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世界的に注目度の上がる「0Gセンシング」- 大規模な産業利用における考慮点 - / SORACOM Engineering Services

世界的に注目度の上がる「0Gセンシング」- 大規模な産業利用における考慮点 - / SORACOM Engineering Services

株式会社ソラコム主催 SORACOM Discovery 2020 ONLINEにて発表された新サービス、低消費電力・低容量データ通信が特徴の 0Gセンシング向けデバイスの開発〜量産を支援する SORACOM エンジニアリングサービス​に関してご紹介しています。

SORACOM

July 14, 2020
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  1. 0Gセンシングとは • 0G • 低速/低容量のアプリケーションに適した通信技術 • 低電力: 高速のセルラー通信の 1/10 (例)

    • 低コスト: 高速のセルラーモデムの 1/10 (例) • 低速/低容量: データサイズ/通信頻度に大きな制約 • Sigfox: サービスエリアがますます拡大 • 0Gセンシング • 0Gの通信技術によって開拓されたアプリケーション領域 • 0Gの短所を補うため、LTE-Mなども相補的に利用
  2. 通信技術の選択 • 通信速度/容量に影響 • 通信速度/容量の制約が、センシング対象/頻度を規定 • Sigfox: 最大 12 Byte

    x 144 回/日 • センシング対象の状態を、細かい粒度で捉えることはできない • LTE-M: 最大 375 kbps • サービスエリアに影響 • Sigfox: 特に人口密集地をカバー/100%ではない • LTE-M: 人のいるところはほぼつながる • Sigfox のサービスエリアを補完する目的で導入することも可能
  3. 通信技術の選択 • デバイスの消費電力に影響 • (ACTIVE時、多くの場合) モデム > センサ/MCU • モデムはデバイスの消費電力を決定づける支配的な部品

    • Sigfox: 通信時、数十 mA 程度 LTE-M: 通信時、百~ mA 程度 • デバイスのコストに影響 • モデム/バッテリーはデバイスのコストに大きく寄与する主要部品 • 通信技術により、モデムのコストは大きく異なる • 消費電力がバッテリー容量に影響し、バッテリーのコストは容量に比例 • デバイスのサイズに影響 • バッテリーはデバイスの容積の多くを占める主要部品 • 消費電力がバッテリー容量に影響し、バッテリーのサイズは容量に比例 モデム 既存デバイスとのIF センサ MCU センサ データ アンテナ バッテリー 給電 給電 給電 制御 センサ データ 制御 0Gセンシングの デバイス構成
  4. デバイス/クラウド間の機能配置 • クラウドでやれることは、クラウドでやる • 0Gデバイスの機能は、設置後の修正が困難 • FW Update のためには、FW(数十KB~)を送る必要がある •

    低速/低容量のため、FWが送れない • クラウドの機能は Update 可能なので、機能をクラウドに寄せる • デバイスの処理量を減らすことで、省電力化 • MCU の稼働を落とすことで、MCU の消費電力を削減 • 低処理量を前提とした、小型/省電力/低コストの Low-End MCU を採用 • デバイスの処理は最低限とし、機能をクラウドに寄せる • デバイスの処理量を減らすことで、コスト削減 • 低処理量を前提とした、小型/省電力/低コストの Low-End MCU を採用
  5. 通信技術を考慮した設計 • Sigfox のパケットサイズ/通信回数 • Uplink: 12 Byte(最大 144 回/1日)

    • Downlink: 8 Byte(最大 4 回/1日) • アプリケーションレベルで制約を考慮せざるを得ない • 情報を絞り込む • データ圧縮 • 例) 時間変化する値は、差分のみ送る • リアルタイム性を求めない • 例) パルス信号は、発生時に送信せず、一定間隔でカウントを送信
  6. 通信技術を考慮した設計 • 通信の信頼性 × 上位プロトコルで、通信の信頼性を担保 • 例) ACKを返して、パケットの到達確認 • 例)

    パケット分割してデータ送信し、抜けを検出したら再送要求 • 制御情報がユーザーデータ/通信回数を圧迫 • Sigfox のユーザーデータ領域は 12 Byte、制御情報に割く余裕がない • Sigfox では通信回数が通信コストに直結、何往復もするのはコスト効率が悪い • Sigfox の Uplink/Downlink は通信回数もパケット到達率も異なる • 双方向の通信で信頼性を担保しようとする仕組みそのものが難しい 〇 100%の信頼性を要求しないアプリケーション設計
  7. 異なる通信技術をサポート • 0G含む、異なる通信技術を収容し、一元的に管理 (-5&( ج஍ہ ηϧϥʔ σόΠε 403"$0."JS GPSηϧϥʔ -P3B

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  8. SORACOM Air バイナリパーサー機能 σʔλసૹࢧԉ 403"$0.#FBN Ϋϥ΢υϦιʔεΞμϓλ 403"$0.'VOOFM σʔλऩूɾ஝ੵ 403"$0.)BSWFTU %BUB

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  9. ઐ༻ઢ Πϯλʔωοτ αʔό" αʔό# Ϋϥ΢υͷ५୔ͳ ϦιʔεͰ҉߸Խ ҆શ )551 ˠ)5514 .255ˠ.2554

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  11. 0Gのリファレンスデバイス • トライアル~本格導入までの各フェーズに対応したラインナップ 製品名 通信回線 概要 写真 Sens’it Sigfox 温湿度/照度センサーなど各種センサーを内蔵し、

    Sigfoxのトライアルに適したリファレンス端末 Sigfox Shield for Arduino (UnaShield V2S) Sigfox Arduinoを拡張してSigfox通信機能を付与するShield、 任意のセンサーと組み合わせてPoCでの利用に最適 ドライコンタクト コンバーター Sigfox IP65、電池寿命5年~により、本格的な産業利用に耐える 接点入力デバイス
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  13. αʔϏε׆༻ࢧԉ *P5γεςϜઃܭ։ൃࢧԉ ϓϩδΣΫτਪਐࢧԉ ιϥίϜαʔϏεͷޮՌతͳ׆༻ٴͼ γεςϜ΁ͷಋೖΛ͝ࢧԉ͠·͢ ΞʔΩςΫνϟઃܭ΍ϓϩτλΠϐϯάΛ ௨ͨ͡γεςϜઃܭ։ൃΛ͝ࢧԉ͠·͢ 403"$0.1SPGFTTJPOBM4FSWJDFT ҎԼ14 ͸ιϥίϜαʔϏεΛ࠷େݶʹ

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  14. SORACOM Engineering Services • 0Gセンシングのデバイス開発~量産を支援 • SPSパートナーの協力により実現 σόΠε ύʔτφʔ ιϦϡʔγϣϯ

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  15. SORACOM Engineering Services • 0Gセンシングにおける、デバイス開発の需要 • 消費電力の削減のため、機能を抑える • デバイスのファームウェアを最適化 •

    利用しない周辺部品をスリープ/電源を落とす • デバイスのハードウェアまで含めた最適化 • 必要十分なスペックの部品を採用/利用しない部品を削除 • デバイス/クラウド間の機能配置の最適化 • センシング対象への取付や、利用環境を考慮した機構設計 • アプリケーションに合わせて、最適なデバイスを開発 • 完全な新規開発には、一定以上の量産台数が求められる • 想定台数に応じて、既存デバイスの活用なども検討
  16. SORACOM Engineering Services • 幅広い0Gセンシングのユースケースに対応 • 630社を超えるパートナー・エコシステムの協力 • SORACOM の知識/経験を活かした最適なデバイス設計

    • SORACOM プラットフォームへの処理のオフロード • 異なる通信技術の使い分け/混在 Sigfox LTE-M 既存デバイス センシング対象 モデム 既存デバイスとのIF センサ MCU センサ データ アンテナ バッテリー 給電 給電 給電 制御 センサ データ 制御 SORACOM Engineering Servicesの対象
  17. 0Gセンシングのシステム構成例 • デバイス~通信~クラウドの各レイヤーで、0Gセンシングを強力にサポート -5&. Ϋϥ΢υ αʔϏε 403"$0. 'VOOFM Ϋϥ΢υΞμϓλʔ 403"$0.

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  18. まとめ • 0Gセンシングの考慮点 • 通信技術の選択 • デバイス/クラウド間の機能配置 • アプリケーションレベルで通信技術を考慮した設計 •

    0Gセンシングに適したSORACOM • 異なる通信技術をサポート • バイナリパーサー • SORACOM Beam • SORACOM Funnel • 0Gのリファレンスデバイス • 0Gセンシングを支援するSORACOM新サービス • SORACOM Orbit • SORACOM Professional Services • SORACOM Engineering Services • SORACOMは、デバイス~通信~クラウドの各レイヤーで、0Gセンシングを強力にサポート