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【特別講演】 徹底対談!ビジネスを「変える」、AIとIoTにどう取り組むべきか?【SORACO...

【特別講演】 徹底対談!ビジネスを「変える」、AIとIoTにどう取り組むべきか?【SORACOM Discovery 2024】

AIは社会を"変える"キーテクノロジーであり、この流れを加速するのがIoTです。IoTで得たデータをAIで活用・分析し、ビジネスの判断をする時代がきています。早稲田大学の入山教授、フジテックのデジタル変革を率いCIOの役割定着と情報化社会の発展に尽力する友岡氏、AIの社会実装に取り組む株式会社松尾研究所で経営戦略を担う金氏を迎え、AIとIoTへ取り組むべき理由や踏み出し方を考えていきます。

早稲田大学大学院/早稲田大学ビジネススクール 教授 / 株式会社ソラコム 社外取締役 入山 章栄
株式会社松尾研究所 取締役 経営戦略本部ディレクター 金 剛洙
フジテック株式会社 専務執行役員 デジタルイノベーション本部長 友岡 賢二
株式会社ソラコム 上級執行役員 CEO of Japan 齋藤 洋徳

SORACOM

July 17, 2024
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Transcript

  1. 【特別講演】 徹底対談!ビジネスを「変える」、 AIとIoTにどう取り組むべきか? 早稲田大学大学院/早稲田大学 ビジネススクール 教授 株式会社ソラコム 社外取締役 入山 章栄

    フジテック株式会社 専務執行役員 デジタルイノベーション本部長 友岡 賢二 株式会社松尾研究所 取締役 経営戦略本部ディレクター 金 剛洙 株式会社ソラコム 上級執行役員 CEO of Japan 齋藤 洋徳
  2. 入山 章栄 齋藤 洋徳 モデレーター パネラー パネラー パネラー フジテック株式会社 専務執行役員

    デジタルイノベーション本部長 友岡 賢二様 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授 株式会社ソラコム 社外取締役 入山 章栄様 株式会社ソラコム 上級執行役員 CEO of Japan 齋藤 洋徳 株式会社松尾研究所 取締役 経営戦略本部ディレクター 金 剛洙様
  3. 株式会社ソラコム 上級執行役員 CEO of Japan 齋藤 洋徳 外資系IT企業にてSEとして流通系、保険 系、金融系のお客様を担当。その後アマゾ ン

    ウェブ サービス ジャパンに入社し、営業 としてウェブメディア業界、広告業界、流 通、サービス業界を幅広く担当。2022年4月 1日より執行役員。
  4. 金 剛洙(きむ かんす) 8 2014年 東京大学工学部卒業 2017年 同大学院工学系研究科修了 シティグループ証券株式会社 入社

    2020年 東京大学大学院工学系研究科 松尾研究室 入職 株式会社松尾研究所 入社 主にAIの社会実装の活動に従事 2022年 株式会社松尾研究所 取締役就任 株式会社MK Capital設立/代表取締役就任 (生成AIに特化したVCファンド、PKSHA Technologyと共同運営) 2023年 金融庁特別研究員 生成AIと金融について研究 Twitter kangsoo_kim_
  5. 松尾研によるイノベーションのスパイラル 9 企業との共同研究 (社会実装) 基礎研究 先進的な講義 スタートアップ (やがて大企業に) 成功のノウハウ・ リソース等を大学

    に還元 共同研究をきっかけに 事業創出・起業 技術シーズを育成・ 社会に実装 基礎研究をもとに 高度な教育を提供 座学からOJTへ 共同研究に参画し 社会経験を積む イノベーションのスパイラルを 起こしていく アカデミアの研究内容が、研究それ自体に閉じずに、スタートアップやサービスという形で 世の中に広がり、その経済活動の中で得られたリソースが大学に還流され 一層研究が進んでいくようなエコシステムを東大/本郷で実現する
  6. • これまでのAIと異なる点は? • AIの社内利用や社会実装のイメージは? • 新しいものを取り込むための組織づくりのポイント • IoT × AI

    の関係は?どのような未来が?課題は? 徹底対談!ビジネスを「変える」、 AIとIoTにどう取り組むべきか?
  7. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 情報変換器としての大規模言語モデル 「非定型と定型を高速かつ大規模に行き来することができるようになった」というのが本質的な変化であ る。加えて、必要な文脈を与えることで、人間以上の精度を発揮可能。 情報変換 INPUT OUTPUT 非定型の

    インプット 定型の インプット 非定型の アウトプット 定型の アウトプット LLM 過去の経験から 事前学習 人間 プログラム ・システム 人間が設計 組織のあらゆる情報の変換の過程に、大規模言語モデルを導入 可能。組織のDXが一足飛びに進む可能性がある。 • 日報、報告書、論文、、、 • 問い合わせ、SNS、、、 • 問い合わせへの返答、示唆出し、 PR文章、、、 • 要約・レポートなど • テーブルデータ、数値データ、、、 • APIへのインプットなど • タグ分類、セグメンテーション、 • 評価値、データ、、、 大量のデータから 事前学習 12
  8. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 大規模言語モデルの特徴 すでに事前学習によって汎用的な知能を獲得しているため、人間がそうである様に「少量の高品質なデー タ」を用いることであらゆるタスクや様式に対応することが可能。 これまでの機械学習や深層学習のアプローチ LLMにおけるアプローチ 必 要

    な デ ー タ 量 タスク 必 要 な デ ー タ 量 タスク LLMによる事前学習 • LLMは事前に大量のデータから学習をし ているため、少量でも品質の良いデータ があれば十分。 • 導入を進めることができなかった企業でも 短期で成果を出すことが可能に。 • 勘やコツといった「秘伝のタレ」もAIが理解し て、情報の変換に活用することができるように 変化。 • 「秘伝のタレ」は概念的な抽象論でも AIが理解して挙動に反映。 • 具体例としても、少数の例示があれ ば、エッセンスを理解して、挙動に反 映。 • 特化型のFinetuningを作ることで、一種の プラットフォームになるという展望も。 • 例:人間の感情や健康についての追 加学習により、ヘルスケアの分野で更 にAIを高度化することも可能。 • これまでは特定のタスクを実行させるため には、そのタスクを解くために必要なデータ が大量に必要であった。 • 整形済の綺麗なビッグデータを大量に 準備することのできる企業は多くないた め、導入は限定的であった。
  9. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. 従来のPoCではAIの導入と比べ、生成AIのPoCは「高速に検証して、効果的なものを本番実装」が可 能に。ユーザーは得意・不得意に応じてAIを使い分けていく必要がある 14 AI導入の過程 特徴 効果検証 ・活用

    モデル学習 モデル選定 データ 収集・整備 要件定義 従来は要件定義から活用まで一気通貫 して行うことで効果を発揮 独自モデル構築が優位性に 繋がるため、学習の試行錯誤が必要 要件定義さえ完了すれば、時間のかかるデータ整備や学習をスキップして、 プロンプトでモデルの活用が可能に プロンプトの差し替えで 随時改善が可能に • データ整備やデータ基盤の構築に、 一定の現場負荷、労力・時間が必要 • 課題へアプローチするため、 テーマの選定が肝である • 運用の開始まで長期間を要するが、有効 なテーマに対して独自のモデルが構築で きると競争優位につながる • データや学習を最小限にして、 現場検証をスタートできるため、 省力・高コスパ・安価 • 時間をかけたテーマ選定よりも「多数検 証してから絞り込む」方式へ • 一方で、AIのモデルによる差別化は難し く、ROIを意識する必要がある 従来型 PoC 生成AI 時代の PoC 場合によってはデータ収集から やり直す必要性がある AIの社会実装( PoC)の変化
  10. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. ChatGPTの導入 一般的な活用 文書執筆の支援や ブレストなど ChatGPT活用の段階 3つのステップ。ステップ1から進めていく。 組織専用GPT

    組織内文書を検索可能にし、 プロンプトを工夫する。 問い合わせに情報を参照し て答えられるようになる LLMを使ったDX・ 業務改革 本格的に利用するための 開発を行い 業務フローを変える OpenAIのChatGPTをインストール (PC、スマホ) 組織で入れる場合はMicrosoft Azure等 ガイドラインの策定 スタートアップやベンダーに依頼 (エンジニアがいれば自社で開発 も可能) スタートアップやベンダーに依頼 業務プロセスの変更を含む 大きな開発が必要になる ステップ1 ステップ2 ステップ3 15
  11. ©︎MATSUO INSTITUTE, INC. • 障壁1:大規模言語モデルを使うにしても、どの業務で使うのが最適なのかわからない (ステップ1に進めない) ‒ 社内でブレストしたり、ベンダーからの提案はある ‒ 一方で実際にどこに活用するのが一番インパクトがあるのかについては自信がない

    ‒ 社内の意思決定が中々進まない • 障壁2: ChatGPTを社内に配ってみたが、思ったより使われていない (ステップ2に進めない) ‒ 頑張って社内にChatGPTを導入したが、実際に使っているのは全体の数%の社員だけ ‒ 使われ方としても、要約したり、ブレストに使ったりと限定的 ‒ 思ったほどDXが進んだという感じではない 大規模言語モデルの社会実装の難しさ(私見) 大規模言語モデルの社会実装において、二つの障壁に各社が直面している 16
  12. 生成 AI と IoT の関係 生成 AI 人力 プロンプト 《

    チャットボット 》 IoT デバイス データ + プロンプト 出力・生成 指示・フィードバック 人の代わりに 入力
  13. IoT における生成 AI 活用の方向性 時系列データへの適用 ✔ トレンドの言語化 ✔ 欠落データ発見や補完 ✔

    未来予測 マルチモーダル情報の認識 人以外からのデータ入力 物体認識、 OCR、文字起こし マルチモーダル AI 時系列 基盤モデル SLM (小規模言語モデル) ✔ プロンプト最適化 ― クラウド・LLM への前処理 ✔ 独立動作 ― オフラインファーストデバイス オフライン・LLM 協調 UX 物理世界へのフィードバック 操作アシスト 機械の動作 デジタルツイン データ同士、組織内 DB との結合 整形、意味づけ(マッピング) データ処理の自動化 RAG (検索強化生成)
  14. 松尾研究所と共同でIoT × GenAI Labを設立 • 松尾研究所と共同で設立 • IoTと大規模言語モデル (LLM)を含むGenerative AI

    のエリアに特化 • 新規プロダクト開発、研究開 発、顧客向けのプロフェッシ ョナルサービス提供を行うチ ームを設立 × IoTデバイス IoTデータ IoT × Gen AI テクノロジーの 可能性は無限大!
  15. データの 流れの定義 AI プロンプト センサーやモニタリング機器 外から駆動可能なデバイス カメラや映像デバイス クラウドサービス 外部データ 通知サービス

    GPT-4oでヘルメットを 被っているかどうかチェック 3a パトランプを 点灯 3b 警告を通知 通知サービス 危険エリアのカメラが 人を検知 SORACOM Flux: デバイス・AI・クラウド間の データの流れを自在に制御してIoTアプリケーションを構築
  16. SORACOM の願い クラウド ⇒ 多くの Web サービス SORACOM ⇒ 多くの

    IoT システム 日本から、世界から、たくさんの IoT プレイヤーが生まれますように