「技術職として歩んできた私がチーム運営を考える上で出会った2冊の本」の補足ともう1冊

Kanazawa.rb meetup #160で発表した資料です。

元になったブログ記事: 技術職として歩んできた私がチーム運営を考える上で出会った2冊の本
https://www.blogaomu.com/entry/2025/12/05/060000

Transcript

1. 「技術職として歩んできた私がチーム 運営を考える上で出会った2冊の本」 の補足ともう1冊 2025-12-20 Kanazawa.rb meetup #160 Takayuki Takagi 1
2. 自己紹介 • Takayuki Takagi (髙木貴之 / ニボシーニョ) • @TAKAyuki_atkwsk / takayukiatkwsk • SRE @ ZOZO • AWS, Kubernetes, Scala, Ruby, Go, etc. • ビール、餃子、サッカー観戦が好き 2
3. 補足ともう1冊の話 3 https://www.blogaomu.com/entry/2025/12/05/060000
4. ブログ記事の背景情報 • いくつかのサービスを担当するSREチーム • 今年の夏にチームリーダーが異動し、別のメンバーが転職 • チームリーダーの業務（一部）やチーム運営をメンバーで分担 ◦ 上位組織のマネージャーがチームリーダーを兼任 4 リ 私 メ メ メ 委 私 メ メ 委 リ 兼
5. ちなみに読んだ本（2冊） 5 引用: https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798184739 引用: https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119946/
6. チーム運営（これまで） • 朝会やふりかえり、プランニング ◦ 司会は持ち回り • チームのミッション・ビジョン ◦ 2年前に決めたが... • チーム目標 ◦ リーダーが草案を出し、みんなで議論、リーダーが集約 • 採用 ◦ リーダーを中心に面接・合否判断 • その他調整 ◦ リーダーがチームの顔として他チームと調整することが多かった 6
7. 課題 次期チーム目標決めと採用は明らかに困るだろうとみん なうっすら思っていた。 これらをどうするかというチームミーティングを通じ、 「チームの方向性が見えてない・はっきりしていない」 ことが根本の課題として浮かび上がった。 7
8. 対応 • チームのミッションを決める ◦ 「われわれはなぜここにいるのか」という問いをメンバーで考えた ◦ 『アジャイルチームによる目標づくりガイドブック』 • ビジョンを描く ◦ ミッションを抱きながら働く先の世界について具体化する ◦ メンバーで言語化しマイルストーンを設定 ◦ 一番近いマイルストーンを目指すところがチーム目標と重なる ▪ このように考えられれば綺麗だが、実際は先に決めた目標と行ったり来 たりしながら考えた 8
9. チーム運営（現在） • 朝会やふりかえり、プランニング ◦ 司会は持ち回り • チームのミッション・ビジョン ◦ みんなで再作成 • チーム目標 ◦ みんなでアイデアを出し、みんなで議論、私（担当）が集約 • 採用 ◦ ミッションを意識したペルソナ、質問集の作成 ◦ 上位組織とのすりあわせ（鉄の三角形） • その他調整 ◦ 必要なところは各メンバーが他チームと調整 9
10. チームの方向性や目標が定まり、 それに向けて自律的に作業できる ようになった 10
11. もう1冊の話 • 『チームレジリエンス』 • 「困難と不確実性に強いチームのつくり 方」という副題が、今のチームに必要な ことだなと思った ◦ 11月くらいから読み始めた • IT系に限らず様々な組織・チームで参考 になり得る 11 引用: https://pub.jmam.co.jp/book/b644902.html
12. チームレジリエンス？ • 困難からの回復、さらには成長も含めた概念 ◦ 困難 = 個人やチームの存在価値・信念・目標達成を脅かすストレス 要因のこと • 困難を乗り越える3つのステップ ◦ 1) 課題を定めて対応する ◦ 2) 困難から学ぶ ◦ 3) 被害を最小化する • とてもシンプル！ 12
13. 3つのステップと今回の動き • 1) 課題を定めて対応する ◦ 困難: チームメンバーが急減、これからのチームがどうなるか分から ない不安に覆われた ◦ 課題: チームの方向性が見えてない・はっきりしていない ◦ 対応: 時間を取って、ミッション・ビジョンを決めた • 2) 困難から学ぶ ◦ ふりかえりを設ける ▪ ミーティング時、月1、期末 • 3) 被害を最小化する ◦ ふりかえりで課題に上がった項目に対するアクション（これから） 13
14. もしかして レジリエンスが備わっている？ 14
15. つよくてニューゲームだったのかも • 今のチームメンバーは経験が比較的豊富 • チームとしての下地はある程度できていた ◦ ふりかえりの習慣 ◦ 率直な意見 ◦ トライに対するポジティブさ ▪ 一回やってみますか的な ▪ もちろんヤバそうなものは止める • 前任者が中心となって整えてくれた • 特異ケースかもしれない • もちろんまだ改善できる部分もある 15
16. まとめ • チームの困難をメンバーで議論し考えながら対応してきた • ミッション・ビジョンを作成し、チーム目標や採用活動とひも付 けて考えられるようになった • 『チームレジリエンス』を読んで参考にしようと思ったが、意外 とできていることもあると気づけた • 困難が降りかかっても回復できるよう、普段からチームとして3つ のステップを意識できるとよい（時間は掛かる） 16