Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

2026/6/26 第6回韓日リビングラボネットワークフォーラムin世宗 ー未来を作るリビング...

2026/6/26 第6回韓日リビングラボネットワークフォーラムin世宗 ー未来を作るリビングラボー アジアの社会システム転換に向けたリビングラボの可能性

Avatar for Kimura Atsunobu

Kimura Atsunobu

June 25, 2026

More Decks by Kimura Atsunobu

Other Decks in Design

Transcript

  1. 1 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 木村 篤信

    日本リビングラボネットワーク 代表理事 東京都市大学 准教授 地域創生Coデザイン研究所 地域創生アドバイザ アジアの社会システム転換に向けた リビングラボの可能性 2026/6/26 第6回韓日リビングラボネットワークフォーラムin世宗 ー未来を作るリビングラボー
  2. 木村 篤信 Kimura Atsunobu ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究 ヴァーチャル・リアリティや仮想空間(メタバース)、それ にまつわるメディア研究に従事 サービスデザイン研究 テクノロジーを開発するだけでなく、人や社会の真のニーズ を見極め、使いやすく、こころを動かされる体験を設計する

    ための研究 ソーシャルデザイン研究(大牟田リビングラボ、奈良リビングラボ等) 企業だけでなく、地域や当事者といっしょにモノやコトを共 創する方法論(リビングラボ)の研究 地域創生Coデザイン研究所設立(社会システムデザイン方法論を提唱) NTTグループの地域創生専門組織新を立上げ、地域の市民団 体、自治体、企業が、それぞれの役割を超えて共創し、主体 的に地域づくり・地域経営に取り組むための研究、伴走 一般社団法人 日本リビングラボネットワーク設立 日本全国で100以上のリビングラボが立ち上がる中で、欧米の借り物ではない、日本の社 会文化的な背景を踏まえた実践と方法論を探求するコミュニティを運営 日本リビングラボネットワーク 代表理事 東京都市大学 准教授 地域創生Coデザイン研究所 地域創生アドバイザ JST RISTEXケアが根づく社会システム 領域アドバイザ 生駒市 緑の基本計画改定懇話会 有識者 デジタル庁 認定Well-beingファシリテータ 総務省 経営財務マネジメント強化事業 アドバイザ 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャ 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム フェロー ソーシャルビジネスネットワーク フェロー
  3. 3 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Reacent works

    政策イノベーションのためのリビングラボ (教育、介護・予防、雇用、住まい、移動・交通、合意形成・意思決定etc.) (大牟田リビングラボ、佐渡島自然共生ラボ等) 産業・ビジネス開発のためのリビングラボ (デスラボ、渋谷ウェルビーイングラボ等) 地方創生のためのリビングラボ (神山つなぐ公社、天川村リビングラボ等) 公共施設開発・エリマネのためのリビングラボ (こまつリビングラボ、地域リビングラボ調布等)
  4. 4 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 本日のトピックス •現代の日本社会における問題意識

    •社会システム転換に向けたリビングラボ実践 •会議シンギュラリティ ~AIたちと考えるこれからの地域 •Polyphonic Society:さまざまな転換を支える社会システムに向けて
  5. 7 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 人口構造の変化:人口減少社会 日本の総人口の長期的トレンド

    (出所)総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、同「平成12年及び17年国勢調査結果による補間補正人口」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成1 8年12月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布の長期時系列分析」(1974年)をもとに、国土交通省国土計画局作成 人口ボーナス期 人口オーナス期
  6. 8 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 日本のトランジションアジェンダ:「労働供給制約社会」 構造的な人手不足により働き手を補えない「労働供給制約」状況となり、物流、建設・土木、介護、交通、小売、飲食

    などの生活維持サービスが維持できない状況が迫っている。 未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる(2023),リクルートワークス研究所. 「働き手不足1100万人」の衝撃(2024)古屋星斗、リクルートワークス研究所 人口減少、少子高齢化などの影響により、 “構造的な人手不足”に陥っている (地域では喫緊の課題であり、2024年には国やメディアの共通言語化している) 「単なる人手不足論ではない。後継者不足や技能承継難、デジタル人材の不 足などといった産業・ 企業視点からの問題ではなく、「生活を維持するために必 要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という問題意識であ る。」 「労働供給制約社会において最も懸念されるのは、「生活維持サービス」であ る。物流や建設・土木、介護・福祉、接客などの職種は既に需給ギャップが 顕 在化しており、著しい人手不足に陥っている。これは「大変だなあ」ではすまない 問題でもある。こうした職種の供給不足を放置すると、私たちの生活に大きなダ メージを与える可能性が高い」 参議院自民党・政策審議会 ホワイトカラー消 滅: 私たちは働き 方をどう変えるべき か (NHK出版、 2024) 冨山和彦氏 IGPIグループ会長 朝日新聞特集「8がけ社会」 永田町、霞ヶ関、主要な経済団 体の政策・戦略検討において前 提としての位置づけを得るととも に、産業界等のオピニオンリー ダーが公式の場で使い、メディア も特集を組んで報道すること、そ れを共通言語に議論を深めること が起き始めている。
  7. 9 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 日本のトランジションアジェンダ:「生きづらさ」 https://www.nippon.com/en/japan-data/h02193/

    https://news.nate.com/view/20220102n11892 https://www.oecd.org/en/data/indicators/suicide-rates.html 不登校、ひきこもり(Hikikomori)、孤独・孤立、自殺などの 幸せ(Well-being)を実感するのが難しい社会構造の変革が喫緊の課題
  8. 10 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 個別の地域活動や企業サービス、 領域ごとの政策による対応で

    バケツの穴(問題)を事後的に塞ぐ 新しい社会構造(システム)への 転換を志向することで 穴(問題)が生まれづらい状態をつくる + 個別の穴(問題) を防ぐ 社会システムの転換 社会システム転換の必要性 気候変動、不平等、世界の民主化、健康と福祉などの問題に対して、(問題再生産の構造延命に も寄与する)部分的解決ではなく統合的に向き合うために、システム・トランジション、コレクティブイ ンパクト、トランジション・デザイン、システミック・デザインなどの方法論が提唱されている。 e.g.本籍校に復帰できることを目標にする適応指導教室 e.g.人手が足りないので好待遇で採用活動 e.g.クマが出てきたので駆除活動 e.g.学習計画を子どもたち自身が作るイエナプラン教育 e.g.働く人が働きたい地域・力を発揮しやすい職場づくり e.g.クマと人が共生できる自然環境回復に向けた取り組み
  9. 11 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs アプローチ1: 支配的な価値観から新たな価値観への変容

    個人・コミュニティの価値観が変容していくメカニズムの分析モデル:Two Loop Model Wheatley, Margaret and Frieze, D. (2011). Walk Out Walk On: A Learning Journey into Communities Daring to Live the Future. Berrett-Koehler Publishers.
  10. 12 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 事例:トランジションタウン・トットネス(2009~) 概要:

    2005年、化石燃料・気候変動・経済ショックへの対応として、地域の「レジリエンス」「リ ローカリゼーション」を掲げ、Rob Hopkinsら主導して住民主体で行われた変革運動。自 治体は、資金・場所・制度の支援という形で 外部環境を整備する役割を担っていた。 6- 8世帯ごとに各家庭に集まり、個人レベルまたはコミュニティ レベルで実行できる実践的な 行動を検討し、コミュニティ果樹園、コミュニティシネマ、子どもたちが家の外で安全に遊べる プレイストリートセッション、交通渋滞のない路上であらゆる年齢の人が交流したりパーティー をしたりできるセッションなどを実施している(Transition Street)。また、住民主体の社会 的起業も生まれている。 主体:Transition Town Totnes (2009~) 活動: ・エネルギー削減行動計画(Energy Descent Action Plan)を地域で作成・実行 ・市民主導で、食/エネルギー/交通施策などの地元消費プロジェクトを展開し、地域通 貨、スキル共有などを実施。 Transition Streetのほかにも以下がある。 ・Incredible Edible:コミュニティによる食料栽培の取り組み。 ・REconomy Centre:人々が繋がり、スキルや知識を共有できるコワーキングスペー ス。 ・Inner Transition:気候変動による不安や燃え尽き症候群を軽減するために、ボラ ンティアに精神的かつ包括的なサポートを提供するグループ。 その後の展開: 2011年には気候変動対策に貢献する取り組みを表彰する世界有数の賞の一つであるア シュデン賞を受賞。また、トランジションタウンの取り組みは世界43か国に広がり、1000以 上のイニシアティブがあると言われている。(日本では、旧藤野町、葉山町、東京都小金 井市など)
  11. 13 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 課題意識:暮らしの質感を取りこぼした現状の社会システム 暮らしでの問題解決が効率的に発展し過ぎると、システムが自己目的化し、結果として、

    暮らしが棄損される(第二の分水嶺) 暮らしの時間 ・主観的、生成的、多様 ・歴史的な絆、人間、世間 e.g. 自立共生的、生活世界 両方の構造に対して デザイン実践をする立ち位置 システムの時間 ・客観的、計画的、均質 ・政策的経緯、公論 e.g.操作的、システム イヴァン イリイチ(2015)コンヴィヴィアリティのための道具,筑摩書房. 病や老い、死と共に 生きる力を支える医 療 健康が管理対象になり 患者が欠陥と見なされ る医療 学びを通じて主体 的な自己形成を支 える学校 教えられないと学べない という学習不能感が蔓 延する学校 関係性の中での支 え合いから生まれる ケア 制度化され、関係とし てのケアの消失し、仕 事としてのケアになる キーワード ケアのあるべき姿
  12. 14 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs アプローチ2: 現行の社会システムから新たな社会システムへの組み替え

    社会システムが変容していくメカニズムの分析モデル:Multi-level Perspective ①ニッチがボトムアップ から複数立ち上がる ②一部が社会技術 レジームに組み込まれる Geels, F . and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. 人々はしばしば、システム内のプ レイヤーを変えることが変化をも たらす方法だと考えがちだが、真 の梃子(レバレッジポイント) はプレイヤーを変えることでは ない。それはルール、情報の流 れ、目標、そして特にシステムを 生み出す思考様式にある。 Donella H. Meadows(2008), Thinking in Systems: A Primer, Chelsea Green Publishing.(邦題:世 界はシステムで動く)
  13. 15 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs アプローチ2: 現行の社会システムから新たな社会システムへの組み替え

    社会システムが変容していくメカニズムの分析モデル:Multi-level Perspective Geels, F. and Schot, J.(2007)Typology of Sociotechnical Transition Pathways, Research Policy,36(3),pp.399-417. MLPモデルの要諦は、 直接変えづらいマクロ (Landscape)と、 一見変えられないと思われて いるが直接変えうるメゾ (Socio-technical regime)を 分けて理解する視座 直接変えづらい対象 •長期人口動態 •気候変動・自然災害 •国際地政学 •グローバル経済トレンド •社会の価値観の変化 •・・・ 直接変えうる対象 •電力市場制度・規制 •サプライチェーン •企業間の業界標準・ルール •大規模発電・電力網インフラ •消費者の使い方 •・・・ 小室直樹は、制度や慣行 を所与のものとせず、過去 に自分たちが作ったもので あり、変えることができるも のとして認識する必要性を 述べている。 小室直樹(1976)危機の構造 ――日本社会崩壊のモデル.
  14. 16 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 転換すべき社会システムの原理 人々が合わせる社会

    → 人々が自らつくる社会(リビングラボ) ①存在の肯定 (信頼) ②対話的関わり (伴走的関わり) ③自律 責任 グループ・チーム ・コミュニティ 人々が自ら社会・組織をつくる自律型社会 (人=唯一性、主体) 働きかけ 参加 自分の存在には 価値がある 社会は 変えられる 「失敗」の許容 出入り自由 出入り自由 ④他者・社会への ひらかれ・試み ⑤新たなつながり、協 働 ①存在論的不安 ③非自律的 個人 (お上意識、 空気優先) 責任 ムラ的関係・都会的孤独 社会・組織に人々が合わせる管理型社会 (人=代替可能性、客体) 「失敗」への不寛容 ④他者・社会への 無関心 ⑤縦割り・自己責任 ②交換的関わり ・客体的・均質的な制度・環境(cf.第二の分水嶺(イリイチ)) ・自ら関わることが難しい他者・社会 ・人の感性や自然の価値の疎外する文化 ・主体的・物語的な暮らしを許容する制度・環境 ・連帯してよりよく変えていける社会 ・真善美の感覚を涵養する文化
  15. 18 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 福岡県大牟田市 炭鉱最盛期に約21万人(1960)だった人口が、ほぼ半減し、高齢化率は38.2%(2024)となっている。

    10万人以上の都市の中では全国に先駆けて高齢化が進展 その影響もあり「認知症の人とともに暮らすまちづくり宣言」(2005年)を行うなど認知症ケアの先進地域 •明治時代以降、三池炭鉱と石炭化学コンビナートの隆 盛とともに急速な発展を遂げ、わが国の産業・経済の発展 に大きく貢献した。 •現在では、炭鉱最盛期に約21万人だった人口が半減 し、高齢化率は38.2%、10 万人以上の都市においては全 国で 2 番目に高い状況になっている。 •高い高齢化率を背景に、20年以上前から「安心して徘徊 (外出)できるまち」を掲げ、先進的な認知症施策を展開。
  16. 19 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 転換すべき社会システムの原理 認知症の人は拘束

    → 安心して徘徊(外出)できる 1990年代、当時は認知症高齢者の寝たきりが社会問題と なりつつありましたが、多くの病院や施設では身体拘束が当た り前になっており、そこに疑問と憤りを感じていました。(大谷る み子氏) https://chiikisaisei.jp/organization/num-192 大牟田市介護サービス事業者協議会規約 第2条(目 的) 協議会は、介護サービス事業者(以下「事業者」という。)の資質の向 上及び事業者間のネットワーク化を図ることにより、円滑な介護サービス の提供を推進するとともに、介護を必要とする人の日常生活への復帰に 努力し、本人の意思と能力を発揮しうるような人生を最後まで支え続 ける介護環境の確立を目的とする。 閉じ込める・しばる・過剰な薬等ケアなきケアの時代 官民連携による安心して徘徊できるまちづくり
  17. 20 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 原理を支える人間観:人の価値・可能性を信じる 認知症ケアで培ってきた揺るぎない部分は「人間はどんな人だって価値がある人」という人

    間観だと思う(大牟田市 健康福祉部 池田さん) 「自分の体調が予測できないから,計画のたてようがないんですよね」 (認知症当事者であり作家の樋口直美さん) 予防型ケア 予備型ケア できないから先回りしてやってあげる 先取り 失敗は未然に防ぐべきもの 可能性を限定する 当事者の自由や主体性の喪失 問題発生時の対処法を準備しておく 待ち 失敗は起こりうるもの 可能性が開かれている 当事者が挑戦できる
  18. 21 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 人の価値・可能性を信じる社会システムデザインへの転換 引き算のデザイン

    足し算のデザイン 保険など多くの社会制度 予測された未来 未来から逆算され現在 連続・均質な時間 自分の視点で他者を判断 「逆算・先回り」 生きているからだ 予測を超える未来 不連続な生成の先にある未来 不連続・不均質な時間 本人の視点で他者を評価 「可能性を評価,待ち」 ※介護フェスタ トークイベント「動物×人間×福祉=?」(2019)伊藤亜紗さんの講演から引用
  19. 22 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 原理を支える人間観:パーソンセンタード※ 生活者(パーソン)の暮らしを、独立した個人の暮らしとして捉えるのではなく、周りの家

    族や地域の人との繋がりと、その繋がりの中で捉え直されるケイパビリティに基づき、豊か で継続性を持ったナラティブによって成り立っていると捉えるもの 学ぶ 楽しむ 働く 出会う 知る つながる 好奇心 意欲 問題意識 潜在能力 capability つながり connection 人生 narrative 【ビジネス】 マーケティング5.0 【教育】 未来の教室(経済産業省) 【福祉】 地域共生社会(厚生労働省) ※木村ら(2019)パーソンセンタードデザイン:その人らしい暮らしを目 指す人間観に基づくデザイン方法論,日本デザイン学会発表大会概要
  20. 24 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 大牟田市 従来の介護予防施策では

    リーチすることが難しい人がいる (財政的制約も強まる) 企業 企業の意図 「早期検知」という機能検証 から、「自らのことを知る新た な方法のデザイン」という意味 探索へと課題設定を変更 地域住民 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に人が集まらない (高齢者として)これまでの経験や興味を活か して地域に関わる機会がない、多様な形でどんな 人でもいれる居場所がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、高齢 者が仲間を得て、自らのことを 振り返る(知る)過程で意 欲を育み、多様な参加に向 かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ
  21. 25 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs (チラシを貼る) 第4回において、

    睡眠センサーと家電センサーで得た データを「自分の無意識を知るため の情報」として利用 ※参加者にとっても情報提供、セン サー利用に価値がある形にしている •対象者:大牟田市在住の要支援・要介護認定を受けていない65歳以上の方 •募集期間:2019/11/28~2020/1/31・開催期間:2020/1/10~2020/3/13 •サロン申込者(面談参加者):35名/サロン参加者:32名(面談後の辞退:3名)/ センサー設置者:18名(センサー設置辞退:14名) わくわく人生サロン 実施概要
  22. 26 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 「大牟田市高齢者保健福祉計画・第7期介護保険事業計画」 総括時の職員の意見

    「既存活動に関心が 薄い人もいることから、「わくわく人生サロン」 ように自分こ とを語る場を設けるなど 、新たな活動きっかけを作る必要が あると考えます。 」 •地域包括支援センターがリーチすることが難しかった、20年間自宅に引きこもっていた方が参加 •介護保険サービスでは居場所が得られなかった(合わなかった)方の居心地のいい場となる •制度利用がなく生きづらさを抱えている高次脳機能障害のご本人、ご家族への支援を実施 (個別にご本人、ご家族の不安や悩みに寄り添った対応を実施) •配偶者に先立たれた方たちによるピアが生まれる(グリーフケア) •持っている資格やスキルを生かし、地域の課題を解決したいという方が生まれる(例:「防災 士の資格を活かして地域のために活動したい」「子どものための活動をしたい」「大牟田市をアピー ルする商品開発をしたい」などの自発的な言葉がある) •年齢が異なるが同じ大学やサークルに参加していた等「縁」のある人との出会いが生まれる (友人ができる) •前向きな動機をきっかけとして参加し、通所、ピア(グループ)、訪問、家族支援を、個別一 人ひとりの状況に合わせて柔軟に組み合わせて行う「多機能型サロン」とも言える相談支援拠点 の可能性を示唆 •自治体からの資金的な援助を得ることなく開催するモデルを構築(企業との協働) わくわく人生サロン 地域住民にとっての価値 高齢者にとって、自分の経験や興味を起点として地域に関わる機会や、支援されたり、高齢者的なテーマに区切られる ことのない居場所を持つことができ、同じ経験や悩みをもつ人と語らい、意欲が育っていく中で新たなことに取り組もうと する人が現れた
  23. 27 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs わくわく人生サロン 行政にとっての価値

    これまでの行政施策でアウトリーチすることが難しかった人に出会うことができるとともに、住民の主体性/潜在能力を核 に福祉計画全体を考えるという本質的な示唆を得た。そして、この示唆を活かして各施策を実行するために、暮らしの 総合計画ともいうべき大牟田市健康福祉総合計画を、縦割りの行政計画でなく、統合的に地域や生活を捉え直す構 造とした計画として策定した(2020年度)。 ✓ これまで別々に策定されていた、高齢、障害、健康増進、食育など9本の行政計画を、「地域共生社会の実現」という 共通のビジョンに向けて1つにまとめた。 ✓ 概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感してもらうもの」へと位置 付けを変え、親しみやすいイラストを活用し、実際に大牟田で暮らしている人たちのエピソードを紹介する形とした。タイト ルにつけた「うずうず」は、わくわく人生サロンの際に見出した「温まる」を言葉にしたものである。この考え方(感覚)を行 政、市民と共有することを試みている。あわせて、計画策定の大牟田市側の担当者と強く理念を共感できるようにな り、それ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、健康づくり課長)。
  24. 28 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術

    知る意味のデザイン (サービスコンセプトの転換) UI 生活者 知る意味の体験デザイン UX 「疾病を前もって知ること=価値」の社会的合意 疾病の早期検知技術 地域の調剤薬局 睡眠センサー・睡眠レポート 生活者 新規事業における体験デザイン UX わくわく人生サロン 企業にとっての価値 ⚫ 企業としては、これまで開発してきたアルゴリズムをサービスに活かすための土台となる、「(自らのことを) 知る意味のデザイン」の知見を獲得することができた ⚫ この知見をもとに、地域のかかりつけ薬局が地域住民と対話的な関係性を構築し、自らのことを知る体験 (UX)を提供するサービスモデルを提供 出典: https://nemurinomado guchi.nttparavita.com/
  25. 29 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 本人の力を引き出す関わりを実現するリハ職による動機づけ面接 東京都・IHEP

    「短期集中予防サービスを中心とした 介護予防・日常生活支援総合事業の 効果的な実施に向けた手引き」 https://www.fukushi1.metro.tokyo.lg.jp/kaigo_frailty_yobo/tebiki_service-enhancement.pdf 短期集中予防サービス(介護予防・日常 生活支援サービス事業) ・既存の政策経路(介護予防・日常生活 支援総合事業)を活用しつつも、リエイブル メント(元の生活を取り戻すための支援) という原理を志向した週1回・3か月のがリハ 職による動機づけ面接プログラム。 ・原理の実現を担うリハ職を中心に添え、本 人・リハ職・それらの事業を支える行政職員 が、エンパワーメントされる実践の構造に転 換した事例。 ・山口県防府市では、利用者の6割以上が 継続的支援を必要としなくなり、要支援者 サービス費用が2割削減された。 短期集中 予防サービス 2023年度、大牟田市内2箇所の医療機関が、医療経済研究機構・大牟田未来共創センターが協力する形で、 短期集 中予防サービスのモデル事業を実施。成果はポジティブなもので、実務を担った専門職も事業に対する前向きな感触を持っ た。2026年度、大牟田市短期集中予防サービス事業実施業務が公募され、地区ごとに実施される。 リハ職による動機づけ面接プログラム
  26. 30 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 介護・予防:本人の力を引き出す関わりへの転換 ⚫

    介護予防は本人視点では意識することができない概念であることを整理し、本人視点に立ったBeing- well※(本人の力が発揮されている状態)に転換。そのうえで、関わる事業者・団体についても、従来 の医療・介護サービス事業者ではない新たな事業者・団体が担う方向で、企業や地域と協働 要介護状態にならないように 予防する 要介護状態 介護予防 介護が必要な状態になったことがない人にとって、 それを予防するという意識を持つことができない Being-well※(本人の力が発揮されている状態) どのような状態でも、本人の存在が肯定され、 力が発揮されている状態を目指す ※Well-beingが「Well(良い状態)」を先に規定していることに対して、「Being(存在)」を肯定した上で、多 様な「Well(良い状態)」に開かれていることを目指す理念。造語。 高齢者等 • 医療・介護サービス事業者が担う • 制度の構造として、医療や介護が必要な状態 になったほうが収益が上がるため、予防に対す るインセンティブが働かない 要介護状態 高齢者等 一緒に力を引き出す(見出す) ような関わり方 • 医療・介護サービス事業者ではない事業者・団体が担う (新たなビジネス領域の可能性) • 誰もが、どのような状態になっても、社会参加ができるよう機会のユニバー サル化を図る
  27. 31 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 住まい・コミュニティ:「いる」の位相に基づく暮らしづくりへの転換 今後のスマートシティ・スマートホームに関する設計指針を得るために、公営住宅引っ越しに伴うリロケーションダメージなどの

    具体的な課題と向き合う実践に取り組んだ。スマートな先取りによる「ある」の位相では見落とされる、暮らしている人や 地域に根差した「いる」の位相に基づく暮らしのデザインや政策形成への転換の必要性と、Well-beingにつながるアイデ ンティティ形成の具体的なアプローチ(DIY等の住みこなしの実践知)について明らかにした。 新しい住宅のモデルルームを再現し、それを住みこなす体験・対話のプロセスを協働した 住みこなしに必要な家具を、住民と地域の学生が一緒にDIYするプロセスを持った 大牟田市営住宅での調査を通じたWell-being な 住まい・地域づくりのあり方に関する研究報告書より コモンズ・住みこなし 篠原聡子『アジアン・コモン ズ: いま考える集住のつなが りとデザイン』(平凡社、 2021) 篠原聡子 「いる」の世界 石井美保『環世界の人類 学 南インドにおける野生・ 近代・神霊祭祀』(京都 大学学術出版会、2017) 石井美保 伊藤亜紗 予防と予備 伊藤亜紗「予 防から予備へ: 「パーソンセン タード」な冒険の ために」
  28. 32 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 移動・交通:人の意欲をまんなかにしたアクセシビリティの保障 個人

    移動 (モビリティ) 目的 (目的地・機会) 徒歩(移動する力) 自家用車 地域交通(コミュニティバス等) 公共交通(鉄道・バス・タクシー等) 私的 公的 ト レ ー ド オ フ 社会的包摂(地域共生社会) 地域経済活性化・地域活性化 免許返納 少子高齢化 つながり つながり 社会的孤立 フレイル 医療・介護政策 交通政策(狭義) コミュニティ政策 地域包括ケアシステム 産業政策 まちづくり政策 事業者 (医療介護・商業) 福祉輸送(移送) 財政負担増 減便・空白地 医療・介護政策 財政負担増 ※移動制約者は高齢者以外にもいる 移動主体 移動手段 モビリティミックス 経済的制約 •人口カバー率(大牟田市地域公共交通網形成計画より抜粋) 交通政策(狭義) 人を真ん中にした移動・交通政策(広義) ※大牟田市保健福祉部福祉課(2019)地 域包括ケアシステムにおける移動支援のあり方 ,第2回地域包括ケアシステム推進会議資料 公共交通の人口カバー率(鉄道駅 800m、バス 停 300m)が低く、高低差等により移動の困難が 生じやすい地域も存在している
  29. 33 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 就労・雇用:だれもが働きやすいフェアな就労モデル 従来の慣習的な就労モデルが、長時間雇用や職務定義のなさにあることを捉え、(障害者を含めた)働

    き手が就労に向けて一方的に努力するのではなく、採用する企業だけが労働環境を改善するのでもなく、 明確に定義されたジョブで働くことでだれでもが本来業務で関わることができるフェアな就労モデルにより、女 性や高齢者などの多様な働き方を促進するとともに、高度なコミュニケーション能力がある人材への過度な 職務集中に伴う過労や鬱などの健康被害も低減 慣習的な就労モデル ・「長時間働く必要がある」 ・「採用時に職務定義がない」ため、高度 なコミュニケーション能力が求められる フェアな就労モデル「超短時間雇用モデル」 ・「短時間から働くことができる」 ・「ジョブが明確に定義されている」 https://www.oecd.org/social/disability-work- and-inclusion-1eaa5e9c-en.htm 高齢でなく施設入 所していない人 (働ける人)の母 数に対して15%程 度しか就労してい ない(他国に比べ 障害者雇用率が 低い) 神戸市超短時間雇用事例集 https://www.city.kobe.lg.jp/documents/46683/jireisyuu.pdf
  30. 34 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 教育・学び:「できるようになりたい」に寄り添う学校(飛騨市) 日本の教育システム:

    不登校や特別支援を要する生徒が増える 中、教員は過剰労働と、保健医療のスキル を持っていないことにより、「できない」子ども を排除してしまう構造である。 子どもたちは、そのような環境で、より情緒不 安定になり、社会の速度や刺激量が子ども の身体や感覚と合わず、防御反応として不 登校や不適応が現れる。 飛騨市は、子どもたちの「できるようにな りたい」という気持ちに寄り添う作業療法 士と、学校作業療法室を、市内全ての 小中学校に配置 ・視点の転換 子どもを強制して変えるのではなく、子ども と環境・制度のミスマッチとして捉え、環 境・制度を変える ・環境の転換 教員に任せず、環境調整のスキルを持つ 作業療法士を制度変更で配置。さらに、 子どもだけでなく、教員や保護者を支援 ・制度の転換 障がいの程度診断のための医療制度で はなく、グレーゾーンも含めた全ての子ども たちの学校生活のための福祉制度として 運営 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000105.000120394.htm 子どもたちと「作戦」を考えるOT RISTEXプログラムにも採択され、エビデ ンスの収集等による教育システムの確立 と他地域展開を実施 https://www.nagoya-cu.ac.jp/press-news/202510061000/
  31. 36 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 自治体職員 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、

    議論が深まらない ・統合的に政策課題を議論する場がない 企業担当者 企業の意図 複数の生成AIが多様なアイ デアを出す機能検証から、 空気社会において議論が深 まらないという地域の構造的 課題の解決へと課題設定を 変更 地域住民/事業者 複数の生成AIが対話する新たな技術開発を 行っているが、具体的に社会や地域のどの場面で 有用に使えるのかユースケースが見えていない ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付い ている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対 価(資金)を活用し、 地域の統合的な政策課題を 従来の慣習(空気社会にお ける議論の場)から離れて議 論できる仕組みづくり検討 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ 課題の再設定・ 統合的実践
  32. 37 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 複数の生成AIが対話する新たな技術のユースケース探索 NTT研究所が掲げる「技術コンセプト」に対して、

    地域の産業・福祉課題、また意思決定プロセスの課題等の リアリティを踏まえたユースケース・UI・UXの具体化をすることに 大牟田リビングラボが伴走
  33. 38 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック

    地域においても、企業においても、忖度・縦割り・形式的な合意形成によって、実質的な 議論や創発が生まれにくい構造がある(サービスデザインのプロジェクト範疇だと起こりづらいが。。。)
  34. 39 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 権力勾配や認知的不正義の起きやすい地域/組織における 「議論・意思決定」のボトルネック

    たとえば、介護予防がテーマで、医者、看護師、行政職員、市民が議論しているとする と、以下のようなボトルネックが発生する 医師 行政職員 看護師 市民 関係性上、言いたい ことが言えない 専門的な知識が なくて話しづらい 民間人の発言には 気を遣う 権力があり自分だけ の目線で語りがち
  35. 40 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 忖度と縦割りによる 地域/組織における「議論・意思決定」のボトルネック

    空気社会、縦割り構造の日本においては、特に、現場の価値に根差した議論が深まりず らい構造(ボトルネック)がある アイデア出し ディスカッション 意思決定・優先順位付け 意見交換 (ポジショントーク) 目標・目的/論理・根拠 ビジョン・判断基準・制約 議 論 の 広 が り 議論の深まり 地域のイベント (WS等) 多くの審議会・協議会 ・業界団体内 ほとんど存在しない (「意見交換」化している) 意思決定者が決定 地域/組織における「議論」 地域の 審議会 企業の 経営会議 地域の 審議会 企業の 経営会議 アイデアの広がり 当事者参加:多 (市民、現場担当者、ユーザ) 当事者参加:少 当事者参加:なし 磨かれた意見 選ばれた意見 決定された施策 当事者参加:- それぞれ、担う役 割としての意見は ある(公式見解)
  36. 41 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 地域には多くの「会議」がある 一方で、「議論」になりづらい

    (構造的な問題) テクノロジーが発展している 現状、効率化への活用 積極的な議論・意思決定 (やらないことを決める) 「人の可能性を引き出す」 テクノロジーの活用 労働供給制約と呼ばれる構造的な人手不足 地域の議論における構造的問題を解決する「会議シンギュラリティ」 ①大牟田における中小 企業の生産性向上に 向けた施策の検討 ②大牟田における 介護予防施策の検討 議論・意思決定が 必要な地域のテーマ 知識はあるが文脈を読まない AIの発言機能
  37. 42 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs ・本イベントの趣旨説明 ・生成AI技術についての説明

    テーマ:中小企業支援&介護予防 |開会 15分 ・AIたちによるアイデア出し (パート1) ・個人ワーク→グループ内共有→全体共有 |会議前半 40分 |休憩 ・AIたちによる議論 (パート2) ・個人ワーク→グループ内共有 ・グループワーク→全体共有 |会議後半 45分 ・アンケート記入等 |閉会 5分 会議シンギュラリティの流れ
  38. 44 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 人間が安心して発言できる場で「AI同士の発言」を見る効果 AIが余白のある80点程度の発言

    人間側が無礼講状態になり、発言可能な領域が増えた 同じ属性の専門家がAIに付け足す・批判するなど発言が引き出された 通常言いづらい関係でも、AIが 空気を読まずはっきりと批判
  39. 46 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs AI体験デザインのアプローチ 効率性

    創 造 性 これまでにない 可能性を 引き出してくれるAI 前例を踏まえて 妥当な解を 導いてくれるAI
  40. 47 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 議論・意思決定:人の主体性を呼び覚ます会議への転換 ⚫

    地域では人口減少等の影響により、変わらないと持続しないことが明確にもかかわらず、変われない状 況が続いているのは、主体性よりも形式を重視する環境があるためだと分析。生成AIの形式的で空気 が読めないという特性を活用し、人が主体性を取り戻す議論・意思決定の場に転換。 形式的な会議 それぞれの立場の範囲内での発言のみが交わさ れるため、批判による議論の深まりがなく、役割を 超えた解決策や責任主体が生まれづらい 主体性の伴う実質的な会議 「形式的で空気の読めない」生成AIたちのポジショントークを追加すること で、人間の実質的な補足や無礼講発言が引き出され、批判による議論が 生まれ、役割を気にしない、実質的な会議が生まれる 生活者 企業 行政 大学 AI 人 AI 人 生活者 企業 行政 大学 人 人 人 人 AI 人 AI 人 空気・縦割り・ 自己責任・無 関心・他責・・・
  41. 48 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 議論・意思決定:既存の社会システムを転換するポイント AIが余白のある80点程度の発言

    人間側が無礼講状態になり、発言可能な領域が増えた 同じ属性の専門家がAIに付け足す・批判するなど発言が引き出された 通常言いづらい関係でも、AIが 空気を読まずはっきりと批判
  42. 49 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 議論・意思決定:社会システム転換に寄与する生成AI技術開発 (1)技術・社会実装課題

    ・複数の生成AIが多様なアイデアを出す という技術コンセプトが資する、具体的な 社会課題が見えていない (2)生活課題 ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付い ている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない (3)政策課題 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、 議論が深まらず、統合的に政策課題を議論する 場がない (4)課題の捉え返し ・地域の持続に向けた「問題の根源 ※1,2」の議論がないと、多様なアイデアは 無意味 ※1:生活を維持するための労働力を日 本社会は供給できなくなる(古屋) ※2:地域間・男女間の賃金格差や、 様々な場面にある. アンコンシャス・バイアス (無意識の思い込み)(冨山) 技術の 社会実装課題 リアルな 生活・政策課題の把握 人文社会学の知に基づく 課題再設定 現場での統合的な 体験プロトタイピング (5)会議シンギュラリティ それぞれの課題が重なる領域を捉え返し 新たな課題「自分の言葉が出る会議」を 設定 ・具体的な示唆を得ることができる場とし て、知識はあるが文脈を読まないAIの発 言機能を活用した議論・意思決定ができ る会議「会議シンギュラリティ」を企画・開 催
  43. 50 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs Polyphonic Society:

    さまざまな転換を支える社会システムに向けて
  44. 51 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs シンフォニー型社会からポリフォニー型社会(Polyphonic Society)へ

    シンフォニー型社会システム ポリフォニー型社会システム ・客体的・均質的なサービス・環境(cf.第二の分水嶺(イリイチ)) ・縦割り・自己責任で関わりが難しい他者・社会 ・さらに権威主義、空気優先で非自律的になる ・個人の感性等が疎外され増大する不安 ・存在を肯定しあえるの関係性づくり ・対話的・伴走的関わり(ピア)をはじめる ・自律的な表現が芽生え、他者へひらかれる ・自らの感性を信じ、失敗しながら、協働へ ex: 対話(ボーア)、オープンダイアログ 社会・組織に人々が合わせる管理型社会 複数の声はあるが調和へ向かう圧力がある (人=代替可能性、客体) 人々が自ら社会・組織をつくる自律型社会 複数の声が世界(感覚、価値、倫理) を持ち続けている※ (人=唯一性、主体) ※ミハイル・バフチン (1929)ドストエフ スキーの詩学(望 月哲男・鈴木淳一 共訳(1995)).
  45. 52 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 日本国憲法の「幸福追求権(13条)」を体現する社会システム 52

    新たな社会システム(主に政策によるもの) あまねく国民に「自律支援」を提供する仕組み 自然 対話 地域づくり 居場所 機会 人生を通じ、生活に身近な自律を育む土壌づくり ※自生的な取り組み 政府 憲法13条 一人ひとりの 国民 幸福追求の諸条件の確保(義務) 個人としての尊重、幸福追求(権利) 基礎自治体(首長) 子育て支援 教育 介護予防 就労 経営支援 交通 ・・・ 具体的な企画・運営 ※民主主義と資本主義を支える管理型ではない「積極国家」の形。北欧の福祉国家モデルと重なる。 憲法13条を旗印として、政策と自生的な取り組み、セクター、領域を超え、 「自律支援型社会システム(自律支援国家※)」を実現することが必要。 大企業 スタートアップ テクノロジー 民間資金 (インパクト投資等) モデル都市の創出 財政的・政策的支援 (SDGs未来都市の13条 版)
  46. 53 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs <メンバー> 土井真一(憲法学)

    小塩隆士(経済学) 大屋雄裕(法哲学) 唐沢かおり(社会心理学) 熊谷晋一郎(当事者研究) 野家啓一(哲学、物語論) 吉江俊(都市論、都市計画学) 林恭子(当事者、当事者団体) 辰野まどか(教育、国際) 渡邊淳司(テクノロジスト) 松田晋也(医学、公衆衛生) エクトル・ガルシア(文筆家、日本文化) 都竹淳也(岐阜県飛騨市) 平川理恵(元広島県教育長) 松崎亮(コミュニティ) 古屋星斗(労働供給制約) 服部真治(介護予防) 野村実(移動・交通) 内閣府「21世紀日本社会のウェルビーイング・幸福」研究会 日本社会において目指されるべきウェルビーイング・幸福のかたちの考察・提言を目的とした、内閣府の「21世紀日本 社会のウェルビーイング・幸福研究会」を2026年度に実施し、価値体系の再構築と自治体施策への落とし込みを行う 研究会の 目的 当面の 活動予定 • 日本社会において目指されるべきウェルビーイング・幸福のかた ちとその方向付けを考察、提言 研究会の 実施内容 • ウェルビーイング・幸福のかたちとその方向付けの手順 ①大牟田未来共創センター等の実践事例の調査・分析 ②政策の価値体系の再構築 ③具体的な自治体施策への落とし込み • 本研究会の委員との関係性および報告書・動画等を活用し、 全国の首長とのネットワークを構築し、自治体施策展開を推進 内閣府 「公共分野におけるウェルビーイング向上に 係る施策群に関する調査」 2026年12月~3月 2026年4月~9月 内閣府「21世紀日本社会のウェルビーイング・ 幸福研究会」 内閣府経済社会 総合研究所 野村所長 <日本国憲法13条> • 本研究会では、日本国憲法 第13条が定める「すべての 国民は、個人として尊重される」 という理念を立法や国政において 具体化・維持することを目指す 2026年9月~ ・内閣府研究会のその後を推進する団体を設立予定 ・ソーシャルイノベーションの大家であるエツィオ・マン ズィーニ氏を招聘し、公開イベント開催予定 ミラノ工科大学 Ezio Manzini 名誉教授
  47. 54 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs 社会システム転換(トランジション)の方法論 学術的な評価に加え、JST

    RISTEX事業の検討や大企 業組織変革パターンランゲージ、違和感を起点に問いを立 てる教育プログラムなどに展開 既存の社会システム 理念への 問い・対話 違和感/ 当事者性 社会へ 開かれる 新たな 理念 政策的 経緯 役割が解除され 存在が保障される位相 (社会システムが持続的に変革し続ける土壌) 政 策 的 帰 結 システムエラー システムエラー 理念 参加 参加 解除 問い・対話への展開 一人目になる 転換へ 組成・協働 温まる 新たな理念に基づいた 仕組みの実装(プロジェクト) 既存システムの構造・ 理念の把握 背景を捉える 1 2 3 4 ※木村ら (2022)新たな社会構造に転換するための社会システムデザイ ン方法論, 日本デザイン学会 第69回春季研究発表大会. ※Kimura et al.(2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to the Well-being City -, Front. Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8. 海外論文誌採択/国際会議での Selected Paper受賞 株式会社Muture(丸井グループ)の実践知
  48. 55 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs おわりに ともに近代化を果たしてきたた韓日両国。

    しかし今、私たちは「システムをどう高度化す るか」ではなく、「人が人として存在できる社 会をどう取り戻すか」という問いに直面して いる。 それは、効率や管理を否定することではな く、人々の暮らし・感性・関係性・自然との 共生を取りこぼさない、第3の社会システム への転換である。 “人が社会に適応する”時代から、 “人々が自ら社会をつくる”時代へ。
  49. 56 Copyright 2026 Japanese Network of Living Labs リビングラボ関連のPodcast 組織や役割を超えた共創について視聴したい人はぜひご登録ください

    日本初のリビングラボ書籍を刊行し、「リビング ラボ・トーク」を実施。ラジオ、Podcast等を公 開中。 リビングラボML トーク含めた国内のLLイベント情報 7 システム変革に向けた共創を問う Podcast『社会システムデザイン 研究所』 を配信中。 本日のプレゼン 資料はこちら 社会システムデザイン研究所 Podcast