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ICH E10 臨床研究における対照群の設定法 3
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xjorv
February 09, 2021
Education
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ICH E10 臨床研究における対照群の設定法 3
ICH E10は臨床研究における対照群(Control)の設定法についてのガイドラインです。3では、プラセボを対照群として用いる場合についてまとめています。
xjorv
February 09, 2021
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Transcript
ICH E10 臨床研究における対照群の設定法 3 2021/1/15 Ver. 1.0
プラセボ対照 プラセボは色、重さ、味、香りが被験薬と同等 • 複数回投与する場合には、2種のプラセボ*を使用可能 • 通常二重盲検下での研究となる • 並行群間、クロスオーバーのいずれでも使用可能 • 単・増進*・複数用量での検証においても使用できる
• プラセボ自体に治療効果や副作用が生じることもある *Double-dummy、2種の有効成分と2種のプラセボを使用する研究 *Titration、滴定的用量
プラセボ対照: バイアスの最小化 ランダム化と二重盲検が低減策となる • 治療効果による盲検解除が起こる可能性はある • 盲検維持の検証が必要となる • クロスオーバーでは特に注意が必要となる
プラセボ対照の使用可能性と推論の妥当性 プラセボ使用は有効性を示す際には非常に有効 • デザインや実施上の問題は差を示すのを難しくする • 検証自体にデザインや実施の良さの評価が含まれる • 安全性の検証においてもプラセボ使用は非常に有効 • 非劣性・同等性試験における感度の問題は起こりうる
所々の問題を減らすための対照群の改良 倫理的・実施・推論上の問題を減らすために使用する • 対照群の追加 • 既存治療への追加検証 • “Early Escape”処置 •
プラセボ使用時期の制限 • ランダム化した離脱 などの方法がある
対照群の追加 同効能有効成分、用量、要因配置実験などがある • Three-arm*は感度検証を同時実施するのに有用 • 用量応答性にプラセボを追加し、効果の絶対値を調べる • 探索的研究では要因配置実験を行うこともある *同効能有効成分、プラセボ、被験薬を同時に検証する研究のこと
既存治療への追加検証(Add-on Study) 既存治療に追加してプラセボ・被験薬による治療を行うこと • 既存治療が死亡率や罹患率を下げる場合に採用 • 同効能有効成分との非劣性が検証できないときに用いる • 既存治療からの追加の治療効果があることを示す •
既存治療を徐々に減らしていく場合*もある *Replacement Study
Early Escape 一定の治療効果を達成しない患者を治験から外していく方法 • 治療効果の有無や除外条件はあらかじめ決めておく • 除外後は回復のための治療を実施(治療変更)する • 治療変更の必要性がエンドポイントとなる •
比較的短期の効果しか調べられない
プラセボ使用時期の制限 治療の一時期だけプラセボと比較する方法 • 同効能有効成分治療の初期だけプラセボ集団を作成する • 途中からはプラセボ集団なしで実施する
ランダム化離脱(Randomized Withdrawal) 治療の途中でプラセボに割り振る方法 • プラセボに切り替える集団と治療を続ける集団を比較 • 事前の治療は続けられるので、長期応答も調べられる • Early Escapeと合わせて使用可能
• 再発性検証、長期検証困難時、治療期間設定時に有用 • 用量応答性研究にも使用できる