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ICH S1A 発がん性研究
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xjorv
October 30, 2020
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ICH S1A 発がん性研究
ICH S1Aは発がん性研究に関するガイドラインです。発がん性を検証するための非臨床研究について述べられています。
xjorv
October 30, 2020
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Transcript
ICH S1A 発がん性研究 1 2020/10/23 Ver. 1.0
ガイドラインの概要 臨床開発前に動物で有効成分の腫瘍誘導性を調べる • げっ歯類で、寿命のある期間投与し続けたときの効果 • 暴露時の遺伝毒性を調べる • 臨床での安全性を確保するために必要
歴史的な背景 6ヶ月以上の臨床試験に日本で必要とされていた • 日本でガイドラインとして1990年に制定されていた • 6ヶ月以下の試験でも、発がん性が考慮される場合は必要 • EUではほぼ同様のガイドラインが存在した • アメリカでは3ヶ月以上の発がん性研究が使用されていた
ガイドラインの目的 動物試験での検証方法について • 適用期間を考慮した試験の実施 • 対象患者数、事前検証、暴露量、内生物質との類似性を考慮 • 適切な研究デザインと実施時期 の各要素を定める
考慮すべき因子: 適用期間 6ヶ月以上の臨床試験実施前には必ず行う • 間欠的に長期投与する場合にも必要 • 長期暴露を引き起こす投与経路にも必要 • 短期適用のもの*には普通必要ない *麻酔薬(anaesthetics)や放射性のイメージング用ラベルなどを指す
考慮すべき原因について 発がん性が疑われる場合には実施を推奨する • 同様の製品で発がん性が見られた場合 • 構造的に発がん性が疑われる場合 • 多回投与で前腫瘍性病変が見られた場合 • 組織への長期暴露で病変が起こる場合
などが疑われる場合にあたる
遺伝毒性 遺伝毒性のある物質では長期非臨床試験を必要としない • ヒトに1年以上投与する場合には慢性毒性試験が必要 • 遺伝毒性の偽陰性を生じないin vivo/vitro研究を必要とする • 複数の遺伝毒性研究を行い、偽陰性の可能性を担保する
推定患者数 発がん性研究は承認申請までに実施する • P3までに実施しなくてよい • 患者数に考慮が必要となる場合には実施する場合もある • 重篤な症状のための医薬品*であれば承認後でもよい • 余命が2-3年となるような場合のものでは必要ない
*他の治療選択肢がない場合
投与経路 動物での投与経路はヒトでのものと同じとする • 一つの投与経路で検証可能なら、その経路で検証してよい • 薬物動態学から正当化する必要がある *他の治療選択肢がない場合
全身への暴露 局所投与の製剤では発がん性研究が必要なときもある • 経皮剤では経口の発がん性検証を必要としない • 光による発がん性研究が経皮剤には必要 • 塩や酸などでは薬物動態学から試験の必要性を決める
内生の蛋白・ペプチドなど 化学合成・生化学合成されたものには配慮が必要 • 内生のものの代わりに投与する場合は不必要 • 治療期間、臨床結果、患者によっては実施を検討する • タンパク修飾・量によっても実施の検討を行う