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日本薬局方-一般試験法 4.03 消化力試験法

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July 06, 2020

日本薬局方-一般試験法 4.03 消化力試験法

消化力試験法とは、消化酵素を有効成分として含む原薬、製剤に適用する試験で、その有効成分が多糖、タンパク質、脂質を分解する能力を調べる方法です。

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July 06, 2020
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Transcript

  1. でんぷん糖化力測定法 アミラーゼによるでんぷんの糖への分解を評価する方法 • 1分間に1mgのブドウ糖相当の還元力増加*をもたらす酵素量を1単位とする • バレイショデンプンの分解を調べる • 試料1mLとでんぷん基質液10mLを混ぜ、37ºCで10分置き、分解させる • フェーリング試液のアルカリ性酒石酸塩液2mLを加え、混ぜる

    • フェーリング試液の銅液2mLを加え、混ぜる • 水浴で15分加熱し、25℃以下に冷却する • 濃ヨウ化カリウム試液2mLと硫酸2mLを加える • 遊離ヨウ素を0.05mol/Lチオ硫酸ナトリウム液で滴定する *ブドウ糖(グルコース)は還元糖なので、でんぷんの分解により還元力が増す ブドウ糖でヨウ素を還元し、遊離したヨウ素を滴定で測定する
  2. タンパク質消化力試験法 プロテアーゼによるカゼインの分解を調べる方法 • ペプチド切断にともなう酸可溶性低分子の量を測定する • 1分間に粘度を半分にする酵素量を1単位とする • 基質溶液5mLと試料液1mLを混ぜ、37℃で10分放置する • トリクロロ酢酸試液を5mL加えて混ぜ、37℃で30分放置する

    • ろ過し、ろ液2mLに0.55mol/L炭酸ナトリウム試液5mLを加える • フォリン試液1mLを加え、37℃で30分放置する • 660nmの吸光度を測定し、消化力を計算する • フォリン試液はタンパク質と反応し青緑の呈色を示す • チロシン標準品を用いて検量線を作成する
  3. 脂肪消化力試験法 リパーゼによるオリブ油の分解を調べる方法 • エステル結合の切断による脂肪酸生成を滴定で調べる • 基質溶液5mL、緩衝液4mL、試料溶液1mLを混ぜ、37℃で20分放置する • エタノール/アセトン混液10mLを加えて混ぜる • 0.05mol/L水酸化ナトリウム液10mLを加えて混ぜる

    • エタノール/アセトン混液10mLを加えて混ぜる • 過量の水酸化ナトリウムを0.05mol/L塩酸で滴定する • 基質となるオリブ油はあらかじめ乳化する • 水酸化ナトリウムで脂肪酸を中和している