Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ICH Q9 品質リスクマネジメント (1)
Search
xjorv
PRO
September 18, 2020
Education
0
530
ICH Q9 品質リスクマネジメント (1)
ICH Q9は品質リスクマネジメントについてのガイドラインです。品質リスクマネジメントの流れ、手法についての説明となっています。
xjorv
PRO
September 18, 2020
Tweet
Share
More Decks by xjorv
See All by xjorv
コンパートメントモデル
xjorv
PRO
0
4k
コンパートメントモデルをStanで解く
xjorv
PRO
0
250
生物学的同等性試験 検出力の計算法
xjorv
PRO
0
2.5k
生物学的同等性試験ガイドライン 同等性パラメータの計算方法
xjorv
PRO
0
3.7k
粉体特性2
xjorv
PRO
0
1.9k
粉体特性1
xjorv
PRO
0
2.2k
皮膜5
xjorv
PRO
0
1.8k
皮膜4
xjorv
PRO
0
1.7k
皮膜3
xjorv
PRO
0
1.7k
Other Decks in Education
See All in Education
パフォーマンス・チューニング入門
oracle4engineer
PRO
2
350
aportacions valors 2024
cumclavis
PRO
0
100
論文の読み方 / How to survey
kaityo256
PRO
167
110k
Project Sprint 学生版(入門編)
copilot
PRO
0
110
【業務イメージスライド】コンサル_観光業の変化について_セナカインターン
cenaka_intern
0
180
第33回 JAWS-UG札幌 クラウド女子会コラボ 勉強会
nagisa53
2
340
Ch5_-_Partie_3.pdf
bernhardsvt
0
150
LightSail2324
cbtlibrary
0
110
執筆テーマの決め方
sapi_kawahara
1
150
Dolce and Gabbana Light Blue Perfume
vicjon
0
390
HyRead2324
cbtlibrary
0
110
Поступление в ТОГУ 2024
pnuslide
0
26k
Featured
See All Featured
Become a Pro
speakerdeck
PRO
8
4.4k
Designing for humans not robots
tammielis
247
25k
No one is an island. Learnings from fostering a developers community.
thoeni
14
2k
The Success of Rails: Ensuring Growth for the Next 100 Years
eileencodes
28
5.9k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
257
12k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
58
14k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
11
1.4k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
27
6.3k
Optimizing for Happiness
mojombo
369
69k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
19
1.6k
ReactJS: Keep Simple. Everything can be a component!
pedronauck
657
120k
Side Projects
sachag
451
41k
Transcript
ICH Q9 品質リスクマネジメント(1) 2020/9/11 Ver. 1.0
品質リスクマネジメント: 概要 リスクを評価し、制御することは医薬品品質に重要 • リスクとは危害の発生率と重大性である • ステークホルダーごとにリスクの影響は異なる • 患者に対するリスクを最優先として管理する
品質リスクマネジメント: 概要 品質リスクは製造に関するリスクの一部 • 製品ライフサイクルの間、品質は維持・向上する • 品質は臨床試験時のものを保っている必要がある • マネジメントを通じてリスクを特定・制御していく •
リスク発生時の対応にもマネジメントを利用可能
品質リスクマネジメント: 概要 品質リスクマネジメントすべてを常に行う必要はない • 不完全な形での実施も有用 • 完全な品質リスクマネジメントは望ましい • 完全な実施を規制として求めるものではない
ガイドラインの目的 品質リスクマネジメントの基礎と例を示す • 開発・製造・輸送・規制で利用価値がある • 医薬品の形態によらず、適用可能 • 製品のライフサイクルを通じて利用できる
品質リスクマネジメントの基本 品質リスクマネジメントには2つの基本要素がある • 患者を保護するための科学的なリスクの評価 • リスクに応じたマネジメントの過程
品質リスクマネジメントの過程 品質リスクマネジメントは4要素からなる • アセスメント • コントロール • コミュニケーション • レビュー
各段階で適切な決定を行う リスクマネジメントの起案 リスクアセスメント リスクの同定 リスクの分析 リスクの評価 リスクコントロール リスクの低減 リスクの許容 リスクマネジメントの結果 ・ 成果 リスクレビュー レビューイベント リスクコミ ュニケーション リスクマネジメントツール
品質リスクマネジメントにおける責任 品質リスクマネジメントは複数分野のチームで実施する • 各分野と品質リスクマネジメントの専門家が必要 • 意思決定者は組織をまたぐマネジメントに責任を持つ • 責任者は過程の定義・実施・確認を保証する • 責任者は実施に必要なリソースを分配する
品質リスクマネジメントの起案 起案は以下の過程を含む • リスクにおける問題の特定 • 危害の可能性・重大性の背景 • リソース・リーダーの決定 • タイムライン・成果・意思決定の定義
リスクアセスメント 危害の特定・分析・評価の過程のこと • 危害は何なのか? • 危害が起きる可能性はどの程度か? • 危害の重大性はどの程度か? 以下の項目が目的の特定に有用
リスクの特定(Identification) リスクに関与する情報を用いて危害・問題を特定すること • 情報は履歴・分析・意見・ステークホルダーなどを含む • 「危害は何なのか?」の答えを見つけることを指す • リスクマネジメントの第一歩となる
リスクの分析(Analysis) リスクに関与する情報を用いて危害・問題を分析すること • 危害の発生率・重大性を定量的/定性的に特定する • リスクマネジメントツールが使用可能
リスクの評価(Evaluation) リスクの許容範囲とリスク分析結果を比較すること • 3つの項目についての答えをまとめ上げる
リスクアセスメントの精度 データの頑強性と不確実性*が重要 • 頑強性はアセスメント結果の質を上げる • 不確実性はアセスメントの限界を示す指標となる • 不確実性には未知の薬理学・工程情報などが含まれる *RobustnessとUncertainty
リスクアセスメントの結果 リスクを定量/定性的にランク付けする • リスクを高/中/低などに分類/スコア付けする • マネジメントツールで要素を結びつけ、定量化する
リスクコントロール リスクを制御すること • リスクの低減/許容の判断を含む • リスクが重大であるほど、制御にはコストがかかる • Cost-Benefitなどの材料に従い判断を下す
リスクコントロール リスクコントロールでは以下の問題に取り組む • リスクは許容できるレベルにあるか? • リスク低減のためにできることは何か? • 最適なリスク・利点・リソースのバランスは何か? • リスク制御に従う新たなリスク発生はないか?
リスクの低減(Reduction) 許容できないリスクは低減しないといけない • 危害の重大さ・頻度を下げるような対処をとる • 危害の検出性を上げることも含まれる • リスク低減による新たなリスクの発生を再確認する
リスクの許容(Acceptance) 許容可能なリスクを許容することもある • 低減したリスクの残分は許容することもある • リスクが許容できることについて合意が必要 • リスクが許容可能であるかどうかは場合により異なる
リスクコミュニケーション リスクマネジメントの情報を責任者・その他で共有すること • リスクマネジメントのどの段階においても適用できる • リスクマネジメントの過程は文書とし、共有する • その他には規制当局・業界・社内などを含む • 規制の改善などに用いることもできる
リスクレビュー リスクマネジメントの結果を再確認すること • 知識・経験が得られた後に再確認する • 計画的なものと計画されないもの*がある • リスクの重大性にしたがい再確認の頻度を決定する • リスク許容の場合の再考察もレビューに含まれる
*逸脱の検討や回収などにともない発生する場合を指す