Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験
Search
xjorv
August 24, 2020
Education
0
390
ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験
ICH Q5Cは生物学的製剤の安定性試験についてのガイドラインです。
xjorv
August 24, 2020
Tweet
Share
More Decks by xjorv
See All by xjorv
コンパートメントモデル
xjorv
1
5.4k
コンパートメントモデルをStanで解く
xjorv
0
440
生物学的同等性試験 検出力の計算法
xjorv
0
3.4k
生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
xjorv
0
6k
粉体特性2
xjorv
0
2.4k
粉体特性1
xjorv
0
2.8k
皮膜5
xjorv
0
2.2k
皮膜4
xjorv
0
2.1k
皮膜3
xjorv
0
2.1k
Other Decks in Education
See All in Education
2025年度春学期 統計学 第1回 イントロダクション (2025. 4. 10)
akiraasano
PRO
0
170
Gamified Interventions for Composting Behavior: A Case Study Using the Gamiflow Framework in a Workplace Setting
ezefranca
1
120
SkimaTalk Teacher Guidelines Summary
skimatalk
0
790k
Webリテラシー基礎
takenawa
0
4.5k
Design Guidelines and Principles - Lecture 7 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
0
2.4k
Sponsor the Conference | VizChitra 2025
vizchitra
0
540
미국 교환학생 가서 무료 홈스테이 살면서 인턴 취업하기
maryang
0
110
Are puppies a ranking factor?
jonoalderson
0
820
仮説の取扱説明書/User_Guide_to_a_Hypothesis
florets1
4
300
演習問題
takenawa
0
4.5k
2025.05.10 技術書とVoicyとわたし #RPALT
kaitou
1
210
登壇未経験者のための登壇戦略~LTは設計が9割!!!~
masakiokuda
2
460
Featured
See All Featured
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
53
7.7k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
10
650
Code Reviewing Like a Champion
maltzj
524
40k
Balancing Empowerment & Direction
lara
1
360
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
44
2.4k
Fight the Zombie Pattern Library - RWD Summit 2016
marcelosomers
233
17k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
173
14k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
28
3.8k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
181
53k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
26k
BBQ
matthewcrist
89
9.7k
Transcript
ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験 2020/8/12 Ver. 1.0
生物学的製剤の安定性 化学製剤と異なり、非共有結合の状態が活性に重要となる • 生物学的製剤はタンパクやポリペプチドからなる • 温度・酸化・光・イオン・せん断力の影響を受けやすい • 化学製剤とは異なる保存条件が必要となる
安定性の評価 生物学的製剤特有の評価法が必要となる • 生理活性を測定する • 物理・生物・免疫化学的方法での検証を行う • 効能・純度・品質に影響を与えうる様々な条件で検証する
Q5Cの対象 タンパクとポリペプチドを主な対象とする • 組織や体液、培養細胞から抽出したもの • rDNA*技術を用いたもの • 抗生物質・アレルゲン・ヘパリンなどは含まない • ビタミン、血液や血球成分も含まない
*rDNA: recombinant DNA、組み換えDNA技術のこと
バッチ選択: 有効成分(バルク品) 始めの少なくとも3バッチを対象とする • 製造方法は製品と同じである必要がある • 最終製品と同等のもので実施する • 6ヶ月以上保存するものは最低6Mの結果が申請に必要 •
パイロットで申請すると、後で製造スケールでの結果が必要
バッチ選択: 製造中間体 中間体の品質も担保する必要がある • 中間体を特定し、安定性を確認しておく • 製造スケール変更時の影響を確認する
バッチ選択: 製剤 始めの少なくとも3バッチを対象とする • バルク品ロットが異なっていることが望ましい • 6ヶ月以上保存するものは最低6Mの結果が申請に必要 • 使用期限は安定性試験結果を基に設定する •
パイロットで申請すると、後で製造スケールでの結果が必要 (Commitmentしておく)
サンプル選択 MatrixingやBracketingが使用できる場合がある • バルクが同じで、用量/ユニット/体積などが異なる場合 • どちらも特定の場合のみ使用できる
安定性の指標: Protocol(手順) 申請書類には安定性試験の詳細な手順記載が必要 • 安定性検証のすべての情報が記載される必要がある • 設定予定の使用期限までの安定性試験結果を必要とする • 統計手法は3局ガイドライン*に記載されている *どのガイドラインを指しているのか不明
安定性の指標: Potency(力価) 製品の単位量あたりの効能を示す値のこと • 適切な定量的試験によって示される • 適切な対照を用いたときのみ、研究室間の差を評価できる • 対照サンプルの校正方法*について記載が必要 •
活性に影響を及ぼす補体の結合について評価する *可能であれば、国内/国際的な基準サンプルを基に校正する
安定性の指標: 純度と分子構造の決定 タンパクの修飾のため、純度の特定は著しく難しい • 2つ以上の方法を用いて純度・分解産物を調べる • 電気泳動やクロマトグラフを用いて分解等を検出する • 分解が確認されたときは、そのリスクを評価する
安定性の指標: その他 以下の要素も安定性試験で検証する • 外観 • 目視可能な微粒子 • pH •
水分(凍結乾燥製剤) • 無菌性 • 添加剤の分解 • 包装の影響
安定性試験の条件 通常試験の他、加速/ストレス試験を実施する • 包装容器は通常透湿性を持たないため、湿度は無視してよい • 加速は長期試験の理解のために実施する • ストレス試験は輸送中などの環境を考慮して実施する • 環境の指定はなく、状況に応じて決定する
安定性試験の条件: 光、包装、凍結乾燥 必要に応じて光安定性や包装の影響などを検証する • 包装容器との相互作用について評価する • 包装の影響は方向を変えて保管し、影響を調べる • 複数回利用する液剤などでは使用後の状況も重要 •
凍結乾燥品を溶解させた後の影響も調べる
試験の頻度 有効期限が数日-数年のため、一般的に設定するのは困難 • 0.5-5年のものに関してのみ頻度を設定する • 1年以下なら初めの3ヶ月を毎月、それ以降3ヶ月おきに試験 • 1年以上なら初めの年は3ヶ月、2年目は6ヶ月、それ以降1年 おきに試験
規格(Specifications) 製品ごとに大幅に異なる • 品質を確保できるよう、製品ごとに設定する • 規格は安定性試験の統計結果を基に設定する
ラベル 化学製剤と同様に保管温度、有効期限を記載する • 凍らせない等の特記事項を記載する • 現地の規制当局の指定にしたがい記載する