2022年4月22日 株式会社万葉の全社集会で発表した内容です。 質問に的確にこたえるためには、まずその背景から理解するといいよという話です。
2022.Apr. 鳥井雪 株式会社万葉全社集会発表資料質問を“聴く”技術
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質問に返ってくる答えには的確な答えと的外れな答えがある 的確な答えの例 的外れな答えの例 何が違うのか? 質問の構造 質問は前提・問題・表に出る言葉 で構成されている 回答前に「前提・問題」を理解する 質問者は「前提・問題」の共有を意識する まとめ今日の話題の流れ
的確な答えと的外れな答え
https://twitter.com/yotii23/status/1506878988748136452 ある日のTwitter(140文字以内で今の心境などを適当にながすミニブログ)のわたしのつぶやき質問に返ってくる答えには的確なやつと的外れな奴がある
なるほどね~。確かに原語と比べてみると、どこで問題が混入したか分かるな。(❤をつける)https://twitter.com/dankogai/status/1506881948030885893的確な答えが返ってくることもある
それはコンピューターが究極的には01の処理をしていることをおっしゃってますか? そういう考え方もできますが今その話してなくてですね、というのも「変数」という言葉が表現するべき抽象レベルはそこじゃないですよね、プログラミングという行為において「変数」という言葉が思考上で担っている役割と言葉の乖離の話をしています、抽象度のレベルの違いががありますね。常にバイト列を意識してプログラミングするわけでないので…(早口)[引用RTで]「いや、変数には数しか入らない」(※スクショは控えさせていただきます。)だが的外れな答えが返ってくることも…
何が違うのか、それは“何を問うているのか”への推察の精度の違いなるほどね~。確かに原語と比べてみると、どこで問題が混入したか分かるな。(❤をつける)それはコンピューターが究極的には01の処理をしていることをおっしゃってますか? そういう考え方もできますが今その話してなくてですね、というのも「変数」という言葉が表現するべき抽象レベルはそこじゃないですよね、プログラミングという行為において「変数」という言葉が思考上で担っている役割と言葉の乖離の話をしています、抽象度のレベルの違いががありますね。常にバイト列を意識してプログラミングするわけでないので…(早口)
前提:今つぶやきの主(わたし)は小学生向けのプログラミングの入門書を書いていて、変数について解説したい 問題:“数”という文字が入っていることで理解の邪魔になりそうつぶやきの背景(前提)と問題
質問の構造
➢ 前提:質問者が置かれている状況➢ 何をしようとしているか➢ どんな知識や経験があるか➢ 興味の焦点はどこか例:小学生に変数の解説がしたいプログラマー➢ 問題:質問者が解決したい内容➢ 何に困っているか例:変数の”数“が用語の実態とずれていて混乱を招きそう➢ 質問文:表にでる言葉例:質問には構造がある
「いや、変数には数しか入らない」(※スクショは控えさせていただきます。)的外れな答え的確な答え的確な答えと的外れな答えの違いは質問の“下部構造”をとらえているか
別に質問文から問題や前提をエスパーする必要はない 分からなければ聞けばよい 「それってxxがしたいってことですか?」 「それが分かると何ができるようになりますか(何が解決しますか)?」(※怯えさせないように)当の質問者も問題が把握できてないこともあるので、対話で理解が深まることもある。急いで回答する前に、「自分は質問者の問題や前提を把握できているか?」と意識することが大事答える前に質問を“聴く”
「AとBを試してみたんですけどうまくいかなくて、Cのやり方を教えてほしいのですが」(前提の共有) 「xxに困っているんですけど、~ですか?」(問題の共有)応用(質問を深堀するとき)➢ 「ちゃんと答えたいのでくわしく聞かせてくださいね、それってxxがしたいってことですか?」(前提の共有)➢ 「質問の意図を掴みそこねたのですが、それが分かると何がうれしいやつですか?」(問題の共有)逆に質問するときは「前提」や「問題」の共有を意識するとスムーズ
まとめ:質問には構造がある。構造の理解を意識するといい回答ができる。
自分が答えようとしているのが質問かどうかも一度立ち止まって考えてもいいかもしれませんね!(有益な知見が得らえたのでわたしは良かったです)Twitterにおける隙隙があったとはいえ、発端のツイートは別に質問じゃなくない???蛇足(あるいは一番大事なこと)
これからも楽しく質問に答えていきましょう!