わらず、案外それらをチームとして連携するって難しい’
    › 今回、私自身今の会社で調査等の相談を受けるときに気をつけていることとか考
    えていることシェアしつつ、UXリサーチに関する業務がもっと効率的になった
    り、品質が高くなったりすると良いなと。
    背景
    背景・目的

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  4. 3
    いきなりですが...

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  5. 4
    5~6名の主婦グループに、「理想のお皿」っ
    てどんなお皿ですか?と聞いてみました。


    様々な種類のお皿がある中で、どのような結
    果になったと思いますか?
    Case: 理想のお皿(1/2)

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  6. 5
    いいと思うのは黒四角お皿。
    でも、持ち帰ったのは白丸のお皿。
    Case: 理想のお皿(2/2)
    おしゃれだし、料理が映えそうだし...
    そこまでちゃんとした料理を作りわけではないし...

    家にあるのは白丸ばかりで、合わせやすいし...
    ←投票結果
    ←持ち帰り

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  7. 6
    メッセージ
    思い込みにならないように。

    成果につながるように。
    (そして最後は結局「愛」です)

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  8. 調査は準備で8割決まる
    徹底的なN1理解と、共感による一般化
    さいごに
    Agenda

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  9. 8
    調査は準備で8割決まる
    9

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  10. 10
    よくある相談
    調査をやるんだけど、何を聞けばいい?

    プロトタイプ作りたいんだけど、お願いしても良い?

    調査結果ってどうまとめるとよいの?
    とりあえずユーザに当ててみよう

    ニーズあるか調査しよう

    新しい機能リリースするから、調査してみよう

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  11. 11
    目的や得たい成果をもーちょいちゃんと定義したい


    → いやな人みたいだけど、

    「問」や「設計」がとても大事 ><

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  12. 12
    調査の流れ
    目的 被験者
    検証ポイント

    仮説
    実査 分析・まとめ
    仮説検証全体像の中で、

    今回明らかにしたいこと
    目的に照らして、

    どんな人を呼ぶべきか
    検証すべきことは?

    そこに対する仮説は?
    どのようにインプットを
    得るか・時間配分
    何が明らかになったの
    か、次に何を活かすか
    1 2 3 4 5

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  13. 13
    大事なこと
    目的 被験者
    検証ポイント

    仮説
    仮説検証全体像の中で、

    今回明らかにしたいこと
    目的に照らして、

    どんな人を呼ぶべきか
    検証すべきことは?

    そこに対する仮説は?
    1 2 3
    実査 分析・まとめ
    どのようにインプットを
    得るか・時間配分
    何が明らかになったの
    か、次に何を活かすか
    4 5
    軽視されがちだけど大事だよ
    実査”前”に、勝負は8割決まっている(かもしれない)ことを意識したい

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  14. 14
    具体で「どんなことをしたか」は次の回。

    今回は原則として”意識できると良いこと”を3つほど

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  15. 15
    調査準備の前提: ①明らかにできることを理解する
    UXリサーチで「証明する」ことはできない。

    あくまで、「成果創出の仮説をアップデートするためのもの」
    あるべき | 仮説の精緻化
    ありがち | Yes/Noの証明
    q ニーズがあることを確かめr
    q 機能が「使われるか」を確かめr
    q “どちらが良いか”を決める
    q この機能を誰が使う/使わないのか、使
    うために何が必要かを理解すr
    q 今後どの順序で登っていけばよいのかを
    明らかにしていく
    (例)
    (例)
    現状使ってくれる
    対象外

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  16. 16
    調査準備の前提: ② どうせ想定通りに行かないことに備える、という意識
    将来、実際に”悪いことが起きたとき”の拠り所になる。

    悪いことが起こるたびにコンセプトレベルで見直したくはない。
    TOPページの

    チャットが使われない...
    悪いこと例 疑い(信じられないポイント)の例
    良さが伝わっていないのではないか

    気づいてもらえていないのではないか
    UI …
    UX … そもそもTOPではなく、一旦自分で調べてからチャット
    に行き着くよう導線を見直すべきなのではないか。
    Concept … 検討深度の深い(ex. “困りごと”を確認する)人は電話だ
    し、浅い人はそもそも我々に相談すらしないのでは?
    Opportunity …
    国内に
    置けるチャット
    活用は
    現状まだ
    早い
    可能性。
    先進的

    イメージよりも
    安心感・信頼性の
    立ち位置が良いのでは

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  17. 17
    調査準備の前提: ③ “成果”を意識した問いを立てる
    ビジネス成果や行動変容を意識した問をたてる。

    そうしないと「Must haveか」がわからなかったりする。
    ニーズが有るか?
    例えば... 良いと思うけど買わないものなどいくらでもあるよね。

    いつどのような状況であれば、どうあれば買うのか、それはなぜかを理解しなければ。
    継続利用(仮)に繋がるか

    実際に使うか・既存行動からスイッチを起こせるか
    あるべき
    ありがち

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  18. 18
    徹底的なN1理解と、共感による一般化
    19

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  19. 20
    メッセージ
    目的 被験者
    検証ポイント

    仮説
    仮説検証全体像の中で、

    今回明らかにしたいこと
    目的に照らして、

    どんな人を呼ぶべきか
    検証すべきことは?

    そこに対する仮説は?
    1 2 3
    実査 分析・まとめ
    どのようにインプットを
    得るか・時間配分
    何が明らかになったの
    か、次に何を活かすか
    4 5
    相談したくなるほど難しい
    実査 ~ 結果のまとめって難しい。意識していることが少しでも足しになれば

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  20. 21
    「とにかく1人を理解すること

    共感をもって一般化すること

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  21. 22
    ④ 実査の前提(1/2)
    目の前の顧客・ユーザを”成果に繋げる”まで考え尽くすこと。

    仮説は大事だけど、仮説に引っ張られすぎないこと。
    矛盾するように見えるかもだけど、 。

    当てはめない、引っ張られすぎない。




    「得たい成果に繋がるな」と理解・共感できるまで聞きつくす。
    仮説は「壊してなんぼ」
    「なぜ壊れたか」を理解するとさらに深まる

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  22. 23
    ④ 実査の前提(2/2)
    初期仮説は「絶対行ける」と思うまで考え尽くすべきだけど、

    「大抵外れる」とも同時に思っておく。
    プロトタイプ作成にかける時間の目安は、「壊れてもショックじゃない」時間が限度
    だめであることを素直に受け入れる。超ショックだけど、こればかりはしょうがない。

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  23. 24
    実査: 大原則(1/3)
    % 意見よりも行動6
    % 現在 > 過去 > 未来6
    % 具体のエピソー
    % 評価を信じな
    % 答えを求めない
    赤信号は渡りません

    痩せたいと思っています(→ ○ xxxをして痩せました)

    どの機能をよく使うか(→ ○ いつ・どう使ったか)

    いいですね。xxxな人にはいいと思います

    こうしたほうが良い、この機能がほしい
    kt ファクトに基づく /意見を信じない

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  24. 25
    実査: 大原則(2/3)
    2. バイアスをかけない /聞き方のステップを考える
    このページの、この写真が明るすぎると感じませんでしたか?
    自発的に語らせる→ 語られなければページについて→ まだ語られなければ写
    真について→ それでも語られなければ写真の明るさについて聞く

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  25. 26
    実査: 大原則(3/3)
    3. “なぜ”を聞けばいいわけではない / 論理的であろうとさせない
    (例)パーカーを買った理由/選定基準を知りたい!! ※ もーちょいいい例あるきがするのですがすみません...
    ②”行動 → 背景・状況”の繰り返し:


    (なぜ)→ 運動するときに着ようと思って

    (行動: 今は何着て運動しているの?)→ 学生の頃着ていたウェア。

    (背景: 今のだと何がだめなの?) → 正直最近全然運動できていなくて...なんかテンショ
    ン上げる&洗濯も楽なもの買えば運動する気になるかなと思った。
    ① なぜを聞くことで、“論理的であろう”とさせてしまう


    (なぜ)→ 運動するときに着ようと思って

    (なぜ)→
    汗が
    乾き
    やすい
    素材だし
    、軽いし
    。色味も好き。

    (なぜ) →
    汗っ
    かきな
    自分にあってると
    思って
    。あとは
    昔か
    らこの
    色も
    好きだか
    らさ。
    q “
    全く
    新しい行動は(
    ほぼ)しない”という
    前提で、
    既存の
    代替手段/行動を
    置き換えた理由を聞
    k
    q &/
    or 「直近で
    その行動をしたのはい
    つ・なぜ
    か・
    その
    頻度」な
    ど具体エピソー
    ドで聞
    きに行く
    ファクトか
    ら深ぼる
    。基本的には行動 → 背景
    ・状況理解の
    繰り返し

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  26. 27
    ④ まとめ(1/2)
    共感を持って一般化する。量で処理しない。
    あるべき
    ありがち
    「確かにそういう状況の人であればそうなる
    ね」ってなりたい。

    2人は絶対使ってくれる。なぜなら彼らはxxxという状況に
    置かれているから。残りの8人との違いはxxxxxで...
    現状使ってくれる
    対象外
    「人数」でロジックを作る

    10人中2人が良いと言っていた。その理由は
    xxxxとxxxxx。

    NGと言っていた理由は、xxxxとxxxがそれぞ
    れ3人ずつ。


    意味がないわけではないけど、定性の良さは
    そこではない。

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  27. 28
    参考)共感の例
    卒業かかった必須科目の筆記試験、

    試験5分前に筆記用具忘れたことに気づいた。

    声をかけられるような友人はこのクラスにはいない。

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  28. 29
    参考)共感の例
    「どうしたの?大丈夫?」って声かけてくれて、

    筆記用具をかしてくれた人

    =
    救世主
    (Lv.100)

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  29. 30
    参考)共感の例
    ターゲットユーザはペンを求めている。
    → どんなペン?何色?シャーペンじゃだめ?何人が言っていたの?大事なのは
    なに?となりがち。
    → ので、“ニーズ(≒ペンを求めている)”ではなく“状況”を理解する

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  30. 31
    ④ まとめ(2/2)
    “共感”できるレベルまで、顧客の状況を理解する

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  31. 32
    さいごに
    33

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  32. 34
    35

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  33. 36
    おしまい。
    まだまだわからないことだらけ。

    今後もどんどんアップデートしていきます。
    参考

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  34. # 仲間募集中
    ↑採用HPはこちら↑

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