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ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験
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xjorv
August 24, 2020
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ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験
ICH Q5Cは生物学的製剤の安定性試験についてのガイドラインです。
xjorv
August 24, 2020
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Transcript
ICH Q5C 生物学的製剤の安定性試験 2020/8/12 Ver. 1.0
生物学的製剤の安定性 化学製剤と異なり、非共有結合の状態が活性に重要となる • 生物学的製剤はタンパクやポリペプチドからなる • 温度・酸化・光・イオン・せん断力の影響を受けやすい • 化学製剤とは異なる保存条件が必要となる
安定性の評価 生物学的製剤特有の評価法が必要となる • 生理活性を測定する • 物理・生物・免疫化学的方法での検証を行う • 効能・純度・品質に影響を与えうる様々な条件で検証する
Q5Cの対象 タンパクとポリペプチドを主な対象とする • 組織や体液、培養細胞から抽出したもの • rDNA*技術を用いたもの • 抗生物質・アレルゲン・ヘパリンなどは含まない • ビタミン、血液や血球成分も含まない
*rDNA: recombinant DNA、組み換えDNA技術のこと
バッチ選択: 有効成分(バルク品) 始めの少なくとも3バッチを対象とする • 製造方法は製品と同じである必要がある • 最終製品と同等のもので実施する • 6ヶ月以上保存するものは最低6Mの結果が申請に必要 •
パイロットで申請すると、後で製造スケールでの結果が必要
バッチ選択: 製造中間体 中間体の品質も担保する必要がある • 中間体を特定し、安定性を確認しておく • 製造スケール変更時の影響を確認する
バッチ選択: 製剤 始めの少なくとも3バッチを対象とする • バルク品ロットが異なっていることが望ましい • 6ヶ月以上保存するものは最低6Mの結果が申請に必要 • 使用期限は安定性試験結果を基に設定する •
パイロットで申請すると、後で製造スケールでの結果が必要 (Commitmentしておく)
サンプル選択 MatrixingやBracketingが使用できる場合がある • バルクが同じで、用量/ユニット/体積などが異なる場合 • どちらも特定の場合のみ使用できる
安定性の指標: Protocol(手順) 申請書類には安定性試験の詳細な手順記載が必要 • 安定性検証のすべての情報が記載される必要がある • 設定予定の使用期限までの安定性試験結果を必要とする • 統計手法は3局ガイドライン*に記載されている *どのガイドラインを指しているのか不明
安定性の指標: Potency(力価) 製品の単位量あたりの効能を示す値のこと • 適切な定量的試験によって示される • 適切な対照を用いたときのみ、研究室間の差を評価できる • 対照サンプルの校正方法*について記載が必要 •
活性に影響を及ぼす補体の結合について評価する *可能であれば、国内/国際的な基準サンプルを基に校正する
安定性の指標: 純度と分子構造の決定 タンパクの修飾のため、純度の特定は著しく難しい • 2つ以上の方法を用いて純度・分解産物を調べる • 電気泳動やクロマトグラフを用いて分解等を検出する • 分解が確認されたときは、そのリスクを評価する
安定性の指標: その他 以下の要素も安定性試験で検証する • 外観 • 目視可能な微粒子 • pH •
水分(凍結乾燥製剤) • 無菌性 • 添加剤の分解 • 包装の影響
安定性試験の条件 通常試験の他、加速/ストレス試験を実施する • 包装容器は通常透湿性を持たないため、湿度は無視してよい • 加速は長期試験の理解のために実施する • ストレス試験は輸送中などの環境を考慮して実施する • 環境の指定はなく、状況に応じて決定する
安定性試験の条件: 光、包装、凍結乾燥 必要に応じて光安定性や包装の影響などを検証する • 包装容器との相互作用について評価する • 包装の影響は方向を変えて保管し、影響を調べる • 複数回利用する液剤などでは使用後の状況も重要 •
凍結乾燥品を溶解させた後の影響も調べる
試験の頻度 有効期限が数日-数年のため、一般的に設定するのは困難 • 0.5-5年のものに関してのみ頻度を設定する • 1年以下なら初めの3ヶ月を毎月、それ以降3ヶ月おきに試験 • 1年以上なら初めの年は3ヶ月、2年目は6ヶ月、それ以降1年 おきに試験
規格(Specifications) 製品ごとに大幅に異なる • 品質を確保できるよう、製品ごとに設定する • 規格は安定性試験の統計結果を基に設定する
ラベル 化学製剤と同様に保管温度、有効期限を記載する • 凍らせない等の特記事項を記載する • 現地の規制当局の指定にしたがい記載する