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ICH S7B QT間隔延長の評価 2
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xjorv
November 23, 2020
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ICH S7B QT間隔延長の評価 2
ICH S7Bは安全性薬理学(Safety Pharmacology)研究の中の、QT間隔延長に関する評価についてのガイドラインです。2では研究の戦略についてまとめています。
xjorv
November 23, 2020
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Transcript
ICH S7B QT間隔延長の評価 2 2020/11/20 Ver. 1.0
非臨床の試験戦略 6段階で実施する • in vitro I kr 測定 • in
vivo QT測定 • 化学・薬理学的性質 • 非臨床・臨床での情報 • フォローアップ研究 • リスクアセスメント
非臨床の試験戦略 有効成分の 化学/薬理学的性質 in vitroでの K輸送活性 in vivoでの QT測定 臨床・非臨床の
情報 リスクアセスメント フォロー アップ研究 リスクの エビデンス
in vitro I kr 測定 Kのイオンチャネル活性を測定する • 自然発現、もしくは誘導したKチャネルのKの流量測定 *hERGというトランスポーターがターゲットになるようだ
in vivo QT測定 QT間隔の測定から再分極を調べる • S7A、S7Bに則って行う • 動物使用を減らしつつ行う
化学・薬理学的性質 有効成分がQT延長を起こす物質と類似しているか • 対照物質の選択、リスクアセスメントに影響する
非臨床・臨床からの情報 非臨床・臨床結果からQTのリスクを分析する • 薬力学・毒性研究・動態 • 薬物間相互作用・組織への分布・蓄積 • 承認販売後のサーベイ
フォローアップ研究 問題があった場合に追加研究を実施する • 特定の問題を検証するためのin vivo/vitro試験を指す • 臨床と非臨床で矛盾した結果が得られた場合などに実施 • 再分極・心電図などを多回投与、代謝物などで調べる
リスクアセスメント フォローアップを含めた結果を検証する • 検証の検出力や特異性、対照との比較 • 再分極への影響と治療効果の比較 • 代謝物によるQT間隔への影響 などを検証する
リスクの証拠 リスクアセスメントの結論となる • 再分極遅延、QT間隔延長のリスクを示す ヒト投与前にリスクを示しておく
実験系 以下を考慮して実験系を構築する • 測定方法、実験のエンドポイントの妥当性 • 測定方法、準備方法の標準化 • 結果の再現性 • ヒトでのリスク検証に必要十分な結果
陽性対照の使用 イオンチャネル活性・活動電位変化を起こす対照が必要 • in vivoでは動物種の感受性に適した用量で用いる • すべてのin vivo試験で必要というわけではない • QT延長が見られる類似物質があれば、それを用いる
in vitroでの電気生理学的研究 QT間隔延長、再分極のメカニズム理解に必要 • 単細胞、複数細胞を用いて行う • イオンチャネルを形質転換した細胞系も利用可能 • Na、Ca、Kの流入・流出を測定する •
ウサギ・モルモット・イヌ・ブタ等の細胞を使用する *ラットやマウスなど、小さい動物はヒトと異なる応答を示すので使わない
電気生理学的研究の解釈 以下を考慮して解釈を行う • 高濃度の有効成分使用による溶け残り • 有効成分のガラスやプラスチックへの吸着 • 膜安定性や毒性のために高濃度使用が制限されるとき • 代謝物による影響
in vivoでの電気生理学的研究 ホルモン・神経系の影響を含めた検証ができる • 普通はQT延長を心電図で測定する • 血圧・心拍数・PR間隔、QRS遅延、不整脈なども検証 • イヌ・サル・ブタ・ウサギ・フェレット・モルモットなど