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インパクトからはじめよ

 インパクトからはじめよ

問題が見つけづらい時代に、どうやって問題を見つけるのか。そのためには理想の提示が必要、という『未来を実装する』のインパクトに関する議論の一部を抜き出してスライドにしました。

未来を実装する (Kindle 版)
「インパクトからはじめよ」 — デザイン思考、アート思考、インパクト思考について

Takaaki Umada / 馬田隆明

February 24, 2021
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Transcript

  1. ビジネスにおける志向の変遷 (2) 問題発見のスキル 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考 2010

    年代 2000 年代 問題解決 問題発見 デザイナーの思考技術の民主化 概念:共感、問題定義、アイデア発想、プロトタイプなど ツール:ペルソナ、マップ、作りながら考えるなど
  2. ビジネスにおける志向の変遷 (2) 問題発見の限界 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考 2010

    年代 2000 年代 問題解決 問題発見 「発見しやすい問題は発見されつくした」 ことを実感しつつある
  3. ビジネスにおける志向の変遷 (3) 独自の可能性の提示 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考 🎨

    アート 思考 2020 年代 2010 年代 2000 年代 問題解決 問題発見 可能性の提示
  4. ビジネスにおける志向の変遷 (3) 独自の可能性の提示 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考 🎨

    アート 思考 2020 年代 2010 年代 2000 年代 問題解決 問題発見 可能性の提示 アーティストの思考技術の民主化 概念:自分なりの答え、可能性、意味づけ ツール:?
  5. ビジネスにおける志向の変遷 (3) 可能性の提示の限界 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考 🎨

    アート 思考 2020 年代 2010 年代 2000 年代 問題解決 問題発見 可能性の提示 可能性の提示だけでは社会実装されない (「自分なりの答え」を重視する代わりに、社会を巻き込まない)
  6. ビジネスにおける志向の変遷 (4) 理想を掲げる力 🚩 インパクト 思考 📊 論理的 思考 🧰

    デザイン 思考 🎨 アート 思考 2020 年代 2020 年代 2010 年代 2000 年代 問題解決 問題発見 問題提起と 問題解決 可能性の提示
  7. これからのビジネスパーソンに求められる思考 🚩 インパクト 思考 📊 論理的 思考 🧰 デザイン 思考

    🎨 アート 思考 2020 年代 2020 年代 2010 年代 2000 年代 問題解決 問題発見 問題提起と 問題解決 可能性の提示
  8. CSV 経営と ESG 投資 73 🎁 CSV 経営 🌱 ESG

    投資 🌙 ミッション エコノミー
  9. 77 公共的なミッション に対して 資金が流れつつある + 市民エンゲージメントと パブリックセクターの強化 ミッションエコノミー 資本主義を変えるための ムーンショットガイド

    by マリアナ・マッツカート 『起業家としての国家』の著者 Horizon Europe の中心的人物の一人 Bill Gates の気候変動本でも 「技術、政策、市場の三つを 同時に取り組むべし」と指摘
  10. ロジックモデルの詳細 ロジックモデルのそれぞれの段階では以下のようなものが当て はまる。 100 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ

    ト/実装 アウトカム 開発された 製品や機能 製品によっ て顧客が得 る成果 (例: 時間削 減、省力化、 楽しみ) 社会的な インパクト (自社の ミッション など) 製品開発の 作業 時間やお金、 人など
  11. ロジックモデルの例(任天堂の場合) 任天堂のロジックモデルを書いてみるとこのように整理できる。 101 インプット/ リソース インパクト アクティビ ティ アウトプッ ト/実装

    アウトカム ゲーム機や ゲームソフ ト 子供たちの 喜びや楽し み 任天堂に関 わるすべて の人を笑顔 にする ゲーム機や ゲームソフ トの開発 時間やお金、 人など
  12. より詳細なロジックモデルのフレーム ロジックモデルを使うことで、事業の目指すインパクトやミッ ションから日々の活動の位置づけや今期の目標を整理できる。 103 インプット/資源 アクティビティ アウトプット/実装 アウトカム インパクト 短期的アウトカム

    中期的アウトカム 長期的アウトカム お金 人材 開発 製品 サービス 提供 業務効率 x% 改善 事業や 企業の ミッショ ン 社会的貢 献 x% 顧客利益 x% 増 営業 研究開発 x% 増 新技術の 開発 x% 企業利益 (企業継続) 顧客の厚 生 x%増
  13. 解像度は徐々に高まっていくこともある 良い方向にさえ向かっていれば、徐々に霧が晴れて解像度が高 まってくることもある。 115 インプット/資源 アクティビティ アウトプット/実装 アウトカム インパクト 短期的アウトカム

    中期的アウトカム 長期的アウトカム お金 人材 ? 事業や 企業の ミッショ ン ? 💡 何かを始めて歩き始めることで 解像度高く見えてくることもある
  14. ロジックモデルの隙間を埋めて事業の解像度を上げる 顧客の目の前のデマンドを満たしながら、自分たちのインパク トとの間にある溝を埋めていくのかを考えるのが事業開発。 117 インプット/資源 アクティビティ アウトプット/実装 アウトカム インパクト 短期的アウトカム

    中期的アウトカム 長期的アウトカム お金 人材 事業や 企業の ミッショ ン この間を徐々に 解像度高く 言えるように していく 👍 顧 客 の 目 の 前 の デ マ ン ド さ ら な る デ マ ン ド 長 期 的 な 事 業 目 標 開発 製品A, B, C, D サービス 提供 A,B 営業 企業利益 (企業継続)
  15. インパクトを描いてから実現するまでのステップ 企業が意識するべきなのは以下のようなステップ。 118 1. 理想の未来を描く どのような理想の社会なの か、インパクトを目指すの かを描く。 2. 道筋を描く

    ロジックモデルなどの形で、 最終的なインパクトに辿り 着くための道筋を描く。 単に理想を描くだけではな い点が重要。 3. 巻き込む ロジックモデルを基に、関 係者を巻き込んでコレク ティブインパクトを実現さ せていく。
  16. さらに整理していくための方法論とツールセット 1. 変化経路図 2. アウトカムの測定と評価 3. 因果ループ図 4. アクティビティシステムマップ 5.

    リスクへの対応 6. パワーマップ 7. 既成の変更 8. ソフトローと共同規制 9. 業界団体 10.パブリックアフェアーズ 119