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ICH Q1A 新規有効成分(原薬)の安定性試験について

xjorv
August 03, 2020

ICH Q1A 新規有効成分(原薬)の安定性試験について

ICH Q1Aは未承認の新規有効成分、もしくはそれを利用した新規製剤の安定性試験実施に関するガイドラインです。このスライドでは新規有効成分(新規原薬)の安定性試験について述べます。

xjorv

August 03, 2020
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Transcript

  1. ICH Q1A 新規有効成分と新規製剤の安定性試験 • 1992年にStep2に移行 • 1993年にガイドライン発行 • 2000年に一度改訂 •

    Q1F*の発行を受けて、2003年に改訂 *気候区分に依存した安定性試験のガイドライン
  2. 原薬: Stress testing ストレス環境下での分解産物の特定を行う • 分解反応経路、原薬安定性の理解につながる • 解析法による安定性評価をバリデートできる • ストレスは温度・湿度*が基本

    • 必要であれば酸化・光分解についても調べる • 溶液のpH・光安定性も同時に行う *温度は10ºCずつ上げて調べ、湿度は75%かそれ以上で調べる
  3. 原薬: 試験の頻度 長期・加速*・中間的試験により異なる • 長期試験 初年度は3ヶ月、2年目は6ヶ月、それ以降は 12ヶ月置きに試験を行う • 加速試験 最初と最後を含む最低3点(0,3,6ヶ月)を調べ

    る。6ヶ月まで行うことを推奨 • 中間的試験 最初と最後を含む最低4点を調べる。12ヶ月ま で行うことを推奨 *高温・高湿度で行う安定性試験のこと
  4. 原薬: 保管条件 試験の種類 保管条件 申請時に必要な 最短の期間 長期試験 25±2ºC/60±5%RH または 30±2ºC/65±5%RH

    12ヶ月 中間的試験 30±2ºC/65±5%RH 6ヶ月 加速試験 40±2ºC/75±5%RH 6ヶ月 中間的試験は必要に応じて*実施する *輸送時の安定性を調べたいとき、長期6Mで規格を外れるような変化が起きたときなど
  5. 原薬: 保管条件(冷蔵の場合) 製品を冷蔵保管する場合には条件が異なる 試験の種類 保管条件 申請時に必要な 最短の期間 長期試験 5±3ºC 12ヶ月

    加速試験 25±2ºC/60±5%RH 6ヶ月 *加速3/6Mで変化があった場合には、長期試験でリテスト期間を決める
  6. 原薬: 保管条件(冷凍の場合) 試験の種類 保管条件 申請時に必要な 最短の期間 長期試験 -20±5ºC 12ヶ月 製品を冷凍保管する場合には加速試験がなくなる

    *短期的に5±3ºCや25±2ºCで処理して、外に出したときの影響を調べておく必要がある -20ºC以下で保管する場合には、その時々に条件を定める