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ICH E11 小児使用が想定される医薬品の臨床研究 2
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xjorv
February 15, 2021
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ICH E11 小児使用が想定される医薬品の臨床研究 2
ICH E11は小児使用が想定される医薬品の臨床研究についてのガイドラインです。2では研究のタイプと年齢層により考慮されるべきことについてまとめています。
xjorv
February 15, 2021
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Transcript
ICH E11 小児使用が想定される医薬品の 臨床研究2 2021/1/20 Ver. 1.0
研究のタイプ ICH E4、E5、E6、E10に従う • 海外データ外挿は内性/外性の要因*の影響を受ける • 成人と同じ効能/効果、病状なら成人データを外挿*できる • 成人データ外挿時には小児での動態・安全性研究が必要 •
血中濃度と薬理が相関しないときは動態だけでは不十分 *内性(intrinsic)は遺伝的な薬理学的特性など、外性(extrinsic)には食生活文化などが該当する *効能の検証に関する研究にのみ適用する
研究のタイプ ICH E4、E5、E6、E10に従う • 血中濃度と効能の関係が不明のときは薬力学研究を行う • 局所使用製剤などでは外挿はできない • 病状や効果に差があれば、小児での効能研究が必要
研究のタイプ: 薬物動態 処方開発や用量決定のために必要 • 処方開発時の動態研究は成人で実施する • 用量決定のための研究は治療対象の病状の小児で行う • 用量と血中濃度に直線性*があれば、単回投与のみでよい •
直線性がなければ、多回投与を含めた研究が必要 *成人での用量応答性研究の結果に従う
研究のタイプ: 薬物動態 処方開発や用量決定のために必要 • 推奨用量は体重あたり*の投与量として示す • 小児では採取血液量をできる限り少なくする *体表面積当たりの量の方が良いときもある。体表面積の誤差などの説明が必要となる
研究のタイプ: 効能 ICH E6、E9、E10に従う • 年齢層に応じたエンドポイント/解析群の設定が必要 • 年齢によってエンドポイントの測定法を最適化する • 慢性疾患では、疾患の期間や成長段階による影響がある
• 新生児への小児効能の外挿は通常難しい
研究のタイプ: 安全性 ICH E2、E6に従う • 年齢層に応じた研究所/臨床結果を必要とする • 意図しない暴露*の情報が用量応答安全性に重要となりうる • 成長に関わるAEは成人とは全く異なる
• 発生に関するAEでは長期の影響の追跡調査が必要となる *誤飲などを指している
研究のタイプ: 承認後情報 小児での臨床実績は承認時には非常に限られている • 長期フォローアップ研究が必須となる • 発生学や薬理学を考慮した年齢層別化が必要となる • 排出変化やエンドポイントでの層別化を考慮する •
長期研究でのカテゴリ変化などを考慮して統計計画を立てる
年齢層 年齢層には以下の定義を用いるのが一般的 • 未熟児 • 新生児 • 乳幼児 • 小児
• 青年期 生後0-27日目 生後28日-23ヶ月 2歳-11歳 12歳-16~18歳
年齢層: 未熟児 性質が小児と大きく異なっており、研究は困難 • 専門家による慎重な計画立案が必須となる • 500gの未熟児と1500gの未熟児で性質が大きく異なる • 早期出産/成長阻害による低体重によっても異なる
年齢層: 未熟児 以下について考慮する必要がある • 妊娠後出産までの日数 • 腎臓・肝臓の排出機能発生 • 蛋白結合と置換の問題 •
CNSへの医薬品の到達 *CNS: Central Nerve System、中枢神経系 • 未熟児固有の病状の有無 • 未熟児固有の感受性の高さ • 急速な成長の影響 • 皮膚からの有効成分の吸収 • 体重と生後日数による層別化 • 血液量の少なさ • 患者の少なさ • 結果検証の難しさ
年齢層: 新生児 未熟児と類似した性質を持つ • 体表面積/体重比が非常に高い • 脳関門の発生が不十分で、CNSに有効成分が到達しやすい • 経口投与の効果が不明瞭/排出が成長とともに変化する •
排出不十分によるAEが起こることがある
年齢層: 乳幼児 CNS、免疫、体成長が起こる時期に当たる • 経口吸収の信頼性が向上し、排出の成長も起きる • 1-2歳では体重あたりの排出率が成人より高くなる • 成長には個人差が発生しうる
年齢層: 小児 排出能は成熟し、体重あたりの排出率が成人より高くなる • 医薬品が成長と発生に与える影響の検証が必要となる • 精神成長の時期にあり、CNS領域医薬品の影響を受ける • 骨成長・体重増加・学校での状態などが因子として使える •
思春期(9歳~)は時期に個人差があり、変化が起こりうる
年齢層: 青年期 性的成熟期にあり、出産能の検証が必要となりうる • 性的成熟に関与するホルモンの影響が出やすい • 引き続き精神成長の時期にある • 思春期投与の影響による身長などへの影響が顕現する •
試験参加時のコンプライアンス*が重要となる *自己で意思決定できるようになるため、治療やプラセボに関する事前知識が研究に影響を与えうる