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ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 4
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xjorv
January 10, 2021
Education
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ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 4
ICH E9は臨床研究における統計解析の原則に関するガイドラインです。4ではデータの取得、モニタリングと中間解析についてまとめています。
xjorv
January 10, 2021
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Transcript
ICH E9 臨床研究における統計解析の原則 4 2021/1/8 Ver. 1.0
データの取得 治験責任医師が収集したデータをスポンサーに送付する • データは紙でもデジタルデータでもよい • 計画書に従って必要なすべてのデータを収集する • 収集するデータの説明は計画書に十分に記載する • データを取得後、GCPに則って*最終版データを作成する
*GCP(ICH E6)の5.5に従う
治験モニタリングと中間解析 モニタリングには2種類が存在する • 1つは治験の品質を確認するもの • もう1つは中間解析のような、結果の比較を行うもの • 2つは全く異なるので、異なる原則が適用される
治験モニタリングと中間解析 品質確認では以下を検証する • 計画書の遵守、取得データの確実性 • 研究デザインの妥当性、被験者の治験継続 • 盲検・ランダム化の解除を必要としない • 第一の過誤に重大な影響を与えない
治験モニタリングと中間解析 中間解析用のモニタリングでは • 解析のために処置群の比較が必要となる • 処置群データを得るため、盲検解除が必要となる • 中間解析での盲検状態については計画書に記載を必要とする
治験参加・除外基準の変更 計画書に定めたものを募集時期を通じて維持する • 長期研究では参加基準を変えたほうがよい場合もある • 低参加率や基準逸脱など、モニターが見つける場合もある • 統計的に妥当で、盲検を解除しない形で変更を行う • 変更は計画書の改訂として行う
発生確率 長期の発生率を計算するための研究では中間解析が必要 • 想定より発生率が低ければ、原因を特定し、対応する • 研究の検出力を維持し、治験の品質低下を防ぐ • 多施設での研究では、個々の施設ごとに発生率を計算する
サンプルサイズの調整 長期研究では事前予想と検出力が異なってくる場合がある • 盲検下でデータのばらつき、発生率等をチェックする • 事前予想と大きく異なる場合には、サンプル数を再計算する • サンプル数変更については計画書の改訂や報告書に記載する • サンプル数は第一の過誤、信頼区間から説明する
中間解析と早期終了 研究の完了前に処理群間の比較を行うこと • 研究全体の統計に影響する • 十分な計画を立て、あらかじめ計画書に記載する • 計画外の中間解析が必要な場合は計画書を改訂する • 完了時期の決定の場合Group
Sequential Designs*を用いる • 優越性研究や受け入れがたいAEが起こる場合などに採用 *一定数の結果が得られるごとに解析し、p値が設定された第一の過誤より小さければ完了する研究デザインのこと https://www.niph.go.jp/journal/data/60-1/201160010006.pdf
中間解析と早期終了 研究の完了前に処理群間の比較を行うこと • 計画書に中間解析の時期、方法、完了条件を記載しておく • 中間解析計画はデータモニタリング委員会の承認を受ける • 中間解析は完全にConfidential*に行う • 治験に直接関わる人員に対しては盲検を続ける
• 治験責任医師には継続・早期完了の決定のみ伝える *盲検解除が関与するため、治験責任医師、スポンサー(解析に関わらないもの)、治験実施に関わるもの、被験者に対してConfidentialにする
中間解析と早期終了 研究の完了前に処理群間の比較を行うこと • 効能・安全性を検証するためには、治験の完了が必要 • 倫理的問題がある場合には早期終了を考慮する • 安全性・効能の確認は外部委員会*の責任とすることが多い • 計画通りに実施しない中間解析は結果を不明瞭にする
*独立データモニタリング委員会、データ・安全性モニタリング委員会など