ICH M7 変異性不純物 3

ICH M7は変異性（変異原性）不純物に関するガイドラインです。化学合成医薬品に合成途中に混入しうる発がん性リスクのある不純物について考慮すべきことについて記載されています。3では、変異原性不純物の制御戦略や申請についてまとめています。

Transcript

1. ICH M7 変異性不純物 3 2021/2/8 Ver. 1.0
2. 変異原性不純物の制御戦略 製品と工程の理解に従い戦略を決定する • 原料等における制御 • 施設と製造機器による制御 • 製造工程のデザインによる制御 • 工程内検査・工程パラメータによる制御 • 出荷試験等での制御 クラス1、2、3に対しては適切な許容値が必要
3. 有効成分における不純物制御戦略 4つのアプローチを取ることができる • 不純物規格に従った試験における許容値以下の量とすること • 原料・開始物質・中間体で許容値以下の量とすること • 有効成分中の不純物を許容値以下とすること • 工程理解により、制御を必要としない
4. 不純物制御戦略において考慮すべきこと 科学的理解のみではなく、分析による説明が必要 • 製造スケールに依存するかどうか示すのが重要 • 適切なスケールで検証しておく • ALARPの適用は許容値以下なら必ずしも必要ない ＊ALARP: As Low As Reasonably Practicable 実施可能な限り少ない
5. 定期的試験 すべての製造バッチで試験が必要でないときもある • Q6AにPeriodic Verification Testingとして記載 • 適切な条件下のみで適用可能となる • 許容値以下に維持できないときは、全バッチで試験する • CAPAの後に定期的試験に戻すことができるときもある
6. 分解産物の制御 製造・包装・分解経路の理解が重要となる • 長期試験・加速試験により十分に検証しておく • 製品で安定性が低い場合には、処方設計を検討する
7. ライフサイクルマネジメント ICH Q10に従い、製品ライフサイクルを通じた制御を考える • 科学的でかつリスクベースであること • 製品の開発と改善はライフサイクルを通じて続ける • 制御のモニタリングを定期的に行い、確認する • 変更評価・管理の定期点検・統計的監視が重要
8. 文章化: 臨床研究の申請 開発中に検証した変異原性構造について報告する • 14日以下の第1相ではクラス1と2のリスクを示す • 14日以上の第1相ならクラス3のリスクも示す • 第2/3相では(Q)SARを含む、クラス1-3のリスクを示す
9. 文章化: CTD（販売承認申請） ICH M7に従い実施した検証結果を示す • (Q)SARやクラス4、5の検証結果も示す • 細菌での変異原性試験の結果を示す • 規格設定の根拠となる証拠を示す