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ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 1
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xjorv
January 07, 2021
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ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 1
ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。1では研究のタイプと評価項目についてまとめています。
xjorv
January 07, 2021
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Transcript
ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 1 2021/1/5 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 臨床研究実施時の統計の諸問題に関するガイドライン • 個々の手法/トピックへの対応を提供するわけではない • スポンサーが統計についての責任を負う • 統計手法はすべて計画書にあらかじめ記載しておく • 効能などの検証のための統計に関する原則を提供する
• 開発のすべての段階に適用される
ガイドラインの概要 臨床研究実施時の統計の諸問題に関するガイドライン • バイアスを最小化し、正確性を最大化するのが目的 • 統計的な頑強性(Robustness)を示すのが重要 • 確率論的統計を用い、他の方法の使用には説明が必要 *正当な理由があれば、ベイズ統計(Bayesian)も使用できる
開発計画 個々の研究/開発全体での目的の達成が必要となる • 目標や達成基準、意思決定、柔軟性を計画に盛り込む • 個々の研究結果が全体の目的達成に寄与するよう計画する • 統計的要約、メタ解析等が1研究以上の結果解析に有用
検証的臨床研究(Confirmatory Trial) 仮説を事前に立てて検証するタイプの研究 • 効能と安全性の評価は仮説検証で行う • 効果のサイズと有意性を示すのが重要 • 計画書に仮説を記載し、変更を行わないことが重要となる •
個々の研究での検証項目は多くしない
探索的臨床研究(Exploratory Trial) 検証的研究の前に実施する研究 • 事前に目的を設定するが、仮説通りに行かなくてもよい • 研究デザインの柔軟性が必要となる • 効能や安全性評価の証拠とはならない
研究のスコープ: 患者群 初期研究では患者群の選択により結果が大きく異なりうる • 検証的研究ではより一般的な患者を選択し実施する • 除外基準を設けることで、患者群を適切に定義する • 個々の研究ですべての患者群での結果を得ることはできない
主要/副次評価項目 治験目的の達成基準となるパラメータのこと • 主要項目が効能/安全性を示す最も重要なデータ • QOLや健康経済的パラメータも主要項目となりうる • 効能/安全性を示す堅牢な値であることを説明する • 統計解析を行う方法、変数等を計画書に記載する
*Primary/Secondary Variables (Endpoint)
主要/副次評価項目 治験目的の達成基準となるパラメータのこと • 盲検解除後の主要項目の変更は認められない • 副次項目の設定と説明も重要となる • 副次項目の数は限られたものとする
複合的評価項目(Composite Variables) 複数の評価項目をアルゴリズムに従い1つにまとめること • 主要項目を1つにしぼりきれないときに用いる • 多重比較の問題があるため、第一の過誤の調整が必要 • 計画書で評価項目を定義する •
信頼性、妥当性を確保することが重要
Global Assessment Variables 治療全体の安全性や効能を示すために設定されることがある • カテゴリごとの順位付け等が一般的に用いられる • 主観的項目が含まれることが多い • 以下を計画書に記載する必要がある
研究目的との関連性、パラメータの信頼性と妥当性、個々の患者からのデータの使用法 個々のパラメータにおける欠損の取り扱い等
Multiple Primary Variables 複数の主要評価項目を設定する場合もある • 個々の項目が目的達成に必須であることを説明する • 主要な仮説と測定パラメータ、統計への影響を示す • 多重比較が生じる場合には第一の過誤の調整を行う
• 主要項目間内の自己相関を考慮に入れる
Surrogate Variables(代用評価項目) 直接的な効能評価が難しいときに設定する • 臨床での便益を反映するとされているパラメータ • 完全な評価項目としては機能しないことがある • 副作用評価として完全に定量的ではない場合がある
Categorized Variables 連続変数を不連続に変換して評価する場合 • ある閾値を超えるか超えないかで評価する • 計画書で定義し、バイアスが生じないように設定する • 情報ロスがあるため、被験者数計算に影響を及ぼす